店舗物件の探し方を徹底解説!探す際のコツや注意点

店舗物件の探し方を徹底解説!探す際のコツや注意点

独立するにあたって、店舗物件の探し方がわからず、悩んでしまう人も多いでしょう。とくに飲食店の場合は、立地によって売り上げが大きく異なるため、適切な立地にある店舗物件を見つけ出すことが重要です。

そこでこの記事では、店舗物件の探し方を詳しく解説します。利用の店舗物件を見つけるためのコツや選ぶ際の注意点についても解説しますので、店舗物件探しの参考にしてください。

目次

店舗物件の探し方

店舗物件の探し方には、主に以下6つの方法があります。

  1. インターネットで調べる
  2. 不動産会社に依頼する
  3. 現地に赴く
  4. 友人・知人から紹介してもらう
  5. 自治体や商工会議所に相談する
  6. 内装工事業者に相談する

それぞれの方法について解説します。

インターネットで調べる

インターネットで調べる

店舗物件を探す際、インターネットは有力なツールとなるでしょう。ネット上にはさまざまなウェブサイトが存在し、それぞれ特色を持っています。具体的には、以下のウェブサイトが役立つでしょう。

  • ポータルサイト
  • 専門サイト
  • 不動産会社のホームページ

それぞれの概要や特徴について解説します。

ポータルサイト

ポータルサイト
Bangkok. Thailand. FEB 21,2019 :A man is typing on Google search engine from a laptop. Google is the biggest Internet search engine in the world.

ポータルサイトとは、インターネットを利用する際に最初に訪れるウェブサイトのことを指します。

ポータルサイトはインターネットの玄関のような役割を果たし、GoogleやYahoo!のような検索エンジンサイトが代表的です。Googleは検索機能に特化している一方で、Yahoo!はニュースや天気予報など多岐にわたる情報を提供しています。

さらに、飲食や美容、旅行に特化した予約や口コミを掲載するポータルサイトもあります。店舗物件探しに関しても、アットホームやSUUMOのような専門のポータルサイトが存在し、目的に合わせて情報を収集する際に便利です。

専門サイト

特定のテーマに特化したウェブサイトも、情報収集に役立ちます。たとえば「居抜きの神様」は、飲食店舗物件に特化したウェブサイトで、さまざまな居抜き物件を見つけられます。

一般に公開されていない独占物件情報も提供しており、ほかでは見つけることが難しい好条件の物件を見つけることも可能です。このような専門サイトは、特定のニーズに応えるための重要な情報源となるでしょう。

不動産会社のホームページ

不動産会社のホームページ

不動産会社のホームページは、店舗物件を探す際に役立ちます。それぞれの不動産会社は、独自の特徴を持っています。

たとえば、写真や動画を多用して物件の魅力を視覚的に伝えるサイトや、利用者が求める情報へ容易にアクセスできるよう、ナビゲーションが工夫されているサイトがあります。

口コミやレビューが掲載されているサイトでは、不動産会社や物件の評判を事前に確認できるため、より安心して物件選びを進められるでしょう。

不動産会社に依頼する

店舗の出店地域をすでに決めている場合、出店地域に詳しい地元の不動産会社に物件探しを依頼する方法が効果的です。

地元の不動産業者は、インターネットには掲載されていない未公開情報を持っている可能性があります。そのため、店舗のコンセプトや事業計画がしっかりとしていれば、理想の物件を見つける可能性が高まります。

また、条件に合った物件がすぐに見つからなくても、相談していれば、新たな情報が得られた際に連絡がもらえるため、常に最新情報を手に入れることが可能です。

現地に赴く

店舗を開設予定の地域を直接訪れて、物件を探索する方法も効果的です。

現地に足を運ぶことで、まだ一般に公開されていない空き物件や閉店予定の店舗を発見できる可能性があります。ウェブサイトや不動産会社のリストに掲載される前の、市場に出回っていない貴重な物件である可能性が高いです。

また、地域の人通りや、人気のある店舗の動向を観察できるため、店舗運営に必要な重要な情報を得られます。自分の目で確認しながら集めた情報を通じて、より適切な店舗選びができるでしょう。

