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2024年8月17日に中野区野方にオープンした「TARO’s(タローズ)」。野方出身で現在30歳の御旅屋 良(おたや りょう)氏が手がける創作中華ワインバーで、昨年オープンした野方のすし屋「おたや」に続く新店だ。コンセプトは「型にはまらない中華」。珍しい中国ワインに加え、焼売や油淋鶏などの中華の定番、春巻きや天然まぐろ紅油掛けなど、その日に仕入れた鮮度の良い魚を使った中華メニューを提供する。オーナーの御旅屋氏は、食べ呑み好きで飲食店に魅了され、航空業界から飲食店経営に飛び込んだ人物。持ち前のチャレンジ精神とバイタリティーで野方に新しい風を吹かせる。
航空会社、ラグビー選手から飲食へ転身した御旅屋 良氏のキャリアとは
「おたや」スタッフの二宮拓也氏(左)、「TARO’s」店長の丹尾亮太氏(中央左)、代表の御旅屋良氏(中央右)、料理長の田立和貴氏(右)
2017年 | 新卒で航空会社に入社し、金融関係の部署で働く傍ら、社会人ラグビー選手としても活動。 |
2019年 | 社会人3年目に航空会社を退職し、伊豆諸島のすし店で働き始める。店舗の改築期間に知人の銀座の高級すし店で集中的に研鑽を積む。伊豆諸島に戻ってから繁盛店を3年ほど経験し、再び東京へ。 |
2023年 | 4月、すし店「おたや」を中野区の野方にオープン。 |
2024年 | 8月、海鮮創作中華×中国ワイン「TARO’s(タローズ)」を中野区の野方にオープン。 |
中野区のすし店「おたや」に続き、創作中華ワインバー「TARO’s」をオープンしたきっかけ
社会人ラグビー選手として活動していた頃から外食好きだったという御旅屋氏。特に外苑前の「モツ酒場 kogane」など、コローリの共同代表・渡部武志氏が運営する飲食店に足繫く通っていたそう。「飲食っていい仕事だな」とその魅力に惹かれていた社会人3年目の頃、縁あって、伊豆諸島のすし店で働くことにになり航空会社を退職した。
すしを握るのは初めてでしたが、島の店舗の改築期間に知人の銀座の高級すし店にお世話になり、集中的に研鑽を積みました。当時はコロナ禍でデリバリーサービスの注文が多かったことから、短期間で一連の技術を習得できました。
島に戻ってからは、最高月商1,300万円以上を叩きだすほどの繁盛店を3年ほど経験したそう。東京に戻って「自分のお店を持ちたい」と考えていたところ、地元の中野区野方で理想的な小さめの物件を見つけ、2023年4月、すし店「おたや」をオープンした。カウンター6席で、当日仕入れた海鮮を存分に楽しめるおまかせコース(11,000円)を提供。
大衆酒場が多い野方に客単価の高いおすし屋さんはほとんどないので、「おたや」の出店は賭けでしたが、口コミが広がり徐々にお客様がつくようになりました。
「おたや」が少しずつ野方に定着し、売上が上がってきた頃、不動産会社から「この物件を借りないか」と以前は海鮮丼フランチャイズ店だった5坪の居抜き物件を紹介されたそう。
当初は「おたや」やケータリング業の倉庫として活用する想定でしたが、地元の同級生や吞み仲間の協力により、「TARO’s」をオープンすることを決めました。
地元の同級生である丹尾亮太氏の合流により、かねてより御旅屋氏が構想していた新店の開業が具現化。さらに、以前より呑み仲間で飲食の志が重なり意気投合していた、人気ワインバル「洋食堂 葡萄」で料理人の経験がある田立和貴氏も加わり、満を持して新店「TARO’s」のオープンに至ったそう。
中野区の居抜き物件とDIYでコストを抑えて作り上げたお店
「TARO’s」の外観。
「TARO’s」があるのは野方駅の北側。バラエティー豊かな店が軒を連ねる野方北原商店街を抜け、信号を渡った先にお店が見えてくる。控えめな看板スタンドに全面ガラス張りの外観は、大衆居酒屋が多い野方らしからぬ雰囲気を放っている。
「TARO’s」の店内の様子。
カウンターは10席。内装は「おたや」と同じくシックなグレーで統一し、おしゃれで落ち着きのある空間に仕上げた。食べ呑みが好きで、数多の飲食店に足を運んだ御旅屋氏の理想が反映されたお店だ。居抜き物件の活用に加え、DIYを用いながら身内で仕上げることで初期費用を抑えることに成功したそう。
中野区で「海鮮創作中華×ワイン」をコンセプトとしたお店が成功した理由
「TARO’s」のコンセプトは、海鮮創作中華とワイン。他であまり見ないコンセプトだが、御旅屋氏は確かな需要を感じ、挑戦に踏み切ったそう。
1年ほど「おたや」を営むなかで、「気軽にワインをグラスで飲みたい」「高くてもいいから美味しいもの食べたい」というお客様が一定数いるとわかったんです。
