コラム
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飲食店の経営にかかる税金を紹介!個人経営ならいくら必要?
2023.11.15
自分の飲食店を持つことは多くの料理愛好家の夢でしょう。しかし、美味しい料理と心地よい空間だけでは、店舗の経営は成り立ちません。経営の根幹をなすのは、しっかりとした財務計画が必要です。
とくに税金は、事業計画を立てる上で避けては通れない重要なポイントです。この記事では、飲食店を経営する際に必要になる税金の種類から、計算方法までをわかりやすく解説します。あなたの飲食店開業への道筋を明確にするために、必要な知識を手に入れましょう。
飲食店の経営にかかる税金
飲食店の経営を始めるには、税金の知識が不可欠です。個人経営では、所得税や住民税などが主な負担となりますが、法人経営では法人税や法人住民税などが加わります。
いずれの形態も消費税など共通の税負担を抱えるため、それぞれの特徴を把握し、計画的に準備することが成功への鍵となります。次に個々の税金に関して詳しく解説し、それぞれの経営形態に応じた税負担を理解しましょう。
個人経営にかかる税金
個人経営の飲食店で考慮すべき税金は多岐にわたります。所得税は飲食店の収益だけでなく、ほかの事業や投資からの所得にも適用される全体の年間所得にもとづいて算出されます。また、市町村税としての個人住民税、事業所得に対して課せられる個人事業税があり、復興特別所得税も考慮に入れる必要があります。
これらの税金の適切な理解と管理は、賢明な財務戦略を立て飲食店を効率的に運営するために不可欠です。適切な計画と知識があれば、税負担を最小限に抑え事業を成長させることが可能です。
さらに、消費税の適切な申告と納付は、経営の透明性を高め、顧客からの信頼を築く上で重要です。税金に関する知識を深め、スムーズな事業運営を実現しましょう。
法人経営にかかる税金
法人として飲食店を経営する際は、個人経営とは異なる税金が適用されます。主なものに法人税があり、これは会社の利益に対して課される国税です。
地方法人税、法人住民税も法人の事業所がある地域に納める地方税として存在し、赤字の場合でも一定の税金が課されることがあります。さらに、給与からの源泉所得税や特別徴収住民税も発生します。
これらの税金の適切な理解は、法人経営の飲食店を効果的に運営する上で欠かせないものなので、しっかり理解しておきましょう。
個人・法人どちらにもかかる税金
個人経営でも法人経営でも共通して支払わなければならない税金があります。最も基本的なのは消費税で、売上に応じて発生する国税のことです。
また、店舗や事務所などの固定資産にかかる固定資産税も共通の税負担となり、さらに領収書に必要な印紙税も発生します。これらの税金は事業規模や形態に関わらず、適切に管理し納税することが法律で定められています。
飲食店経営には税務への正確な理解が必須です。消費税、固定資産税、印紙税などの基本的な税金に加えて、地域や業態によって異なる税制の適用を見逃さないようにしましょう。
これらを適切に計算し、法的義務を果たすことで、事業の信頼性を高め、長期にわたる安定した経営基盤を築くことにつながります。税務の知識を深めて確実な対策を講じることが、成功への大切なステップとなるでしょう。
消費税の納付が必要なケース
飲食店の経営では一定の条件を満たした場合に消費税の納付が必要となります。主に、前々年の売上が1,000万円を超えた事業者は、消費税の納税義務が生じると理解しておきましょう。
また、新規で事業を始めた場合でも、開始した年の翌年の売上が1,000万円を超える見込みがある場合は、納税が求められます。さらに、免税事業者でも希望すれば消費税の課税事業者として認められるので、適切に申告すれば入力税の還付を受けられます。
ただし、この選択には慎重な判断が必要で、経営の規模や将来の見通しを考慮に入れるべきです。適切な申告と納税は、事業の信用を築く上で不可欠です。税務の専門知識を身につけ、慎重な財務計画を立てることが、飲食店としての評判を高め持続的な成功につながります。
軽減税率の適用有無
消費税率を計算するときは軽減税率に注意する必要があります。2023年現在、標準税率が10%、軽減税率が8%と定められており、提供する食品やサービスの種類によって税率が異なります。
