コラム
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飲食店を開くには?必要な資格や手続きについて解説
2023.11.15
飲食店は身近なものですが、いざ開業しようとすると、どこからどういう手順で開業準備をしてよいか、わからないことが多いのではないでしょうか?この記事では飲食店を開業するために必要な準備、資格、手続きを明確に解説し、飲食店を開業するための具体的なステップを紹介します。
料理を通してお客さんと接することができる飲食店のやりがいは、ほかの仕事では感じられないものです。飲食店の開店に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
開業に必要な準備
飲食店を開業するには、綿密な準備が不可欠です。成功に導くためのロードマップとなるコンセプトの設計から始まり、事業の将来像を具体化する事業計画書の作成、そして理想のサービスを実現するための物件探しまで、各ステップは開業へ向けた確固たる基盤を築きます。
基盤を固めて開業するためにも、しっかりと内容をおさえて準備していきましょう。
コンセプトの設計
飲食店を成功させるにはコンセプト設計が欠かせません。コンセプトを適切に設計し、ターゲットとする客層に合わせて、独自の料理や飲み物の提供、価格設定、内装や雰囲気作りまで、細部にわたって設計しやすくなり、統一感も出しやすくなります。
たとえば「地元の人々やオフィスワーカーの男性をターゲットにしたラーメン店」など、明確で魅力的なビジョンが求められます。競合と差別化を図りながら、お客さんの心を掴むためのコンセプト設計は、ビジネスを成功へと導く礎となります。
事業計画書の作成
事業計画書は飲食店開業の際の羅針盤ともいえるものです。売上予測、経費、初期投資、そして収益計画を含め、今後のビジョンを実現するための道筋を示す必要があります。
事業計画書は、資金調達時にも重要な役割を果たすため、可能な限り詳細に計画を立て事業の持続可能性と成長潜在力を示すことが大切です。具体的なマーケティング戦略や、予想されるリスクとそれに対する対策、運営上の流れも織り交ぜることで、事業計画書はより実用的なものとなります。
精緻な事業計画書は、投資家や銀行だけでなく、自身が目指す方向性を確認するための基礎資料としての機能も果たすでしょう。
物件探し
飲食店の成功は立地に大きく左右されます。繁華街やオフィス地区など、ターゲット市場に合わせた人通りの多いエリアを選ぶと集客しやすくなりますが、その分固定費が高くなりやすくなります。
賃料、契約条件、店舗サイズや設備など、細部に渡って事業計画に合わせる必要があります。慎重な物件選びは、集客力を高め、長期的な経営安定に不可欠な要素です。
物件の安全性や法規制の遵守まで選定基準に含めて、適切な物件を見つけることが、お客さんを惹きつけ、ブランドイメージを確立する基盤を築くことにつながるでしょう。
開業に必要な資金の目安
開業に必要な資金は、飲食店の形態、規模、立地によって大きく変わります。たとえば、居酒屋を開業する場合、内装や備品、初期の食材費などで約1,000万円は必要だと言われています。
また、レストランのような大規模な店舗や好立地な場所で開業する場合は、数千万円以上に跳ね上がる可能性もあります。さらに飲食店では厨房機器などの設備投資も必要になるため、初期投資額はゆとりをもって準備する必要があります。
また、急な設備投資など予期せぬ出費に対応できるようにするために、総額に加えて余裕を持たせた資金計画が必須です。運営が軌道に乗るまでの資金繰りも考慮に入れ、安定した経営スタートを切るための資金計画をしっかりと立てましょう。
開業に必要な資格
飲食店開業には法律で定められたいくつかの資格が必要です。とくに重要なのは「食品衛生責任者」と「防火管理者」の二つです。
これらの資格は店舗の安全運営を担保するために不可欠であり、開業前に取得する必要があります。これらの資格の内容を理解し、計画的に取得することが開業への大きな一歩となります。
食品衛生責任者
飲食店の開業には各都道府県の知事からの「営業許可」の取得が不可欠であり、その過程で「食品衛生責任者」を設置することが条例などで義務づけられています。
食品衛生責任者は衛生管理全般を監督し、改善が必要な箇所の特定、従業員の健康管理、衛生状態などをチェックリストにまとめて管理し、衛生状態を継続的に保つ役割を果たします。
この資格は実務経験を必要とせず、17歳以上であれば誰でも受講できます。受講料は10,000円程度で、最寄りの保健所などで申し込みを行い、研修コースを受講後に行われるテストに合格すると資格が授与されます。
防火管理者
飲食店の開業には防火管理者の資格も必要であり、火災予防と安全確保のため、消防法にもとづいて火災防止に関する業務を担当します。
開店後も防火管理者は定期的な自主点検を実施し、火災報知器や消火器などの防火設備の管理をしなければなりません。
資格取得には、一定期間の実務経験と消防署が実施する研修を受ける必要があります。研修内容は火災予防に関する知識や防火管理の実務に関するもので、試験を通じて資格が付与されます。
防火管理者の存在は信頼の証にもなります。適切な防火管理者の選定と育成は、飲食店経営の根幹をなす要素であり、安全で快適な空間を提供するためには欠かせない取り組みといえるでしょう。
開業に必要な手続き
飲食店の開業にあたっては、さまざまな行政手続きが必須となります。法律に則った適切な手順を踏むことで、事業の信頼性が高まり、安心して店舗運営を始められるようになります。
開業届の提出、営業許可の取得、防火管理者の選任通知などの手続きは、飲食店を法的に保護し、お客さんに安全な環境を提供するために不可欠です。次に、これらの手続きを円滑に進めるための具体的な方法をご紹介します。
開業届の提出
飲食店を開業する際は、まず「開業届」を提出する必要があります。開業届は税務署に対して事業を開始したことを届け出るもので、開業日から1ヵ月以内に提出するものです。
開業届を提出すると、事業主として正式に認められ、経営に関する各種の税務手続きが可能になります。申請は税務署のe-taxや直接窓口で書類を提出する方法がありますが、手続き自体は比較的シンプルなので、専門家に頼らずとも自分で対応できます。
営業許可申請の提出
飲食店を開業するには、営業許可を取らなければなりません。この申請は地方自治体への「営業許可申請」が必要となります。
申請には店舗の設計図、メニュー内容、衛生管理に関する計画などの詳細な資料提出が求められ、店舗の立地や構造が地域の法令や条例に適合していることの証明も必要です。
通常は申請から許可まで数週間を要するため、開業スケジュールには余裕を持って手続きを進めるとよいでしょう。
防火管理者選任届の提出
飲食店開業には防火管理者の選任が法的に義務づけられており、火災発生時の初期対応や定期的な防火点検を担い、お客さんと従業員の安全を守る役割を果たします。
選任された防火管理者は、店舗の防火対策に関する情報を市町村役場や消防署に提出する必要があり、選任届のほかに研修証明書や点検記録表などが含まれることもあるので、事前に確認するようにしましょう。
手続きと許可申請は並行して行われることが一般的で、適切に対応をすれば当日中に資格を得られます。
この記事では飲食店開業に必要な資格や手続きについて解説しましたが、開業に向けて運転資金についての知識も重要です。こちらでは飲食店の運転資金にどれくらいの資金があればよいか解説していますので、合わせてご覧ください。
