生中の量は何ml?瓶ビールとの比較や生ビールの原価も解説

生中の量に基準値はない?なるべく安く提供する方法を解説

生中の量は何mlでしょうか。

中ジョッキの容量は330〜500ml程度で、多くのメーカーが扱う標準は435mlです。

ビールと泡を7:3で注ぐと、435mlのジョッキで飲めるビールは計算上約305mlになります。

ただし、同じ「生中」でも、量はお店が使うジョッキ次第です。

この記事では、生中の量の目安や瓶ビール・生大との比べ方、お店で生中を出すときの原価や樽の選び方を紹介します。

読み終えるころには、お店で頼むときに量を比べる目安がわかります。

開業を考えている人にとっては、自分の店の生中の量と値段を決める材料にもなるでしょう。

ジョッキの大きさごとの容量や、ビールと泡の黄金比について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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目次

生中の一般的な量

生中の量は、ジョッキの大きさや泡の入り方によって変わります。

以下では、生中の一般的な量について、次の4つの点から解説します。

  • ジョッキの容量に厳密な基準値はない
  • 小・中・大ジョッキで容量の目安は変わる
  • ジョッキの容量はメーカーや器によって違う
  • 泡を除くとビールの量は7〜8割になる

まずは、生中の容量の基準について見ていきましょう。

ジョッキの容量に厳密な基準値はない

同じ「生中」という名前でも、提供される量はお店によって違います。

中ジョッキの容量には330〜500ml程度と幅があり、どの大きさを使うかはお店が決めています。

居酒屋のジョッキの量が店ごとに少しずつ違うと感じるのは、このためです。

そのため、「生中は何ml」と1つの数字で言い切るのは難しいのが実情でしょう。

お店ごとに違うジョッキの容量について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

小・中・大ジョッキで容量の目安は変わる

居酒屋のメニューにある「生小」「生中」「生大」は、それぞれ生ビールの小ジョッキ・中ジョッキ・大ジョッキを指します。

大きさごとの容量の目安は、次のとおりです。

呼び方ジョッキ容量の目安リットルにすると
生小小ジョッキ200〜300ml0.2〜0.3L
生中中ジョッキ330〜500ml
(多くのメーカーが扱う標準は435ml)
0.33〜0.5L
生大大ジョッキ700〜800ml0.7〜0.8L

生大の量は、標準の生中(435ml)のおよそ1.6〜1.8倍にあたります。

どれを頼むと得かは、このあとの「生中と生大のお得さの比較」で紹介します。

ジョッキの容量はメーカーや器によって違う

生中の量を左右する要素のひとつが、ビールメーカーのジョッキです。

居酒屋で出てくるジョッキには、ビールメーカーのロゴや名前が入っていることがよくあります。

こうしたジョッキはメーカーや器の種類によって容量が違うため、お店ごとに生中の量に差が出ます。

各メーカーがそろって扱っている中ジョッキのサイズが、435mlです。

お店が扱うビールの銘柄が変われば、使うジョッキも変わり、容量にも違いが出ます。

泡を除くとビールの量は7〜8割になる

ジョッキに何ml入るかと、実際に何ml飲めるかは別の話です。

ジョッキには、ビールだけでなく泡も入るためです。

サッポロビールの「ビールの上手な注ぎ方は?」では、ビールと泡のおいしい目安を7:3としています。(※1)

アサヒビールの「うまい!樽生5原則」でも、ビールと泡の黄金バランスは7:3〜8:2とされています。(※2)

この比率をもとに計算すると、435mlのジョッキで飲めるビールの量の目安は次のとおりです。

  • ビールと泡が7:3のとき:約305ml
  • ビールと泡が8:2のとき:約350ml

どちらも計算上の目安で、実際の量は注ぎ方や泡の落ち着き方によって前後します。

泡の分だけ少なく感じるかもしれませんが、泡はビールのおいしさを保つために欠かせません。

アサヒビールの「ビールの泡とは?」によると、ビールが空気にふれて酸化するのを防ぐのが「泡のふた」です。(※3)

ほどよい泡がのった生中は、おいしく飲める状態で出されているといえます。

(※1)出典:サッポロビール|ビールの上手な注ぎ方は?
(※2)出典:アサヒビール|おいしい樽生を飲みたいのですが?
(※3)出典:アサヒビール|ビールの泡とは?