友人・知人から紹介してもらう

友人・知人から紹介してもらう

開業に向けて店舗物件を探す際には、周囲の人々に相談しておくことも重要です。具体的な条件や希望する物件の種類を共有することで、友人や知人から意外な情報提供を受ける可能性があります。

たとえば、友人や知人が知っている店舗のオーナーが後継者を探している場合、情報が直接手に入ることもあるでしょう。また、SNSを活用して多くの人々に希望を伝えることで、独自のネットワークから物件情報を受け取れる可能性があります。

既存の関係を生かし、情報を積極的に発信することは、店舗物件探しで競合と差をつけるための有効な方法です。

自治体や商工会議所に相談する

店舗物件の情報収集には、自治体や商工会議所が重要な役割を果たします。地域活性化の一環として、空き店舗が目立つ商店街への店舗誘致を積極的に支援してくれる可能性があるためです。

さらに、店舗の賃料や改修に関する補助制度を提供している場合もあり、活用できれば出店の際に役立つでしょう。

相談する方法としては、出店を検討しているエリアの自治体や商工会議所に直接問い合わせる、公式ウェブサイトを訪れて連絡を取る方法があります。地元の支援を活用することで、開業の可能性を広げられるでしょう。

内装工事業者に相談する

内装工事業者に相談する
Construction and structure concept of Engineer or architect meeting for project working with partner and engineering tools on model building and blueprint in working site, contract for both companies.

店舗物件を選ぶ際には、内装工事業者に相談することも有効な方法です。場合によっては、内装工事のプロに同行してもらい、物件内覧を行えることがあります。その場合、内装デザインや構造の専門的な視点からの評価を受けられるでしょう。

さらに、賃貸契約を結ぶ前に内装工事業者と相談を開始することで、内装計画を事前に立てることが可能です。工事の見積もりを取得し、必要な改修箇所を明らかにすることで、より適切な店舗物件を見つけ出せるでしょう。

店舗物件を探す前にすべきこと

店舗物件を探す前に、以下4つのことは済ませておきましょう。

  • 店舗のコンセプトを決める
  • 物件の条件を決める
  • 事業計画を立てる
  • 資金計画を立てる

上記の行動を事前に済ませておくことで、より適切な店舗物件を探せます。

店舗のコンセプトを決める

店舗のコンセプトを決める

店舗を開業する前に、店舗のコンセプトを明確にすることが重要です。まず、どのような顧客層をターゲットにするかを決定しましょう。

たとえば、企業に勤める人々を対象とする場合、店舗の立地はオフィス街が適しています。一方、小売業を考えているなら、卸売市場や商店街のある下町が候補地となるでしょう。

次に、どのような商品やサービスを提供するかを考えて、店舗形態を決定します。飲食店の場合はイートイン専門か、テイクアウトも可能かを検討しましょう。店舗の営業時間もあわせて考えます。

このような基本情報を決めたら、開店時期を逆算して、物件探しを開始します。計画的に進めることで、開業までに必要な準備期間を確保し、スムーズに開業できるでしょう。

物件の条件を決める

店舗を開業する際、物件の条件を決めることが大切です。資金計画が固まった段階で、いくつかの候補地を挙げ、それぞれの地域を直接訪れて実情を確認しましょう。

まず、必要面積と席数、賃料と坪単価、1階でないと難しいか、空中階でも問題ないか、視認性を重要視するため角地か、また大通りに面しているかなど、譲れない条件を明確にすることが重要です。また、駅からの距離も大切な要素です。例えば、駅から徒歩5分以内の物件は集客力が高まる可能性があります。これらの条件を考慮しながら物件を絞り込むことが必要です。

インターネットでの情報収集も役立ちますが、可能なら現地まで視察にいくことをおすすめします。現地で得られる情報は、ウェブ上では得られないものが多くあるためです。

とくに、候補地の昼夜の雰囲気を比較することは、地域の特性を理解するうえで重要な役割を果たします。昼間は活気があっても夜になると人通りが減少し、安全性に問題がある場合もあります。店舗の営業時間や客層に直接影響するため、きちんと確認しましょう。

また、周辺の店舗の状況や、類似の商品やサービスを提供する競合の状況も調査することをおすすめします。地域の集客力や競合との差別化ポイントを把握することで、店舗戦略を練るうえでの貴重なデータが得られるでしょう。

