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引用:門前仲町に「alternative,(オルタネイティブ)」が開業。一流ワインに触れてきた若きソムリエによる、ナチュラルワイン全盛の今あえてのクラシックワインをそろえるバー
2024年9月8日、江東区門前仲町に「alternative,(オルタネイティブ)」がオープン。ナチュラルワイン全盛の今、あえてクラシックワインを取り揃える隠れ家的ワインバーだ。代表の杉原竜力氏は、パレスホテルや西麻布「うし松」で経験を積み、一流ワインにも触れてきた若きソムリエ。生産者の歴史やストーリーとともに提供されるワインは、近隣のワインラバーたちの心を掴んでいる。
若きソムリエ・杉原竜力氏のキャリアとは
「alternative,(オルタネイティブ)」代表の杉原竜力氏。
~2018年 | 1993年生まれ。ホテルの専門学校を卒業後、パレスホテルに就職。料飲部門に配属され、ホテル内のレストランでサービスを担当。 |
2019年 | ソムリエの資格を取得。西麻布の焼肉「うし松」へ入り、ソムリエとしての研鑽を積む。 |
2024年 | 江東区門前仲町にワインバー「alternative,(オルタネイティブ)」がオープン。 |
「ワインが苦手」な杉原氏がソムリエになったきっかけ
「alternative,(オルタネイティブ)」の切り盛りをするのは、terroir代表の杉原竜力氏。31歳の若きソムリエだ。杉原氏はもともとホテルマンを志し、ホテルの専門学校を卒業後、パレスホテルに就職したそう。
飲食の仕事を始めてかれこれ10年になりますが、当初は宿泊部門が希望だったんです。
宿泊部門を希望していたものの、実際に配属されたのは料飲部門。ホテル内のレストランでサービスを担当した。オールデイダイニングの「グランドキッチン」で1年ほど働き、その後、日本料理の「和田倉」へと異動。鉄板炊きと天ぷらのカウンター席の接客を担当した。
実はそれまで美味しいワインを飲んだことがなく、苦手意識がありました。
ところがカウンターではワインがよく出て、お客様にワインの味わいの違いや料理に合うワインを聞かれることも多かったのです。僕はうまく答えられず、これはまずいと勉強を始めました。
すると、だんだんお客様にワインで喜んでもらえるようになっていきました。上司もその頑張りを見てくれていて、いいワインを開けたときはテイスティングさせてもらうこともありました。そして、段々とワインの美味しさに目覚めていきました。
仕事を通して、苦手と感じていたワインの魅力に気づき、2019年末には念願だったソムリエの資格を取得。しかし、ワインの仕事を頑張ろうと意気込んでいたタイミングで、コロナの影響によりレストランの客足が激減。ワインに触れる機会が減り、新しいステージへ進む必要性を感じたそう。
パレスホテルには素晴らしいソムリエが何人も在籍していて、新人ソムリエの自分が触れられるワインは限られていました。そこで、より実践を積める場所で働きたいと考えるようになりました。
これを機に退職し、その後は西麻布の焼肉「うし松」へ就職。ソムリエとして大きな裁量を与えられ、さまざまなワインに触れる機会に恵まれたそう。
西麻布という立地柄、VIPのお客様も多く、高価なワインを開ける機会も多かったですね。ロマネコンティのような一流ワインを開栓することも多々ありました。
江東区門前仲町のバー「alternative,」がオープンした理由は、友人からの勧めと居抜き物件との出会い
「alternative,(オルタネイティブ)」の外観。
「alternative,(オルタネイティブ)」があるのは、江東区の門前仲町駅から徒歩1分の大通り沿いにある雑居ビルの2階。階段を上った先に扉があるが、中が見えないので入るのにやや勇気がいる隠れ家的バーだ。
近年のブームは、飲み口のやわらかいナチュラルワイン。ナチュラルワインを専門としたワインバルも増え、最近ではナチュラルワインを取り扱う居酒屋もある。そんななか、あえてナチュラルワインではなく、重厚な味わいのクラシックワインを取り揃えるのが「alternative,」だ。
杉原氏が独立を考えたのは、仕事の悩みを話した友人から「独立してみたら?」との言葉を受けたことがきっかけだそう。友人2人から出資を受けることになり、開業準備をスタートした。ワインを取り扱うなら代々木公園や奥渋エリアと考えて物件を探したものの、人気のエリアゆえ、実績のない杉原氏にはなかなか物件がまわってこなかったという。
視点を変えたとき、門前仲町は好きなワインの店が複数あり、意外とワインの需要はあるのではと睨みました。ワインの店が多い清澄白河も近く、若い人も増えていて勢いのある街。こちらで物件を探し始めました。
そこで出会ったのが、江東区の門前仲町にある美容室の居抜き物件だった。駅から近い大通り沿いの2階。視認性はよくないが、隠れ家感を出したく路面を避けていた杉原氏にはうってつけの物件だった。
