起業のリスクを徹底解説!飲食店オーナーが知っておくべきトラブル要因と対策

リスクを下げるイメージ

起業には大きな夢がありますが、避けては通れないリスクも存在します。特に飲食店に関しては、原価変動によるコスト増加や衛生管理といったさまざまな要因が経営を圧迫することも。本記事では、飲食店オーナーが直面しやすい起業のリスクと対策を紹介します。リスクを最小限に抑え、経営を安定させるための参考にしてください。

目次

起業に伴うリスクとは

正しく対策するためには、どのようなリスクがあるかを理解することが大切です。まずは起業に伴う一般的なリスクを解説します。

お金に関するリスク

起業には資金が必要不可欠です。店舗の設備費など多くの初期費用が発生し、準備のための資金が不足すると計画通りにスタートできず、起業を断念せざるを得ないことも。またランニングコストも必要です。事業を継続するには家賃や光熱費、通信費といった固定費が発生します。さらに従業員を雇えば給与や保険料の支払いも必要です。開業後しばらくは赤字が続くことも考慮し、資金計画を立てましょう。

自己資金だけでは不十分な場合、金融機関からの融資が必要ですが、起業したばかりでは実績がなく、審査に通らないこともあります。借入後に事業が失敗すれば、負債を抱えるリスクもあります。

事前に資金調達の方法を検討し、余裕を持った資金計画を立てることでこれらのリスクを最小限に抑えることが可能です。

従業員に関するリスク

事業が成長すると、場合によって従業員を雇う必要が出てきますが、雇用にもリスクが伴います。業績不振などの特別な理由がない限り、従業員の雇用を維持する義務が生じます。長期的な人件費の負担の考慮が必要です。また、労働基準法や最低賃金法など、従業員を守るための法令「労働保護法」を遵守しなければなりません。法令を遵守しないと、会社にペナルティが科される可能性があります。

一方で少子高齢化により労働力の確保が難しくなっており、人手不足に陥るリスクも。人手が足りずにスタッフ一人あたりの負担が増えると、サービスの質の低下につながります。その結果、顧客離れを引き起こすことも。 このようなリスクを防ぐには、労働環境の改善や福利厚生の充実が重要です。人手不足を補うために、短期アルバイトの活用といった柔軟な対応をするのも良いでしょう。

家族やプライベートに関するリスク

起業はビジネス面だけではなく、家族やプライベートにも大きな影響を及ぼします。

起業した当初は、収益確保のために無理な仕事も受けてしまいがちです。プライベートな時間の確保が難しくなり、自分自身や家族との時間が減少します。また寝不足や運動不足、ストレスから心身の健康を害するリスクも高まります。

事業が軌道に乗るまでは収入が安定せず、家計費の捻出が難しくなり、家族に負担をかけることもあるでしょう。万が一、事業に失敗すると、多額の借金を抱える可能性があります。返済が困難になると生活が苦しくなり、最悪の場合、自己破産に陥ることも。

収入減少や働き方について家族の理解が得られない場合、家族関係に影響が出るだけでなく、精神的な負担が増し、仕事への集中力も低下するかもしれません。起業を成功させるには、家族との話し合いや健康管理、ワークライフバランスを意識することが重要です。

飲食店で考えられるリスクとは

ここからは、食中毒や競合店の出現といった特に飲食店の経営で考えられるリスクを説明します。

原価変動に関するリスク

飲食店の経営では、食材の原価変動は大きなリスクが伴います。世界情勢や気候変動などの不可抗力な事態で食材価格が高騰すると、利益が圧迫されて経営に深刻な影響を及ぼします。

リスクを抑えるには、仕入れ量や在庫を徹底管理し、無駄を減らすことが重要です。さらに安価な食材への切り替えや、状況に応じたメニューの調整も有効でしょう。利益率を維持するには価格や客単価を引き上げることも検討すべきですが、値上げによる顧客の不満を避けるため、品質向上やサービス強化といった満足度を高める工夫が欠かせません。

競合に関するリスク

飲食店経営では、競合店の存在や今後の増加が大きなリスクになります。近隣に同じジャンルの店舗が多い場合、顧客を奪い合うことになり、利益を確保するのが難しくなります。既存の店舗がすでに顧客を獲得している場合、新規参入は不利になるかもしれません。