>>資金ゼロで飲食店は開業できる?手元資金が少なくても開業できる方法6選
まとめ
飲食店開業の夢を実現するには、資格取得から手続きの履行まで一連の段階を踏む必要があります。この記事でご紹介した各手続きを順に追っていけば、理想へと着実に近づけるでしょう。
とくに物件選びは「居抜きの神様」が提供するサービスによって、よりスムーズかつ効率的に進めやすくなります。このサイトでは居抜き物件の豊富な選択肢を通じて、立地やコストの面での開業のハードルを大きく下げる助けとなります。さらに、既存の設備を活用すれば、装飾や設備投資にかかる時間と費用を節約できます。
「居抜きの神様」のサービスを活用して開業準備を効率化し、初期費用の削減も可能になります。これから飲食店を開業しようと考えている方は、まずは居抜きの神様のホームページを訪れてみてはいかがでしょうか。
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飲食店の開業スケジュール!オープンまでにやることリスト
2023.11.15
自分で飲食店を開業したいと考えている方のなかには「どういう流れで動けばよいのだろう」と悩む方も多いのではないでしょうか。飲食店を開業するまでには多くのステップがあるため、計画的に準備を進めなければなりません。
そこで本記事では、飲食店の開業までのスケジュールを期間別にまとめています。たくさんの人に足を運んでもらえる飲食店をオープンさせるためのやることリストが理解できるので、ぜひ参考にしてください。
1年前~7ヵ月前の開業スケジュール
飲食店を開業する準備期間はおおむね1年です。設備や什器備品、家具などがついたままの居抜き物件なら省略できる工程もありますが、そのほかにも準備は多岐に渡ります。まずは1年から7ヵ月前のスケジュールを確認しましょう。
コンセプトの設計
コンセプト設計は「なぜ開業するのか」「どんなお店にしたいのか」のようなお店の軸となる考え方を作ることが開業の第一歩です。自分自身やスタッフ、お客さんが「このお店がどういうお店なのか」を共通理解できるようにするための大切なプロセスです。
具体的には、5W2Hをもとに考えていくとよいでしょう。
- what…料理のジャンル
- why…開業の目的
- where…立地
- when…営業時間
- who…年齢、職業などお客様の属性
- how…雰囲気、内外装などの環境
- how much…料理の価格帯
人気のあるお店はこのコンセプトがわかりやすく設計されているので、最初の段階でじっくり考えましょう。
事業計画書の作成
コンセプト設計の次は、事業計画書を作成します。事業計画書は事業の概要を示す計画書で、金融機関から融資を得るために必要です。ほかにも、自分自身が事業を客観視したり、スタッフに自らの考えを理解してもらったりする際にも有効に活用できます。
事業計画書の主な記載内容は以下の通りです。
- 開業の動機
- 経営者の経歴
- 商品の説明
- 取引先
- 従業員
- 借入状況
- 運営資金の調達方法
- 事業の見通し
事業計画書を作成する際は、要点をまとめてわかりやすく記載します。また、使用する数字は根拠のあるものし、何にいくら必要なのかを論理的に記載しましょう。
店舗用の物件探し
開業の6〜8ヵ月前には店舗用の物件を探します。物件を探す際のポイントは、コンセプト設計で検討した客層に合う立地を選ぶことです。ターゲットとなる客層が来店しやすい立地でなければ、安定した集客は見込めません。
候補の物件を見つけたら、内覧とその地域のリサーチをします。平日と休日、日中と夜間など、営業時間と重なる時間帯に下見をし、通行人に客層とマッチする人がどの程度いるかチェックしましょう。
また、家賃を予算内に収めることも大切です。予算に不安のある場合は居抜き物件を検討してみるのもよいでしょう。家具や什器をそのまま使用できるので、初期費用を節約できます。
6ヵ月前~4ヵ月前の開業スケジュール
続いて6ヵ月から4ヵ月前の開業スケジュールです。お金、建物、メニューなどお店の骨格が固まってきます。
資金調達
開業前には、必要な資金の調達も必要です。日本政策金融公庫の行った2022年度新規開業実態調査 によると、開業費用の平均値は1,077万円、中央値は550万円でした。自己資金でまかなえればよいですが、多くの方は資金の調達が必要でしょう。
資金調達にもっとも利用されているのは、日本政策金融公庫の新創業融資制度です。日本政策金融公庫は、民間の金融機関の補完的な役割を担っています。審査をパスすれば、新しく事業を始める人でも融資を受けられます。
民間金融機関よりも融資を受けやすく、担保や保証人は不要です。また、審査から結果通知までの手続きも約1ヵ月とスピーディーに融資を受けられるのが利用しやすい理由です。
ほかには、地方銀行・信用金庫・東京都などの融資制度や、クラウドファンディングによる調達、親族や友人、パトロンからの資金調達などが考えられます。
店舗の内外装工事
開業資金の大半を使うことになるのが店舗の内外装工事です。数百万円の費用がかかることもあるため、実績のある会社を選びましょう。
コンセプトにあったレイアウトを予算内で作るために、複数の会社から相見積もりをとり、適正な価格で工事ができるようにします。見積もりをとる際は、項目を「一式」とするのではなく、それぞれの項目にかかる費用を記載してもらうと、比較しやすくなります。
居抜き物件の場合は、ガスや電気の設備工事が不要になるだけではなく、その分の費用を抑えられます。ただし、電気熱量やガスの火力が適切かどうか、契約内容の確認は必要です。
料理・メニュー開発
開業3ヵ月前には、実際に提供する料理やメニューの開発をします。メニュー開発の際は、ある程度原価を抑えながらコンセプトに合った料理を提供することが大切です。
具体的には以下の内容を詰めていきます。
- メニューの開発
- レシピの作成
- 食材と仕入れ先の選定
- 食器類の発注
- メニュー表の作成
- 価格の設定
軸となるメニューのほかに、期間限定メニューやサイドメニューの開発も必要です。はじめは仕込みや調理に手間取り時間がかかることも考えられるため、少ないメニュー数から徐々に増やしていくのもよいでしょう。
3ヵ月前~1ヵ月前の開業スケジュール
次に、3ヵ月前から1ヵ月前の開業スケジュールです。オープンが近づき、準備が佳境を迎える時期です。漏れがないか、確認しながら準備を進めましょう。
設備・備品の購入
内装の工事が終わり、オープンまで3ヵ月をきる頃には、必要な設備や備品の購入をすませます。調理台や冷凍冷蔵庫、ガステーブルなどの厨房設備の搬入や、食器棚や什器の準備も進めます。
新品を購入するのか、中古品を購入するのか、リースにするのかなど準備する方法もさまざまです。資金状況とも照らし合わせながら検討するとよいでしょう。
メニューや調理方法によって、使用する設備や設置箇所が異なります。注文に対して効率よく作業できるよう動線を考える必要があるので、メニューの開発が済んだら必要な材料の量や適したサイズの食器類などについてリストアップしておくと効率的です。
各種届出・手続き
飲食店を開業するために必要な資格は、食品衛生責任者と防火管理者のふたつがあります。食品衛生責任者は、食品衛生法に定められていて、店舗の衛生管理の中心の役割を担います。
食品を扱う店舗では必ず1名選任しなければなりません。資格をとるには、都道府県が行う6時間程度の養成講習を受講する必要があります。
