カフェの開業は居抜き物件がおすすめ!メリット・デメリットと開業までの6ステップ

カフェの開業には、内装工事や厨房設備の導入など、多額の初期費用が必要です。さらに、物件の準備から開業まで数か月かかる場合もあります。

しかし、居抜き物件を活用することで、これらの課題を解決しやすくなります。居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備をそのまま引き継げる物件です。

この記事では、居抜き物件でカフェを開業するメリット・デメリットや、開業までの具体的な6ステップについて詳しく解説します。この記事を読めば、居抜き物件の特徴を理解し、効率的にカフェを開業できるでしょう。

なお、カフェ開業前の段階でよくある疑問について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。

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目次

カフェを居抜き物件で開業する4つのメリット

居抜き物件でカフェを開業すると、主に以下の4つのメリットがあります。

  1. 開業費用を抑えられる
  2. 短期間で開業できる
  3. 前テナントの内装・設備を有効活用しやすい
  4. 前テナントの顧客を引き継げる可能性がある

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

1.開業費用を抑えられる 

居抜き物件の最大のメリットは、前テナントの内装や設備を引き継げるため、開業費用を大幅に削減できることです。

内装費用の相場を比較すると、以下のような違いがあります。

物件タイプ1坪あたりの内装費用相場
スケルトン物件・新築物件35〜65万円
居抜き物件20〜40万円

居抜き物件を選ぶことで、1坪あたりおよそ15〜25万円の費用を抑えられます。

たとえば、10坪のカフェを開業する場合、内装費用はスケルトン物件では350〜650万円程度かかりますが、居抜き物件なら200〜400万円程度で済みます。この差額だけで約150〜200万円ものコスト削減が可能です。

さらに、居抜き物件では厨房機器やインフラ設備、什器類などもすでに整っているため、新しく購入する必要がありません。これらの設備費用も含めると、トータルで数百万円程度のコスト削減が見込めます。

居抜き物件であれば、自己資金が限られている方でも開業のハードルが下がり、経営の安定にもつながりやすくなります。

2.短期間で開業できる  

居抜き物件を活用すれば、開業までの期間を短縮できます。

スケルトン物件でカフェを開業する場合、内装工事には1〜1.5か月程度かかるでしょう。一方、居抜き物件の内装工事は部分的な改装で済むため、工事期間は1〜2週間程度で済むケースもあります。

工事期間中でも家賃は発生し続けるため、短期間で開業できれば家賃負担も軽減されます。

3.前テナントの内装・設備を有効活用しやすい

居抜き物件では、前テナントが残した内装や設備を活用することで、コストパフォーマンスの高い店舗づくりが実現できます。

前テナントがカフェや飲食店の場合、厨房設備やカウンター、テーブル席などがすでに整っているため、最小限の改装で営業を始められるでしょう。とくに、高額な厨房機器や空調設備をそのまま使用できれば、新規購入費用を大幅に削減できます。

また、前テナントの内装デザインが良ければ、それを活かしたコンセプトづくりも可能です。レトロな雰囲気やモダンな空間など、既存の内装を基にアレンジを加えることで、個性的な店舗を作り上げられます。

ただし、内装や設備をそのまま使用する場合でも、清掃やメンテナンスは必須です。衛生面に十分配慮し、必要に応じて修繕や交換を行うことが重要です。

なお、おしゃれなカフェの内装事例について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

4.前テナントの顧客を引き継げる可能性がある

居抜き物件の前テナントがカフェや飲食店であれば、既存の顧客を引き継げる可能性があります。

「あそこにはカフェがある」という認識が周辺住民に定着しているため、新規顧客の獲得がスムーズになる傾向があります。前テナントの常連客が新しい店舗に興味を持ち、来店してくれるケースも期待できるでしょう。

ただし、前テナントの顧客を維持・獲得するには、料理の質やサービス、価格設定などで前テナントを上回る価値を提供する必要があります。口コミや評判を重視し、丁寧な接客や質の高い商品提供を心がけることで、安定した集客につながるでしょう。

カフェを居抜き物件で開業する3つのデメリット

続いて、カフェを居抜き物件で開業する主なデメリットを3つ紹介します。

  1. 理想のコンセプトを実現しにくい可能性がある
  2. 設備の故障や追加コストのリスクがある
  3. 前テナントのイメージが残りやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.理想のコンセプトを実現しにくい可能性がある

スケルトン物件であれば、ゼロから自分好みの空間を作り上げられます。しかし、居抜き物件は前テナントの内装や設備を基に営業するため、内装デザインやレイアウトの自由度が低くなります。