また、飲食業界は競争が激しく、業界全体の動向や社会経済状況の変化によって、経営が厳しくなることもあります。売上が減少し、営業継続が困難になる店舗も。

競争の激しい飲食業界で生き残るためには独自の強みを活かして競合との差別化を図り、業界動向や社会経済状況を常に把握しながら適切な対策を講じることが不可欠です。

火災に関するリスク

火や油を扱う飲食店で最大限に気を付けるべきリスクは火災です。ちょっとした不注意が大きな被害につながる可能性がります。火災が発生すると、店舗の営業が困難になるだけではなく、顧客や従業員に被害が及ぶ恐れがあります。また建物の所有者から損害賠償請求を受ける可能性も。

火災を起こさないためには、定期的な防火点検や設備メンテナンスの実施が必要です。防火管理者の選任や従業員への防火教育も欠かせません。さらに厨房の清掃を徹底し、油汚れやホコリによる火災を防ぎましょう。

アレルギーに関するリスク

飲食店で起こりうるリスクとして、食物アレルギーに関するものも重要です。食物アレルギーを持つ方は自身で注意を払いながら食事を選ぶことが求められますが、飲食店側も適切な対応が必要です。

使用している食材に関する情報を正確かつ明確に提供することが求められます。特定原材料(7品目:えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)をはじめ、アレルギーを引き起こしやすい食品をメニュー表に明記します。他にも従業員がアレルギーについて十分な知識を持ち、適切に対応できるよう教育を行いましょう。顧客がアレルギー症状を発症した際の緊急対応マニュアルを作成し、従業員全員が共有しておくのも有効です。

万が一、店舗側の情報提供や対応が不十分で事故が発生した場合、重大な健康被害や法的責任を負う危険性があり、経営に大きな打撃を受ける可能性があります。

食中毒に関するリスク

飲食店の経営では、衛生管理に関するリスクは大きなものです。万が一、食中毒が発生すると、営業停止や社会的信用の失墜につながり、最悪の場合は閉店を余儀なくされることも。衛生管理を徹底しないと、害虫の発生を招くこともあります。衛生対策は経営の根幹であり、起業前から意識しておきましょう。

食中毒防止を徹底するには「付けない・増やさない・消滅させる」の基本三原則に加え、「持ち込まない」を意識して食品管理を行います。 調理器具や設備の洗浄や消毒、また食材の温度管理や調理時間にも注意が必要です。

食品衛生責任者を設けてマニュアルを整備し、従業員への衛生教育も実施しましょう。必要に応じて、専門業者に害虫駆除を依頼し、衛生状態を維持します。

万が一に備え、慰謝料・弁護士費用・和解費用などを補償する保険を検討しておくと安心です。

起業に伴うリスクへの対策

どのようなリスクがあるのかが分かったところで、対策をみていきましょう。事前にリスクを理解し、適切に対策を講じることで経営を安定させることが可能です。

十分な自己資金を用意する

起業では初期費用だけではなく、運転資金の確保も重要です。事前に費用をシミュレーションし、十分な自己資金を準備しましょう。金融機関から融資を受ける場合、負債のリスクが伴い、経営が不振でも返済義務が発生します。自己資金での起業なら、それ以上の負債を負う心配はありません。できるだけ自己資金を準備したうえでの起業が理想的です。

融資を受ける場合は審査が必要です。融資の申請条件や必要な書類は金融機関ごとに異なります。資金に不安がある場合は、取引のある銀行や信用金庫に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

衛生管理を徹底する

飲食店を開業では、衛生管理が欠かせません。食中毒や異物混入といったリスクを避けるためには、衛生状態の維持を徹底的に努めましょう。食品衛生法や食品安全基本法などの法律を理解し、ガイドラインとして活用することが重要です。

具体的な衛生管理対策には、以下のようなものがあります。

  • こまめな手洗い
  • 調理器具や食器の徹底的な洗浄、消毒
  • 食材の適切な管理
  • 衛生管理マニュアルの策定
  • HACCP(ハサップ)の徹底した実施

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品の安全性を確保するための国際的な衛生管理手法です。2021年6月、飲食店を含むすべての食品を取り扱う企業でHACCPが完全義務化されました。

参考:厚生労働省「HACCP(ハサップ)」

危機管理体制を整える

飲食店では、火災をはじめとするさまざまな災害リスクが存在します。これらのリスクに対しては、効果的な危機管理体制を整えることが重要です。従業員にも日常的に対応を徹底させ、万が一の際に適切な行動が取れるように備えましょう。