生中と瓶ビール・生大の量の比較

居酒屋で「生中にするか、瓶ビールにするか、生大にするか」と迷う人もいるでしょう。

ここでは、量の面から比べるときのポイントを、次の3つに分けて紹介します。

  • 瓶ビール・缶ビールとの量の比較
  • 大瓶が633mlになった理由
  • 生中と生大のお得さの比較

まずは、瓶や缶のビールが何ml入っているかを確かめておきましょう。

瓶ビール・缶ビールとの量の比較

ビール酒造組合の「なんでもQ&A」によると、国産ビールの瓶と缶には次のような容量があります。(※4)

容器容量
小瓶334ml
中瓶500ml
大瓶633ml
缶(標準)350ml
缶(ロング缶)500ml

(※4)出典:ビール酒造組合|なんでもQ&A

中瓶1本(500ml)は標準の中ジョッキ(435ml)より65ml多く、「瓶ビールと生中、どっちが多い?」の答えは中瓶1本のほうといえるでしょう。

瓶の中身はすべてビールのため、泡を除いた生中1杯(約305〜350ml)と比べると、約1.4〜1.6倍の量になります。

缶ビールでは、ロング缶(500ml)が中瓶と同じ量で、標準の350ml缶は泡を除いた生中1杯とほぼ同じ量になります。

大瓶が633mlになった理由

大瓶の633mlは、きりのよい数字ではありません。

この数字が決まった理由は、ビール酒造組合の「なんでもQ&A」で説明されています。(※4)

昭和15年3月に新しい酒税法ができ、ビールの中身の量をそろえることになりました。

そこで当時の大日本麦酒と麒麟麦酒の工場で使われていた大瓶を調べると、いちばん大きいもので3.57合(643.992ml)、いちばん小さいもので3.51合(633.168ml)でした。

合(ごう)は、お米やお酒の量をはかるときに使われてきた昔の単位です。

容量がいちばん小さい瓶に合わせれば、それより大きめの瓶も使えます。

この理由から、昭和19年に3.51合が大瓶の容量に定められ、いまも633mlが使われています。

小瓶の334mlも、同じ理由で決められたものです。

(※4)出典:ビール酒造組合|なんでもQ&A

生中と生大のお得さの比較

「生中と生大、どちらがお得か」は、量と値段の両方を見て判断します。

まず量だけで比べると、標準の中ジョッキ(435ml)2杯で870mlとなり、大ジョッキ1杯(700〜800ml)より多くなります。

一方で、生大1杯は生中1杯のおよそ1.6〜1.8倍の量です。

そのため、生大の値段が生中の値段の何倍かを出し、その倍率が量の倍率より低ければ、量あたりでは生大のほうが得といえます。

お店ごとに比べるときは、「値段 ÷ 容量(ml)」で1mlあたりの値段を出してみましょう。

メニューに容量が書いてあれば、生中と生大の両方で計算すると、どちらが割安かがはっきりします。

容量が書いていないときは、お店の人に聞いてみるのもひとつの方法です。

この「1mlあたりの値段」で比べる考え方は、お店側が生中の量と値段を決めるときにも役立ちます。

生中の量や価格はお店の売上に影響する

ここからは、生中を出すお店の側から見ていきます。

居酒屋の定番メニューである生中の量や価格の設定は、お店の売上に影響しやすい要素です。

価格を決めるときは、利益とお客さまの満足度の両方に目を向けておくと安心です。

以下では、生ビールの原価や価格について、営業をする上で知っておきたい3つの点から解説します。

  • 生ビールの原価率
  • 近隣エリアの相場を参考にした容量と値段の目安
  • 量と値段の組み合わせを店が決められる日本の仕組み

最初に取り上げるのは、値段を決める基本になる原価率です。

生ビールの原価率

業界メディアであるユビレジの「ユビはっく」では、生ビールの原価率の目安を30〜40%ほどと紹介しています。(※5)

業務用の酒販店であるマルヨシ酒店のコラムでも、ビールと日本酒は原価率が高いドリンクとして挙げられています。(※6)

30〜40%の範囲を目安にすると、利益とお客さまのお得感のバランスをとりやすいでしょう。

原価率の計算式は、次のとおりです。

原価率(%)=(売上原価 ÷ 売上高)× 100

ただし、適切な原価率は、店舗の立地やコンセプト、ターゲット層によって変わります。

利益率だけを追わず、価格と満足度のバランスを意識しておくと安心です。

値段を高く設定しすぎると、客数の減少やリピート率の低下につながるおそれがあります。

居酒屋全体の原価率や、ほかのドリンクとの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※5)出典:ユビレジ|ユビはっく 飲食店・居酒屋・レストランの原価率
(※6)出典:マルヨシ酒店|飲食店のドリンク原価率の目安と価格