防火管理者は消防法で定められていて、建物の火災予防と安全管理に努めます。飲食店の場合、30席以上の客席がある店舗では選任が義務付けられています。資格をとるには、2〜10時間の講習を受講し、選任の際は消防署に届け出が必要です。
ほかにも、社会保険や保健所での手続きなどの申請があります。あらかじめスケジュールを立て、計画的に準備を進めましょう。
スタッフの採用と教育
オープンまで1ヵ月の時点では、スタッフを採用し教育します。採用については、求人サイトや求人広告などを使用します。
教育については、マニュアルにもとづいて接客や調理ができるようシミュレーションを行いましょう。スタッフの意見も取り入れられるよう、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
プレオープン
開業準備の最終段階はプレオープンです。近しい方や地域の方を招待し、無料または低額で実際のサービスを体験してもらいます。
多くのメニューを提供することで、接客や調理の課題を抽出します。プレオープン終了後は、本当のオープンに備えてしっかり振り返りを行いましょう。
ここまで飲食店の開業に向けたスケジュールについて解説しましたが、飲食店を開業するうえでは食品衛生責任者についても理解が必要です。こちらでは食品衛生責任者の役割や更新の必要性など解説しますので、合わせてご覧ください。
>>「食品衛生責任者の役割とは?更新の必要性や資格の取得方法」
まとめ
コンセプト設計や行政手続き、人材育成など、開業までにやらなければならない準備は多岐にわたります。どれも大切な工程で、行政手続きのように忘れては開業自体できなくなってしまうものもあります。
あなたの思い描く飲食店を効率よく開業するためには、専門家の力を借りることも選択肢のひとつです。
居抜きの神様は、過去に飲食店として営業してきた居抜き物件を多く紹介できます。居抜き物件のため、一から内装工事をする必要がなく、スムーズに飲食店開業の手助けをしてくれます。物件情報や、開業のノウハウが知りたい方は「居抜きの神様」をぜひチェックしてみてください。
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飲食店開業の必須項目!保健所での営業許可取得までの流れや注意点
2023.10.02
飲食店を開く際は、保健所で営業許可を取得しないと法律違反になります。許可の取得には、保健所の検査に合格する必要があり、さまざまな要件を満たさなければいけません。
また、営業許可を取得するためには、さまざまな要件を満たす必要があり、営業許可取得後も気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。
そこで今回は、飲食店の営業許可取得に必要な要件や流れだけでなく、要する期間や費用、申請に必要な書類、注意点についても解説します。
営業許可とは
飲食を提供する店を開業する際に必要となる許可のことを指し、保健所による検査で問題が無ければ取得できます。無許可で営業を行った場合、法律により罰せられるため、開業する際は必ず取得しましょう。
飲食店営業許可の要件
過去の経歴や資格の有無、構造や素材など、人的部分や施設関連でいくつか要件があり、それぞれの要件を満たさなければ営業許可を取得できません。
まずは、営業許可の取得に必要な人的要件と、施設要件を詳しく解説します。
人的要件
人的要件では、専任の食品衛生責任者を設置することや規模に応じて、防火責任者の設置だけでなく、欠格事由に該当しないことが求められます。
食品衛生責任者とは、法令に基づき、食品の衛生管理を担当する有資格者です。規模の大小に関わらず、必ず1名以上設置しなければ、営業許可を取得できません。
また、消防法で定められているとおり、従業員を含む収容人数が30人以上の施設では、防火責任者の設置も必要です。
そのほか、過去に食品衛生に関する処分や営業許可の取り消しを受けてから、2年を経過していない場合は、欠格事由に当てはまるため営業許可の取得ができません。これは、法人として申請する際、役員のなかに1名でも該当者がいる場合も同様です。
このように、人的要件にはいくつか要件があり、満たしていない場合は営業許可の取得ができないため、注意して準備を進めましょう。
施設要件
施設要件は、設備や素材などに細かい要件があります。具体的に調理場関連では、壁や天井は掃除しやすい構造で、床は耐水性で排水がよいことだけでなく、床から1m以上は耐水性であり、シンクは2槽以上備え付けることが必要です。
そのほかにも、トイレは30L以上の手洗い器を設置し、消毒設備を設けること、食品保存に適した大きさの冷蔵設備の設置、冷蔵庫や冷凍庫に温度計の設置など、多くの要件があります。
このような設備要件を満たした施設でなければ、営業許可を取得できないため、構造や間取りを考えるときは、人的要件とあわせて注意が必要です。
居抜きの神様では、施設要件を満たした多くの居抜き物件を取り扱っており、新規で開業する際の費用や手間を抑えられます。気になる方は物件情報をご覧ください 。
営業許可を取得するには
定められた人的要件と施設要件を満たすだけでなく、さまざまな書類を揃え申請し、検査に合格しなければ営業許可を取得することはできません。
多くの要件があるように見えますが、飲食店を営業していくにあたって、満たしていて当たり前の項目なので、内容を確認しながら準備をすすめましょう。
次は、具体的に許可取得にかかる期間や費用、必要な書類や流れについて詳しく解説します。
取得にかかる期間
許可申請から、3週間ほどで営業許可を取得できます。しかし、検査に問題が生じた場合はさらに期間を要するため、余裕をもって手続きをすすめましょう。
また、申請後の検査などにかかる期間は自治体によって異なるため、前もって保健所に確認しておくのをおすすめします。
営業許可申請に必要な書類
営業許可申請書や施設の構造や設備が分かる図面、食品衛生責任者の資格を証明するものだけでなく、状況に応じて水質検査成績表や登記事項証明書を用意しましょう。営業許可申請書は、保健所の窓口やホームページから入手できます。
また、貯水槽や井戸水を使用する際は水質検査成績表、法人が申請する場合は登記事項証明書が必要になるため、該当する場合は忘れずに用意しましょう。
注意点として、申請書の細かな書式は地域によって異なるため、管轄の保健所や自治体のホームページから入手してください。
営業許可取得にかかる費用
申請料として、1万5,000円から2万円ほどの費用が必要です。正確な申請料は、自治体によって異なるため、ホームページなどを確認しましょう。
営業許可取得までの流れ
前もって保健所に疑問点などを相談し、申請書類を提出後、保健所が検査し問題がなければ、営業許可証が交付されるという流れになります。
それぞれの流れごとに注意点もふまえて、詳しく解説します。
事前相談
営業許可の申請前に、保健所へ疑問点など相談しましょう。事前に相談することで、申請や検査がスムーズに実施できます。
相談する際は、基準に満たしているか確認するために、工事の計画書や物件の平面図などを用意しましょう。基準を満たさない場合は、具体的な改善方法についてもアドバイスしてもらえます。
営業許可申請の提出
準備が整い次第、関係書類とあわせて、営業許可の申請書を保健所へ提出しましょう。各自治体や厚生労働省のホームページ、保健所の窓口などで申請書は受け取れます。また、関係書類に不備がないことも入念に確認して提出しましょう。
施設検査の打ち合わせと実施
書類に不備なく申請したら、担当者と検査日程について打ち合わせをし、予定の合う日に検査を実施します。検査は、保健所の定めた基準に基づき、構造や素材、設備などを確認します。基準に満たない場合は再度、日程について打ち合わせをして別日に再検査が必要です。
