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引用:阿佐ヶ谷駅徒歩15分の住宅街に「サカバ ハレルヤ」がオープン。ワンサード出身オーナーの独立店、醬油のいらない創作刺身と鉄板焼きを打ち出した居酒屋で、日常使いできる地域密着店を目指す
2025年2月11日、阿佐ヶ谷駅北口から徒歩15分ほどの住宅街に「サカバ ハレルヤ」がオープンした。埼玉・浦和の「和浦」、静岡・御殿場の「恵比寿」、練馬の「ワンサード」など、各地で店舗を展開する飲食グループにて、長年にわたり居酒屋の現場を経験してきた平本龍太氏による独立店である。コンセプトは「顔が“晴れる”、気分が“晴れる”酒場」。醤油を使わない創作刺身と鉄板焼き、90mlから選べる日本酒を主力メニューに据え、独自の酒場スタイルを打ち出している。駅から離れたチャレンジングな立地ではあるが、地域住民の“日常使い”の需要に応える形で早くも支持を集めており、「こんな居酒屋を待っていた」と好評だ。今回は、あえて駅から離れた場所で独立開業した理由や、内装・メニューへのこだわり、今後の展望について平本氏に話を聞いた。
平本龍太氏のキャリアとは

オーナーの平本龍太氏。地元の友人からもらったというダルマとの1枚。
~2020年 | 地元・御殿場に戻って「恵比寿(現:御厨酒場 えびす)」など複数店舗で約10年間勤務。店長としての経験を積むとともに、メニュー開発や調理技術を磨く。 | 高校卒業後、バーテンダーを志して埼玉・浦和の飲食グループ「和浦」に入社。「和浦酒場 弐」での勤務を経て、念願のバーで1年ほど働く。
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2020年 | 独立を見据えて上京し、練馬を拠点とする「ワンサード」に入社。「晴れのち晴れ」「火照る」での勤務を通じてチーム運営や人材育成を学ぶ。 |
2023年 | ワンサードを退職。間借り営業や知人の店でのアルバイトをしながら、本格的な物件探しを開始。 |
2025年 | 杉並区阿佐ヶ谷駅に居酒屋「サカバ ハレルヤ」をオープン。 |
杉並区阿佐ヶ谷で居酒屋をオープンするまでの軌跡
平本氏が飲食業界に足を踏み入れたのは、地元・静岡県御殿場市にある飲食企業「恵比寿」でのアルバイトがきっかけである。
高校卒業後はバーテンダーを志し、同社の会長の紹介を受けて、埼玉・浦和を中心にショットバーなど多業態を展開する「和浦」に就職。「和浦酒場 弐」で1年勤務したのち、念願だったバー業態で約1年間働いた。

当時は、バーの横文字が覚えられなくて挫折しました。でも、和浦での経験から、飲食業の魅力・やりがいを実感することができましたね。
その後、御殿場へ戻り、かつてアルバイトをしていた「恵比寿」に社員として再入社。「ご馳走家 えびす」(現・御厨酒場 えびす)を中心に複数店舗で約10年間勤務し、店長としてのマネジメント経験を重ねながら、メニュー開発や本格的な料理技術を習得した。
2020年には独立を視野に入れて上京。しかし、当時は新型コロナウイルスの影響で開業は困難を極めた。そんな中、偶然見かけた求人をきっかけに、練馬を拠点に店舗展開する「ワンサード」に入社。「晴れのち晴れ」(氷川台)や「火照る」(保谷)で約3年間勤務し、チームビルディングや従業員育成など、経営者として必要なスキルを磨いた。



ワンサードでの経験が、独立に向けた“最後の仕上げ”になりました。実践的なことを学ばせてもらえたので、独立のイメージがかなり具体的になりました。
2023年12月にワンサードを退職後は、知人の店でのアルバイトや間借り営業を行いながら、本格的な物件探しに着手。そして2025年2月、杉並区・阿佐ヶ谷に自身の店「サカバ ハレルヤ」をオープン。長年の経験と学びを集約させ、念願の独立を果たした。
阿佐ヶ谷駅から徒歩15分のチャレンジングな立地で独立した理由


「サカバ ハレルヤ」の入り口。
阿佐ヶ谷駅北口から徒歩15分、鷺ノ宮駅からは徒歩18分。日大二高通りと松山通りが交わる交差点の角に、洒落た明かりが灯る店「サカバ ハレルヤ」。大きな窓からは店内の様子がよく見え、通りがかりの人の目を引く外観が印象的だ。平本氏自身、この開放的なつくりをとても気に入っているという。