近隣エリアの相場を参考にした容量と値段の目安

生中の価格を決めるときは、近隣エリアの競合店の価格を参考にするのがポイントです。

同じエリアで価格が大きく離れていると、お客さまに不信感を持たれるおそれがあります。

たとえば、隣の居酒屋が350mlの生中を400円で出しているのに、自店で330mlの生中を500円で出すと、割高に感じられて集客に影響するかもしれません。

価格だけでなく、ビールの量も大切です。

近隣の店より明らかに少ない量で出していると、お客さまに「損をしている」と感じさせるおそれがあります。

比べるときは、生中と生大の比較で紹介した「値段 ÷ 容量」で1mlあたりの値段にすると、ジョッキの大きさが違う店どうしでも比べやすいでしょう。

また、同じジョッキでも、泡が多ければビールの量は少なく見えます。

アサヒビールの「うまい!樽生5原則」にある黄金バランス(7:3〜8:2)を目安に注ぎ方をそろえておくと、注ぐ人による量のばらつきを抑えられます。(※2)

近隣の店と価格や量のバランスを比べながら、ターゲットに合った価格を決めていきましょう。

(※2)出典:アサヒビール|おいしい樽生を飲みたいのですが?

量と値段の組み合わせを店が決められる日本の仕組み

国によっては、飲食店でビールを出す器の量に決まりがあります。

ドイツのラインラント=プファルツ州計量局の案内資料によると、飲食店でビールを出すグラスは、原則として計量の法律の決まりを満たすものとされています。(※7)

グラスには容量を示す目盛りを付け、使える容量も0.2L・0.25L・0.3L・0.33L・0.5Lなどに限られる仕組みです。

量がそろっていれば、お客さまは同じ量どうしで値段を比べられます。

一方、日本では、最初の見出しで紹介したとおり、中ジョッキの量はお店ごとに違います。

量と値段をどう組み合わせるかは、お店ごとに考える余地があるといえるでしょう。

その分、この組み合わせが、お客さまから見たお店の印象を左右します。

こちらの記事では、居酒屋の売上平均について解説しています。

売上管理に必要な知識や繁盛店の特徴も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

(※7)出典:ラインラント=プファルツ州計量局|Information über die Verwendung von Ausschankmaßen und Schankgefäßen

生樽の容量による生中の杯数と売上

生樽の容量は、飲食店の経営で大切な要素です。

樽の容量によって、1樽で取れる杯数や1杯あたりの原価が変わります。

ここでは、生中1杯の容量を400mlと仮定し、次の3つの点から解説します。

  • 樽の容量ごとの杯数
  • 1杯あたりの原価と売値の計算
  • 鮮度から考える樽の容量の選び方

まずは、樽の大きさごとに生中が何杯取れるかを表で見てみましょう。

樽の容量ごとの杯数

業務用の生樽の大きさは、メーカーや銘柄によって違います。

キリンの「業務用キリン樽詰 ラインアップ」では、キリン一番搾りの樽は7L・15L・20Lです。(※8)

アサヒビールの「アサヒ生ビール(樽詰)」は、5L・10L・19Lの3種類。(※9)

サッポロビールの「サッポロ生ビール黒ラベル<樽生>」には、20L樽と10L樽があります。(※10)

このように、銘柄によって選べる樽の大きさが違います。

10Lの生樽なら、生中(400ml)で約25杯です。

樽の容量ごとの杯数は、次のとおりです。

樽の容量生中(400ml)の杯数この大きさの樽がある主なメーカー
7L約17.5杯キリン
10L約25杯アサヒ
サッポロ
15L約37.5杯キリン
20L約50杯キリン
サッポロ

(※8)出典:キリンビール|ラインアップ(業務用キリン樽詰)
(※9)出典:アサヒビール|アサヒ生ビール(樽詰)
(※10)出典:サッポロビール|サッポロ生ビール黒ラベル<樽生>