営業許可証交付
検査の結果、問題がなければ許可証が交付されます。営業許可証の交付は、交付予定日が記載されたお知らせが郵送され、保健所の窓口で受け取ります。受け取った許可証は、店内の見える場所に掲示してください。
営業許可に関する注意点
飲食店の営業許可を取得するには、人的や施設に関してさまざまな要件がありますが、営業許可取得後も注意すべきポイントがいくつか存在します。営業許可に関する注意点を理解しなければ、信頼性がなくなるだけでなく、罰せられる場合もあります。
そのため、次は営業許可を取得後に、注意が必要な営業許可の有効期限や更新、無許可で営業した際のリスクについて、詳しく解説します。
有効期限と更新
自治体によって異なりますが、一般的に営業許可証の有効期限は5年から8年となっており、正確な期限については、交付された営業許可証に記載されているため必ず確認しましょう。
更新する際は、1万円程度の更新手数料や営業許可証の原本、食品衛生責任者自主管理記録簿、あるいは1年以内に実施した腸内細菌検査および、水質検査等の記録が必要になります。
無許可で営業した場合
食品衛生法などに反することから、2年以下の懲役または、200万円以下の罰金が課せられます。また、無許可で営業し罰則を受けた場合、営業停止やそのあと、2年間営業許可証が取得できなくなります。
許可証更新を忘れていた場合や、食品衛生責任者の離職後、新たな責任者設置を忘れていた場合など、過失であっても無許可営業となるため注意が必要です。
飲食店の開業には、そのほかにも必要な届け出や取得しておくとよい資格があります。飲食店開業に必要な届け出と資格について、こちらで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
飲食店の営業許可は、関係書類を用意し保健所に申請後、検査し問題がなければ取得できます。
申請や更新には1万円から2万円程度の申請料がかかり、営業許可の交付には申請から3週間程度の期間を要します。また、営業許可をスムーズに取得するためには、前もって保健所に相談することが大切です。
そもそも飲食店の営業許可を取得するためには、保健所が定めたさまざまな要件を満たす必要があり、施設要件に関しては、構造や使用する素材など、細部にまでこだわる必要があります。
居抜きの神様は、過去に飲食店として営業してきた居抜き物件を多く紹介できるため、いちから内装工事をする必要がなく、スムーズな飲食店開業の手助けをしてくれます。気になる方はぜひお問い合わせください。
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飲食店開業に必要な資格と届け出は?あると役立つ資格も紹介
2023.10.02
「飲食店を開業するとき必要な届出は?」
飲食店の開業を検討していくなかで、具体的に何を届け出なければならないか分からない方もいるのではないでしょうか。
店舗を構える物件探しや提供するメニューの開発など、飲食店を経営するためには、さまざまな準備が必要です。そのなかには、保健所や消防署で申請が必要なものもあり、どのように進めていけばよいのかわからないこともあるでしょう。
そこで今回は、飲食店の開業に必要な資格と取得方法、届け出について詳しく解説します。また、飲食店を経営していくうえで持っていると役立つ資格についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
飲食店開業に必要な資格と取得方法
飲食店を開業するためには、食品衛生責任者と防火管理者の資格が必要です。この2つの資格を取得しないと、飲食店の開業はできないため、資格の具体的な内容と取得方法を詳しく解説します。
食品衛生責任者
食品衛生責任者とは、飲食店の衛生管理を担当する人のことです。開業するには、店舗を管轄する保健所から、飲食店営業許可をもらう必要があります。その際に、食品衛生責任者の届け出が必要です。
飲食店にひとりは必ず必要で、食品衛生責任者になるには、講習を受けなければなりません。
取得方法
食品衛生責任者は、各都道府県が開催する講習会に参加する必要があります。講習は公衆衛生学や食品衛生学など、3科目合計6時間の受講が必要で、受講料はおよそ1万円程度です。 また、食品衛生監視員や食品衛生管理者の資格要件を満たしている人と、衛生関係法規に関する資格を持っている人は、受講が免除されます。
資格取得後は、保健所にて飲食店の営業許可申請を行う必要があります。その際に、食品衛生責任者手帳を提示するため、遅くとも開業3か月前までには、取得しておくとよいでしょう。
防火管理者
防火管理者とは、多くの人が利用する建物から、火災による被害を防止することを目的とした責任者です。また、防火管理に関する消防計画の作成や防火管理に必要な業務を、計画的に実施することも求められます。
飲食店に関しては「収容人数が30人以上」の場合に必要となります。また、収容人数は従業員も含めた人数となるため、注意が必要です。
取得方法
防火管理者の資格には「甲種防火管理者」と「乙種防火管理者」の2種類があります。甲種防火管理者は「収容人数30人以上かつ延べ面積300㎡」の建物が対象です。乙種防火管理者は「収容人30人以上かつ延べ面積300㎡未満」の建物が対象です。
甲種防火管理者講習の講習時間は、およそ10時間で2日間にわたって行われます。講習内容は、防火管理の意義及び制度や火気管理、施設・設備の維持管理などです。
乙種防火管理者講習の講習時間はおよそ5時間で、1日で講習が完了します。講習内容は甲種の内容のうち、基礎的な知識と技能について学びます。
飲食店開業に必要な届け出
飲食店を開業する際に、必要な届け出を詳しく解説します。必ず必要な手続きなので、忘れずに対応しましょう。
飲食店営業許可
飲食店営業許可は、飲食店を開業するために必要なものです。保健所にて飲食店営業許可を取得することによって、飲食店での料理の提供や午前0時まで酒類の提供ができます。
飲食店営業許可は、店舗の場所や設備についての許可です。そのため、店舗のオーナーが交代した場合でも、届出を出すことで営業許可が引き継げます。
消防管理者選任届
飲食店では、防火管理者もしくは、防災管理者を選定して、防火・防災に関わる管理業務を行わなければなりません。管理者を選定したあとは、管轄の消防署へ防火・防災管理者選任(解任)届出書を提出します。
届出書は「消防署保管用」と「事業者様保管用」の2種類を用意したうえで、手続きを行います。窓口や郵送での提出のほかに、電子申請にも対応している場合もあるため、忙しい人でも申請可能です。
個人事業の開業届出
開業届は、開業から1か月以内の提出が望ましいですが、1か月を過ぎても、とくにペナルティはありません。開業届の用紙は、各都道府県の税務署でもらえるほか、国税庁のホームページからダウンロード可能です。
また、会計ソフトを利用すると、パソコン上で開業届を作成し、印刷もできるため、税務署は提出するときに行くだけで済みます。
営業内容次第で必要になる届け出
飲食店の業態によって、必要な届け出が異なります。必要な届け出について、詳しく解説しているため、開業を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
酒類提供飲食店営業開始届出
バーやスナック、居酒屋など、0時から6時までの深夜帯で酒類を提供する飲食店においては、警察署への届け出が必要です。
