居抜き物件とスケルトン物件の違い7選!飲食店開業で失敗しない選び方を紹介

飲食店を開業する際、「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。どちらの物件を選ぶかによって、開業費用や工事期間、店舗のデザイン性などが大きく異なります。

自分の予算や理想の店舗イメージに合った物件を選ぶことで、開業後の成功確率を高められるでしょう。

この記事では、居抜き物件とスケルトン物件の違いを7つ解説します。この記事を読めば、「居抜き物件」と「スケルトン物件」どちらが自分に合っているかを判断できるでしょう。

なお、居抜き工事とスケルトン工事の違いや、内装費用を抑えるコツを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

目次

【比較表】居抜き物件とスケルトン物件の違い

居抜き物件とは、前テナントが使っていた設備や内装がそのままの状態で引き渡される物件のことです。厨房設備やカウンター、テーブルなどがすでに設置されているため、工事費用を大幅に抑えられます。

一方、スケルトン物件とは、コンクリートむき出しの状態で引き渡される物件のことです。設備や内装を一から作り上げるため、自由度は高いですが初期投資が大きくなります。

ここでは、居抜き物件とスケルトン物件の違いを以下の比較表でまとめました。

比較項目居抜き物件スケルトン物件
1. 内装の状態前テナントの設備や内装がそのままの状態コンクリートむき出しの状態
2. デザインやレイアウトの自由度低い高い
3. 設備の故障リスク高い低い
4. 開業費用抑えられる高い
5. 開業までの期間最短1か月程度3~6か月程度
6. 物件の数多い少ない
7. 退去時の原状回復義務不要スケルトン渡し

それぞれの違いについて、次章から詳しく解説していきます。

【居抜きとスケルトンの違い】1. 内装の状態

居抜き物件とスケルトン物件の最も大きな違いは、物件の内装の状態です。

居抜き物件は、前テナントが使っていた設備や内装がそのまま残されています。前テナントが飲食店の場合、以下のような設備がすでに設置されており、短期間で営業を開始できます。

  • 厨房機器
  • エアコン
  • 照明
  • カウンター
  • テーブル・椅子

一方、スケルトン物件は、建物の骨組み(躯体)のみで、コンクリートがむき出しの状態です。床材や壁材、天井材などもなく、電気や水道の配管も最低限の状態で引き渡されます。

【居抜きとスケルトンの違い】2. デザインやレイアウトの自由度

居抜き物件は、基本的に前テナントの設備や内装の配置を引き継ぐため、デザインの自由度が低くなります。厨房や客席の位置、電気・水道の位置などが決まっているため、自分の希望と合わないケースもあります。

居抜き物件は制約があるものの、既存の雰囲気を上手に活かせば、魅力的な店舗に仕上げられるでしょう。

一方、スケルトン物件は、何もない状態からスタートするため、デザインやレイアウトの自由度が高いです。

厨房の位置や動線の設計など、すべて自分の理想に合わせて設計できます。ブランドイメージやコンセプトを反映した、オリジナリティあふれる店舗を作ることが可能です。

スケルトン物件は、デザインやレイアウトの自由度が高いですが、設計力が店舗の完成度を左右させるでしょう。

【居抜きとスケルトンの違い】3. 設備の故障リスク

居抜き物件では、前テナントが使っていた設備をそのまま引き継ぐため、故障リスクが高くなります。前テナントが使っていた年数やメンテナンス状況によっては、厨房機器や給排水設備などが開業後すぐに故障する可能性も考えられます。

とくに飲食店では、冷蔵庫やガスコンロなどの厨房機器が故障すると、営業に大きな支障をきたすため、事前の点検が不可欠です。

一方、スケルトン物件では、すべての設備を新品で導入するため、初期の故障リスクはほとんどありません。メーカー保証もついているため、万が一故障しても安心です。

また、自分で選んだ設備を導入できるため、操作や特徴を把握しやすいメリットもあります。

なお、飲食店の設備基準は、食品衛生法に基づき、各自治体で定められています。施設基準の全体像を知りたい方や、東京都で飲食店開業を検討している方は、以下もあわせてご覧ください。

参照:厚生労働省|施設基準の全体像

参照:東京都福祉保健局・保健所|食品関係営業許可申請の手引

【居抜きとスケルトンの違い】4. 開業費用 

開業費用は、居抜き物件とスケルトン物件で大きく異なります。

居抜き物件の内装工事費用は、平均15~30万円/坪程度です。既存の設備や内装を活用できるため、大規模な工事が不要で費用を抑えることが可能です。

軽微な改装や清掃、一部の設備の交換程度で済むことが多く、初期投資を最小限に抑えたい方に向いています。

一方、スケルトン物件の内装工事費用は、平均30~50万円/坪程度かかります。床材や壁材などの施工から始まり、インフラ工事や厨房設備の設置など、すべてを一から行うため、まとまった費用が必要です。

グレードの高い内装材や特殊な設備を使用する場合は、さらに費用がかかり、1,000万円を超えるケースもあります。

開業費用を抑えたい方は居抜き物件、十分な資金がありこだわりの店舗を作りたい方はスケルトン物件が適しているでしょう。

【居抜きとスケルトンの違い】5. 開業までの期間

開業までにかかる期間も、居抜き物件とスケルトン物件で大きく異なります。

居抜き物件の場合、最短1か月程度で開業が可能です。既存の設備や内装がそのまま使用できるため、軽微な改装や清掃、営業許可の取得などを済ませれば営業できます。

早期に開業することで、家賃などの固定費の負担期間を短縮できるというメリットもあります。

一方、スケルトン物件では、平均3~6か月程度の工事期間が必要です。設計から施工まですべてを一から行うため、時間がかかります。

工事期間中も家賃は発生するため、開業までの期間が長いほど、費用の負担も重くなります。また、工事の遅延リスクもあるため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。