杯数は「樽の容量 ÷ 1杯の量」で求めます。

泡の量など注ぎ方によって、実際の杯数は前後します。

1杯あたりの原価と売値の計算

樽の容量と杯数がわかれば、1杯あたりの原価と売値を計算できます。

計算式は、次の2つです。

  • 1杯あたりの原価=樽の仕入れ値 ÷ 1樽で取れる杯数
  • 売値=1杯あたりの原価 ÷ 原価率

計算の流れを見るために、20Lの樽の仕入れ値を仮に10,000円とします。

20Lの樽で50杯取れるとすると、1杯あたりの原価は200円です。

原価率を30%にすると売値は約670円、40%にすると500円になります。

この数字は計算の流れを示すための仮の値段で、実際の仕入れ値はメーカーや銘柄、取引先、時期によって変わります。

実際に計算するときは、仕入れ先から受け取った見積もりの金額を当てはめてみましょう。

大きい樽を選ぶと1杯あたりの原価を抑えられる場合もありますが、使い切れなければロスになります。

樽の大きさを選ぶときには、鮮度もあわせて考えておきたいところです。

鮮度から考える樽の容量の選び方

生ビールは、樽を開けてから時間がたつほど鮮度が落ちていきます。

ビールの味を落とさずに安定したクオリティで出すには、開けた樽をできるだけ早く使い切ることが大切です。

アサヒビールの「うまい!樽生5原則」では、樽は低温で管理し、開栓後は3日以内に提供するとしています。(※2)

キリンのQ&A「泡が多すぎる」では、泡が多すぎる原因のひとつに、樽の長期持ち越しを挙げています。(※11)

冷えた樽に何日も炭酸ガスの圧力をかけ続けると、ビールに炭酸ガスが溶け込みすぎてしまうためです。

容量の大きい樽は1樽で取れる杯数が多い分、注文が少ないと3日以内に使い切れず、ロスにつながります。

そこで、樽の大きさは、お店で1日に出る生中の杯数から考えてみましょう。

目安は「1日の杯数 × 3日分 × 1杯の量」で、3日で使い切れる量を出す方法です。

たとえば、1日に10杯出るお店なら、3日で30杯、1杯400mlとして12Lになります。

この場合は、12L以下の樽(10Lなど)を選ぶと、3日以内に使い切れる見込みが立てられます。

(※2)出典:アサヒビール|おいしい樽生を飲みたいのですが?
(※11)出典:キリンビール|泡が多すぎる(業務用キリン樽詰 Q&A)

生中の容量変更は顧客に不満を与えないように

飲食店の経営では、容器や商品の中身を変えるときに、慎重な判断が求められます。

お客さまは商品に一定の期待を持っており、その期待を裏切る変更は信頼を損なう原因になるためです。

以下では、容器の形や量を変えるときのポイントを、次の3つに分けて解説します。

  • 容器の形状は変えない
  • 減らす量は最小限に留める
  • 最終手段は生中を廃止する

はじめに、ジョッキの形についての注意点から見ていきます。

容器の形状は変えない

容器の形状は、安易に変えないほうがよいでしょう。

容器は商品の大切な要素のひとつで、とくに常連のお客さまは、その形やデザインを覚えていることもあるためです。

ジョッキの形が変わると、常連のお客さまは違いに気づき、違和感を覚えるおそれがあります。

頻繁に変えると、そのリスクはさらに高まります。

ただし、業態やメニューに合わせて、容器の形を変えざるを得ない場面もあるでしょう。

その際は、なるべく見た目の印象が大きく変わらない容器を選ぶと安心です。

減らす量は最小限に留める

商品の中身を変えるときに、お客さまが気づきやすいのが、知らせずに量を減らすことです。

このようなやり方を「ステルス値上げ」といいます。

ステルス値上げとは、価格や見た目はそのままで、中身の量だけを減らす手法です。

以前と同じ価格なのに量が明らかに少なくなっていると、お客さまは「値段はそのままなのに量が減った」と気づき、お店に不信感を抱くおそれがあります。

そのため、量を変えるときは、減らす量を最小限に抑えることが大切です。

また、どうしても量を減らす場合は、その理由をはっきり伝えることも欠かせません。

ステルス値上げが信頼を損なうのは、お客さまに不利な変更を黙っておこなうためといえます。

メニューの表記や店内の案内で、原材料の値上がりや仕入れの難しさなどの背景を伝えると、お客さまにお店の事情を理解してもらうきっかけになります。

なお、ジョッキをそのままにしていても、注ぎ方が変わって泡が多くなると、お客さまは量が減ったと感じるかもしれません。

量を変えない場合も、注ぎ方をそろえておくと安心です。

最終手段は生中を廃止する

どうしても容量を変えるのが難しい場合は、思い切って「生中」というメニューそのものをなくす方法もあります。

その際は、代わりの商品を用意し、お客さまにとっての魅力を損なわないように工夫しましょう。

たとえば「生小」や「生大」だけを残して量をわかりやすくし、「クラフトビール」や「限定ビール」などの特別なメニューを加えると、お客さまの興味を引き続けるきっかけになります。