届け出の際に必要な書類は、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書と営業の方法を記載した書類、営業所の平面図です。また、個人での経営の場合は、本籍入りの住民票も必要となります。法人は定款、登記事項証明書及び役員に係る本籍入りの住民票が必要です。
菓子製造許可申請
菓子製造許可申請は、パンやケーキなどの菓子類を製造・販売を行う際に必要で、管轄の保健所にて申請をします。菓子類の持ち帰りだけでなく、イートインなど、店内での飲食が発生する場合、飲食店営業許可もあわせて取得が必要です。
菓子製造許可の取得には、共通基準と特定基準の2つを満たしておく必要があります。それぞれの基準は、自治体によって異なるため、あらかじめ確認をしておきましょう。
風俗営業許可申請
スナックや料亭など、お客さんに対して、お酌や隣に座って会話をするなどの接待行為を行う飲食店は「風俗営業許可申請」が必要です。
風俗営業許可を取得するには、人・場所・設備の3つの条件を満たす必要があります。申請に必要な書類は、管轄の警察署のホームページから入手可能です。申請からおよそ55日以内に、許可証が交付されます。許可が下りるまでは、営業を始められないため注意が必要です。
持っていると役立つ資格
飲食店を経営するうえで、持っていると役立つ資格について解説します。
調理師免許
調理師免許とは、食や調理技術に関する知識を持っていることを証明する資格です。食に関する知識には、栄養や衛生に関する内容も含まれています。そのため、調理師免許を持っていると、雇用主やお客様からの信頼を得られやすいでしょう。
調理師免許を取得する方法は、2種類あります。専門学校に通って資格取得を目指す方法と、
飲食店で2年以上の実務経験を積んだうえで試験を受けて取得する方法です。
ソムリエ
ソムリエとは、ワインをはじめとした、飲み物の紹介や啓蒙活動を行うスペシャリストです。飲み物に関する説明だけでなく、食に関する専門的な知識のほかに、テイスティング能力を持っている点も特徴です。
資格取得には「日本ソムリエ協会認定資格」と「全日本ソムリエ連盟認定資格」のいずれかに合格することが条件です。試験は第1次試験から第3次試験まであります。第1次試験では、コンピューターを使用したCBT方式が用いられ、第3次試験では実技試験が用意されています。
フードコーディネーター
日本フードコーディネーター協会認定の民間資格で、資格を保有している人は、食に関するさまざまな分野で活躍できます。フードコーディネーターを取得するには、大学や専門学校に通い、卒業と同時に取得するか、試験を受けて取得するかの2種類です。
試験を受けて取得する場合、3級から1級まで設定されています。3級はマークシート方式のみですが、1級では書類審査のほかにプレゼンテーションと面接が用意されています。
飲食店の開業には、店舗の用意と内装工事が必要です。飲食店の内装工事にかかる費用やコストダウンのポイントについて、こちらで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
今回は、飲食店開業に必要な資格や届け出などについて解説しました。飲食店を始めるには「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格を持っている必要があり、それぞれ講習を受けて取得します。
飲食店の業態によって、必要な届け出もあります。業態に合わせて必要な資格を取得したり、届出を行ったりする必要があります。
「居抜きの神様」では、飲食店を構える物件を探している人向けに、居抜き物件の情報を掲載しています。業態やエリアなどから物件探しが可能で、市場に出回っていない物件も取り扱っています。
最新の店舗情報をどこよりも早く掲載しているので、飲食店の物件探しをしている人はぜひご利用ください。
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食品衛生責任者の役割とは?更新の必要性や資格の取得方法
2023.08.25
飲食店を開業する場合、食品衛生責任者の配置が義務付けられています。こじんまりした雰囲気のよいカフェから、大規模なレストランにいたるまで、飲食店を開店する際には一律必要となります。
今回は食品衛生責任者について解説するとともに、取得方法も紹介していきます。どんなことができる資格なのか、どんな人が持つべきなのかについても触れていくので、ぜひ目を通してください。
食品衛生責任者とは
はじめに、食品衛生責任者の役割と、そのほかの資格との違いについて見ていきます。これから取得を検討している方は、しっかりチェックしていきましょう。
主な役割
主な役割として、食品衛生を守る責任があることが挙げられます。食品を保管・管理する設備の衛生状態を確認・維持したり、不衛生なところがあれば改善したりします。
たとえば、冷蔵庫の性能・機能が老朽化により低下している場合、食品衛生責任者は経営者に買い替えを提案しなくてはなりません。また、長年使ったまな板やその他の調理器具は細かいキズがつき雑菌が繁殖しやすいため、新調するよう提案するのも役割です。
また、食材の加熱のチェックや、鮮度などの状態をチェックすることも含まれており、食品に関する衛生面全般を管理すると考えてもよいでしょう。
そのほか、働くスタッフの健康管理も役割のひとつです。体調不良のスタッフは休んでもらうよう指導し、手洗いや清掃のチェックを行うために管理表を作成することもあります。よく飲食店のトイレに清掃チェック表があるのは、この衛生管理のためのものです。
こうした衛生管理ができていないと、食中毒など、営業停止になりうる事態を引き起こす可能性が出てきます。
そうなればお店の信用や経営にも影響するため、専門知識を備えた有資格者が責任をもって管理する必要があります。加えて、法律を守る意味でも、飲食店には必ず食品衛生責任者を1名設置しなければなりません。
食品衛生管理者との違い
食品衛生責任者とよく似たものに、食品衛生管理者というものがあります。食品衛生管理者は、食品の製造や加工をする工場で必要な資格であり、製造・加工の過程でとくに衛生に配慮が必要な食品・添加物に対し、衛生管理を行う役割を担う国家資格です。
同じ会社でも、製造・加工をする施設ごとに食品衛生管理者を置かなければならないと食品衛生法で定められており、選任した日から15日以内に、設置や変更の届け出を都道府県知事・保健所に届け出ることになっています。
単に食品の衛生管理を行うだけでなく、各所への届け出が必要な、重要かつ責任あるポジションといえるでしょう。また、とくに衛生上の考慮が必要な食品は、次のように食品衛生法施行令第13条で決められています。
- 全粉乳(その容量が1,400グラム以下である缶に収められるものに限る)
- 加糖粉乳
- 調製粉乳
- 食肉製品
- 魚肉ハム
- 魚肉ソーセージ
- 放射線照射食品
- 食用油脂(脱色又は脱臭の過程を経て製造されるものに限る)
- マーガリン
- シヨートニング及び添加物(法第十一条第一項の規定により規格が定められたものに限る)
食品衛生責任者の上位資格のため、食品衛生管理者の資格を保有していれば、両方の役割を担当できます。
食品衛生責任者の資格に関して
食品に関する重要な資格だけに、1度取得すれば一生ものの資格として使えるのか、定期的な更新が必要なのか気になるところです。
また、転勤で県外に出たときに、変わらず資格を提示できるのでしょうか。ここでは、食品衛生責任者の資格について解説していきます。
更新は必要?