軽減税率の対象となる商品やサービスを把握し、適切に管理できるようにしましょう。次にどのような場合に標準税率や軽減税率が適用されるのか、その条件を詳しく解説します。
標準税率10%になるもの
飲食店経営で標準の消費税率10%が適用されるのは、主にイートインのサービスを提供する場合です。たとえば、レストランやカフェでの食事が含まれ、店内で提供される飲食物はこの税率の対象となります。また、アルコール類やテイクアウトを想定していない食品も標準税率が適用されることがあります。
正しい税率の計算は信頼性の高い経営を支える基盤になるので、標準税率が対象になる商品・サービスをしっかり把握しておきましょう。
軽減税率8%になるもの
軽減税率8%の対象となるのは、持ち帰りや未調理の食品です。具体的には、スーパーマーケットやコンビニで購入する生鮮食品や加工食品、テイクアウト専用の飲食店での食事がこの対象になります。
この制度は生活必需品の負担を軽減することを目的としており、飲食店経営者はこの税率を適切に適用して、消費者に対する価格の透明性を保ちつつ、法令を遵守する必要があります。
個人・法人どちらが税金面でおすすめ?
飲食店の税金に関して、個人経営と法人経営、どちらが有利かを考える際、年間所得や事業の規模が重要な判断基準となります。
所得が330万円未満の場合は、個人経営が税率的に有利です。また、固定費の節約や会計の手間を考えると、小規模での運営を考えているならば個人経営の方がよいでしょう。
一方、所得が330万円以上であり、事業の拡大や店舗展開を目指す場合は、法人経営が税率的に有利となる傾向があります。税金を考慮すると個人・法人どちらで開業するとよいのか、その判断基準を考えていきましょう。
個人経営の方がよいケース
個人経営はとくに初期投資が限られている場合や、事業規模を小さく保ちたいと考えている方に適しています。
年間所得が330万円以下であれば税率が低いため、手取りも増えます。また、会計処理が比較的簡単で、固定費の節約も見込めるため、コストを抑えながらも自らのスタイルで事業を育てることが可能です。
個人経営は事業の自由度が高く、経営の柔軟性を保ちやすいというメリットもあるので、事業規模を大きくする予定がない方は個人経営の方が向いているでしょう。
法人経営の方がよいケース
法人経営は年間所得が330万円を超える場合や、将来的に店舗展開を考えている方にとって有利です。
所得税率が個人よりも低く設定されており、事業拡大にともなう利益増加に対して税負担が少なくなる傾向にあります。また、法人としての信用度が高く、資金調達や退職金の設定が容易になる点も大きなメリットです。
さらに経費処理の選択肢が広がり、税務上の利点を最大限に活かすことが可能になるので、将来的に規模を拡大させていく計画の場合は、法人経営の方がよいでしょう。
飲食店の経営における税金や個人経営にかかるコストについて解説しました。資金は飲食店を開業する上で不可欠ですが、手元の資金が限られている場合でも工夫次第で開業の道が開けることがあります。こちらでは、手元資金が少なくても開業できる6つの方法を解説しますので、合わせてご覧ください。
>>資金ゼロで飲食店は開業できる?手元資金が少なくても開業できる方法6選
まとめ
飲食店の開業は税金の理解が成功の鍵を握ります。個人経営は初期投資が限られた方や小規模での運営を考えている方に、法人経営は事業の拡大を目指す方に適しています。
消費税の納付や軽減税率の適用も、適切な知識があれば運営を有利に進められるでしょう。また、飲食店を開業するには物件選びも重要なファクターです。
「居抜きの神様」では、開業希望者のニーズに合わせた物件探しをサポートし、出店コストの詳細な見積もりを提供しています。飲食店開業の道のりは複雑ですが、適切なパートナーを選べば、そのプロセスは格段にスムーズになります。今すぐ「居抜きの神様」のホームページをチェックして、飲食店開業の夢を実現させるための一歩を踏み出しましょう。
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飲食店の運転資金はいくら必要?何ヵ月分の資金があれば問題ないのか
2023.11.15
