東京で飲食店を開業したいと考えているものの、「自己資金が100万円しかない」と悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
結論、自己資金100万円だけでは東京での飲食店開業は困難です。しかし、融資などの資金調達を行うことで、開業できる可能性があります。
この記事では、自己資金100万円で東京での飲食店開業を目指す方に向けて、資金調達の方法や開業費用を抑える実践的な対策について詳しく解説します。
なお、飲食店開業に必要な資格や手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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【結論】自己資金100万円だけで東京での飲食店開業は難しい

自己資金100万円だけで、東京での飲食店開業を実現するのは現実的に困難です。
たとえ100万円で開業できたとしても、開業直後は売上が安定しないため、運転資金が不可欠となります。さらに、開業資金とは別に生活資金も考慮する必要があるでしょう。
ただし、自己資金100万円だけでは難しいものの、融資などの資金調達を行えば、開業できる可能性があります。まずは東京での飲食店開業に必要な費用を把握したうえで、適切な資金調達方法を検討しましょう。
東京での飲食店開業に必要な費用
日本政策金融公庫総合研究所が行った「2024年度新規開業実態調査」によると、開業時の資金調達の平均は1,197万円(金融機関などからの借り入れ平均780万円、自己資金平均293万円)となっています。
東京で飲食店を開業する場合、とくに物件取得にかかる費用が地方よりも高額になる傾向があります。
以下の表は、東京都心近辺の居抜き物件で飲食店開業に必要な費用の目安です。
| 名目 | 内訳 | 金額 |
| 物件取得・初期費用 | 敷金・仲介手数料・造作代金(※)などの契約諸費用 | 約850〜1,100万円 |
| 内装・設備投資費 | 厨房機器追加やインフラ工事費など | 約250〜300万円 |
| 運転資金 | 仕入れや人件費など | 約200〜250万円 |
| 開業準備・その他 | 許認可申請や税務関連など | 約50〜100万円 |
| 予備資金 | 想定外の修繕など | 約50〜100万円 |
| 合計 | 約1,400〜1,800万円 | |
上記はあくまで目安ですが、物件取得・初期費用だけで1,000万円程度かかることも珍しくありません。合計1,500万円程度かかることからも、自己資金100万円だけでは飲食店の開業が難しいことがわかります。
出典:日本政策金融公庫総合研究所|2024年度新規開業実態調査
自己資金100万円でも東京で融資を受ける方法

自己資金100万円でも、以下のような方法で融資を受けられる可能性があります。
- 新規開業・スタートアップ支援資金を活用する
- 東京都の制度融資を活用する
- 親や親戚から援助を受ける
- クラウドファンディングを活用する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
新規開業・スタートアップ支援資金を活用する
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした融資制度です。
2024年4月に制度が拡充され、利率の引き下げや返済期間の延長が行われ、創業者がより利用しやすくなりました。
具体的な内容は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 新規事業者または事業開始後おおむね7年以内の方 |
| 資金の用途 | 事業を始めるためまたは事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
| 融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
| 返済期間 | 設備資金:20年以内 運転資金:10年以内 |
| 利率 | 基準利率(年1.1〜4.3%程度、条件により異なる) |
この制度は、要件を満たせば無担保・無保証人での融資が可能なため、自己資金が少ない方でも申し込みやすい点がメリットです。ただし、自己資金が多いほど審査に通りやすい傾向があるため、可能な限り自己資金を準備しておくことをおすすめします。
東京都の制度融資を活用する
東京都中小企業制度融資「創業」は、東京都、東京信用保証協会、金融機関の三者が協調して資金を供給する融資制度です。
都内で創業予定の方や創業後5年未満の中小企業者などが対象となり、信用保証協会が債務を保証するため、創業間もない方でも融資を受けやすくなっています。
概要をまとめると以下のようになります。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 都内で創業しようとする具体的な計画を有する方 創業した日から5年未満である中小企業者 |
| 融資限度額 | 3,500万円 |
| 融資期間 | 設備資金:10年以内(据置期間1年以内を含む) 運転資金:7年以内(据置期間1年以内を含む) |
| 利率 | 金利:1.9%〜2.6%(固定金利または変動金利) 信用保証料:年0.27〜1.72% |
信用保証料率は、一般的なものよりも低く設定されており、さらに東京都が信用保証料の一部を保証協会に対して補助することで、利用者の負担軽減を図っています。
制度融資について詳しく知りたい方は、開業する地域の自治体に相談してみましょう。
親や親戚から援助を受ける
親や親戚に相談し、援助を受けるのも選択肢の1つです。金融機関からの融資と比較して、返済条件を柔軟に設定できる点がメリットといえます。
ただし、親族間でトラブルにならないように、以下のような対策を講じておきましょう。
- 借用書を作成し、借入金額や返済条件を明確にする
- 返済期限を具体的に設定する
- 利息の有無を明確にする
口頭での約束だけでは、後々認識の相違が生じる可能性があります。書面で契約を交わし、双方が納得したうえで援助を受けるようにしましょう。
また、親族からの援助は贈与とみなされる場合があり、贈与税が課される可能性があります。高額な援助を受ける場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
クラウドファンディングを活用する
クラウドファンディングとは、プロジェクトを立ち上げた人に対し、不特定多数の人が購入や寄付などで資金を供与する仕組みのことです。
飲食店の開業資金調達にクラウドファンディングを活用する場合、事業コンセプトやメニューの魅力を効果的に発信することが成功の鍵となります。支援者には、開業後の割引券や限定メニューの提供などのリターンを設定するのが一般的です。
クラウドファンディングで目標金額を達成するには、事業を応援してくれる支援者(ファン)を獲得する必要があります。SNSやプレスリリースなどを活用した積極的な情報発信が欠かせません。
プロジェクトの魅力が伝わらなければ、資金調達に失敗する可能性もあるため、綿密な計画と効果的なプロモーションが求められます。
東京で飲食店の開業費用を抑える5つの方法