たとえば、厨房設備の配置や給排水設備の位置は変更が難しく、理想とする動線や空間レイアウトが実現できないこともあるでしょう。また、電気容量や空調設備の能力も前テナントの仕様に依存するため、提供したいメニューや営業スタイルに合わない場合があります。

そのため、居抜き物件を選ぶ段階で、自分のコンセプトに合う内装やレイアウトかを慎重に判断する必要があります。設計士や施工業者と一緒に内見するのも良いでしょう。

制約がある中でも工夫を凝らし、既存の内装を活かしたコンセプトづくりをすることで、独自性のある店舗を実現できます。

なお、カフェのキッチンレイアウトについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

2.設備の故障や追加コストのリスクがある

居抜き物件では、前テナントが使用していた設備をそのまま引き継ぐため、設備の劣化状況が不明確で故障リスクが高いデメリットがあります。

厨房機器や空調設備などが開業後すぐに故障すると、修理や交換に予想外の費用が発生する場合があります。設備の故障で営業停止となった場合は、売上の損失も避けられません。

以下の表は、主要な設備の故障リスクと修理・交換費用の目安をまとめたものです。

設備主な故障リスクの内容修理・交換費用の目安
エアコン・空調フィルターの目詰まり
冷媒ガス漏れ
コンプレッサー故障
修理:2〜10万円
交換:8〜25万円
冷蔵・冷凍設備コンプレッサー故障
扉パッキン劣化
修理:1〜5万円
交換:10〜30万円
厨房機器(ガスコンロ・フライヤーなど)バーナー不良
電熱ヒーター故障
温度調整不良
修理:1〜5万円
交換:5〜30万円
換気扇・排気ダクトモーター故障
油詰まり
修理:1〜3万円
交換:5〜15万円
照明設備(LED・蛍光灯)配線劣化
器具故障
修理:0.5〜1万円
交換:1〜5万円
食器洗浄機・製氷機ポンプ故障
ヒーター不良
配管詰まり
修理:2〜5万円
交換:10〜25万円

内見時には各設備の動作確認を入念に行いましょう。設備の譲渡条件や保証期間については、造作譲渡契約書に明記し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

3.前テナントのイメージが残りやすい

居抜き物件は、外観や内装が前テナントと似ていることから、前テナントのイメージが残りやすいというデメリットがあります。

前テナントが近隣住民とトラブルになっていたり、口コミ評価が低かったりした場合も、新しくオープンしても悪いイメージが残り、集客に影響する可能性もあります。

前テナントのイメージを払拭するには、以下のような対策を検討しましょう。

  • 新規オープンをアピールする看板やのぼりを設置する
  • 周辺地域にチラシを配布し、新店舗の情報を周知する
  • SNSで積極的に情報を発信し、店舗の雰囲気や料理を紹介する
  • グルメサイトに正確な情報を登録し、前テナントとの違いを明確にする
  • オープン記念キャンペーンや割引クーポンで来店を促す

なお、居抜き物件の契約前に、前テナントの撤退理由を確認することも重要です。立地条件の悪さや近隣住民とのトラブルが原因であれば、同じ問題に直面する可能性があるため、慎重に検討しましょう。

居抜き物件でカフェを開業するまでの6ステップ

居抜き物件でカフェを開業するには、以下の6つのステップを押さえておきましょう。

  1. コンセプトと事業計画の策定
  2. 居抜き物件の情報収集・内見
  3. 契約の締結
  4. 内装工事・設備の整備
  5. 営業許可の申請・仕入先の確保
  6. オープンの準備・広告宣伝

それぞれ詳しく解説します。

なお、カフェの開業準備についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。

ステップ1:コンセプトと事業計画の策定

カフェ開業の第一歩は、明確なコンセプトと事業計画を策定することです。

どのようなカフェを開きたいのか、ターゲット層や提供メニュー、価格帯などを具体的に決めていきましょう。コンセプトが明確であれば、物件選びや内装デザイン、メニュー開発もスムーズに進められます。

次に、収支計画を立て、必要な資金を算出します。開業資金には、以下のような費用が必要です。

  • 物件取得費
  • 内装・設備投資費
  • 運転資金(開業後の運営に必要な資金)

自己資金だけでは不足する場合は、金融機関や日本政策金融公庫などから融資を受けることも検討しましょう。

なお、カフェの利益率や経営について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

ステップ2:居抜き物件の情報収集・内見

コンセプトと事業計画が固まったら、条件に合う居抜き物件を探しましょう。

居抜き物件を選ぶ際は、立地・家賃・広さ・設備の状態など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。気になる物件は必ず内見し、実際の状態を自分の目で確認することが重要です。

