ラーメン屋を開業するには?未経験から繁盛店を作る全9ステップ

「いつか自分のラーメン屋を持ちたい」「好きなラーメンで勝負してみたい」そのような夢を抱いていても、実際に一歩を踏み出すとなると「未経験でも本当に開業できるのか?」「何から始めればいいのか?」など不安や疑問がつきものです。

しかし、未経験からでもラーメン屋の開業は十分に可能です。そこで今回の記事では、ラーメン屋を開業するための基本的な流れを、未経験の方でも理解しやすいように9つのステップにわけて紹介します。夢を現実に変えるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

目次

未経験でもラーメン屋開業でやっていける?

未経験でもラーメン屋開業でやっていける?

結論からいえば、未経験でもラーメン屋の開業は可能です。ただし、飲食業界特有の厳しさや、集客・経営のノウハウ不足が壁になることも事実です。成功している多くの個人店主も最初は未経験からスタートしていますが、事前の準備や情報収集、現場経験の積み重ねが背景にあります。

そのため、未経験者の場合はいきなり独立開業するよりも、まずは飲食店やラーメン店での勤務経験を積む、またはフランチャイズで開業するなどがおすすめです。段階を踏めばリスクを減らせるだけでなく、現場での経験や人脈づくりも大きな武器となります。

未経験の場合はフランチャイズで経験を積むのがおすすめ

未経験からラーメン屋を開業するなら、まず検討したいのがフランチャイズ制度の活用です。フランチャイズとはすでに成功しているラーメンブランドと契約し、その名前や運営ノウハウを使って自分の店舗を経営できる仕組みを指します。

フランチャイズで経験を積めば、開業に必要な知識や仕入れルート、広告・集客のサポートなどを受けられるため、飲食業がはじめての人でも安心してスタートできます。一方、未経験からでもラーメン屋を開業して成功している人も少なくありません。彼らに共通しているのは、綿密な準備や現場経験の積み重ねといった、段階的なアプローチです。

未経験からでも成功するためには「どれだけ準備をしているか」「どんな方法で開業に挑むか」が成功を左右するカギになります。正しい情報をもとに着実に行動していけば、未経験でもラーメン業界でやっていくことは十分可能です。

未経験からでも成功するためには「どれだけ準備をしているか」「どんな方法で開業に挑むか」が成功を左右するカギになります。正しい情報をもとに着実に行動していけば、未経験でもラーメン業界でやっていくことは十分

ラーメン屋を開業するまでの流れ

ラーメン屋を開業するまでの流れ

ラーメン屋の開業は、情熱やアイデアだけでなく計画的な準備と綿密なステップが不可欠です。フランチャイズ加盟でも個人開業でも、成功するためには共通のロードマップをしっかりおさえておかなければなりません。

ここでは、開業までに必要な9つのステップを時系列で解説します。まずは流れをしっかりおさえて、開業の全体像をつかみましょう。

①事業計画を立てる

ラーメン屋の開業準備は、まず「事業計画書」の作成から始まります。これは、どのようなお店にしたいのか、目標やビジョンをはっきりさせるための設計図のようなものです。具体的には、どのような客層をターゲットにするか、周りにどんな競合店があるかを調べる市場調査を行い、売上や利益の計画を立てます。

また、開業資金や毎月の運転資金の見積もりも欠かせません。事業計画書は、自分の考えを整理するだけでなく、銀行などから融資を受ける際にも重要な書類です。しっかり準備して、第三者にも納得してもらえる内容にしましょう。

②お店のコンセプトを考える

お店のコンセプトは、その店の個性や強みを決める大切なポイントです。具体的には「どんなラーメンを」「誰に向けて」「どんな雰囲気で」提供するかを具体的に言葉にしましょう。

たとえば、地元の食材を使ったご当地ラーメンや、女性向けのヘルシーなメニュー、子ども連れの家族がくつろげる広い空間など、ターゲットや売りにするポイントはさまざまです。コンセプトがはっきりするとメニュー作りや店の内装、接客の方法にも一貫性が生まれ、お客さまにとって魅力的なお店になります。

③物件を探す

お店の立地はラーメン屋の成功を大きく左右する重要なポイントです。たとえば、駅からのアクセスがよい場所や人通りの多い商店街は集客に有利ですが、その分家賃も高くなる傾向があります。

一方で、住宅街にあると家賃は抑えられても、通勤客のような不特定多数の集客は見込みにくく、ターゲットが限定される傾向にあります。さらに、周辺に競合店が多すぎると、客の奪い合いになりかねません。