食品衛生責任者の資格は、更新や有効期限・資格の失効はありません。ただし都道府県によっては、取得から数年経過している場合、実務講習の再受講が必要な場合もあります。これは、食品に関する最新情報を習得する目的があり、国では定期的な再受講を推奨しています。
受講費用はおおむね10,000円程度です。休憩時の飲食費用も考えて、少し多めの費用を用意しておくとよいでしょう。詳細な受講スケジュールなどは、各都道府県に問い合わせて確認することをおすすめします。
どこでも有効?
平成9年以降に取得した方は、取得した都道府県以外のエリアでも有効な資格です。現在は実務講習の時間が全国で統一されたため、1度取得してしまえば、全国どこでも活用できます。
ただ、再受講する際は自治体により若干条件が異なるので、事前に確認をおすすめします。どのエリアに住んでいても受講できる自治体もあれば、市内に職場があることを条件としている自治体もあるからです。
実務講習は国から各自治体にガイドラインが配布されていて、合計6時間以上の講習が必要です。6時間以上といっても1日で修了可能な内容となっています。テキストが配布されるので、それに沿って進めていけば、とくに問題なく取得できるでしょう。
食品衛生責任者の取得方法
食品衛生責任者の資格を取得するには、どんなステップがあるのでしょうか。また、優遇措置などがあるのかも気になります。ここでは、資格の取得方法について紹介していきます。
食品衛生責任者養成講習を受講する
これから食品衛生責任者となる場合は、各都道府県で実施する食品衛生責任者要請講習会を受講しなければなりません。主に、食品衛生学、食品衛生法、公衆衛生学を学び、最後に確認試験が行われます。
これらの講習は全部で6時間程度、費用は10,000円程度となっています。費用や講習会スケジュールは自治体で異なるので、余裕を持った確認が必要です。
一例として、東京都では一般社団法人東京都食品衛生協会が食品衛生責任者養成講習会を行っているため、問い合わせ窓口は一般社団法人東京都食品衛生協会となります。このように、自治体により講習実施団体が異なるので、事前に調べておくようにしましょう。
調理に関する免許を持っている場合は窓口に申請する
食品衛生責任者の資格において、次の免許や資格を保有する方は、講習が免除になります。
- 調理師
- 製菓衛生師
- 栄養士
- 船舶料理士
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- と畜場法に規定する衛生管理責任者
- と畜場法に規定する作業衛生責任者
- 食鳥処理衛生管理者
- 食品衛生管理者又は食品衛生監視員の資格要件を満たす免許や資格を保有する人
このほかにも免除になる免許や資格があり、自治体によって免除を認める内容が異なります。たとえばふぐの調理の免許では、自治体により免除対象・対象外がわかれています。
また、平成9年より前に食品衛生責任者を取得した人は、講習免除の対象外となるので注意が必要です。平成9年以降に食品衛生責任者の資格を取得する人は、上記の免許や資格を保有している場合、各自治体の所定の窓口に申請すれば講習が免除されます。
飲食店の開業には防火管理者も必要
飲食店を開業する際は、食品衛生責任者を1名設置しますが、そのほかにも防火管理者の設置が必要です。防火管理者とは、営業する建物内での火災発生防止および、火災が起きた際に被害を最小限にとどめ速やかに避難させるための資格です。
消防計画を作成し、定期的な消火設備の点検・整備や、定められた消火訓練・避難訓練を実施するのが主な役割です。
飲食店における防火管理者は、客席が30席以上ある場合に選任が必要です。資格を取得するには防火管理者講習を受講しなければならず、甲種と乙種の2種類があり、営業する建物の規模や収容人数でいずれかの講習を受講します。
開業予定の飲食店が、たとえば隠れ家的小規模カフェで、収容人数が30人に満たない場合は、防火管理者を選任しなくても問題ありません。
そのほか、飲食店開業にあたって必要不可欠とされるものは数多くあります。なかでも重要な、事業計画書についてこちらの記事で解説しています。
まとめ
今回は、食品衛生責任者について紹介しました。飲食店を経営する場合、食品の安全と衛生、設備や調理器具の管理など、責任を持ってやらなければなりません。当たり前のようでも、万が一食中毒が発生すれば営業停止などの処分を受け、お店の信用も失うことになります。
お客様が安心して来店できるよう、衛生面の管理は責任を持って取り組みたいところです。これから開業予定の方は、早めに講習を受けて食品衛生責任者を取得しておきましょう。
また、飲食店は店舗の立地や収容人数など、資格取得以外にもたくさんの準備が必要です。もしも、物件を探しているなら市場に出回っていない物件をチェックしてみませんか。
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【飲食店向け】事業計画書の書き方と作成する際のポイントを解説
2023.08.05
▼監修者情報
税理士法人 丸木公認会計士事務所 パートナー / 公認会計士・税理士 丸木 章道 http://www.kmao.jp/
新しく自身の飲食店を開く場合、新規開店と運営のプランを可視化したものに、事業計画書があります。これは、事業者がどのような考えで、どういったお店をオープンさせて、どうやって営業していくのかを具体的に計画した証明になります。
金融機関から融資を受ける場合も含めて、どのような見通しを立てているのかが客観的にわかる計画書であるため、丁寧に作られていればいるほど信用につながるでしょう。どのように事業計画書を書くとよいか、書き方及び作成のポイントについてお話していきます。
事業計画書とは
事業計画書とは、新たな事業を開始する際に作成する計画書です。主な目的は、事業の目標やビジョン、戦略、マーケット分析、財務計画などの明確化と可視化です。
具体的には、創業の動機や経営者の略歴、取扱商品やサービスの内容とそのセールスポイント、取引関係となる仕入れ先や顧客の見通し、資金調達方法から収益見込みなどまで、詳細に記載します。
事業計画書は、一般的には経営者や起業家が事業の方向性を明確にし、資金調達や投資家の説得、ビジネスパートナーとの共有を目指すために使用されます。また、運営にあたって将来の展望やリスク管理のための指針としても機能し、経営戦略を実行するための道筋を示します。
具体的な情報を盛り込みつつ、読みやすくて理解しやすい文章で作成することにより、自身のビジネスプランが魅力的であるとビジネスパートナーへアピールできるでしょう。
