造作譲渡が無償になるのはどんな場合?判断基準と損しないための注意点

飲食店を閉店する場合、賃貸物件の原状回復を求められるのが基本ですが、造作譲渡という形で店舗の内装や設備を残したまま、新しいオーナーに譲ることも可能です。本記事では、造作譲渡とは何かを解説し、無償になる場合を紹介します。

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目次

無償の造作譲渡とは?有償との違い

造作譲渡とは、店舗の内装や設備をそのまま次のオーナーに譲り渡すことです。内装や設備には、壁や床、天井、テーブル、イス、厨房機器、調理器具などが含まれます。

造作譲渡は「居抜き売却」とも呼ばれ、飲食店の閉店時に広く利用されています。通常、退去時に原状回復(スケルトン工事)が必要な賃貸物件でも、造作譲渡であれば現状のまま引き渡せる場合があり、工事費用を抑えられる利点があります。

ただし、造作譲渡を行うには貸主(物件オーナー)の承諾が必要で、原状回復義務が免除されるかどうかも貸主との合意によって決まります。まずは賃貸借契約書の原状回復と造作の扱いを確認し、専門業者に相談しながら進めるのが安全です。閉店までの時間を短縮できるのも魅力です。

造作譲渡には売却益を得られる可能性もありますが、無償で譲渡される場合もあります。有償になるか無償になるかは、「次に借りる人がそのまま使えるか」で大きく変わります。設備が新しく、同じ業態がすぐ営業を始められる状態なら造作譲渡料が付きやすく、反対に設備の入れ替えや改装が必要な状態だと、無償やマイナス(撤去費用の負担)になることもあります。

なお、賃借権を次の借主へ引き継ぐ形になる場合は、貸主の承諾がなければ契約の解除を主張されるおそれがあります(民法第612条)。造作買取請求権についても、借地借家法第33条に定めはあるものの、契約で排除されていることが多い点に注意しましょう。

出典:e-Gov法令検索「民法第612条」

造作譲渡が無償になる5つのケース

物件の状況や市場環境によっては、無償で内装や設備を譲渡することもあります。どのような場合があるかみていきましょう。

早期退去を希望している場合

店舗物件の賃貸契約期間満了前に退去したい場合、造作物の撤去費用や原状回復工事費用を避けるために、無償で譲渡するケースがあります。

後継テナントが見つかりにくい場合

後継テナントがなかなか見つからない場合、早期に引き継ぎ先を確保するため、内装や設備を無償で譲渡するケースがあります。ただし、原状回復義務が免除されるかどうかは、貸主との合意内容によって異なります。

内装や設備が古い場合

造作譲渡の価格は内装や設備の状態によって決まります。購入から時間が経っている、あるいは型が古いなどの場合は無償で提供されることが多いようです。また設備の種類も影響します。特定の業態専用に作られた設備(溶接された大型の調理設備、専用のダクトや冷蔵室など)は転用が難しいため、撤去費用を考慮して無償で譲渡されるケースがあります。

店舗の立地が良くない場合

飲食店にとって、立地は集客力に影響する重要な要素です。以下のような場合、条件交渉の際に無償譲渡が求められることがあります。

  • 立地:駅や繁華街から遠いなど人が集まりにくい場所
  • 店舗への入りやすさ:地下や2階以上など
  • 視認性:看板が小さいなど

不動産市場が賃借人に有利な場合

賃貸物件の供給過多など賃借人に有利な場合、条件交渉の際に無償譲渡が求められることがあります。

無償で譲渡する前に確認したいこと

無償の造作譲渡は、原状回復工事を避けられる現実的な選択ですが、譲渡額がゼロで妥当かどうかは、手放す前に確かめておきたいところです。次の4点を押さえておきましょう。

1. まずは査定を取る
「古いから値が付かない」と思っていた厨房機器に、値が付くこともあります。無償を提示されたとしても、先に査定を受けておけば、交渉の材料になります。

2. 撤去費用と比べる
無償でも、スケルトン工事の費用を負担しなくて済むなら、結果的に大きな節約になります。「譲渡額ゼロ」と「工事費の見積額」を並べて比べると、判断しやすくなります。

3. 貸主の承諾と契約書の内容を確認する
造作譲渡には貸主の承諾が必要です。承諾の条件として原状回復の範囲が変わることもあるため、賃貸借契約書と、貸主との合意内容を書面で残しておきましょう。

4. リース品と残置物を分ける
リース契約中の設備は所有物ではないため、譲渡できません。また、無償で残すものの範囲(どの設備まで引き継ぐか、不要品の処分は誰が行うか)を一覧にして契約書に明記しておくと、引き渡し後のトラブルを防げます。

造作譲渡が無償になる条件を知り、損のない判断をしよう

造作譲渡を行うことで、閉店時の原状回復費用を抑えられ、場合によっては売却益も得られます。一方で、譲渡相手を探して交渉し、契約書を作成するといった手間と時間がかかります。無償を提示された場合も、査定額と撤去費用を比べたうえで判断することが大切です。

「買取の神様」では、移転や閉店をお考えのオーナー様の店舗売却のご相談を承ります。造作譲渡なら内装や設備をそのまま引き継げるため、スケルトン工事の費用を抑えて閉店できる可能性があります。相談・査定は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

元システムエンジニア、ライター歴10年のアラカン主婦です。楽しみは成人した娘とのカフェ巡り。娘に流行のスィーツを教えてもらってます。顧客サポートやマニュアル作成の経験を活かした分りやすい記事を目指しています。

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