現地調査により、理想の店舗立地を選ぶための具体的で詳細な情報を集めることが可能です。

事業計画を立てる

店舗開業には、綿密な計画が必須です。まずは、提供する商品やサービス、ターゲットとなる顧客層、店舗の形態と営業時間、理想的な立地を考えます。

次に、事業計画を具体化するために、数値以外の計画と、数値計画に分けて検討を進めましょう。数値以外の計画では、なぜそのビジネスを始めたいのか、どのような店を作りたいのかという考えを具体化します。将来的にどのような展開を望むかも考えるとよいでしょう。

店舗と商品の具体的なイメージを目で見えるようにすることも重要です。インターネットで類似の店舗を調査したり、実際に足を運んで写真を撮ったりなどして、イメージを明確にすると計画も具体的になるでしょう。

資金計画を立てる

資金計画を立てる

店舗開業にあたっては、きちんと資金計画を立てることも重要です。開業時、初期投資として、保証金や家賃、仲介手数料、共益費などがかかります。費用は地域や物件によって異なるため、契約前に細かな見積もりを取得しましょう。

内装や外装にこだわる場合、工事に必要な費用が予算を圧迫することがあります。コスト計算と費用対効果を検討して、必要最小限の投資で最大の効果を得られるよう計画を立てましょう。

加えて、開店後のマーケティングや広告宣伝にも一定の予算を割り当てることをおすすめします。チラシ配布やグルメ媒体の検討、写真撮影、ホームページの制作など、店舗の認知度を高め、集客力を向上させるには欠かせない取り組みです。

資金計画は、開業前だけでなく、開業後の運営にも影響を及ぼします。見込まれる収益に基づいて現実的な計画を立て、事業が安定するまでの資金繰りを細かく検討することが重要です。計画的に資金を管理することで、予想外の出費があっても落ち着いて対応できるようになるでしょう。

資金計画を立てるにあたっては、補助金や助成金も綿密にチェックしておきたいところです。こちらの記事では、飲食店開業の際に利用できる補助金・助成金制度について解説しています。

店舗物件を探す際のコツ

店舗物件を探す際のコツ

店舗物件を探す際のコツは、以下の7つです。

  1. 市場調査をして出店エリアを絞る
  2. 取得したい物件条件を決めておく
  3. 未公開物件があるか調査する
  4. 昼と夜に分けて視察する
  5. 周辺住民の話を参考にする
  6. 工事業者の意見を聞く
  7. 不動産会社やオーナーと良好な関係を築く
  8. 複数の不動産会社に相談する

上記のコツを理解することで、自分によってよりよい店舗物件を見つけられる可能性が高くなります。

市場調査をして出店エリアを絞る

店舗開業の成功は、出店エリアを選ぶところから始まります。市場調査を行い、ターゲット顧客への理解度を深めましょう。

具体的には、顧客層のライフスタイルや仕事のパターン、地域ごとの交通量の違いを詳細に分析します。加えて、競合となる店舗の数や集客力も調査し、自店舗が成功する可能性を高める情報を集めることも重要です。

さらに、店舗の賃料相場についても調査して、経済的に実現可能かどうかを考えることも必要です。インターネット上での口コミや評価を参照することに加え、実際に現地に足を運ぶことで、より幅広い視点からの情報を得られるでしょう。

市場調査に基づき戦略的に出店エリアを選ぶことで、店舗の集客力を高め、長期的な事業の成功へとつなげることが可能です。

未公開物件があるか調査する

店舗物件を選ぶ際には、インターネット上で公開されている情報だけでなく、未公開の物件情報にも注目することが重要です。

多くの不動産会社は特定の物件を公にしないで保持しており、そのような情報を得るためには、直接連絡を取る必要があります。特定の地域に特化した不動産業者の場合、該当地域の魅力的な物件を独占的に扱っている可能性があります。

事業用物件の場合、契約解除の予告が半年前に行われることが一般的ですが、良好な条件の物件は、予告された直後に新しい入居者が決定することも多いです。

定期的にエリアを歩いて直接情報を収集することで、見逃してしまいがちな未公開物件を見つけ出せるかもしれません。よさそうな物件を見つけたら、入居者がいたとしてもまずは相談してみましょう。