飲食店を開業するには、運転資金の適切な管理が事業成功の鍵となります。この記事では飲食店の運転資金の計算方法から、資金を賢く調達するための戦略を具体的にお伝えします。
日々の運営に必要な資金繰りを効率的に行うためのコツとテクニックは、飲食店を開業しようとしている方にとって、重要な情報といえるでしょう。
経営に必要な知識を基礎から応用まで確実に学んで、夢の飲食店開業へ向けての確かな一歩を踏み出しましょう。
飲食店の運転資金とは
運営資金は飲食店経営の生命線と言っても過言ではありません。飲食店を経営するにあたり、まずは売上に応じて変わる変動費と、売上に関わらず一定の固定費とを理解し、運転資金の全体像を把握しましょう。
変動費には材料費や人件費が含まれ、固定費には家賃や保険が含まれます。これらを適切に管理できると、店舗の安定した運営を実現しやすくなります。まずは、これらの費用をどのように計算し、賢く管理する方法を詳しく解説していきます。
変動費
飲食店の変動費とは、売上に比例して増減する費用のことです。たとえば、月に80万円の売上があったときに原材料費が20万円だったとします。
売上が倍の160万円になれば、原材料費も比例して増え、40万円になる可能性があります。このように、売上の変動に応じて変わる人件費や原材料費などが変動費に該当します。
固定費
一方で固定費は、売上の多寡にかかわらず一定の費用です。月々の家賃やスタッフの基本給、保険料などが固定費にあたります。仮に売上がなかった月でも固定費は発生します。
たとえば、家賃が毎月10万円、スタッフの基本給が50万円、保険料が5万円の場合、売上に関係なく毎月65万円の固定費が発生するということです。適切な資金管理のためには、変動費と固定費のバランスを理解し、予測することが重要です。
運転資金の重要性
運転資金は飲食店を継続して経営を続けるためにも必要不可欠です。運転資金は日々の運営を円滑に進めるための資金であり、予期せぬ出費や緊急事態にも迅速に対応するための安全網のような役割も果たします。
たとえば、急な設備の故障や繁忙期に必要な在庫の確保、予測せぬトラブルが発生した際にも、十分な運転資金があれば余裕をもって対応できます。
さらに、季節性の変動や市場の変化に対応するためにも、運転資金は極めて重要です。適切な運転資金を確保しておくことで、経営者は新しいメニュー開発やマーケティング活動にも積極的に投資でき、店舗の競争力を高められるようになります。
また、運転資金は、経済的に困難な時期でも、企業の安定した運営を支えるための重要な要素です。運転資金の適切な管理と確保は、飲食店が長期にわたって繁栄し、成長を続けるための鍵となるでしょう。
運転資金の目安と計算方法
運転資金として適切な金額を準備することは、飲食店経営の安定性を左右する重要な要素です。
次に運転資金の計算に必要な要素と、それらをどのように組み合わせて計算するかについて解説します。飲食店の日々の運営に関する変動費と固定費の詳細を踏まえた運転資金の計算方法をお伝えします。
運転資金の目安
運転資金の目安を把握すると飲食店の開店までに必要な準備期間を把握しやすくなります。飲食店の開店時は売上の予測が立てづらく、トラブルも発生しやすいので、不足の事態にも柔軟に対応できるよう、少なくとも3〜6ヵ月分の経費をカバーできる金額を準備するとよいでしょう。
この中には日々の運営に必要な変動費や固定費のほか、修繕費用など突発的な出費も含みます。余裕を持って運転資金を準備すれば、売上が安定するまでの初期段階や、予期せぬ事態が発生したときも、臨機応変に対応しやすくなるでしょう。
運転資金の計算方法
運転資金の計算方法を理解することは、安定した経営にとって必要不可欠なことです。たとえば、月間の変動費が100万円、固定費が50万円の場合、1ヵ月の運転資金は150万円となります。この金額に3ヵ月分を掛け合わせると、必要な運転資金の目安は450万円と算出できます。
さらに、将来の設備投資や緊急時の資金にも余裕を持たせるため、この金額に20%を上乗せした540万円を運転資金の基準とすると、より安全な経営計画を立てられます。具体的な数字を用いて計算すると、飲食店経営の財務計画を明確にできるので、未来への投資や予期せぬ事態への対応がしやすくなります。
運転資金の調達方法