物件を選ぶ際は、居抜き物件を選ぶと初期費用を大幅に抑えられます。物件によっては、必要な設備がすぐに使える状態で揃っている場合も多く、スムーズな開業が可能です。修繕費用がかかる場合もあるため、開業前には設備の使用状況をあらかじめ確認しておくと、より安心してスタートできます。

④資金を調達する

開業に必要な資金は次の両方を含めて計算します。

  • 初期投資:内装工事費や厨房機器購入費、看板設置費 など
  • 運転資金:材料費や人件費、家賃の支払い など

自己資金だけで賄えない場合は、銀行融資や政策金融公庫からの借入が一般的です。ただし、これらの融資は返済計画がしっかりしていないと審査に通りにくいため、事業計画書の精度が非常に重要です。

さらに、自治体によっては開業支援の補助金や助成金を出している場合があり、申請条件を満たせば活用できます。資金調達に失敗すると、開業の延期や、無理な借入による経営の圧迫といったリスクが生じます。そのため、複数の方法を比較しながら、慎重に進めることが重要です。

⑤メニューを考える

ラーメン店のメニューはお店の「顔」とも言える存在です。たとえば、豚骨スープの濃厚系か、あっさり醤油系かなど、看板メニューの方向性を決めましょう。その後、トッピングやサイドメニュー(餃子、チャーハン、丼ものなど)もそろえれば満足度が高まりますが、メニューが多すぎると調理の手間が増え、オペレーションが複雑化してしまいます。

そのため、原価率も気にしながら、利益を確保できる範囲で無理なく提供できる品数に絞るのがポイントです。

⑥仕入先を探す

食材の仕入れ先選びは、味のクオリティを保ちつつ経営を安定させるために非常に重要です。そのため、麺やスープのベース、チャーシューや野菜など、主要な材料は信頼できる業者から仕入れる必要があります。

くわえて、納期の正確さや供給の安定性、品質保証の有無もしっかり確認しましょう。なぜなら、これらが守られないと仕入れが遅れたり品質にムラが出たりして、お客さまの満足度やお店の評判に悪影響を及ぼすためです。はじめは複数の業者と比較し、少量から試すなどリスクを分散させるのも賢い方法です。

⑦行政手続きや資格取得を行う

飲食店を営業するには、法律に則ったさまざまな手続きが必要です。具体的には、店舗の衛生設備や調理場が基準を満たしているかを確認するための営業許可の取得、食品衛生責任者の資格取得、店舗の規模によっては防火管理者の資格も必要になります。

さらに、開業届は税務署に必ず提出しましょう。スタッフを雇う場合は、労働保険や雇用保険の加入手続きも必要です。これらの手続きを怠ると営業停止や罰則の対象になる可能性があります。そのため、法律を守って、しっかり準備を進めましょう。

⑧スタッフを採用する

お店の運営を支えるスタッフの採用は、サービスの質や店舗の雰囲気に直結します。そのため、求める人材像や条件を最初に決めましょう。たとえば、調理技術や接客スキル、勤務時間、給与などがあげられます。そのうえで、以下の方法で募集を行います。

  • 求人サイトやアルバイト情報誌への掲載
  • 知人や既存スタッフからの紹介
  • SNSを活用した募集告知

採用が決まったら、調理方法の統一や接客マナー、衛生管理についての研修を行い、スタッフ全員が同じ基準で働けるように整えましょう。

⑨集客を行う

開業してもお客さまが来なければ経営は成り立ちません。まずはオンラインでの認知を高めるために、SNSやグルメサイト、Googleマップに店舗情報を登録しましょう。ほかにも、オープン時にはチラシ配布や割引キャンペーンを通じて、地域の住民や通勤客へアピールすることも大切です。

さらに、地元のイベントに参加したり、近隣店舗とコラボ企画を行ったりするのも効果的です。

こちらの記事では、小さい飲食店を開業する流れについて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

ラーメン屋の開業に必要な費用

ラーメン屋を開業する際、最も大きなハードルとなるのが初期費用と運転資金です。ここでは、それぞれ現実的な数字を紹介します。

初期費用

ラーメン店を始めるには、店舗確保から設備導入までさまざまな初期費用が発生します。

1.店舗関連の費用:月額家賃25万円の物件を例にすると、敷金・礼金・保証金などで150万円〜250万円程度が必要になります。一般的には家賃の6ヵ月分から10ヵ月分を目安に考えておくと安心です。

