巣鴨駅は東京都豊島区に位置し、JR山手線と都営三田線の2路線が乗り入れ、都心へのアクセスも良い利便性の高い駅です。「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨地蔵通りなどからシニアの街というイメージが強いですが、近年では昭和レトロブームが後押しとなり、若い世代からも注目されています。今回は巣鴨駅の特徴や周辺施設、飲食店情報についてご紹介。加えて飲食店開業を検討されている方向けに、店舗賃料相場についても触れていきます。
巣鴨駅
| 所在地 | 東京都豊島区巣鴨1丁目 |
| 路線・乗降者数 | JR山手線 65,775人 都営三田線 82,086人 |
| 前後駅 | JR山手線 大塚駅←巣鴨駅→駒込駅 都営三田線 千石駅←巣鴨駅→西巣鴨駅 |
参照：JR東日本「各駅の乗車人員 2023年度」、東京都交通局「各駅乗降人員一覧」
巣鴨駅前の特徴
巣鴨駅は、1903年4月1日に日本初の民営鉄道会社、日本鉄道の豊島線の駅として誕生しました。豊島線は池袋から田端を結ぶ計画で、巣鴨駅はその中間駅として開業。その後、日本鉄道の品川線と豊島線が統合され、山手線になりました。1906年に日本鉄道が国有化され、巣鴨駅も国鉄の一部に。1968年、都営地下鉄三田線の駅が開業してからは2路線が乗り入れるようになりました。1987年の国鉄分割民営化以降は、東日本旅客鉄道（JR東日本）の山手線に所属しています。
JR山手線、都営三田線のどちらも都心への移動に便利な路線です。池袋まで約5分、新宿へ14分、他の主要ターミナル駅にも概ね30分以内でアクセスできる立地で新幹線への乗り換えにも便利。アクセスの良さから住宅地としても人気があり、駅の東側は閑静な住宅街が広がっています。
各出口の特徴
北口・南口・正面口
JR線の出口です。改札から出てすぐ、「北口」側に商業施設「アトレヴィ巣鴨」があり、駅から直接アクセスできます。改札正面の「正面口」の目の前には白山通りが走っています。北西に向かうと巣鴨地蔵通りに、南東に向かうと千石や本駒込方面に行きます。
A1～4
都営三田線の改札側の出口です。「A1」出口はJR線改札への乗り換えに便利。「A3」出口から地上に出ると、巣鴨地蔵通り商店街の入口にアクセスできます。
巣鴨駅周辺の飲食店情報
巣鴨駅周辺の飲食店数
474件
業態別飲食店数
| 和食 | 134件 |
| 洋食・西洋料理 | 43件 |
| 中華 | 43件 |
| アジア・エスニック | 24件 |
| カレー | 20件 |
| 焼き肉・ホルモン | 16件 |
| 居酒屋 | 104件 |
| ラーメン | 31件 |
| カフェ・喫茶店 | 68件 |
| バー | 29件 |
飲食店では和食と居酒屋で約半数を占め、次いでカフェ・喫茶店が目立ちます。昭和の雰囲気漂うレトロな純喫茶からおしゃれなカフェまで、魅力的なお店が出店。昭和レトロブームもあり、若者にも注目されています。
巣鴨駅周辺の人気カフェ
巣鴨駅から徒歩4分に位置するカフェ。フランス風ケーキとデザートを提供します。座席はテーブル席とテラス席を合わせ、全30席を用意。店内はブルーのアクセントカラーで、おしゃれな空間を演出しています。イチオシは「苺のショートケーキ」です。キルシュ使用・未使用の2種類があり、苺の甘酸っぱさと生クリームのバランスが絶妙と大人気です。
巣鴨駅から徒歩6分。1916年創業、長年地元の人に愛されてきたベーカリーカフェです。人気の手作りあんぱんは、氷砂糖で練り上げたコクと旨みの粒あんが特徴。ふわふわのパン生地に粒あんがたっぷり、香ばしい黒胡麻がアクセントです。またカスタードクリームたっぷりのクリームパンは、ほんのり甘い薄皮に濃厚なカスタードクリームの相性も良く、程よいボリュームでおすすめです。
巣鴨駅から徒歩2分にあるレトロな喫茶店。ストレートコーヒーは昔ながらのサイホンで提供、パンケーキやプリンとのセットメニューも人気です。「昔ながらの昭和プリン」は、ややかためのプリンに生クリームとチェリーをトッピング。ほろ苦いカラメルがたっぷりの大人の味わいです。朝7時から営業、14時までモーニングメニューを提供しています。トーストにミニサラダ、ゆで卵といったシンプルなメニューが魅力のAセットやB、Cまで3セットから選べます。
店舗賃料相場
巣鴨駅の店舗賃料相場情報（直近1年間）
| 平均坪単価 | 25,195円 |
| 最高坪単価 | 66,000円 |
| 最低坪単価 | 8,315円 |
巣鴨駅の平均賃料相場年別推移（2021年〜2024年）
| 2024年 | 26,008円 |
| 2023年 | 22,906円 |
| 2022年 | 29,490円 |
| 2021年 | 21,993円 |
参照：飲食店ドットコム「巣鴨駅の賃料相場情報」（2024年10月現在）
巣鴨駅周辺の特徴
街の特徴
巣鴨の地名の由来は諸説ありますが、川や池があって鴨が多く巣を作っていたことから「巣鴨」と呼ばれるようになった説が有力です。室町時代の「長禄江戸図」にはすでに「巣鴨」と描かれており、古くから呼ばれていた地名のようです。