量を変える代わりに、ビールとおつまみをセットにしたお得なプランを用意するのもひとつの方法です。

生中をなるべく安く提供するために

運営コストや原材料費が上がったときに備えて、価格を保つための工夫を考えておきたいところです。

以下では、生中を安く、あるいはいまの価格を保ちながら利益を出すためのポイントを紹介します。

  • ほかのお酒や料理で原価を回収する
  • 飲食だけの利益でなく「1人獲得単価」で考える
  • 洗浄によるビールの無駄を防ぐ
  • 飲食店の初期費用を抑える

まずは、ほかのメニューで利益を出す考え方からです。

ほかのお酒や料理で原価を回収する

生中を低価格で出すには、利益率の高いほかの商品で原価を回収する方法があります。

ハイボールやウーロンハイなどは、原価率が低いドリンクとされています。(※6)

手早く調理できる軽食やおつまみメニューを活用するのもよいでしょう。

料理は工夫次第で原価を抑えやすく、利益率を高めに設定できる場合があります。

ビールなどのドリンクの価格を低めにして料理で利益を確保し、お店全体で原価を回収するという考え方です。

季節限定メニューや特別感のあるメニューで注文意欲を高め、全体の売上を底上げする方法もあります。

(※6)出典:マルヨシ酒店|飲食店のドリンク原価率の目安と価格

飲食だけの利益でなく「1人獲得単価」で考える

生中を安く出す場合は、飲食単体の利益だけでなく「1人獲得単価」も意識しておきましょう。

1人獲得単価とは、お客さま1人を獲得するのにかかる費用のことです。

集客のために、広告や予約サイトに費用をかける方法があります。

こうした販促ツールの使い方しだいで、1人獲得単価が変わるのが特徴です。

販促ツールを使わず、自店の商品の一部を安く打ち出して話題をつくり、集客につなげる方法もあります。

たとえば、店先に「生ビール190円」といった看板を出せば、広告や予約サイトに頼らずにお客さまを呼び込むきっかけになるでしょう。

看板を見て来店したお客さまが知り合いを連れてリピーターになり、さらにお客さまが増えていけば、販促ツールにかける費用を抑えることにつながります。

長い目で見て来店客数や注文数が伸びれば、商品の価格を低く設定していても、お店全体の利益を保てる場合があります。

そのためには、お店の雰囲気やサービスの質を高め、お客さまが「また来たい」と感じる空間づくりも欠かせません。

洗浄によるビールの無駄を防ぐ

ビールサーバーの洗浄は、ビールの品質を守るための作業です。

洗浄が足りずに品質が落ちたビールを出し直したり捨てたりすれば、その分がそのまま無駄になります。

キリンの「生ビール機器の洗浄方法」では、毎日の営業終了後に水通し洗浄をおこない、週に1回以上はビールの通り道にスポンジを通すとしています。(※12)

水を通してビールを取り除くことで、微生物の繁殖を防ぐためです。

アサヒビールの「うまい!樽生5原則」にも、ビール回路の洗浄とグラスの洗浄が含まれています。(※2)

洗浄の手間もコストの一部と考えて毎日の手入れを続けることが、生ビールをなるべく安く出すことにつながります。

(※12)出典:キリンビール|生ビール機器の洗浄方法
(※2)出典:アサヒビール|おいしい樽生を飲みたいのですが?

