居酒屋の売上平均を解説!繁盛店の特徴や売上アップの秘訣も伝授

居酒屋の売上平均を解説!繁盛店の特徴や売上アップの秘訣も伝授

居酒屋業界は、日本の飲食業のなかでも、とくに競争が激しい分野です。しかし、繁盛店となるための共通点や売上アップの秘訣を押さえれば、安定した利益を生み出すことが可能です。

そこで本記事では、居酒屋の平均的な売上データから繁盛店の特徴や工夫を紹介します。また、売上アップの具体的な方法についても解説するため、店舗経営者やこれから居酒屋ビジネスを始めたいと考える方は、ぜひ参考にしてください。

目次

居酒屋の売上平均

居酒屋の売上平均

居酒屋の経営を検討するうえで、業界の売上平均を把握することは大きな指標となります。ただし、ひとえに居酒屋といっても店によってコンセプトや価格設定などが異なり、それによって平均値も大きく変動します。以下では、居酒屋の売上平均と考え方について解説します。

個人経営の月商平均は約1,000万

個人経営の居酒屋の場合、月商平均は約1,083.4万円です。単純計算で、月に25日営業したとすると、1日あたり約43万円となります。

ただし、月商平均は、店舗の規模、コンセプト、営業日数、さらには立地や客層などの要因で大きく変動します。また、季節や経済状況、イベントも影響を与えるため、一定の柔軟性をもって考慮する必要があります。

そのため、経営がうまくいっているかの指標として「坪月商」がよく用いられます。「坪月商」とは、1坪あたりの月間売上高を示し、店舗の規模に対して効率よく売上がでているかを測るための指標として広く活用されています。居酒屋の場合、以下の基準が一般的です。

  • 坪月商20万円程度まで:一般的な店舗
  • 坪月商30万円以上:繁盛店と判断される
  • 坪月商50万円以上:業界内でも高収益の店舗として注目される

月商平均はあくまでも目安とし、坪月商がどの水準にいるかも把握することが大切です。

2023年7月にオープンした千代田区にある居酒屋「さかながはねて」は、新鮮な海の幸と選りすぐりのお酒で人気を集める成功事例のひとつです。この居酒屋は「居抜きの神様」の居抜き物件を利用し、効率的に店舗を立ち上げ、月商1,000万円を達成しています。

店舗の広さは20坪で座席数は62席、JR神田駅南口から徒歩2分の好立地で、アクセスのよさも魅力です。年中無休で営業しており、繁忙期にはさらに売上を伸ばし、2024年12月には月商1,350万円、坪月商にして67.5万円に達しました。

「さかながはねて」は、刺身盛り合わせや焼き魚、牡蠣料理など、素材の美味しさを最大限に引き出す丁寧な調理が特徴です。また、季節限定のメニューやお得なコースも充実しています。

店内は木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気で、和モダンを基調とした安らげる個室も用意されています。インパクトのあるアート、センスのよい食器や植物が調和し、和と洋が融合したデザインが居心地のよさを高めています。

こちらの記事では「さかながはねて」について紹介しています。お店の雰囲気やおすすめ料理も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

売上平均の考え方

売上平均の考え方

居酒屋の具体的な売上平均は「家賃」「食材費と人件費」といった要素をもとに算出できます。

家賃は売上に直結する重要なコストです。一般的に、家賃は売上の10%以下に抑えるのが理想とされており、10%以上になると赤字になる確率が高まります。立地がよい場所は集客力が高い反面、家賃が高額になる傾向があり、その分の売上が必要となります。

食材費と人件費はあわせてFLコストと呼ばれ、比率は売上に対して60%以下に抑えることが重要です。内訳は業態によっても異なりますが、食材費は24〜40%、人件費は20〜36%ほどが目安とされています。これらのコストを最適化することで、利益率を向上させることが可能です。

こちらの記事では、居酒屋の開業について解説しています。手順や費用、成功させるポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

単純な売上計算公式

居酒屋の売上は、実際に来店した客数と顧客1人あたりの単価をもとに算出できます。最も単純な計算公式は、以下のとおりです。

売上=来客数×客単価

この公式で1日あたり、あるいは1月あたりの売上の概算が算出できます。しかし、飲食店の経営において、当日の売上を把握するだけではなく、先を見越した売上の予測を立てることも重要です。こうした売上予測は、経営方針や戦略を考えるうえで欠かせません。

売上予測を立てるには、上記の公式のほかに「回転率」「客席稼働率」「1坪あたりの席数」といった要素も重要です。以下で詳しく解説します。

回転率

回転率

回転率とは、1日あたり顧客が何回入れ替わったかを示す指標です。回転率は、来店した客数と店舗の総客席数をもとに算出できます。計算式は以下のとおりです。

回転率=来客数÷客席数

たとえば、20席の居酒屋で40人の顧客が来店したとすると、その日は2回転したことになります。回転率は客単価とも相関関係にあり、比較的客単価の低い業態では回転率が高く、逆に高い業態では回転率は低い傾向にあります。