昼と夜に分けて視察する

店舗が成功するかどうかを見極めるために、昼と夜に分けて視察することをおすすめします。

たとえば、昼間はビジネスパーソンや買い物客が多い一方、夜は若者やデートを楽しむ人が増える地域の場合、異なる顧客層に対応したメニューやサービスを計画することが成功につながる可能性があります。

また、時間帯によって地域の雰囲気が変わることもあり、昼間は活気があるものの夜になると治安が悪くなるエリアも存在します。昼と夜の環境の変化を理解することで、適切な営業戦略や安全対策を立てられるでしょう。

競合店の動向も同様に、昼夜で変わることがあるため、変化を踏まえたうえで店舗の位置付けを考えることが大切です。

周辺住民の話を参考にする

周辺住民の話を参考にする

店舗物件の検討において、周辺住民からの地域の情報をヒアリングすることは大変有益です。住民は地域の日常的な人通りや、地元で人気のある店舗、住民層の傾向といった情報を把握しています。

たとえば、飲食店を開業する際には、地域の住民が外食にどの程度頻繁に出かけるか、テイクアウトの需要がどれほどかといった情報は、事業計画に大きな影響を与えるでしょう。

また、住民の友人・知人が知っている店舗の閉店情報なども、新たな機会を見つける手がかりとなる可能性があります。地元の方の情報を獲得することで、実際の市場ニーズに合った店舗運営がしやすくなり、事業を成功に導きやすくなるでしょう。

工事業者の意見を聞く

工事業者からの情報収集も、有益な場合が多いです。とくに、店舗の開店準備や閉店時に活動する業者は、地域の店舗の動向に詳しいため、貴重なアドバイスや情報を提供してくれることがあります。

たとえば、定期的に行われる原状回復工事を請け負っている業者からは、閉店予定の店舗についての先行情報を得られるでしょう。その店舗が自分の理想に近い場合、その時点で相談することで、居抜き店舗としての引き継ぎをスムーズに行える可能性があります。

特定の地域で店舗の入れ替わりが頻繁に行われている場合、その地域への出店は避けるなどの判断も可能です。工事業者の意見を参考にすることで、より効率的な店舗物件選びができるでしょう。

不動産会社やオーナーと良好な関係を築く

店舗物件探しにおいて、不動産会社やオーナーと良好な関係を築くことは重要です。インターネットに掲載される前に取り引きされる未公開物件を狙っている場合は、とくに良好な関係を築けるようにしましょう。

未公開物件の多くは条件がよく、競争も激しく、入居するのが難しい傾向があるためです。不動産会社やオーナーと良好な関係を築いておくことで、優良な物件情報を早期に入手しやすくなり、店舗物件選びで有利に働きます。

不動産業者だけでなく、複数の物件を所有しているオーナーとも交流を深めることで、貴重な情報を得られる可能性を高められます。このように、物件を管理する業者と良好な関係を築いておくことで、よりよい物件で事業を始めやすくなるでしょう。

複数の不動産会社に相談する

店舗物件探しでは、ひとつ不動産会社に限定せず、複数の業者に相談しましょう。不動産会社ごとに得意とする物件のタイプや得意エリアが異なり、同一物件でも仲介手数料や企画料などの費用に違いが見られたり、エリア別で得意・不得意があったり、特定の不動産屋に物件が偏って発生することもあるためです。

また、複数の会社から情報を集めることで、出店予定エリアの相場に対する理解を深めることもできます。

さらに、不動産会社だけでなく、自治体や商工会議所にも相談しておきましょう。自治体や商工会議所は時に特別な斡旋や情報提供を行っており、店舗探しの貴重な情報源となる可能性があります。

幅広い情報源を活用することで、自分の状況に最適な店舗物件選びできるようになるでしょう。

店舗物件を探す際の注意点

店舗物件を探す際、以下7つのポイントに注意しましょう。

  • 条件を絞りすぎない
  • インターネットの情報を信じすぎない
  • 居住用物件は店舗として利用できない
  • 用途地域によっては開業できない
  • 前店舗の影響を受ける可能性あり
  • 業態が制限される可能性あり
  • 賃貸時期が制限される可能性あり