都内でありながら都心ではなく、商店街があって地域の特色が色濃く反映された街に店を構えたいと考えていました。中央線沿線を中心に、中野や高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪エリアで物件を探しました。
そうして見つけたのが、JR中央線・阿佐ヶ谷駅と西武新宿線・鷺ノ宮駅の中間に位置する、もともと新聞販売店だった約13坪の物件である。一見すると駅から遠くチャレンジングな立地に思えるが、平本氏には迷いがなかったという。



ワンサードで運営していた「晴れのち晴れ」が、ベッドタウンに位置しながらも地域密着の店舗運営で、「40席程度で月商700万円」を達成したことがありました。その経験から、「駅から遠い=不利」といった感覚はほぼありませんでしたね。
また、競争が激しい駅前で切磋琢磨するより、飲食店が少ないエリアで地元の人に喜ばれるお店をつくる方が自分に向いていると感じたんです。
地域密着の営業スタイルこそが、自身の強みであり成功への道筋だと信じての出店であった。オープンからわずか1ヵ月ほどながら、すでに2〜3度足を運ぶリピーターも現れ、順調なスタートを切っている。
目標とする客単価は4,000円。来店客の層は幅広く、子ども連れのファミリーをはじめ、近隣に住む若いカップルや仕事帰りのサラリーマン、主婦層、さらには70〜80代の年配客まで、地域に根ざした店ならではの多様な客層に支持されている。
スケルトン物件を大幅改装したこだわりの内装


「サカバ ハレルヤ」の店内。
選んだ物件がスケルトン状態であったため、ゼロから大幅に改装。厨房は十分なスペースを確保しつつ、限られた面積の中で最大限に客席を設ける工夫を凝らした。「顔が“晴れる”、気分が“晴れる”酒場」というコンセプトを体現するような、黄金色の座席が印象的。さらに、オープンキッチンによって店全体に活気が生まれる空間に仕上げた。
座席は、鉄板を囲むようにコの字型カウンターを設置。周囲にはテーブル席を配し、すべてのテーブルにはベンチシートを採用している。安定感と快適さを重視した仕様で、子ども連れのファミリー層も安心して利用できる設計だ。混雑時には座席間隔を詰めて対応することで、柔軟な運営も可能としている。
また、カウンター上部には異なるデザインのモザイクランプを複数設置。居酒屋でありながらカフェのような洒落た雰囲気を感じさせる。
改装工事の長期化によってオープンが予定より遅れるというアクシデントもあったが、それが思わぬ効果をもたらした。



工事中の様子を見ていた近所の方が「新しく何ができるの?」って興味をもってくれて。結果的に、来店のきっかけになりました。
近隣との接点が自然と生まれたことは、地域密着を志向する平本氏にとって、まさに幸先の良いスタートとなった。
創作刺身と鉄板焼き、日本酒をウリにした居酒屋メニュー
フードの柱は、醤油を使わない創作刺身と、目の前で調理される鉄板焼き。いずれも店の顔となる存在だ。


「創作刺身 3種盛り合わせ (2人前)」(1980円)。写真は「まぐろと自家製なめたけ」「ぶりの海苔トマトソース」「ひらめのニラポン酢」。
看板メニューである「創作刺身3種盛り合わせ」は、中野ブロードウェイ地下商店街の鮮魚店「勝田商店」から仕入れる新鮮な魚を使用。あえて醤油は使わず、オリジナルの味付けで提供する。これは間借り営業時代に開発され、当時から高い評価を得ていた一品でもある。



東京には豊洲市場があるので、鮮度の良い魚を仕入れられる。その魚の質の良さを活かしながら、見せ方で差別化を図りたいと考え、創作刺身を始めました。単なる刺身の盛り合わせではなく、一料理として楽しんでもらいたいですね。


「帆立の香草バター」(1090円)。
一方の鉄板焼きは、ライブ感あふれるカウンター越しの調理風景が特徴。鉄板を囲むように設けたカウンター席では、調理の香りや音も含めて料理を楽しめる。
肉・魚・野菜などを使った8品前後を用意しており、「帆立の香草バター」が特に人気だ。塩焼きにした帆立に、ディル入りのバターを絡め、仕上げにトビッコを添えるという、食感と風味の両面にこだわった一皿。「セセリの生姜焼き」や「ネギだく牡蠣」も鉄板メニューとして評判がよく、料理の臨場感と満足度を両立させている。