店舗の客席数が決まっていれば、平均的な回転数と客単価をもとに、その日の売上予測を立てられます。また、目標とする売上を設定すると、平均的な客単価をもとに必要な回転率が割り出せます。

居酒屋は客単価が低くなりやすい分、どのように回転率を上げて売上を向上させるかが重要です。

客席稼働率

前述の回転率に影響する指標に、客席稼働率があります。これは、客席がどの程度活用されているかを示すもので、以下の式で算出できます。

客席稼働率=総来客数÷満席時の来客数×100%

たとえば、50席の店舗で1日40名が利用した場合、客席稼働率は40÷50×100= 80%となります。4人用テーブルに2名のみ案内していたり、2人用テーブルに1名のみ案内していたりする場合、客席稼働率は下がります。

客席稼働率が低い場合、カウンター席や少人数席を設けるなど客席のレイアウトを工夫することで、より多くの来客が見込めるため回転率も上がります。

坪あたりの席数

飲食店では、店舗の坪数に対する客席と厨房のバランスも売上に直結します。居酒屋のような業態では厨房面積20〜30%、ホール面積80〜70%が理想とされ、店舗面積の60〜80%を客席にするのが一般的です。

飲食店の業態やレイアウトなどにもよりますが、客席面積のうち1坪あたり1.5〜2.5席ほどの席数が目安となります。店舗面積から適切な座席数を算出することで、回転率や客席稼働率をもとにより具体的な売上が把握できます。

深堀して売上管理に必要な知識

深堀して売上管理に必要な知識

居酒屋の経営において、損益分岐点や営業利益率といった指標を活用することで経営状態を正確に把握できるため、適切な改善策を講じることが可能となります。

以下では、居酒屋の売上管理において欠かせない、これらの基本的な知識について解説します。

損益分岐点で赤字・黒字を判断する

損益分岐点とは、売上が費用と同額になり、利益も損失も発生しない状態のことです。損益分岐点は、売上目標を明確にするうえでの大きな指標となります。

損益分岐点を超えた売上が黒字となり、下回る場合は赤字となります。そのため、損益分岐点を正確に把握し、店舗運営の最低限必要な売上目標を設定することが重要です。損益分岐点は次の式で求められます。

損益分岐点売上=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

固定費とは、家賃や人件費など売上に関係なく発生する費用で、変動費は仕入原価や原材料費などの売上に応じて変動する費用のことです。

営業利益率を常に把握しておく

営業利益率とは、売上から必要な経費を差し引いた後にどれだけ利益が残るかを示す割合です。店舗の収益性を示す重要な数値であり、安定した経営ができているかの指標となります。営業利益率の計算方法は、以下の計算式で求めることが可能です。

営業利益率=営業利益÷売上高×100

営業利益とは、売上高から食材費・人件費・家賃などの運営費用を差し引いたものを指します。一般的に、飲食店では営業利益率10〜15%が目標値とされており、10%以上を維持できれば、経営が比較的順調であると判断できます。

こちらの記事では、小さな居酒屋を持つ経営者の年収について解説しています。平均値や年収を増加させるコツも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

繁盛店の特徴

事業を成功させるためには、繁盛店と呼ばれる店舗の特徴を理解して学ぶことが重要です。繁盛店には多くの来店客を惹きつける仕組みや、顧客の満足度を高めるための工夫が見受けられます。

また、効率的な集客方法やメニュー展開の点でも参考にすべきポイントが多数あります。以下では、繁盛店の代表的な特徴について解説します。

来店客数・組人数が多い

繁盛店における最大の顕著な特徴は、常に多くの来店客を集め、複数人での利用が多い点です。

このような店舗は、人通りが多いエリアや駅近など、アクセスが便利な場所に店舗を構えることで集客を強化しています。家族連れや友人同士、ビジネスの会食など、幅広いシーンで利用できる環境が整っている傾向にあります。

さらに、顧客にまた来たいと思わせるサービスや特典を設け、リピーターを増やすことで、安定的な来店客数を獲得しています。

メニューが多い

繁盛店では、多彩なメニュー展開が顧客を惹きつけるポイントとなっています。たとえば、肉料理・魚料理・野菜料理など、さまざまなジャンルの料理を用意し、幅広い顧客層のニーズに対応できるような工夫がなされています。

季節感を取り入れたメニューや、他店との差別化を図るための看板メニューなどを設定し、新規顧客の来店動機につなげているケースもあります。ただし、過剰なメニュー展開は、仕入コストの増加や調理の効率低下を招くリスクもあるため、メニュー構成には十分な計画性が必要です。

コンセプトが明確である

コンセプトが明確である

集客に成功している店舗は、自店の特徴や魅力を具体的に打ち出し、顧客にわかりやすく伝えています。

たとえば「地元の新鮮な食材を使用した料理を楽しめる居酒屋」や「リーズナブルに本格的な和食を提供するカジュアルな空間」など、具体的なテーマがあることでターゲット層の心を掴んでいます。