上記の注意点を考慮に入れず、よい条件の物件に見つけ出せたからとすぐに入居を決めてしまうと、後悔してしまうかもしれません。店舗物件を探すことではなく、見つけた店舗で事業を行い、結果を出すことがゴールであることを忘れないことが重要です。

ここからは、具体的に何に注意すべきなのかを解説します。

条件を絞りすぎない

店舗物件探しにおいて、初期段階で条件を厳しく設定しすぎると、理想に合う物件を見つけることが難しくなることがあります。さまざまな条件を考慮することは重要ですが、すべての条件を完璧に満たす物件を求めると、選択肢が限られてしまうことが多いです。

そこで効果的なのは、最も重要な条件をひとつに絞り、その条件を中心に物件探しを行うことです。たとえば、立地を最優先とするなど、柔軟な姿勢で店舗物件探しに臨むとよいでしょう。

インターネットの情報を信じすぎない

店舗物件を探す際にインターネットを利用することは一般的ですが、記載されている情報を鵜呑みにするのは避けた方が無難です。

実際、インターネット上に掲載されている物件情報のなかには、更新が間に合っておらず、すでに募集が終了している場合があります。口コミや評判も参考になりますが、すべて正確であるとは限りません。

そのため、可能であれば、実際に自分で現地を訪れて確認して、直接情報を集めることをおすすめします。自分の目で見たことや直接得た情報に基づいて良し悪しを考えられるため、自信を持って判断を下せるでしょう。

居住用物件は店舗として利用できない

店舗を開業する際には、居住用物件が店舗用途に使えないことは理解しておきましょう。具体的に、マンションやアパートのような集合住宅では、安全や管理の観点から店舗としての利用が制限されている場合がほとんどです。

契約後に事業を開始できないことが判明するといった事態を引き起こさないように、物件探しの初期段階で不動産会社に相談し、適切な物件を選びましょう。

用途地域によっては開業できない

店舗を開業する際には、用途地域の規制にも注意が必要です。都市計画法に基づき、都市の計画的な発展を促進するために土地利用が制限される区域が、用途地域です。

用途地域のなかには、商業活動が許可されていない区域も存在します。たとえば、住居専用地域や一定の住居地域では、店舗の開業が制限されることが多く、床面積や業種によっては条件付きで許可されるケースもあります。

店舗開業を検討する際は、事前に対象エリアの用途地域を確認し、必要なら自治体に直接問い合わせましょう。

前店舗の影響を受ける可能性あり

開業予定の店舗が、以前どのような事業を行っていたのかなどは、あらかじめ調査しておきましょう。たとえば、前店舗の評判があまりよくなく、経営不振で閉店していた場合、その影響で客足が伸びづらい可能性があります。

店舗を選ぶ際は、不動産会社や地域住民、周辺店舗を通じて、以前の店舗に関する情報も集めることが望ましいです。

業態が制限される可能性あり

店舗を開業する際、業態に制限が設けられるケースがあるため、事前に確認が必要です。不動産仲介業者を通じて、事前に物件所有者と業種に関する条件を確認し、合意を得ておくことが大切です。

たとえば、焼肉店のように煙や臭いを多く発生させる業種は、ほかのテナントへの影響が問題となり、特定のビルでの開業が難しい場合があります。他にも焼き鳥や焼肉の炭火利用の火災リスク、カレー店の匂い、ラーメン店の匂い・油などもオーナーに契約を断られる事例もあります。

また、ビルの所有者から内装や看板のデザインに制約があることや、特定の設備に関する重量制限が設けられている場合もあります。のちのトラブルを避けるためにも、制約の有無や詳細は契約前にきちんと確認し、業種や業態に適した物件選びを心がけましょう。

賃貸時期が制限される可能性あり

店舗物件の賃貸契約時、賃貸時期が制限される場合があります。たとえば、定期借家契約では普通借家契約と異なり、設定された期間の終了とともに退去が必要とされるため、注意が必要です。

定期借家契約は、一定期間のみの利用を前提としており、時には賃料が安く設定されることもありますが、営業が順調であっても期間満了時には移転が求められます。

加えて、契約期間中に解約を希望する場合は、残りの賃料全額を違約金として支払う必要が生じることもあります。賃貸契約を結ぶ際は、条件を確認し、合意のうえで手続きを進めることが重要です。