江戸時代には、中山道の「巣鴨立場（すがもたてば）」として賑わいました。立場（たてば）とは、主要街道にて茶店や一膳めし屋などが軒を連ねる盛り場のことです。この立場エリアが、現在の「巣鴨地蔵通り商店街」につながります。1891年（明治24年）には、「とげぬき地蔵尊」で知られる高岩寺が上野から巣鴨へ移転。「とげぬき地蔵尊」への参拝や商店や露店を利用する人々が往来し、「おばあちゃんの原宿」として知られるようになりました。
巣鴨は駅そばを通る白山通りをへだて、西側は「とげぬき地蔵尊 高岩寺」や「地蔵通り商店街」がある観光客に人気のエリア、東側は閑静な住宅街が広がります。昔ながらの商店街以外にも、駅直結の「アトレヴィ巣鴨」といった商業施設もあり、日々の買い物には困りません。アクセスの良さからオフィス街としての顔もあり、オフィスは白山通り方面に集中しています。近年はレトロブームも加わり、レトロな街並みが人気なだけではなく、個性的なショップやいろいろなグルメを楽しめる飲食店が増え、若い世代や外国人にも人気の街となっています。
近隣の公共施設・商業施設
アトレヴィ巣鴨（2m）
六義園（643m）
文京グリーンコート（900m）
近隣企業オフィス
科研製薬（株）（817m）
山洋電気（株）（822m）
新都ホールディングス（株）（1.1km）
近隣学校
東邦音楽大学 文京キャンパス（1.3km）
筑波大学 東京キャンパス文京校舎（1.4km）
大正大学 巣鴨キャンパス（1.5km）
祭り・イベント
巣鴨納涼盆踊り
「とげぬき地蔵尊 高岩寺」で数日間に渡って行われる盆踊り大会です。主催は「巣鴨地蔵通り商店街」。期間中は毎日イベントが開催され、踊りの飛び入り参加も可能です。
とげぬき地蔵尊例大祭
「とげぬき地蔵尊 高岩寺」で年3回、「正五九」の24日（1月24日、5月24日、9月24日）に行われる大祭です。特に正月の大祭では、多くの参拝者が集まり、堂内から地蔵通りまで賑わいを見せます。大祭当日は午前10時30分と午後2時30分の2回、本堂で大法要が厳かに執り行われます。見どころは、来馬住職をはじめ20人ほどの僧侶による「大般若経」の転読です。無病息災のご利益を求めて訪れた多くの人々が、経文の風を受け、僧侶の衣に触れようと手を伸ばします。
すがも染井吉野桜まつり
毎年春に開催される桜の祭典です。巣鴨周辺は「ソメイヨシノ」の発祥地として知られており、それを記念して始まりました。開催時期には、「巣鴨地蔵通り商店街」や「染井霊園」周辺で満開の桜を楽しめる他、華麗なブラスバンドの「桜パレード」や「すがも駅前のれん市」といったイベントが行われ、地元住民や観光客で賑わいます。
主要通り
白山通り
千代田区の内堀通りの平川門交差点から、豊島区の西巣鴨交差点に至る大通り。延長7kmの5～8車線の道路で中仙道に繋がっています。巣鴨駅正面出口の目の前を走り、通り沿いには「巣鴨駅前商店街」が広がります。駅から「巣鴨地蔵通り商店街」までを繋ぐように伸びています。
旧中山道、巣鴨のメインストリートです。昔ながらの和菓子屋や衣料品店、飲食店などおよそ200店が軒を連ねています。「とげぬき地蔵尊 高岩寺」が近く、シニア層を中心に「おばあちゃんの原宿」として人気。毎月4の日に開かれる縁日では、多くの観光客や地元の人々で賑わっています。
巣鴨駅南口一番街
巣鴨駅南口から広がる商店街です。白山通りから細い路地を入った先にあります。個人商店や飲み屋などが点在し、レトロな歓楽街の雰囲気が漂っています。
人気スポット
1702年に徳川綱吉の側用人・柳沢吉保によって築かれた日本庭園（大名庭園）です。園名は『詩経』の六義から名づけられました。小石川後楽園と並ぶ江戸の2大庭園の1つ。桂離宮の庭園の様式を採用した回遊式築山泉水庭園で、国の特別名勝に指定されています。園内は四季折々の自然が美しく、特に春のしだれ桜や秋の紅葉が見どころです。ライトアップも行われ、幻想的な雰囲気が楽しめる観光スポットとして人気です。
新潟県三条市に総本山本成寺をおく法華宗（陣門流）の別院。染井霊園の近くにあります。江戸時代の明暦の大火（俗に「振袖火事」とも）の出火地とされ、明暦大火供養塔や遠山景元、千葉周作などの墓があります。
広くアジア全域の歴史と文化に関する東洋学の専門図書館、ならびにミュージアム。貴重な東洋文庫の蔵書で企画展のテーマに沿った展示を行っています。代表的な常設展示は、天井まで続く大書庫に「モリソンコレクション」を陳列した「モリソン書庫」です。おしゃれなレストラン「オリエント・カフェ」、東洋のさまざまな国の言語が刻まれた「知恵の小径」、ミュージアムショップも併設しています。
新旧が調和する住みやすい街、巣鴨駅
巣鴨駅は、JR山手線と都営三田線が交わる利便性の高い駅。池袋や新宿へのアクセスが良く、落ち着いた住宅街としても人気です。緑豊かな日本庭園や文化スポットも点在し、静かな住宅地も広がっているため、生活の利便性と快適さを兼ね備えた場所といえます。近年の昭和レトロブームにより、若者や外国人にも注目され、個性的なショップやグルメも増加しています。これから飲食店開業を検討されている方にもおすすめのエリアでしょう。
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