【10坪】小さな居酒屋の内装はコンセプトから決める!人気店にする工夫とは

「10坪ほどの小さな居酒屋で開業したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。小規模店舗なら、比較的家賃も安く、最低限の設備で済むためローリスクで始められます。

ただし、限られたスペースをどう活かすかによって、お客様の居心地や回転率、売上にまで影響が及びます。

レイアウトや内装の工夫が、人気店づくりの大きなカギとなるのです。

そこで、この記事では以下のポイントについて詳しく解説していきます。

  • 小さな居酒屋の内装の決め方
  • 小さな居酒屋が実践できる内装の工夫と注意点
  • 来客数を増やす内装の見せ方

内装はお店の魅力を高める重要な要素です。この記事の内容を参考に、小規模店舗の開業に活かしてみてください。

以下の記事では、小さな居酒屋を経営する際のメリットと注意点について詳しく解説しています。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

目次

10坪の小さな居酒屋の内装はコンセプトから決める

小さな居酒屋の内装を決める際、重要なのは「コンセプト」です。

お店のコンセプトとは、「どのようなお店にしたいか」という具体的なイメージや、お店がお客様に提供する価値、方向性を示す「軸」のことです。

コンセプトを明確にすることで、限られた空間の中でも「何を売りにしているお店なのか」しっかり伝えられます。

また、コンセプトはお店の方向性でもあります。メニュー・サービス・内装に一貫性を持たせるためにも必ず明確にしておきましょう。

以下の記事では、居酒屋のコンセプトが重要な理由や決め方のコツについて詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

コンセプトから内装への落とし込み方

まずは、どのようなお店にしたいかイメージを固めましょう。

コンセプト具体例
お店の売り・強み・地元の食材を使用
・店主が元○○ホテルのシェフ
・手頃な価格で少し贅沢な料理が食べられる
提供したいメニュー・サービス・家庭的な手料理
・こだわりの自家製○○
・満足感が味わえるコースメニュー
・お客様の心を掴むお通し
ターゲットユーザー・仕事帰りの会社員
・外国人観光客
・学生
・ファミリー
お客様が得られる体験・ゆったり寛げる
・店主と会話しながらお酒を飲める

次に、コンセプトを内装に落とし込みます。

内装具体例
配色・白を基調として開放感を出す
・暖色系を使用して「ぬくもり」を演出
・黒やグレーなどの収縮色を使用してシックで落ち着いた空間を演出
素材・ぬくもりを感じられる木材
・高級感を演出する大理石
照明・電球色(オレンジ)でぬくもりを演出
・昼白色(白色)でおしゃれな雰囲気を演出
店内スペース・店主と会話しやすいカウンター席
・一人で入りやすい立ち飲み形式

コンセプトの解像度を上げれば、それにともなって内装のイメージもはっきりしてきます。いきなり配色や使用する素材などを考えるのではなく、まずはお店の強みやターゲットユーザーなど「コンセプト」を明確にしましょう。

【戦略的】10坪の小さな居酒屋が成功する内装と4つの工夫

10坪程度の小さな居酒屋を成功させるためには、内装を工夫する必要があります。

  1. キッチンと客席スペースのバランスを考える
  2. カウンター主体で動線をシンプルにする
  3. 回転率を上げるためにメニューを工夫する
  4. お客様の利便性を考えた設計にする

それぞれについて、詳しく解説していきます。

1. キッチンと客席スペースのバランスを考える

10坪程度の小さな居酒屋では、キッチンと客席スペースのバランスがカギを握ります。

多種多様な料理を作りたいからといって、キッチンを広くすると客席スペースが少なくなり、回転率が悪くなってしまいます。逆に、キッチンを狭くしすぎると、仕込みや作業スペースが不足し、お店が回らなくなる可能性があります。10坪程度の小さな居酒屋をうまく運営するためには、キッチンと客席のバランスが非常に重要です。

一般的な居酒屋では、キッチンが全体の20〜30%に対し、客席が70〜80%が理想と考えられています。これは、厚生労働省が定める食品衛生法「施設基準」をもとに導き出された広さで、必ずしもこの広さを確保する必要はありません。

たとえば、簡易的な調理のみを行うBARの場合、キッチンが15〜20%程度でも十分な広さといえます。その分、客席スペースを広く取り回転率を上げることも可能です。20〜30%はあくまで目安で、提供するメニュー・目標とする売上などに合わせて必要な広さを考えましょう。

出典:厚生労働省|食品衛生法施行規則

2. カウンター主体で動線をシンプルにする

10坪程度の小さな居酒屋では、動線設計が重要です。狭い店内で、お客様・スタッフが動き回ると危険で、なにより落ち着いてお酒を飲めません。

「入り口から客席」、「客席からお手洗いやレジ」など、お客様の動線をシンプルでわかりやすくすることで、ストレスなく「良いお店だった」と感じてもらいやすくなります。

また、10坪程度の小さな居酒屋では、カウンターを主体にしたスタッフ動線のシンプル化もおすすめします。人のすれ違いを極力なくし、限られた店内でゆっくりお酒を飲める空間を作り上げましょう。