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居抜き物件は好条件のものほど早く成約してしまうため、情報収集のスピードが重要です。「居抜きの神様」に会員登録して、理想の物件を効率的に探しましょう。

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ステップ3:契約の締結

希望の物件が見つかったら、造作譲渡契約と賃貸借契約を締結します。

造作譲渡契約は、前テナントから内装や設備を引き継ぐための契約です。賃貸借契約は、物件の貸主と結ぶ契約で、家賃や契約期間、更新条件などが書面に記載されています。

不明な点や疑問がある場合は、必ず契約前に質問し、納得してから契約することが重要です。口頭での約束は後々トラブルになりやすいため、すべての合意事項を契約書面に記載しましょう。

また、造作譲渡契約時には造作代金が、賃貸借契約時には敷金・礼金・仲介手数料などの費用が必要となるため、事前に準備しておきましょう。

なお、居抜き物件の契約書について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

ステップ4:内装工事・設備の整備

契約が完了したら、必要に応じて内装の部分改装や設備の追加を行います。

居抜き物件であっても、自分のコンセプトに合わせて壁紙の張り替えや照明の変更、看板の設置などの工事が必要になるケースがあります。予算内で効果的な改装を行い、理想の空間を作り上げましょう。

また、前テナントから引き継いだ設備の清掃やメンテナンスも欠かせません。厨房機器や空調設備は専門業者に点検を依頼し、必要に応じて修理や部品交換を行いましょう。

看板やメニューボード、照明などの細部にもこだわることをおすすめします。

なお、カフェ開業前の設備・備品チェックリストについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

ステップ5:営業許可の申請・仕入先の確保

カフェを開業するには、保健所への飲食店営業許可の申請が必要です。

営業許可を取得するには、食品衛生責任者の資格と施設基準を満たす必要があります。厨房の広さや換気設備、手洗い設備などの要件があるため、事前に保健所に相談し、基準を確認しておきましょう。

さらに、店舗の収容人数が30人以上の場合は、防火管理者の資格も必要です。防火管理者講習は、消防署や指定講習機関で受講できます。

また、営業許可の申請と並行して、以下の準備も進めましょう。

  • コーヒー豆や食材の仕入先を確保する
  • 消耗品(紙コップ、ナプキンなど)の発注先を決める
  • メニュー表や価格表を作成する
  • POSレジシステムやキャッシュレス決済の導入を検討する

仕入先は、品質と価格のバランスを考慮して選定することが重要です。複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。

出典:食品衛生申請等システム|厚生労働省
出典:食品衛生管理者|厚生労働省
出典:防火管理者が必要な防火対象物と資格|東京消防庁

ステップ6:オープンの準備・広告宣伝

開業直前の段階では、オープンに向けた最終準備と広告宣伝活動を行います。

スタッフを雇用する場合は、採用活動を早めに開始し、オペレーションの研修を実施しましょう。接客マニュアルや調理マニュアルを作成し、スタッフ全員が統一されたサービスを提供できるように準備します。

プレオープンを実施すると、実際の営業をシミュレーションでき、問題点を事前に改善できるでしょう。

広告宣伝活動は、以下のような方法が効果的です。

  • InstagramやX(旧Twitter)などのSNSでオープン告知を行う
  • 周辺地域にチラシを配布する
  • グルメサイトに掲載し、予約システムを整える
  • オープン記念のキャンペーンや割引クーポンを用意する

とくにSNSは、若い世代へのアピールに効果的です。店舗の雰囲気やメニュー写真を定期的に投稿し、オープン前からフォロワーを増やしておくと良いでしょう。

グランドオープン当日に向けて、在庫の確保や現金の用意など、細かい部分まで準備を整えることが重要です。

まとめ

居抜き物件でカフェを開業すれば、開業費用を数百万円単位で抑えられ、工事期間も短縮できます。前テナントの内装や設備を有効活用できるため、限られた予算でも理想のカフェを実現しやすいでしょう。

一方で、内装の自由度の低さや設備の故障リスクなどがあるため、事前の物件調査や契約内容の確認を徹底することが重要です。

カフェの開業を成功させるには、明確なコンセプトと綿密な事業計画が不可欠です。さらに、好条件の居抜き物件を効率的に見つけることが重要になります。

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この記事を書いた人

宅地建物取引士。
不動産会社2社で勤務。不動産仲介や新築・リフォームの営業および現場管理、分譲工事のプロジェクトリーダーなどに従事。不動産・建築業界で培った経験を活かし、現在は不動産ライターとして記事の執筆や監修を実施。

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