「alternative,(オルタネイティブ)」のカウンター、店内の様子。
黒やグレーを基調にした、落ち着いた雰囲気の店内に席数12席。細長い形状の空間に長いカウンターを配し、スタンディングにも対応できる高さに。窓際にはソファー席を設けた。
カウンターのうしろの壁に飾ったネオンが、近未来的な雰囲気を演出している。クラシックワインの店だが、格式高い雰囲気のオーセンティックバーにはせず、モダンな印象で若い人も入りやすいデザインを意識したそう。
クラシックワインはストーリーとともに提供し、相性抜群のフードも用意
杉原氏の審美眼で選んだクラシックワイン。
「alternative,(オルタネイティブ)」の主役であるクラシックワインは、杉原氏が好きだというフランス・ブルゴーニュをはじめ、ボルドー、イタリアからニューワールドのものまでを交え、杉原氏が飲んで美味しいと思うもの、ストーリーのあるものをセレクト。グラスワインは、杉原氏の審美眼で選んだ銘柄を常時10品ほど揃えている。生産者の歴史やストーリーを伝えながらワインをサーブするのが杉原氏のポリシーだ。
ワインの味わいだけでなくその背景まで丁寧に説明することで記憶に残るし、より美味しく飲めると思うんです。
一流のワインに数多く触れ、ワインの造詣に深い杉原氏だからこそできる提供方法だ。ワインの他には、ウイスキーやクラフトビールも揃える。
「ブロッコリーの和風マリネ」、「パプリカのピクルス」、「生ハム ハモンセラーノ」。
フードはワインと相性の良い生ハムやピクルス、ナッツといった軽いバーフードの他、魯肉飯や本日のパスタなどお腹を満たせるものも用意。パスタはナポリタンやペンネなど、その時々で杉原氏が趣向を凝らしたメニューを提供している。
・グラスワイン(1,430円~)
・ボトルワイン(8,000円~)
・ブロッコリーの和風マリネ(660円)
・パプリカのピクルス(550円)
・生ハム ハモンセラーノ(1430円)
「alternative, 」を訪れた人たちからも、ワインやフード、おしゃれな店内は好評のようだ。
接客とワインの知識と全てが最高レベル。お手頃でほどよい量のパスタもとても美味しかった。
落ち着いた雰囲気でありながらも、モダンでサイバーな感じのあるおしゃれなお店。
成功のカギは杉原氏のクラシックワインへのこだわり、江東区門前仲町の居抜き物件
「alternative,(オルタネイティブ)」のオープンから1ヵ月。現在は二次会利用が中心だが、じわじわと口コミが広がり、手ごたえを感じているそう。
門前仲町では想像以上にいいワインを嗜まれているお客様が多く、そんな方々には『こんなお店がほしかった』と言ってもらえることもあって嬉しいですね。最近は、女性の一人客も増えていますね。
店名の「alternative」は直訳すると「代替の」を意味するが、音楽の「オルタナティブロック」から取っているそう。反骨心や型にハマらないこと、アンダーグラウンドな精神を表すロックミュージックのような思いから、同店はできているという。
今はナチュラルワインが全盛ですが、やはり僕は昔から親しんできたクラシックなワインが好き。トレンドの型にハマらず、自分が好きなクラシックワインの美味しさを多くの人に知ってもらいたい。
また、最近はワインの味わいの説明を一言程度で簡単に済ませるお店も多いですが、僕はワインの背景までしっかりとお客様に伝えたい。
流行りや大衆に流されず自分の流儀を貫く、こうしたオルタナティブロックに通ずる精神が、この店の根底にあります。
確かなこだわりをもってクラシックワインを提供する杉原氏。将来は酒販事業もチャレンジしたいそう。「alternative」の運営、杉原氏の今後の活躍にも期待だ。
(取材=大関 まなみ)
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店名 | alternative,(オルタネイティブ) |
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住所 | 東京都江東区門前仲町2-9-1 多賀ビル 2F >> GoogleMapで見る |
アクセス | 門前仲町駅から徒歩1分 |
電話 | 080-1279-4199 |
営業時間 | 18:00~24:00【金土】18:00~26:00 |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 11.5坪12席 |
客単価 | 5000円 |
オープン日 | 2024年9月8日 |
関連リンク | ワインバー alternative,(Instagram) |
関連リンク | terroir(HP) |
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。
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