3. 回転率を上げるためにメニューを工夫する

お客様の回転率を考えたメニュー作成も、小さな居酒屋を成功させる大きなポイントです。飲食店の売上は「客数×客単価」で決まります。客単価を上げられない場合は、客数(回転率)を上げて売上アップを図りましょう。

回転率を上げる方法として、以下の工夫が挙げられます。

  • 客席に注文用のQRコードの設置する
  • カウンターを中心に客席を配置し提供、片付けを効率化する
  • ピークタイムはメニューを絞って提供スピードを上げる

ただし、無理に回転率を上げようとすると、ゆっくり寛ぎたいお客様にとっては居心地の良いお店とはいえません。お店のコンセプトに合わせて、バランスを考えましょう。

4. お客様の利便性を考えた設計にする

顧客満足度を向上させるには、お客様の利便性を考慮した内装が重要です。

利便性とは、店内の動線や座席の快適さ、荷物の置き場所など、お客様が安心して過ごせる環境全体を指します。

しかし、狭い店内で十分な収納スペースを確保するのは難しいでしょう。

そのため、

  • カウンター席の下(足元)にカバンや小物を入れるボックスを用意する
  • 壁に上着をかけるフックを設置する

など、限られた空間を活用した内装にすることが重要です。

また、店内をバリアフリー化するのも、他店舗と差をつける工夫のひとつです。バリアフリー化の基準を一部抜粋して下の表にまとめました。

バリアフリー化が必要な箇所基準
段差段差にスロープを設置
出入口幅80cm以上 
廊下等幅90cm以上
傾斜路・勾配1/12以下(又は高さ 16cm以下かつ 1/8以下)・幅90cm以上
エレベーター・出入口の幅80cm以上・籠の奥行き135cm以上・乗降ロビーの幅、奥行き150cm以上※3階以上のみ対応
敷地内の通路・幅90cm以上<傾斜路>  ・勾配1/12以下(又は高さ16cm以下かつ 1/8以下)・幅90cm以上

出典:国土交通省住宅局建築指導課|小規模店舗のバリアフリー化について

バリアフリー化は高齢者や障がいを持つ方だけでなく、すべてのお客様の「居心地の良さ」につながります。10坪の小さな居酒屋ですべての基準を満たすのは難しいので、必要な項目をピックアップして取り入れてみてください。

10坪の小さな居酒屋の内装で注意すべき3つのこと

小さな居酒屋の内装には、注意すべきポイントがあります。

  1. 必要な設備と不要なものを見極める
  2. SNS映えを意識しすぎない
  3. 無理に広く見せようとしない

それぞれについて詳しく解説していきます。

1. 必要な設備と不要なものを見極める

10坪の小さな居酒屋の場合、必要な設備と不要なものを見極めることが重要です。狭い店内にものが多いと、圧迫感が生まれ居心地のいい空間ではなくなってしまいます。

食品衛生法・各自治体の条例に基づいた「必要設備」以外は、なるべくシンプルにすることをおすすめします。

また、居酒屋を開業する際は、消防法にも注意しなければなりません。以前までは延べ床面積150㎡未満の飲食店には消火器の設置義務はありませんでした。しかし、平成28年に発生した新潟県糸魚川市の火災を踏まえて、現在では「火を使用する設備または器具を設けた飲食店」はすべて消火器の設置対象になります。内装レイアウトは、食品衛生法だけでなく、消防法も念頭に置いて考えましょう。

出典:食品衛生法施設基準|厚生労働省
出典:東京都食品関係営業許可申請の手引き|営業施設の共通基準
出典:総務省消防庁|消防法施行令の一部を改正する政令等の運用について

2. SNS映えを意識しすぎない

SNSが主流の現代では、内装をおしゃれにして「SNS映え」を狙う飲食店も数多く存在します。SNSで話題になれば、新規のお客様にもご来店いただき、売上の向上も期待できるでしょう。

しかし、重要なのは「コンセプトと内装の統一性」です。内装をおしゃれにすることはいいことですが、コンセプトと内装が乖離しているとお客様は定着しません。過度なおしゃれ演出は控え、コンセプトとの統一性を重視しましょう。

3. 無理に広く見せようとしない

狭い空間を広く見せようと、膨張色である「白」をメインに考えている方も多いでしょう。白を基調とすることで、空間を広く見せ、何より清潔感が生まれます。

しかし、狭い空間をすべて白で揃えてしまうと、全体がぼやけてしまい空間がまとまりません。壁や天井などは収縮色の「黒」「紺」を使い、明度対比による空間の広がりを心がけましょう。

10坪の小さな居酒屋の内装費用はどれくらい?