運転資金の調達は飲食店経営をスタートさせるときに、課題となりやすいポイントです。資金調達の選択肢は多岐にわたり、民間金融機関の融資から政府系金融機関の支援、ビジネスローン、ファクタリング、さらにはクラウドファンディングまでさまざまです。
次にこれらの調達方法を具体的に掘り下げ、飲食店の資金繰りに適した選択肢を見極めるためのポイントを解説します。
民間金融機関からの融資
民間金融機関からの融資は、比較的早い段階で大きな資金を調達する方法のひとつです。具体的には銀行や信用金庫などの融資を受けることであり、信用情報や事業計画の質が融資の可否に大きく影響します。
融資を受ける際には、返済計画をしっかりと立て、事業の収益性を証明する必要があります。
政府系金融機関からの融資
政府系金融機関からの融資は、新規事業や中小企業に対して、低金利で長期にわたる返済オプションを提供し、経済的な負担を軽減するものです。
政府系金融機関は、事業計画の社会的影響や革新性を評価し、地域経済への貢献度を重視して支援するため、事業計画の具体性と実現可能性を示す必要があります。
また、国や自治体の政策に沿った事業であれば、さらに有利な条件での支援が期待できるため、融資申請に際してはこれらの点を踏まえた準備が重要になるでしょう。
金融機関のビジネスローン
ビジネスローンは、民間金融機関が提供する小口の融資サービスです。手続きが簡単で、迅速に資金を得られるため、急な資金需要に対応する際に有効です。
ただし、金利が高めに設定されていることが多いため、金利や返済期限などをしっかり確認した方がよいでしょう。金融機関のビジネスローンの利便性は高いものの、金利を含めて返済額が大きくならないように注意する必要があります。
ファクタリング
ファクタリングは、売掛金を即座に現金化し、資金の流動性を高める手法です。とくに資金繰りに一時的な課題を抱える飲食店にとって、この方法は迅速な資金調達を可能にします。
売掛金をファクタリング会社に売却すると、未回収の売上に対して先取りして現金を確保でき、経営の柔軟性を保ちやすくなります。ただし、利用時は手数料や利用条件を十分に理解し、コストと利益を天秤にかけた上で判断する必要があります。
ファクタリングは短期間で資金調達を必要とする際や、売上の回収サイクルが長い業態に適していますが、長期的な資金計画には別の方法を検討した方がよいでしょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは多くの人から支援を集めることで、特定のプロジェクト資金を調達する手法です。この手法を利用すれば、公開したビジネスアイデアや計画に賛同する人々から資金を募りやすくなるでしょう。
クラウドファンディングには「リターン型」「寄付型」「投資型」の3種類があります。
「リターン型」とは、支援者に対して製品やサービスを提供して資金を集めることです。「寄付型」とは、支援者がプロジェクトの成功を願って無償で資金提供を受けることを指します。そして「投資型」は、将来の利益に対するシェアや配当を約束することで資金を募ります。
独創的なコンセプトや地域社会に貢献するアイデアは支持を得やすく、新しい飲食店が認知されるきっかけにもなりますが、目標金額に達しない場合もあるため、プロジェクトの計画と実施には慎重に戦略を立てる必要があるでしょう。
飲食店を開業するためには運転資金を確保する必要があります。一方で、飲食店を始めるにあたって営業許可の取得も不可欠です。こちらでは保健所での営業許可取得までの流れや注意点を解説しますので、合わせてご覧ください。
>>飲食店開業の必須項目!保健所での営業許可取得までの流れや注意点
まとめ
飲食店開業の夢を実現するには、運転資金の適切な管理と調達が不可欠です。初期投資を大幅に削減し、運転資金を効率的に活用できる方法のひとつが「居抜き物件の活用」です。
居抜き物件の専門サービス「居抜きの神様」では、飲食店の開業に最適な物件を豊富に取り揃えており、運転資金をおさえて、理想の店舗を実現するためのサポートを提供しています。
また、経験豊富な専門家から、資金計画から物件選び、開業後の運営に至るまで、あなたのビジネスを全面的にバックアップを受けられるので、初めて飲食店経営をする方にとって心強いサービスです。
