飲食店が人手不足になる理由は?閉店を防ぐために人を集める対策
少子高齢化の影響などにより、日本では深刻な人手不足が続いています。なかでも飲食店は顕著で、アフターコロナからは特に人手不足が目立っています。
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月」によると、非正社員の人手不足割合が最も高い業種は飲食店(64.3%)。昨年(82%)よりも改善しているものの、データからも飲食店が厳しい状況にあることがうかがえます。
今回は、飲食店が人手不足になる理由や、人手不足を解消する対策を紹介します。
出典:帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)
飲食店が人手不足になる理由
飲食店が人手不足になる理由は「労働環境の厳しさ」「給与の低さ」が関係しています。それぞれの理由について詳しく解説します。
労働環境が厳しい
飲食店が人手不足に陥るのは、世間の飲食店に対するイメージの影響が強いといえます。飲食店は「労働時間が長い」「休日が少ない」といったイメージをもたれやすく、労働環境の厳しさから人が集まりにくいのです。
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、「宿泊業、飲食サービス業」の有給取得率は49.1%で最下位。さらに、週所定労働時間も39時間35分と最も長い時間の結果が出ています。他業種と比較して労働環境が厳しいイメージがあることに加え、実態からみても厳しい環境にあることから、人手が集まりにくくなっているのでしょう。
給与が低い
飲食店は「給与が低い」といったイメージをもたれがちです。労働環境が厳しいにもかかわらず、給与が低いことが見合わないと感じられることから、人が集まりにくくなっているのでしょう。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、産業別にみた賃金のなかで「宿泊業,飲食サービス業」は25万9,500円と最も低い結果が出ています。労働環境同様に、「飲食店=給与が低い」といったイメージと実態が合致していることが人手不足に拍車をかけているといえます。
飲食店の閉店を防ぐ。人手不足を解消する対策
飲食店で人手不足が続けば、閉店に追いやられるおそれがあります。閉店を防ぐために実践したい、人手不足を解消する対策を紹介します。
採用活動の幅を広げる
人手不足を解消するためには、採用活動は欠かせません。コストをかけられるのであれば、求人媒体を利用して人を集めましょう。最近はSNSを利用した採用活動も注目されています。職場の雰囲気や魅力などを発信することで求職者アピールでき、ミスマッチも起きにくくなります。
また、正社員や長期アルバイトにこだわらず、短期アルバイトやスポット働いてくれる人材を集めるのも良いでしょう。最近はスポットで人材を確保できるマッチングサービスなどもあるため、そういったサービスを利用してみるのも手です。
労働環境や待遇を整える
労働環境や待遇の改善も重要です。例えば、業務の効率化を進めて従業員の負担を減らす、給与や時給を上げる、資格取得の支援をする、無料のまかないや社員割引などの待遇を用意するなど。競合店とも比較しながら、求職者にとって魅力的な労働環境、待遇を整えることで、人が集まりやすくなります。
飲食店の人手不足を解消して閉店を防ごう
飲食店が人手不足になると営業に支障をきたし、売り上げに影響を及ぼすおそれがあります。人手不足を理由に従業員に無理を強いれば離職につながり、ますます悪循環に陥ることも考えられます。
人手不足によって店舗の質やサービスが低下すれば、客離れが起こり、閉店せざるを得ないおそれもあります。人手不足になった場合は早急に対策を講じ、人を集めましょう。
なお、人手不足の解消が難しく、経営悪化を免れない場合は経営戦略として一度店を閉店するといった方法もあります。その際に検討したいのが居抜き売却(造作譲渡)です。
賃貸契約をしている店舗の場合は、退去時に原状回復の工事費用が発生します。その点、居抜き売却であれば内装や設備が残った状態で売却でき、物件の状態によっては譲渡益を得られる可能性もあります。「買取の神様」では、閉店を検討されているオーナー様の店舗の売却相談・査定を無料で行っているので、お気軽にお問い合わせください。
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