2.店舗改装にかかる費用:内装や外装の工事費は物件の状況によって大きく異なります。前のテナントの設備を活用できる居抜き物件なら200万円程度で済む場合もありますが、一から作り直すスケルトン物件では500万円以上かかることも珍しくありません。

3.設備・備品の調達費用:厨房機器一式で200万円〜250万円、テーブルや椅子などの什器で50万円程度、食器類や調理道具で100万円程度が目安となります。

これらを総合すると、ラーメン店開業には1,000万円〜1,500万円程度の初期資金が必要となります。

運転資金

続いては、ラーメン店経営における運転資金について、必要な費用をみていきましょう。

  • 店舗賃料:月額約30万円~40万円
  • 水道光熱費:約15万円
  • 食材・原材料費:約60~80万円
  • スタッフの人件費:約30~120万円

これらを合計すると、月間の運営費用は160万円〜30万円程度となります。ただし、店舗規模や立地、従業員数によって金額は変動します。開業後の数ヵ月間を余裕をもって乗り切るためには、運転資金として固定費の3ヵ月から6ヵ月分を目安に準備しておくと安心です。

自己資金

ラーメン店開業で最も重要なポイントのひとつが自己資金の確保です。日本政策金融公庫の調査では、新規開業時の資金調達において自己資金が21.3%を占めており、ラーメン店でも同様に全体の2割から3割程度の自己資金が必要とされています。

開業費用を1,000万円と想定した場合、200万円から300万円は自己資金で賄い、残りの700万円から800万円を金融機関からの借入で調達するのが一般的なパターンです。自己資金の割合が高いほど融資審査でも有利になるため、開業を検討している方は計画的な資金準備を心がけましょう。

出典:日本政策金融公庫|「2022年度新規開業実態調査」~アンケート結果の概要~(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_221130_1.pdf

金融機関・公的機関からの融資

ラーメン店を開業する際、自己資金だけでは足りない分は銀行などからお金を借りる必要があります。なかでも日本政策金融公庫は、これから事業を始める人を応援する制度があり、通常の銀行よりも借りやすく、金利も安めに設定されている場合があります。

出典:日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/

自治体の補助金

自治体では、新しく事業を始める人にお金を支援する制度があります。たとえば、東京都の創業助成事業では、ラーメン店の開業に必要な費用の一部が受け取れます。

補助金の最大のメリットは、融資と違って返済する必要がないことです。ただし、申し込める期間が決まっていたり審査が厳しかったりするため、早めに情報を集めて準備しなければなりません。さらに、地域によって制度の内容が違うため、開業予定地の役所に直接相談してみましょう。

出典:東京創業ステーション|創業助成事業
https://startup-station.jp/m2/services/sogyokassei/

ラーメン屋の開業に必要な手続き・資格

ラーメン屋を開業するには、ただ美味しいラーメンを作るだけではなく、法律に基づいたさまざまな手続きや資格の取得が必要です。ここでは、ラーメン屋を始めるうえで必須となる主な手続きや取得すべき資格について解説します。

行政手続き

ラーメン屋を開業する際には、法令遵守のためにさまざまな行政手続きが必要です。以下に主な手続きをまとめます。

手続き内容
飲食店営業許可の取得開業する店舗所在地を管轄する保健所で申請。店舗の設備や衛生管理体制が基準を満たしているか審査を受け、許可証が交付されてはじめて営業可能。
食品衛生責任者の設置店舗ごとに1名以上の食品衛生責任者を配置。都道府県等が実施する講習会を受講し資格取得。
防火対象物使用開始届の提出火気や電気設備を使用する場合、営業開始前に所轄消防署へ提出。一定規模以上の店舗では防火管理者の選任・届出も必要。
深夜酒類提供飲食店営業開始届の提出22時以降に酒類を提供する場合、営業開始前に所轄警察署へ提出。
開業届の提出(個人事業主の場合)税務署へ個人事業の開業届出書を提出し個人事業主として登録。青色申告などの税制優遇措置も受けられる。
労働保険・雇用保険の手続き従業員を雇用する場合、労働基準監督署で労災保険加入手続き、ハローワークで雇用保険加入手続きが必要。

出典:東京都保健医療局「営業許可・届出の概要」(https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyokatodokede/youshiki.htm

東京都食品衛生協会「食品衛生責任者養成講習会」
https://www.toshoku.or.jp/training/

東京消防庁「防火対象物の使用開始の届出をしよう」(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/bouka02.html

警視庁「深夜酒類提供飲食店営業(様式一覧)」(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/fuzoku/style/style3.html