飲食店経営は簡単なことではありませんが、予算と資金調達、そして資金の管理方法がわかれば実現は不可能ではありません。飲食店開店の夢を実現させるために、できることから行動していきましょう。
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資金ゼロで飲食店は開業できる?手元資金が少なくても開業できる方法6選
2023.08.25
開業するにあたって、資金ゼロで飲食店を開業できるのか知りたい、可能な限り自己資金を抑えて開業したいと考えるのは普通だと思います。
日本政策金融公庫の開業調査では、開業資金の平均は1,077万円という調査結果がでています。飲食店を開業するには、初期費用のほかに運転資金や生活費など、さまざまな費用を必要とします。
開業するには資金が必要とわかっていても、まとまった費用を用意するのは大変でしょう。しかし、資金ゼロや手元資金が少なくても開業できる方法はあります。
この記事では、資金ゼロや手元の資金が少なくても開業できる方法について解説します。自己資金を抑えて開業したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店の開業に必要な費用の目安
飲食店を開業するにあたっては、必要な開業資金を見積り、自己資金がいくら必要なのかを試算しなければいけません。実際に必要となる資金は、いくら必要なのか見てみましょう。
新規開業企業の実態を調査している日本政策金融公庫によると、2022年度の開業資金の平均値は1,077万円、中央値は550万円という結果でした。この結果から、開業資金としては500〜1,000万円程度が目安ということになります。
一方で、全体の21.7%が250万円未満、21.4%が250〜500万円未満と、4割以上が少ない資金でも開業している結果も出ています。昨年度の2021年度と比較しても、250万円未満で開業する割合は1.9%と増加傾向にあります。
資金ゼロでの開業は可能?
一般的に開業するにあたっては、開業資金を必要とします。しかし、一部では資金ゼロからでも開業しようと考えている人もいるでしょう。結論としては、少額でも開業は可能です。
一般的に必要な開業資金としては、500〜1,000万円程度は必要とされており、日本政策金融公庫の新規開業実態調査でも1,077万円程度が平均となっています。しかし、全体の21.7%は250万円未満でも開業している方がいるという見方もできます。
飲食店を開業するためには、開業にあたっての初期費用のほかにも、経営が安定するまでの運転資金や生活するための生活費も必要とします。
開店当初から順調な売上を計上できればよいですが、赤字が続くことも考えておく必要があるため、最低でも手元の資金は200万円程度を用意しておけば、融資を受けて開業することは可能でしょう。
少ない手元資金で飲食店を開業する方法
手元に用意できる資金が少額でも、開業できる方法があります。以下の6つの方法をうまく活用すれば、少ない手元資金でも飲食店を開業できる可能性があるでしょう。
新創業融資制度を利用する
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、企業だけでなく個人事業主も無担保・無保証で融資を受けられる支援サービスです。
日本政策金融公庫は、国の政策に基づいて小規模事業者や中小企業の資金調達支援を目的とした機関であり、一般の金融機関による金融を補完することを旨としています。銀行などと異なり、融資のみを事業内容としている点が特徴です。
融資を受けるには、以下のどちらかの条件を満たす必要があります。
- 現在勤務中の企業と同じ業種の事業を開業する場合
- 産業競争力強化法で定められた認定特定創業支援事業を受けつつ事業を始める場合
事業に必要な設備資金や運転資金として、無担保・無保証で、最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)の融資が受けられる点が魅力です。また、自己資金額が少額であっても、開業しようとしている事業の職種において5年以上経験があれば、融資を認めてもらえる場合もあります。
融資には審査があるため、事業計画書をはじめとした必須提出書類を準備のうえで、審査に臨みましょう。
銀行や信用金庫の融資を利用する