資金繰りの観点から、早期の開業を目指す場合は居抜き物件、時間をかけてもこだわりの店舗を作りたい場合は、スケルトン物件を選びましょう。

【居抜きとスケルトンの違い】6. 物件の数

居抜き物件とスケルトン物件の数においても、両者で差があります。ここでは、数多くの店舗物件を取り扱っているサイト「居抜きの神様」の情報を見ていきましょう。

「居抜きの神様」では、2025年9月時点で4,220件の物件を掲載しています。そのうち、居抜き物件はおよそ3,690件にもおよびます。

一方、スケルトン物件の掲載はわずか285件しかありません。

物件数の多さは、選択肢の幅に直結します。居抜き物件では立地や条件にこだわって選べますが、スケルトン物件では、希望条件を満たす物件が見つかるまで時間がかかる可能性があります。

幅広い選択肢のなかから比較検討して物件を選びたい方は居抜き物件、時間をかけてでも理想の物件を見つけたい方は、スケルトン物件を中心に探すと良いでしょう。

【居抜きとスケルトンの違い】7. 退去時の原状回復義務

居抜き物件の場合、退去時は設備や内装を次のテナントに引き継ぐことが多いため、原状回復義務は不要なケースが多いです。

一方、スケルトン物件の場合、退去時にスケルトン状態に戻す「スケルトン渡し」が原則です。入居時と同じコンクリートむき出しの状態まで撤去工事を行う必要があり、相当な費用がかかります。

ただし、居抜き物件であっても、契約によってはスケルトン渡しが求められる可能性もあります。そのため、契約前に退去時の取り決めについても詳しく確認し、契約書に明記しておきましょう。

\東京・千葉・埼玉・神奈川エリア/
関東の居抜き物件をお探しの方はこちら

\大阪・京都・兵庫エリア/
関西の居抜き物件をお探しの方はこちら

居抜き物件・スケルトン物件の選び方

ここでは、これまで解説した居抜き物件とスケルトン物件の7つの違いを踏まえて、居抜き物件とスケルトン物件それぞれに向いている方の特徴を紹介します。

居抜き物件はこんな方におすすめ!

居抜き物件は、以下のような方におすすめです。

  • 開業費を抑えたい方
  • 早期に開業したい方
  • 内装や設備にこだわりがない方
  • 新規で開業する方

居抜き物件は、前テナントから引き継いだ設備や内装を活用することで、数百万円単位で費用を削減できます。改装工事も最小限で済むため、最短1か月程度で早期に開業できるでしょう。

また、新規で開業する方は、まずは居抜き物件で経験を積むことをおすすめします。費用負担が少ないため、リスクを抑えたうえで新規事業を立ち上げられるためです。

内装や設備に特別なこだわりがない方は、居抜き物件の既存の雰囲気を活かすことで、コストパフォーマンスに優れた店舗づくりができるでしょう。

居抜き物件でも、工夫次第で魅力的な店舗づくりが可能です。ただし、設備の状況確認や契約内容の精査は慎重に行いましょう。

なお、居抜き物件のトラブル例と対策について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

スケルトン物件はこんな方におすすめ!

スケルトン物件は、以下のような方におすすめです。

  • 店舗づくりにこだわりたい方
  • 長期にわたって営業を考えている方
  • 店舗運営のノウハウが豊富な方

店舗のイメージや独自のコンセプトを持っているなど、店舗づくりにこだわりたい方はスケルトン物件が適しています。初期投資は高額ですが、愛着のある店舗で長きにわたって営業を続けられます。

また、複数店舗の運営経験がある方や、確立されたビジネスモデルを持っている方など、店舗運営のノウハウが豊富な方にもスケルトン物件はおすすめです。

居抜き物件を探すには「居抜きの神様」を活用しよう!

居抜き物件をお探しの方には、居抜き物件を数多く取り扱っているサイト「居抜きの神様」の活用がおすすめです。

「居抜きの神様」は、東京近郊や大阪エリアを中心に、4,000件以上の物件情報を取り扱っています。

「居抜きの神様」に会員登録をすると、一般には公開されていない物件情報を入手できます。競合他社では掲載されていない好条件の物件に出会える可能性が高くなるため、有効に活用しましょう。

会員登録は無料で、新着物件があればメールで通知が届くため、物件情報をうっかり見逃す心配はありません。自分に合った居抜き物件を効率良く見つけたい方は、「居抜きの神様」に会員登録し、物件をチェックしましょう。

居抜きの神様の会員登録はこちら

まとめ

居抜き物件とスケルトン物件の違いや、それぞれに向いている人の特徴を解説しました。

居抜き物件は初期費用を抑えて早期開業ができますが、デザインの自由度は制限されます。一方、スケルトン物件は高額な初期投資が必要ですが、理想の店舗づくりが実現できます。

どちらを選ぶにしても、立地や契約条件の確認は必要です。

居抜き物件を効率良く探したい方は、「居抜きの神様」に会員登録して、未公開物件情報をチェックしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

コメント

コメントする

目次