野方に町中華や中華居酒屋はいくつかありますが、ワインと中華を楽しめるこじゃれたお店はほぼありません。野方に新しいお店を作りたい思いもあり、そこを攻めようと思いました。
オープンして2ヵ月弱、当初は尖ったコンセプトから若い客層を予想したが、店に訪れる客の大半は地域の30~40代。リピーターもつき始め、「地域制と業態がマッチしている」ことを実感したという。
リピーターさんが多く、温かい気持ちで営業できるのでありがたいです。少しずつ地域に根付かせ、ゆくゆくは外からも人を呼び込めるお店にしていきたいですね。
型にはまらない中華メニューと豊富な種類のワインを提供
「TARO’s」のメニュー開発を行っているのは、すし店で研鑽を積んできた御旅屋氏と、イタリアン、フレンチなどで10年間働いてきた田立氏。ジャンルはまったく異なるが、それぞれが得た経験と知識、センスをかけ合わせることで「型にはまらない中華」に昇華させた。田立氏は新たな挑戦を楽しみ、メニュー開発に取り組んでいるそう。
洋食とすしのシナジーから、創作中華という未知の領域に飛び込んでいくサバイバル感が楽しいし面白いです。メニュー開発では、王道は崩さず、強みである魚を使ったメニューは尖らせる構成にしています。
フードは焼売や小籠包、油淋鶏、四川麻婆豆腐などの中華の定番を押さえつつ、「春巻き 日替り」「天然まぐろ紅油掛け」「鮮魚のカルパッチョ」など、御旅屋氏がその日に仕入れた鮮度の良い魚を使って中華風に仕立てた創作メニューも提供している。
ドリンクは生ビール、ハイボール、濃い緑茶ハイといった割りもの、グラス・ボトルワインまで幅広く用意。特にグラスワインのラインナップは豊富で、ヨーロッパ産からニューワールド産まで、スパークリング・赤・白・ロゼ・オレンジと常時10種類以上を揃えている。なかでも目を惹くのは、田立氏が前職時代につながりのあった中国ワイン専門のインポーターから仕入れる「中国ワイン」だ。他店ではなかなか飲めないワインを楽しめるだろう。
中国ワインを提供しているお店は少ないので、お客様が来店したくなるフックの一つになればと考えました。
人気創作メニュー「天然まぐろ紅油掛け」(1100円)。御旅屋氏が仕入れた天然まぐろを漬けて、自家製のラー油ソースをかけて提供。
「秋サケとマスカルポーネチーズとバジルの春巻き」(580円)。田立氏がイタリアンの経験を活かして創作した、揚げピザのような新感覚の春巻き。
・「焼売」(1個380円)
・「小籠包」(1個330円)
・「油淋鶏」(880円)
・「四川麻婆豆腐」(1,100円)
・「天然まぐろ紅油掛け」(1,100円)
・「鮮魚のカルパッチョ」(1,100円)
・「春巻き 日替り」(ASK)
・生ビール(マスターズドリーム)(680円)
・ハイボール(角)(550円)
・濃い緑茶ハイ(550円)
・グラスワイン(770円~)
・ボトルワイン(4,400円~)
「TARO’s」を訪れた人たちからも、中国ワイン、創作メニューは好評のようだ。
中国ワインを飲んだが、癖がなく、飲みやすかった。
日替わりの春巻きが美味しかった。初めて味わう、面白い食感。
御旅屋氏の今後の展望
今後の展望について、下記のように語る御旅屋氏。
自分がお店に立って接客するのも好きですし、出店するワクワク感も好きなので、業態を問わずいろんなお店を開きたいです。地元・野方で複数店舗を展開した後は、新しい地域で今より少し大きい10坪程度の店舗で商売をしてみたいですね。
チャレンジ精神とバイタリティーに溢れた御旅屋氏とその仲間たちが提案する、創作中華ワインバー「TARO’s」。店舗の成長はもちろん、今後、御旅屋氏がどのような飲食体験を提供してくれるのか注目だ。
(取材=吉田真琴)
店名 | TARO’s(タローズ) |
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住所 | 東京都中野区丸山2-20-1 笹生ビル 1F >> GoogleMapで見る |
アクセス | 西武新宿線 野方駅から徒歩5分 |
電話 | 03-6383-0953 |
営業時間 | 18:00~26:00 (LO料理25:00、ドリンク25:30) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 5坪10席 |
客単価 | 4000~5000円 |
運営会社 | 株式会社おたやHD |
オープン日 | 2024年8月17日 |
関連リンク | TARO’s(Instagram) |
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。
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