また、内装やメニュー、サービスがコンセプトと一貫していることも重要です。この一貫性により、顧客に店舗の個性が印象づけられ、リピーターの獲得や口コミによる新規集客につながります。

顧客満足度が高い

顧客満足度の向上は、繁盛店の継続的な成功に欠かせない要素です。繁盛店では、スタッフが親しみやすく、迅速で丁寧なサービスを提供している傾向が強いです。

さらに、席の配置やインテリア、照明などをこだわることで店舗の雰囲気づくりに重きを置き、居心地のよい環境を整えています。

加えて、食材へのこだわりを持って、安定したクオリティで料理を提供することで信頼を築いています。顧客が「また行きたい」と感じる体験を提供することが大切です。

SNSなどを上手く活用し販促費を抑えている

繁盛店は、効率的なマーケティングを行いながら販促費を抑える工夫をしています。とくに、SNSを活用した集客が重要です。

写真映えする料理や店内の雰囲気を発信することで、新規顧客の来店につなげたり、顧客自身が投稿したレビューや写真を店舗の公式SNSでシェアすることで、認知度を高めたりしています。

また、SNSを通じた割引キャンペーンやイベント情報の発信により、コストをかけず多くの人にリーチすることが可能です。

居酒屋の売上をアップする方法

居酒屋の売上をアップし、競争の激しい飲食業界で安定した収益を保つには、いくつかの施策を講じることが必要です。以下では、売上を上げるための具体的な方法について解説します。

サービス改善やPRを強化し新規顧客を増やす

まず、店舗のサービスを見直し、顧客満足度を向上させることが求められます。たとえば、スタッフの接客態度や、料理の提供スピード、注文の取り方など、細かな部分での改善が重要です。

また、店内の清潔さや雰囲気、音楽の選定など、居心地のよさを追求することでリピーターを増やすことにつながります。

さらに、PR活動を強化することも効果的です。SNSに店舗の雰囲気や料理の写真を投稿し、視覚的に魅力を伝えましょう。

ポイント制度の導入で来店頻度を増やす

ポイント制度の導入は、既存顧客の来店頻度を増やすために非常に効果的です。

たとえば、1回の来店ごとにポイントが貯まり、一定のポイントを集めると特典がもらえるという仕組みなどが挙げられます。このようなインセンティブを提供することで、顧客は「次回も来たい」と感じ、自然にリピート率が高まります。

また、ポイント制度は単に来店を促すだけでなく、顧客との関係性を強化するツールにもなります。来店するたびにポイントを付与することで、顧客の「次回の特典」への期待値を高め、再来店を促します。

利益率・客単価を上げる

売上を上げるためには、単に来店客数を増やすだけではなく、客単価と利益率を向上させることも重要です。

客単価を上げる方法としては、メニューの見直しが挙げられます。たとえば、ドリンクの注文だけで終わらないよう料理とのセットメニューや高単価のドリンクのおすすめなどが挙げられます。

また、利益率を上げるためには、食材費や人件費を効率的に管理することが不可欠です。原価率が高い商品の価格を見直し、適切な人員配置で経費を削減することも重要です。

回転率を上げる

回転率を上げることは、売上を増加させるための直接的な方法です。1席あたりの利用時間を短縮し、より多くの客を1日に迎えることで売上を増やせます。

そのためには、予約管理や待機時間を効率よく調整することが重要です。ピークタイムに合わせた事前予約の促進や提供スピードを速めて無駄な待機時間を削減することで、スムーズな集客が可能です。

経費を抑える

売上アップのためには収入を増やすだけでなく、経費の管理も非常に重要です。とくに、食材の仕入価格は常に見直しが必要です。

定期的に仕入業者との交渉を行い、より安価で高品質な食材を仕入れるよう努めることが重要です。加えて、定期的に食材の使用状況をチェックし、ロスを減らす工夫をすることも大切です。

また、スタッフの人件費を効率的に管理することも経費削減には欠かせません。シフト管理を最適化し、繁忙時間帯に合わせてスタッフを配置することで、無駄な人件費を抑えることが可能です。

また、開業時の初期投資を抑えることもポイントです。融資を受けて開業した場合、月々の返済をしながら店舗運営をすることになります。

方法のひとつとして居抜き物件が挙げられます。居抜き物件とは、前の店舗が使用していた設備や内装をそのまま活用できる物件のことで、工事や設備などの費用が削減できるため、初期投資を大幅に抑えられます。

まとめ

今回は居酒屋の売上平均や繁盛店の特徴、売上アップの秘訣について解説しました。居酒屋の売上平均は業態や規模、立地により異なりますが、回転率・客席稼働率・1坪あたりの席数といった項目をもとに、目安の算出が可能です。

売上アップのためには、顧客満足度を高め、経費をできるだけ抑えながら利益率を上げることが重要です。また、居抜き物件を利用することで初期投資を抑え、低コストで店舗を開業することも経費削減につながります。

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