ここでは、飲食店の開業費用を抑える5つの方法を以下の順に解説します。
- 小規模店舗から始める
- 内装工事をDIYで行う
- 中古設備やリースを活用する
- メニューの数を絞る
- 居抜き物件を活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.小規模店舗から始める
10坪以下の小規模店舗で開業することで、開業費用を大幅に抑えられます。
東京都心部は家賃が高めですが、小規模店舗であれば、比較的手頃な家賃で物件を見つけられる可能性があります。また、人件費も最小限に抑えられ、光熱費などのランニングコストも削減できるでしょう。
テイクアウト専門店やカウンター中心の業態であれば、5坪程度の店舗でも営業可能です。ラーメン店や立ち飲み居酒屋、カフェなど、小規模でも成功している事例は数多く存在します。
開業当初は小規模店舗でスタートし、軌道に乗ってから店舗を拡大するのも戦略として有効です。まずは固定費を抑えながら顧客を獲得し、収益基盤を確立することに注力しましょう。
ただし、小規模店舗では客席数が限られるため、売上の上限も低くなります。テイクアウトやデリバリーサービスの導入など、店内飲食以外の売上を確保する工夫も必要となるでしょう。
2.内装工事をDIYで行う
内装工事の一部をDIYで行うことで、工事費用を削減できます。
電気工事や水道工事などは資格が必要なため、専門業者に依頼しますが、塗装や装飾、家具の設置などは自分で行うことが可能です。壁紙の貼り替えやペンキ塗り、棚の設置などをDIYで行えば、数十万円の費用削減につながるでしょう。
ただし、DIYは時間と労力がかかるため、開業準備のスケジュールに余裕を持たせる必要があります。また、仕上がりの質が専門業者よりも劣る可能性があるため、店舗の雰囲気を左右する重要な部分は、業者に依頼することをおすすめします。
DIYを行う際は、完成イメージを明確にし、必要な材料や工具を事前に準備しておきましょう。YouTubeなどの動画サイトでは、DIYの手順を解説したコンテンツが豊富にあるため、参考にすると良いでしょう。
無理のない範囲でDIYを行うことで、開業費用を抑えながら、自分らしい店舗づくりが実現できます。
3.中古設備やリースを活用する
新品の厨房設備は高額ですが、中古品を活用すれば費用を抑えられます。
製氷機や冷蔵庫などの厨房機器は、中古でも十分に使えるものが多くあります。中古厨房設備の専門店やオンラインマーケットプレイスを活用すれば、新品の半額以下で購入できるケースもあるでしょう。
また、リース契約を活用するのも効果的な方法です。リース契約は、月額支払いのため初期費用を抑えられ、まとまった資金がなくても必要な設備を導入できます。
開業時にそろえる設備は最低限にしておき、営業しながら徐々に充実させていくと良いでしょう。
他にも、飲食店経営者のネットワークを活用して、閉店する店舗から不要設備を譲り受ける方法も効果的です。ただし、中古品を活用する際は、設備の状態や動作確認を必ず行い、故障のリスクを最小限に抑えましょう。
4.メニューの数を絞る
メニューの数が多いと、さまざまな食材を仕入れる必要があり、在庫管理も複雑になります。しかし、メニューの数を限定すれば仕入れ先を少なくでき、食材の発注量も増やせるため、仕入れ単価を抑えられる可能性があります。
また、調理がシンプルになれば、人件費も抑えることが可能です。複雑な調理工程が不要になれば、少人数でも営業可能となり、オペレーションが効率化されるでしょう。
限られたメニューを徹底的に磨き上げ、「この店といえばこの料理」という認識を顧客に持ってもらえれば、リピーター獲得につながるでしょう。
5.居抜き物件を活用する
居抜き物件を活用することで、東京での飲食店開業費用を大幅に抑えられます。
居抜き物件とは、前テナントの内装や厨房設備をそのまま引き継げる物件のことです。スケルトン物件と比較すると、内装工事費を数百万円単位で削減でき、工事期間も短縮できるため、早期開業が実現しやすくなります。
東京都心部では、居抜き物件の需要が高く、好条件の物件は早期に成約してしまう傾向があります。そのため、効率良く物件情報を収集することが重要です。
居抜き物件を探す際は、「居抜きの神様」の活用がおすすめです。
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なお、居抜き物件の探し方やチェックポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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まとめ
自己資金100万円だけで東京での飲食店開業を実現するのは困難ですが、融資などの資金調達を行えば開業できる可能性があります。
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」や、東京都の制度融資を活用すれば、少ない負担で融資を受けられるケースもあります。親族からの援助やクラウドファンディングなど、複数の資金調達方法を組み合わせることも検討しましょう。
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自己資金100万円でも、資金調達と費用削減の工夫を行い、東京での飲食店開業の夢を実現させましょう。
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