鉄板は、店の外からも調理しているのが見えるんです。何の店なのかがパッとわかるのも、集客にはプラスになっていると思います。
このほか、「肉巻きねぎチー」や「砂肝と行者にんにくのだし醤油」など、定番にひとひねりを加えた居酒屋メニューも揃う。どれも工夫を凝らした一皿だ。



日本酒を推したいので、メニューは日本酒との相性を意識していますね。
また、近隣住民の日常利用が中心なので、「いつ来ても飽きない」と思ってもらえるように、お通しを含めたメニューの内容を1~2週間ごとに変更しています。
住宅街という立地を考慮し、家族連れや年配のお客様にも親しみやすい料理を意識していますが、ひと手間ひと工夫を加えることは惜しみません。
ドリンクメニューは、生ビール(サッポロ黒ラベル)をはじめ、日本酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、サワー、果実酒など幅広く取り揃える。価格は1杯420円からとお手頃。日本酒は10種類ほどを常備し、90ml・120ml・150ml・300mlと、お客様の好きな量を選べるのが特徴だ。



私自身、大人になってから日本酒の美味しさに気づいたので、日本酒ビギナーや女性客でも気軽に試せるように、少量から選べるスタイルにしました。
味・見た目・香りの三拍子が揃った料理と、気軽に楽しめる酒。「サカバ ハレルヤ」は日常に寄り添いながらも、どこか非日常を感じさせてくれる一軒に仕上がっている。
・創作刺身 3種盛り合わせ 2人前(1980円)
・帆立の香草バター(1090円)
・セセリの生姜焼(690円)
・ネギだく牡蠣(990円)。
・肉巻きねぎチー(590円)
・砂肝と行者にんにくのだし醤油(590円)
・生ビール中 サッポロ黒ラベル(590円)
・日本酒 (90ml 490円~、120ml 690円~、150ml 890円~、300ml 1690円~)
・焼酎、ウイスキー、ワイン、サワー、果実酒など(1杯420円~)
「サカバ ハレルヤ」を訪れた人たちからも、創作料理や日本酒は好評を得ている。



入りやすい飲み屋さんが少ないエリアで、活気のある居酒屋がオープンしてうれしいです。
創作メニューはどれも美味しく、気さくなオーナーとスタッフさんがいて居心地もよいです。



一人でも入りやすいお店。料理も工夫されていて、美味しかったです。お酒は半合から4段階で量を選べるのが良かったです。
今後は「地域に根付いた店」で店舗展開を目指す



ありがたいことに、「こんな居酒屋がほしかった!」という声を多くいただいていて本当にうれしいですね。
老舗店も多いエリアで、気軽に立ち寄れる明るく小洒落た居酒屋は、地域にちょうどフィットした存在だったのだろう。丁寧で温かみのある接客と、ひと手間を惜しまない料理が、多様な客層から支持されている。また、今後は店舗拡大も視野に入れているようだ。



ゆくゆくは店舗展開をしたいと思ってます。ただし、都心で不特定多数を対象とする店舗よりも、今後も「サカバ ハレルヤ」のような地域に根付いた店を展開していきたいと考えています。
目指すのは、顔が見える距離感で、地域に溶け込む店舗づくり。そしてもう一つ、大切にしているのが人材育成の視点だ。ワンサードで学んだ「人を育てる」という理念は今も根底にあり、現在のスタッフにもそれを体現してほしいと考えている。



オープニングから働いてくれているスタッフたちはもちろん、今後新しく加わるスタッフたちも、関わる以上は、社会に出た際に良い人間として評価される存在であってほしい。そのため、スタッフとの縁を大切にできる組織づくりを目指しています。お店が運営できるのも、スタッフのおかげですから。
人を大切にし、地域に根ざす。この2つを軸に、平本氏は新たな挑戦へと歩みを進めていく。
(取材=吉田真琴)
店名 | サカバ ハレルヤ |
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住所 | 東京都杉並区本天沼1-1-1 >> GoogleMapで見る |
アクセス | JR中央線阿佐ヶ谷駅から徒歩15分、西武新宿線鷺ノ宮駅から徒歩18分 |
電話 | 03-5327-8555 |
営業時間 | 17:30~23:30 |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 13坪23席 |
客単価 | 4,000円 |
オープン日 | 2025年2月11日 |
関連リンク | サカバ ハレルヤ(Instagram) |
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。
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