事業計画書が必要な理由
飲食店の事業計画書は、経営の基盤を構築し、継続的な成功への道筋を描く重要なツールです。そのため、計画書にはビジョンや目標、市場調査、財務計画、マーケティング戦略などが含まれます。
これにより、事業の方向性を明確にし、投資家や金融機関からの支援を得ることも可能です。綿密な計画を立てて作成できれば、事業の安定性や成長性を高め、飲食店ビジネス成功への確かな道を切り開けます。
アイデアやプランを客観視するため
事業計画書でアイデアやプランを客観視して見直すには、市場調査と競合分析を通じ、自身の計画が市場の需要や競争状況に適合しているか、客観的な評価が必要です。
またフレームワークのひとつであるSWOT分析を用いて、アイデアやプランの強みと弱み、機会と脅威を明確にし、リスクとチャンスを把握してもよいでしょう。
外部の専門家やアドバイザーの意見やフィードバックを取り入れ、より客観的な視点からのアドバイスを受けることも大切なポイントです。さまざまなアイデアやプランを具体的な目標や戦略に落とし込み、計画が実現する可能性を検証します。
必要となる資金を明らかにするため
事業計画書では、資金明示もポイントです。的確な資金計画は、事業の安定性と成長性を確保するために欠かせません。
まず開業費用を詳細に洗い出し、建物や設備、装飾、設備購入、初期在庫など、あらゆる初期コストを明示します。
次に、ランニングコストを見積もりましょう。人件費、光熱費、賃貸料、広告宣伝費、食材調達費など、安定した継続運営にあたって必要な経費を計算していきます。
資金調達手段では、自己資金やローン、クラウドファンディングのような周囲へのプレゼンテーションなども検討しながら、リスク管理や返済計画も立てていきます。
創業融資を受けるため
飲食店の開業には、一般的に高額の準備資金を用意しなくてはなりません。自己資金を蓄えておくのはもちろん、日本政策金融公庫や銀行から創業融資を受ける必要も出てくるでしょう。
こうしたビジネスパートナーから創業融資を受けるには、事業計画書の提出が必要不可欠です。開業時はその事業としての実績がない状態のため、金融機関に対し信頼性のあるプランを可視化した書面を提示しなければなりません。
事業計画書の書き方
事業計画書は、まず自分がどんな飲食店を開きたいのかビジョンを明らかにし、開業の目的や目標を定めるとよいでしょう。
事業者が開業にいたるまでの経歴や経験、行ってきた開業準備の内容から、経営が開始されてからの見通しなど、説得力がある内容を書かなければなりません。明確で簡潔な文章、適切な数字やデータの記載を十分留意して書き進めていきましょう。
創業の動機
創業の動機として、なぜその事業を始めるのか明確に記述しましょう。さらに、競合分析や市場の成長性評価を行い、始めようとしている事業の持続性や、成功する可能性をアピールする必要があります。
創業の動機は、事業計画書の中心的な要素であり、投資家やパートナーに対して自身の情熱や熱意を伝えるための重要なカギとなります。
経歴
経歴の記述ポイントは、事業内容と関連性の深い経験や専門知識を強調します。飲食店であれば、過去の職務経験や関連する資格などが含まれます。リーダーシップや経営能力、チームビルディングのスキルもアピールポイントとなるでしょう。
さらに、業界や市場のトレンドに関する知識や、洞察力を強調することも重要です。また、人脈や業界内での関係性も記載し、ビジネスチャンスやパートナーシップの可能性を示します。
経歴の記述は、自身の専門性や実績を明確にし、事業計画の信頼性を向上させるための要素となります。
商品・サービス
商品やサービスの記述ポイントでは、提供するメニューの特徴を明確に説明します。これには、顧客ニーズに対する解答の独自性および、競合優位性のアピールなどが含まれます。
次に、商品やサービスのターゲット市場や顧客セグメントを定め、それに基づいたマーケティング戦略を示します。価格設定やプロモーション手法なども具体的に記述しましょう。
さらに、提供するメニューの調理プロセス、品質管理なども説明します。こうした商品やサービスの記述は、市場の需要と提供する価値を明確に示し、事業計画の成功に不可欠な要素となります。
従業員
従業員を雇用するのであれば、店舗業務に従事する従業員の人数を正確に記載しなくてはなりません。これには、家族で経営する場合の家族従業員も含まれます。
雇用を予定している従業員数と、家族従業員、パート従業員の人数をそれぞれ書きましょう。法人の場合は、常勤役員の人数を明記する必要があります。
取引先
取引先には、食材など原材料の仕入れ先のほか、来店する一般顧客も含まれます。仕入れ費用の支払い方法や支払い条件を取引先ごとに明記するとともに、一般顧客からの売り上げの回収方法も記載しましょう。
具体的な取引先の記述は、信頼性と安定性を示すだけでなく、戦略的なパートナーシップの構築を示し、事業計画の成功に寄与する重要な要素となります。
必要な資金と調達方法
資金調達ではまず、必要な資金の詳細を明確に提示しましょう。開業費用、運営費用、設備投資など、必要な費用の内訳を具体的に記載し、なぜ資金が必要なのか明らかにします。
次に、資金調達の計画とその方法について説明します。たとえば、自己資金の投入、銀行融資、投資家からの資金調達、助成金や補助金の利用など、予定している資金調達方法を具体的に示すとよいでしょう。
また、資金調達のタイミングやスケジュールも重要となります。利益率や返済計画、収益予測などを示し、資金提供者に対する返済能力や、収益性をアピールします。また、資金調達にともなうリスクや対策についても述べ、リスク管理の計画を示します。
資金調達の記述は、計画の信憑性や財務健全性を示し、事業計画の実現可能性を裏付ける重要な要素となります。
借り入れ状況
住宅や車のローンをはじめとした、銀行など金融機関からの借り入れ状況を具体的に明記します。借り入れ先、金額、返済計画、利息率、償還期間などを記載しましょう。
重要なポイントとして、これから始めようとしている事業に直接関係のある借り入れではなく、あくまで事業者の個人的な借り入れ内容についての記述が求められます。
事業の見通し
事業の見通しに関する記述ポイントは、まず、市場の現状と将来予測について説明します。市場の規模や成長率、トレンドや動向などを明示し、事業の位置づけを示します。
競合他店の存在や、比較した場合の自店の強みや独自性を明確に示し、差別化戦略の具体的な計画を述べます。また、ターゲット市場や顧客ニーズ、顧客の購買パターンなども詳細に分析しましょう。