10坪ほどの居酒屋の内装費用は400~900万円(スケルトンの場合)、236~667万円(居抜きの場合)が相場です。

飲食店の内装工事費用の相場を以下の表にまとめました。

坪単価(目安)坪単価(中央値)10坪の単価
飲食店の内装工事費用(スケルトン物件)40.0~90.0万円/坪63.6万円/坪400~900万円
飲食店の内装工事費用(居抜き・リフォーム)23.6~66.7万円/坪40.0万円/坪236~667万円
飲食店の内装工事費用(デザイン設計のみ)4.2~10.2万円/坪6.3万円/坪42~102万円

※自社調べ

表のとおり、10坪の居酒屋にかかる内装工事費用は、安くて200万円を超え、高い場合は1,000万円近くになることがわかります。

飲食店の内装工事は、坪数が小さいからといって安くなるわけではありません。なぜなら、10坪の飲食店も30坪の飲食店も、必要な設備はそう大きく変わらないからです。

さらに、10坪という限られた空間を最大限に活かすには専門的なノウハウやアイデアが必要になります。そのため、内装工事費用を抑えたい方は、理想の居抜き物件を探して最小限の工事で済むようにしましょう。

以下の記事では、小さな居酒屋経営者の年収や年収増加のコツを詳しく解説しています。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

【10坪居酒屋】開業前に知っておきたい来客数を増やす内装の見せ方

せっかくの良い内装も、知られなければ集客にはつながりません。来客数を増やすためには、以下2つの方法で店内をPRしましょう。

  • Googleマップを活用する
  • SNSを活用する

それぞれについて、詳しく解説していきます。

Googleマップを活用する

内装をお客様に見せる手段として、必ず使いたいのがGoogleマップです。

イクシアス株式会社が発表したアンケート調査では、飲食店を探す際の情報源として「Google/Googleマップ(48.4%)」が全体1位。この調査結果から、飲食店の来客数を増やすためには、Googleマップの運用が重要であることがわかります。

Googleマップは、メニュー写真のほかにも、内装や外観などの写真も掲載可能です。「このお店に行きたい!」と思わせる写真を投稿することで、お客様の来店率も向上するでしょう。

出典:イクシアス株式会社|飲食店利用に関するアンケート

SNSを活用する

先述したアンケート調査で、Google/Googleマップ・グルメサイトに次いで3位に入っているのがInstagram・TikTokを含む「SNS」です。とくに、Instagramのアプリ内にお店を探せるマップ機能が搭載されたこともあり、SNSで飲食店を探すユーザーが増えてきました。

しかし、ただ単純にInstagramでお店の内装や雰囲気を投稿したところで、来店につながるわけではありません。お店のコンセプト(世界観)と投稿内容を統一させ「このお店に行きたい!」と思わせる投稿を心がけましょう。

出典:イクシアス株式会社|飲食店利用に関するアンケート

【10坪】小さな居酒屋の開業なら居抜き物件がおすすめ

10坪程度の小さな居酒屋の開業には居抜き物件がおすすめです。

居抜き物件とは「以前のテナントが使用していた内装、厨房設備を残した店舗」のことで、スケルトン物件よりも内装工事費用や設備費用などを節約できるというメリットがあります。初期投資額を少しでも安くしたい方は、自分にあった居抜き物件を探してみてください。

以下の記事では、小さな飲食店を開業する流れを詳しく解説しています。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

居抜き物件を探すなら「居抜きの神様」

初期投資額を抑えた物件探しをしたいなら、ぜひ「居抜きの神様」をご利用ください。居抜きの神様は、東京都を中心に居抜き物件情報を多数掲載しています。

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  • 初期投資を大幅に削減できる
  • 内装や設備の工事時間を大幅に短縮できる
  • 他のサイトでは掲載されていない未公開物件情報を入手できる

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まとめ

飲食店の顧客満足度や売上は、お店の内装で決まるといっても過言ではありません。初めてのお客様に「何を売りにしているお店なのか」伝わるように、コンセプトを明確にしてメニュー・サービス・内装に一貫性を持たせましょう。

また、小さな居酒屋を成功させるには、内装を工夫する必要があります。たとえば、以下4つの方法が挙げられます。

  • キッチンと客席スペースのバランスを考える
  • カウンター主体で動線をシンプルにする
  • 回転率を上げるためにメニューを工夫する
  • お客様の利便性を考えた設計にする

小さなことかもしれませんが、10坪の居酒屋にとっては「お客様の居心地」を左右する大きなポイントです。小さな居酒屋を成功させるためには積極的に取り入れましょう。

飲食店の内装工事費用は、業態・坪数・内装イメージなどによっても大きく変動します。10坪ほどの店舗の内装工事費用相場は以下のとおりです。

  • スケルトン物件:400~900万円
  • 居抜き、リフォーム物件:236~667万円

内装工事費用は坪数が小さいからといって安くなるものではありません。むしろ、限られた空間を最大限に活かすノウハウやアイデアが必要になるため、割高になる可能性もあります。そのため、条件に合う居抜き物件を探して、少しでも初期投資額を節約する方法がおすすめです。

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