店舗物件の種類

店舗物件の種類

店舗物件には、以下の4種類があります。

  • ビルイン型店舗
  • 路面店
  • 商業施設型店舗
  • ロードサイド型店舗

それぞれどこに位置するのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。事業にふさわしい店舗物件を選ぶ際に役立ててください。

ビルイン型店舗

ビル内に設けられるビルイン型店舗は、主に繁華街や駅近辺のビルの2階以上に位置しており、多くの店舗が集まっていることが多いのが特徴です。ビルイン店舗は、周囲のテナントとの相乗効果を狙いやすいため、顧客層を明確に定めやすい利点があります。

また、居抜き物件が多いため初期投資を抑えられる点も魅力です。しかし、ビルそのものの立地に依存する形となるため、店舗の個性をうまく表現することが難しいことがあります。

さらに、都心部などの好立地にあるビルの場合は家賃が高くなりやすいです。また、ビル内に店舗が多いため、自店舗ではなく他店舗を訪れる顧客も多く、集客には工夫が必要となるでしょう。

路面店

路面店は通り沿いにある店舗で、主に一階部分に位置します。駅前や商店街など人通りの多いエリアに設置されることが多く、見通しのよい立地の場合は集客が期待できるでしょう。

路面店は周辺を歩く人の目につきやすいため、外観のデザインに工夫を凝らすことで、ほかの店舗との差別化が可能です。運営においては営業時間や内装に制約が少なく、自由度が高いのが特徴です。

路面店のデメリットとして、自店舗での集客努力が欠かせない点が挙げられます。ビル内や商業施設のテナントのように集客サポートが期待できないため、独自のプロモーションが必要です。

また、立地がよい場合が多く、家賃が高くなりやすいため、それにともなって初期費用も多くかかる傾向があります。

こちらの記事では、路面店とテナント店の違いをさらに詳しく解説します。初めての飲食店経営ではどちらがおすすめかもお伝えしているため、ぜひあわせてご覧ください。

商業施設型店舗

商業施設型店舗は、ショッピングモールやデパートなどの大規模施設内で営業します。商業施設型店舗の利点は、施設が主催する広告やイベントを通じて、一定の集客が保証されることです。

また、特定のターゲットに特化した施設では、より効率的にターゲットとして定めている顧客を引き付けられるでしょう。

しかし、商業施設型の店舗には制限もあります。営業時間や店舗デザインは施設の規定に従う必要があり、自由に運営するのが難しい場合がほとんどです。加えて、家賃のほかに売り上げの一部を施設側に支払う歩合制手数料が課されることが多く、経営の負担になることもあります。

ロードサイド型店舗

ロードサイド型店舗は、車通りの多い道路沿いに位置しており、自動車の利用者を主なターゲットとしています。通常郊外に位置し、広々とした駐車場を持っていることが特徴です。

賃料の面では、同等の都心部の店舗に比べて安価であるため、より大きなスペースを活用して店舗を展開できる利点があります。そのため、ファミリー層に人気の飲食店や大型店舗に適しているといえるでしょう。

ただし、ロードサイド型店舗にもいくつかのデメリットが存在します。具体的には、客層が自動車利用者に限られるため、車を持たない人々にとって店舗に足を運ぶのが困難である点が挙げられます。また、広い敷地を必要とするため、外装や駐車場の維持管理にも費用と労力が必要です。

居抜き物件とスケルトン物件の違い

ビルイン型店舗や路面店、商業施設型店舗、ロードサイド型店舗のほかに、居抜き物件とスケルトン物件と呼ばれる物件も選択肢として考慮に入れましょう。

簡単に説明すると、居抜き物件は前店舗の設備が残っている物件、スケルトン物件は前店舗の設備が残っていない物件です。ここからは、両者の違いについて詳しく解説します。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、前に店舗を使っていたオーナーが使用していた設備や家具が残されている物件です。残された設備と家具を利用できるため、開業にかかる改装費や設備投資を大きく削減できます。

市場には比較的多くの居抜き物件が存在しており、立地や集客力が良好な物件は魅力的な選択肢となるでしょう。

ただし、居抜き物件には、いくつかの注意点があります。まず、設備や内装の柔軟性が低く、現状の設備が使用に適さない場合があります。また、前テナントの閉店理由や物件自体のマイナスイメージが影響を与えることもあるため、事前の詳細な調査が必要です。