飲食店の初期費用を抑える

開業時の初期費用を抑えることも、生中を安く出すことにつながります。

融資などを受けて飲食店を開業した場合は、お店を運営しながら返済していくことになるでしょう。

ランニングコスト(毎月かかる運営費)と返済をあわせた支出が大きいと、商品の価格設定にも影響します。

初期費用を抑える方法のひとつが、居抜き物件の活用です。

居抜き物件とは、前のお店が使っていた内装や設備が残っている物件のことです。

内装や設備を引き継げれば、工事の費用と期間を抑えやすく、その分を運転資金に回せます。

生ビールを出すお店なら、サーバーを置く場所や、毎日の水通し洗浄に使う水まわりの使いやすさも内見のときに見ておくと、開業後の動きを想像できます。

ただし、費用をできるだけ抑えるには、希望する内装や設備に合う物件を見つけなければならないため、多くの居抜き物件を調べることが大切です。

居抜きの神様では、内装や設備が残った居抜き物件を中心に扱っています。

会員登録をすれば、独占未公開物件の詳細情報も確認可能です。

こちらの記事では、居酒屋の開業について解説しています。

費用や手順、成功させるポイントなども取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

生中の量に関するよくある質問

ここでは、生中の量にまつわる疑問にお答えします。

  • 「生中」とはどういう意味ですか?
  • 生大は何mlですか?
  • 大瓶1本は生中何杯分ですか?
  • 生ビールの樽1本で何杯とれますか?

気になる質問から、順に見ていきましょう。

「生中」とはどういう意味ですか?

「生中」の「中」はジョッキの大きさを、「生」はビールの造り方を表しています。

ビール酒造組合の「ビールの表示」によると、生ビールとは、熱による処理(パストリゼーション)をしていないビールのことです。(※13)

容器に「生ビール」「ドラフトビール」と表示するときは、「熱処理していない」ことを書き添えるとされています。

(※13)出典:ビール酒造組合|ビールの表示

生大は何mlですか?

生大1杯の目安は、本文の表のとおり700〜800ml程度で、リットルにすると0.7〜0.8Lです。

瓶ビールの大瓶(633ml)と比べると、生大のほうが約70〜170ml多くなります。(※4)

泡の分を差し引くと、生大で実際に飲めるビールはおよそ490〜560ml(サッポロビールの目安の7:3で計算)。(※1)

大瓶にするか生大にするかで迷ったときの参考にしてみましょう。

(※4)出典:ビール酒造組合|なんでもQ&A
(※1)出典:サッポロビール|ビールの上手な注ぎ方は?

大瓶1本は生中何杯分ですか?

ビール酒造組合の「なんでもQ&A」によると、大瓶の容量は633mlです。(※4)

標準の生中(435ml)と容量で比べると、大瓶1本はおよそ1.5杯分にあたります。

泡を除いた生中1杯(約305〜350ml)で比べると、大瓶1本は約1.8〜2.1杯分の計算です。

瓶ビールを何人かで分けるときや、生中を何杯か頼むときの目安にしてみましょう。

(※4)出典:ビール酒造組合|なんでもQ&A

生ビールの樽1本で何杯とれますか?

1杯400mlで計算すると、アサヒ生ビールの5Lの樽で約12.5杯、19Lの樽で約47.5杯です。(※9)

本文の表にある7L〜20Lの樽とあわせて、お店の規模に合う大きさを選ぶ参考にしてみましょう。

19Lという半端な大きさには、理由があります。

アサヒビールのお客様相談室のQ&Aでは、1970年ごろにステンレス製の樽を使い始め、そのとき採用した樽が19Lだったことを理由に挙げています。(※14)

19Lのもとになったのは、米国の5ガロン(18.927L)です。

(※9)出典:アサヒビール|アサヒ生ビール(樽詰)
(※14)出典:アサヒビール|アサヒビールの樽生の樽はなぜ19Lなのですか?

まとめ

生中(中ジョッキ)の量は330〜500ml程度で、多くのメーカーが扱う標準は435mlです。

泡が入る分、実際に飲めるビールは容量より少なくなります。

瓶ビールや生大と比べるときは、1mlあたりの値段を出すと、どれが割安かがわかります。

お店側では、原価率の目安と近隣店の値段、樽の杯数と鮮度が、生中の量と値段を決める手がかりです。

生ビールを出すお店を開くなら、居抜き物件で内装や設備を引き継ぎ、初期費用を抑えておくと、生中の値段も保ちやすいでしょう。

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この記事を書いた人

広告代理店を退職後、SEOライター/マーケターとして独立。これまで、東京を中心にレストラン・カフェなど数多くの飲食店マーケティングに従事し、集客や店舗拡大(FC展開含む)に貢献。自身の経験をもとに、現在は移住先の宮崎県で飲食店を2店舗経営。

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