飲食店で起こりやすい災害に対しては、望ましい対策は以下の通りです。

  • 災害時の対応や避難方法のマニュアル化
  • 定期的な災害訓練の実施
  • 火災保険への加入

これらの対策を通じて、安心して営業を続けるための基盤を築けます。

飲食店のリスクに備えるための保険

事前にリスクを想定し対策を講じても、完全にトラブルを防ぐことは難しいものです。適切な保険に加入して万が一に備えましょう。飲食店のリスクに備えられる保険とその内容について解説します。

店舗休業補償保険

店舗休業補償保険とは、事故や災害などの理由で店舗を休業した際、減少した収入を補償する保険です。 店舗が火災や台風・地震などの災害で営業できなくなった、食中毒や感染症の発生で営業停止となったといった場合の損失を補償してくれます。

この保険に加入しておけば、休業期間中の従業員の給与を支払い続けることが可能です。ただし補償額には上限があるので、事前に確認しておきましょう。また、補償の対象には一定の条件があります。災害や予期せぬ事故による休業が対象であり、経営者の過失や管理ミスによる休業は補償の対象外なので注意してください。

火災保険・地震保険

飲食店のリスクとして発生しやすい火災に備えて、火災保険に加入しましょう。火災保険は、店舗で発生する火災や水漏れなどの被害を補償してくれます。たとえば、調理中の出火や水道設備の故障による浸水などが発生した際、建物や設備の修復費用をカバーできます。保険商品によっては、水害や落雷などの自然災害にも対応。

地震保険は、火災保険とセットで加入することが一般的で、地震による店舗の損害を補償します。火災保険だけでは地震による被害は補償されないため、地震リスクの高い地域では併せて加入しておくと安心です。

生産物賠償責任保険(PL保険)

生産物賠償責任保険(PL保険)とは、製造物責任法(PL法)に基づき、飲食店で提供した料理などが原因で顧客に被害が生じた場合に補償してくれる保険です。食中毒や異物混入により、治療費や慰謝料などの多額の賠償金が発生する場合や、弁護士費用などに対応できます。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険とは、店舗内で発生したトラブルにより顧客受けた損害を補償する保険です。たとえば、料理を運んでいる際に顧客にぶつかり、やけどを負わせた、服を汚してしまったなど。過失による顧客のケガ、服や持ち物の破損などを補償します。弁護士費用や裁判費用にも対応できます。

借家人賠償責任保険

借家人賠償責任保険とは、火災や爆発事故などで物件に損害が発生した際、賃貸物件の所有者への賠償責任を補償する保険です。借家人賠償責任保険は、賃貸物件を借りる際に火災保険に含まれる特約の一つとして加入するのが一般的。

万が一、店舗で火災を起こしてしまった場合、テナントのオーナーに対して賠償責任が発生します。 そのような場合、借家人賠償責任保険に加入することで、賠償限度額分までの補償を受けることが可能です。

店舗総合保険

店舗総合保険とは、店舗の運営に必要な火災保険や施設賠償責任保険、生産物賠償責任保険(PL保険)などを一つにまとめた保険です。オプションが充実しており、幅広いリスクに備えられます。基本的に店舗総合保険の保険料は、さまざまな補償を個別に契約するよりも割安になるため、個人経営など小規模な店舗でも加入しやすいのが特徴です。

ただし保険料は、保険会社や補償内容によって変わります。特約を追加して補償を充実させれば、その分保険料も上がるので注意が必要です。

起業のリスクを知って次の一歩を踏み出そう

起業にはリスクがつきものです。特に飲食店では、金銭面や人手不足の問題に加えて原価変動や競合店の出現、さらには食物アレルギーや食中毒といった深刻なトラブルにも備える必要があります。リスクを正しく把握し、適切な対策を講じて次の一歩を踏み出しましょう。

「買取の神様」では飲食店の廃業に関する相談を承っています。造作や備品をそのまま売却できるため、閉店に伴う原状回復工事の削減ができ、造作譲渡金を得られるケースもあります。相談・査定は無料ですので、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

元システムエンジニア、ライター歴10年のアラカン主婦です。楽しみは成人した娘とのカフェ巡り。娘に流行のスィーツを教えてもらってます。顧客サポートやマニュアル作成の経験を活かした分りやすい記事を目指しています。

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