さらに、売上予測や収益性の見通しを示します。売上の見込みや収益の予測、利益率や成長率などを明確に記述し、具体的な数字を示すことが重要です。
事業計画書の作成ポイント
重要なアピールポイントとして、市場のニーズやトレンドに即したビジネスの独自性をアピールしましょう。自店のメニューやサービスが、どのように顧客へ価値をもたらすのかを明示します。
次に、競合との差別化ポイントをより明確にします。競合他店と比較しながら、強みや優位性を明確に示し、なぜ顧客が自店を選ぶべきなのかを訴求します。
さらに、財務的な側面での魅力をアピールしましょう。収益性や成長性の見通し、投資回収期間、利益率などを具体的に示し、投資家や財務機関に対して魅力的なビジネスモデルであることを訴えます。
内容をしっかりと詰めて計画へと盛り込められれば、将来性を訴求するための要素となり、ビジネスパートナーの関心を引く重要な役割を果たします。
自店の強みを理解する
強みを効果的に表現するためのポイントは、具体性を重視しましょう。自店の強みがどのように他店と異なるのか、自店の強みが競合他店と比べてどれほど優れているのか、明確に差別化して具体的に明示していきます。
たとえば、専門知識を要するメニューや独自の創作メニューの提供、経験豊富なスタッフ、他店にない内装などを挙げることで、強みを具体化します。
次に、強みの効果やメリットを明確に伝えます。自店に来店することによって、顧客にどのような価値や利益をもたらすのかを具体的に示し、その効果を強調します。顧客満足度の向上や効率化、コスト削減など、強みがもたらす具体的な利点を示すことが重要です。
要点を押さえてわかりやすく記載する
要点をわかりやすく伝えるためには、以下のポイントに注意しましょう。まず、明確な目的を設定します。計画で何を目的としているのか、読む人に伝わるよう明確にします。
次に、シンプルな言葉と構成を使います。難解な文章であることと、伝わりやすい文章であることはイコールではありません。専門用語や複雑な文言は避け、明朗な言葉と文体で記述します。論理的な構成をつけ、項目ごとに要点をまとめましょう。
また、冗長な表現や繰り返しを避け、必要以上に長々とした文章にならないよう注意しなくてはなりません。詳細に、かつ要点を押さえて、必要な情報を的確に組み込んだ内容が望ましいでしょう。
数字の整合性が取れている
数字の整合性を確保するためには、現実的で正確なデータを収集しましょう。市場調査や競合分析などを通じて、信頼性の高いデータを入手します。
次に、数字の統一性を確保します。同じ期間や同じ単位での比較ができるように、すべての数字を一貫した基準でまとめます。
計算ミスや誤った数値を避けるため、計算式や数式を丁寧にチェックしましょう。さらに、予測や予測モデルを使用する場合には、その根拠や前提条件を明示します。数字の整合性を確認するために、複数の人にレビューしてもらうことも有効です。
融資を受けるまでの計画を立てる
融資を受けるまでの計画を立てる方法では、目標金額と必要な期間を明確に設定します。どれくらいの資金が必要で、いつまでに必要なのかを具体的に定めましょう。そのうえで、融資をお願いする適切な金融機関を選定します。
また、必要な資金を調達するための具体的な手段を確認していきます。日本政策金融公庫による創業融資や銀行融資、政府補助金、投資家などを含めて、適切な資金調達手段を選び、それに基づいて計画を進めましょう。
最後に、融資申請書の作成と提出を行います。具体的な将来の見通しなども詳細に記載し、金融機関に提出しましょう。融資申請後は、審査結果を受けて必要な修正や追加の対応を行い、必要な手続きを進めていきます。
自己資金がない場合、飲食店は開業できるのでしょうか。手元資金が少なくても開業できる方法6選をこちらの記事で紹介します。
創業融資用のテンプレートを使う
創業融資用のテンプレートを利用すると、構成に迷わず書き進められます。一般的な事業計画書の構成に沿って計画書作りができ、ビジネスプランの内容、市場における同業種分析やお店の経営における財務計画など、一連の流れで何を書けばよいかが明確になります。
一般的に広く用いられるテンプレートとして、日本政策金融公庫の書式があります。また、インターネット上でもプロによって作成されたテンプレートを見つけられるでしょう。
こうしたテンプレートには、適切なフォーマットとデザインが組み込まれています。各項目の記入スタイルや配置などが整然と統一されているため、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
項目は、一般的に必要な内容がまとまっています。経営者のプロフィール、市場調査、競合分析や財務予測など忘れることなく記入でき、融資審査に必要な情報をしっかりと伝えられます。
ただし、テンプレートはあくまで基礎となるものであり、個別のビジネスに合わせてカスタマイズする必要があります。自店の特徴やビジョンを反映させながら、テンプレートにて間違いのないように作成していきましょう。
代行サービスを利用する
より確実に融資を受けられるように取り組みたい場合、代行サービスの利用を検討するのもよいでしょう。代行サービスは、事業計画書の作成において、専門知識と豊富な経験を持っています。
ビジネスの要素や財務データの分析、市場調査、その他さまざまな分析などをスムーズに行うノウハウがあり、プロフェッショナルな視点から事業計画書を作成できます。
代行サービスでは、多くの経験を持つプロの手によって、融資を通してもらうための事業計画書を作成できます。適切な情報の提供や財務データの整合性の確保、戦略的な説明などを行うことで、融資の成功確率を高められます。
ただし、代行サービスを利用する際には、信頼性のある業者を選ぶことが重要です。実績や評判を確認し、自身のニーズに合った代行サービスを選ぶ必要があります。
まとめ
どのように丁寧に事業計画書を作るかが、飲食店開業成功のカギを握ると考えて差し支えないでしょう。さまざまな視点による綿密な計画、魅力のある具体的なアイデアなど、それぞれをうまく融合させる必要があるため、一朝一夕で作れるものではありません。
自身の夢をしっかりと叶え、道半ばで諦めてしまわずに済むように、入念に具体性のある事業計画書作成が必要となります。そして、新規で開店するための物件の確保も当然欠かせません。
事業計画書を作成するにあたって、もしも物件探しから悩むようであれば、物件探しのプロに相談してみてもよいのではないでしょうか。居抜きの神様であれば、物件の出店から開店まで幅広いサポートを行っており、具体的な計画書を作成する第一歩を進められます。