国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

厚生労働省「労働保険制度(制度紹介・手続き案内)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/980916_1.html

資格

ラーメン屋を開業する際には、必ず取得しなければならない資格があります。次の2つは店舗運営の安全性や衛生面を守るために法律で定められており、どんなに小さな店舗でも例外はありません。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、飲食店1店舗につき1名以上の配置が義務づけられている資格です。資格を取得するには、各都道府県や食品衛生協会が実施する「食品衛生責任者養成講習会」を受講しなければなりません。講習は約6時間で、食品衛生や法律について学び、修了後に資格が交付されます。

出典:一般社団法人東京都食品衛生協会
https://www.toshoku.or.jp/training/

防火管理者

防火管理者は、収容人数が30人を超える店舗などで選任が義務づけられている資格です。火災予防や避難計画の作成、従業員への防火教育など、防火対策の責任者となります。資格を得るには、自治体や消防署が実施する「防火管理講習」を受講し、修了証の交付を受ける必要があります。

出典:東京消防庁「防火管理講習・防災管理講習」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/sk/kousyu.html

ラーメン屋開業を成功させるためのポイント

競争の激しい飲食業界で生き残るためには、しっかりとした戦略と準備が欠かせません。最後に、ラーメン屋開業を成功へ導くための重要なポイントを紹介します。開業前にチェックして、理想のお店づくりにお役立てください。

集客できる立地を選ぶ

お店の場所選びは集客に直結する重要なポイントです。人通りが多く、ターゲットとなる顧客が集まりやすい場所を選びましょう。周辺にどんな競合店があるかやどんな施設があるかもしっかり調べることが大切です。立地条件が優れていれば、特別な宣伝を行わなくても、自然と顧客が来店する可能性が高まります。

居抜き物件で初期費用を抑える

開業費用を抑えるためには、居抜き物件の活用をおすすめします。居抜き物件とは、前に営業していた飲食店の設備や内装がそのまま残っている物件です。厨房設備やテーブル、椅子などがすでに設置されているため、新たに購入する必要がなく、初期費用を大幅に削減できます。

顧客ニーズに即したサービスを提供する

メニューはあまり多くせず、主力となるラーメンを絞りましょう。なぜなら、メニューが多すぎると、調理に時間がかかったり食材の管理が難しくなったりして、味の品質を保つのが困難になるからです。限られたメニューに集中すれば、より美味しいラーメンを効率的に提供できるようになるでしょう。

メニューの数を増やしすぎない

お客さまの声に耳を傾け、サービスや味の改善も続けましょう。お客さまが何を求めているかを理解し、それに応える努力を怠らないことで、リピーター増加が期待できます。お客さまの満足度を高める工夫を常に考え、実践していきましょう。

集客施策を継続的に打つ

お店をオープンする際は、多くの人に知ってもらうための宣伝活動が大切です。SNSで情報を発信したり地域イベントに参加したりして、お店の存在を広めましょう。また、口コミを促す仕掛けを用意するのも効果的です。

オープン後も集客活動は継続が必要です。季節限定メニューやキャンペーン、ポイントカードなどを活用し、何度も来店してもらえる工夫を続けましょう。

サービス向上のためにスタッフ教育を行う

お店のサービス品質を安定させるためには、スタッフの教育が欠かせません。接客の仕方や調理方法について、きちんとした研修を行い、お店全体のレベルアップを図りましょう。また、スタッフが長く働いてくれるような環境構築も重要です。

財務管理を徹底する

毎日の売上と支出をしっかりと管理し、お金の流れも常に把握しなければなりません。そのため、収入と支出のバランスを見極め、資金不足にならないよう注意深く管理しましょう。また、万が一のときに備えて、運転資金は余裕を持って準備しておくと安心です。

まとめ

まとめ

「自分のラーメンで多くの人を笑顔にしたい」「地域に愛される店を作りたい」という想いを、具体的な行動計画に落とし込み、日々改善を重ねていくことが開業成功のポイントです。とくに東京でラーメン屋の開業をお考えの方には、初期費用を大幅に削減できる居抜き物件の活用をおすすめします。

居抜きの神様では、ラーメン店に最適な居抜き物件を豊富に取りそろえており、会員登録いただくことで非公開物件の情報も入手できます。夢の実現に向けて、まずは無料会員登録で理想の物件探しをはじめてみませんか。

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居抜き物件を活用した開業をご検討中の方は、ぜひ一度ご覧ください。

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この記事を書いた人

居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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