さらに、物件価値に応じた追加費用である「造作譲渡費用」が発生する場合が多いです。契約前には上記の注意点を確認し、適切な価格交渉を行いましょう。

スケルトン物件とは

スケルトン物件は、前のテナントによる内装や設備が一切残されていない状態の物件です。スケルトン物件は、テナントは自由に内装やレイアウトを設計でき、店舗の独自性を際立たせることが可能です。

新しい業態を導入する際にも向いており、物件によっては低コストでの開業が実現できることもあります。

しかし、スケルトン物件にも、いくつかのデメリットが存在します。内装全般の新設が必要となるため、初期投資が高くなりやすく、工事期間も長くなりがちです。さらに、店舗としての知名度を築くまでに時間がかかることも考慮する必要があります。

加えて、退去時には原状回復の費用が高額になるリスクもあります。上記のデメリットを踏まえて、契約内容の確認は慎重に行いましょう。

居抜き物件がおすすめの理由

複数の店舗物件の概要を紹介しましたが、とくにおすすめなのは居抜き物件です。居抜き物件がおすすめの理由は、以下の4つです。

  • 初期費用を抑えられるため
  • 開店までの期間を短縮できるため
  • 立地条件のよい物件を見つけやすいため
  • 過去の客層を引き継げる可能性があるため

それぞれの理由について解説します。

初期費用を抑えられるため

居抜き物件は、前テナントが使用していた設備や家具が残されているため、新たに開業する際の初期投資を抑えられます。

とくに飲食店などで必要とされる厨房設備や冷蔵設備は、新品を購入するとかなりの費用がかかります。しかし、居抜き物件ではこれらの設備がすでに整っているため、大掛かりな工事や設備投資を省くことが可能です。

さらに、前のテナントにとっても解体費用を節約できるため、居抜き物件は開業希望者とテナント双方にメリットがある選択肢です。

開店までの期間を短縮できるため

居抜き物件は、開店までの時間を短縮できる利点があります。賃貸契約後はすぐに家賃が発生するため、工事が長引くほど無駄なコストがかさむことになります。

しかし、居抜き物件では、前のオーナーが使っていた厨房設備や家具が利用できるため、新たな設備の購入や大掛かりな改装が不要です。そのため、設計から開店までの期間を数週間に短縮することも可能です。

早期に店舗を開業することで、より速く収益を上げられ、初期の投資回収もスムーズに進むでしょう。ただし、使用する設備の状態を事前に確認し、必要に応じてメンテナンスや部分的な改修を行うことは欠かせません。

立地条件のよい物件を見つけやすいため

居抜き物件は、優れた立地条件の物件を見つけやすいです。前店舗のオーナーが、商売が成立するように、通行人の多い商業地や交通の便がよい場所を選んでいることが多いためです。

ある程度の人通りが見込める居抜き物件は、立地が重要な飲食業界や小売業でとくに有効な選択肢となるでしょう。

過去の客層を引き継げる可能性があるため

居抜き物件は、過去に営業していた店舗の顧客層を引き継げる可能性があります。たとえば、飲食店の場合、前の店舗が利用していた顧客は新店舗にも流れやすいため、ゼロから顧客を集める必要が少なくなります。

また、前の店舗と同じ業種であれば、既存の顧客が新店舗にも興味を持ちやすく、開業初期からの集客を見込めるでしょう。居抜き物件は、立ち上げ段階での顧客獲得の労力を減らし、事業を早期に軌道に乗せる手助けをしてくれる可能性があります。

まとめ

店舗物件の探し方には、インターネットを利用する方法や不動産会社・工事業者に相談する方法、現地を訪れる方法があります。自治体や商工会議所、友人・知人から情報を集める方法も効果的です。

店舗物件でおすすめなのは、居抜き物件です。居抜き物件は、初期費用を抑えつつ開業でき、過去の客層を引き継げる可能性があるため、開業準備において有利に働きます。

居抜き物件を探しているなら「居抜きの神様」をご利用ください。ほかのサイトには掲載されていない独自の物件情報や好条件の物件を数多く取り揃えています。事業に適した居抜き物件を見つけて、事業をスムーズに始めましょう。

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居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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