創業融資を行っている銀行や信用金庫に限りますが、信用保証協会の信用保証付き融資を受けられる場合があります。信用保証協会と地方自治体が連携することで、金融機関から融資を受けられる制度です。
信用保証付き融資の特徴として、融資を受けた事業者が万が一返済不能に陥った際、信用保証協会が代位返済を行う仕組みになっています。こうした保証があるため、まだ実績や信用がない新規開業者であっても融資を受けられるのです。
しかし、こちらも新創業融資制度同様、事業計画や集客方法が非常に具体的で、納得できるものでないと厳しいでしょう。準備や審査など、少々ハードルが高い方法といえます。
創業融資には、事業計画書の提出が求められます。こちらの記事では、事業計画書の書き方と、作成する際のポイントを解説しています。
財務コンサルタントのサポートを受ける
前項でお伝えしてきた新創業融資制度や信用保証付き融資には、審査の際にさまざまな書類の提出が求められるほか、面談も実施されます。そうした経験がなく、かつ自己資金が少ない状態で審査に通るのは、非常に厳しいでしょう。
そこで、財務コンサルタントにサポートを依頼するという方法があります。財務コンサルタントのなかには、資金調達や創業融資に特化したサービスを行う専門家もおり、書類の書き方など、審査に通るためのテクニックを教えてもらえるでしょう。
財務コンサルタントへの依頼は手数料が発生しますが、経験のない個人が高額の融資を受けようと考えるのであれば、こうしたプロのサポートを受けるのも有効な手段です。
家族や友人に支援してもらう
資金に余裕がある家族など血縁関係者や、友人に支援を相談してみる方法もあります。しかし、親しい間柄でも金銭の貸借はしっかり行わなければ、トラブルに発展しかねません。
たとえ借りることができたとしても、返済の目処をきちんと説明しなければ、その後の関係性も悪化する可能性があります。資金を借りる場合は、借用書や金銭消費賃借契約書を交わしておく必要があります。
投資家に出資してもらう
ビジネスが成功する確信があれば、投資家に出資してもらう方法もあります。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家であれば、実績がなくても、事業計画が魅力的かつ成功する見込みがあると判断されれば融資を受けられる可能性はあるでしょう。
しかし、厳しい条件や不利な条件を提示される場合もあるため、よく考えて融資を受ける必要があります。
クラウドファンディングを活用する
クラウドファンディングは、インターネットの普及にともない2000年代にアメリカで始まったサービスです。日本では2011年に「READYFOR」がリリースされ、同年6月の「CAMPFIRE」で本格化しました。
寄付やファンド、融資などがあり、話題性や独自性、斬新なアイデアな事業計画であれば、支援者がファンになって融資をしてくれる場合があります。
クラウドファンディングを活用する人のなかには、最初は少ない資金で始めて、事業が軌道に乗ってきたら実店舗の資金を募る人もいます。
デリバリー専門店やキッチンカーなど、店舗を必要としない業態でスタートすることで、店舗の規模や資金の試算、事業計画も明確にできることから、投資する側も事業に投資しやすくなります。
まとめ
飲食店の開業にあたっては、資金ゼロで開業するのは厳しいのが現実でしょう。しかし、新創業融資制度や銀行や信用金庫の融資、家族や友人からの支援、投資家やクラウドファンディングなどを活用することで開業することは可能です。
ですが、一定の条件を満たす必要があったり、独自性がある事業計画を作成したりするなど、ハードルが高いと感じる部分もあります。
一定の条件を満たせなかったり、独自性のある事業計画が作成できなかったりする場合は、各飲食店の独立支援制度の利用や、弊社の出店の神様などの開業支援サービスを利用するのもおすすめです。
出店の神様であれば 、開業資金が用意できない場合でも支援してくれるのはもちろん、物件の紹介や集客支援などもサポートしてくれます。
サービスを利用するにあたっては、業者の強みや実績は間違いないか、サポート体制はしっかりしているかなどを確認することで、開業まで安心して取り組むことができるでしょう。開業資金が少なくても開業したいと考えている方は、一度相談してみることをおすすめします。