ゴーストレストランがやばい理由とは?開業のための知識

ゴーストレストランがやばい理由とは?開業のための知識

ゴーストレストランは、店舗を持たないため、衛生管理や品質が不透明であり、信頼性を勝ち取りにくい業務形態です。こうしたデメリットを含むもののメリットもあるため、どちらも把握したうえで開業を検討するとよいでしょう。

本記事では、ゴーストレストランとは何かをはじめ、開業するメリットやデメリットをご紹介します。そのほか、開業に必要な費用や届け出、手順もお伝えするので、開業を考えている方はぜひ参考にしてください。

目次

ゴーストレストランがやばい理由とは

ゴーストレストランは、さまざまな理由からユーザーに警戒や疑念のまなざしを向けられることがあります。ここでは、ゴーストレストランがやばいといわれている理由や、クラウドキッチン・シェアキッチンなどとの違いをご紹介します。

ゴーストレストランとは

ゴーストレストランとは、デリバリーのみで料理を提供する形態のことです。実店舗や客席を持っていない点が特徴であり、レストランによってはテイクアウトを行っているところもあります。

実店舗を持たないので、デリバリー専用のプラットフォームやWebページなどで注文を受け付けているケースがほとんどです。注文受付から決済までWeb上で完結することが多く、店舗側は調理して料理を配達員に渡すのみとなります。

ゴーストレストランでプラットフォームやWebページを活用すれば、調理以外の作業がほとんど発生しません。キッチンの設備さえ用意すれば開業できるので、飲食店をはじめて開業する方にとってはハードルが低いでしょう。

やばいといわれる理由

やばいといわれる理由

ゴーストレストランがやばいといわれる理由は、衛生管理や品質の不透明性にあります。実店舗を持っていないため、ユーザーは店舗内の衛生面を直接確認することができません。

キッチンの環境も確認できないので、食品の品質や安全性に対して不安を持つ方もいるでしょう。適切な衛生管理が施されていなかった場合、食品安全においてのリスクが高まってしまいます。

こうしたことから、ユーザーとの信頼を築くのが難しいことが課題点です。ユーザーは自分の目で店舗内やキッチン、食品の品質などを確認できないため、口コミのみに頼ることとなります。

市場規模

市場規模

ゴーストレストランの市場規模は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、デリバリーやテイクアウトの需要が高まったことで急速に拡大しました。外出自粛やリモートワークの増加などの新しい生活様式により、デリバリーサービスを利用する方が増えています。

また、実店舗を持つ飲食店は営業時間を短縮しなければいけないところが多く、当時は売り上げが左右されやすい状況でした。一方ゴーストレストランは、デリバリーの需要拡大により、感染症流行が発生したときも売り上げが左右されにくい点が魅力です。

将来性

将来性

ゴーストレストランは、先述のとおり新型コロナウイルスの流行によって需要が高まり一定の支持層を獲得し市場規模も拡大しました。デリバリー文化が定着しているとも捉えられ、延びは鈍化したものの、これからもゴーストレストランの利用率が維持され市場は拡大傾向にある状況です。

また、実店舗を持たずに開業できることから、ゴーストレストランの競争化が予想されます。開業する前に、市場の動向から運営を戦略的に実施することが重要です。

他業態との違い

ゴーストレストラン以外に、クラウドキッチンやシェアキッチン、バーチャルレストランなど、さまざまな飲食形態があります。ここでは、ゴーストレストランと各形態との違いを解説します。

クラウドキッチンとの違い

クラウドキッチンは、同じテナント内で複数の飲食店がブースを分けて、それぞれがキッチン設備を持って運営する飲食形態です。ゴーストレストランは営業形態ですが、クラウドキッチンは厨房の運用形態と把握するとよいでしょう。

ゴーストレストランのなかには、クラウドキッチンを活用しているところもあります。クラウドキッチンのなかにも、ゴーストレストラン向けに設備を用意しているところがあるため、運営方法の選択肢のひとつとして検討するとよいでしょう。

シェアキッチンとの違い

シェアキッチンとは、ひとつのキッチンを複数の飲食店が共有する飲食形態のことです。クラウドキッチンのように、それぞれでキッチン設備が独立しているわけではなく、時間帯で利用時間を区切って共有しています。

シェアキッチンを利用すれば、契約している飲食店同士で賃料や光熱費を折半できるメリットがあります。クラウドキッチンと同じように、ゴーストレストラン向けに設備を用意しているところが多いです。

ただし、スペースが限られていたり、同じスペースを共有しなくてはいけなかったりするため、在庫や物資の管理が難しいです。管理の手間をかけないためにも、扱う食材の種類や量が少なく済むメニューを考えるとよいでしょう。

バーチャルレストランとの違い

バーチャルレストランは、実店舗を持つ飲食店が別ジャンルのメニューでデリバリー専門の飲食店を運営する形態です。日本料理を提供している飲食店が、デリバリーを専門に韓国料理を提供する場合、韓国料理店はバーチャルレストランに該当します。

実店舗で提供しているメニューとは別ジャンルの料理であることが条件なので、バーチャルレストランで提供しているメニューを実店舗で提供することはできません。

ゴーストレストランで開業するメリット

ゴーストレストランで開業するメリット

ゴーストレストランで飲食店を開業する場合、さまざまなメリットがあります。ここでは、ゴーストレストランで開業するメリットを4つご紹介します。

コストを抑えられる

ゴーストレストランは、実店舗を持たずに飲食店を経営でき、初期投資や固定日を抑えられる点がメリットです。人目につく場所や集客しやすい場所などにこだわる必要がないため、家賃が高額になる事態も避けられます。

ゴーストレストランは、調理して料理を配達員の手によって届けてもらうのみで完結するため、配達可能エリア内にキッチン設備があれば問題ありません。実店舗を持つ飲食店と比べて、キッチン設備の立地の制約は少ない傾向にあります。

シェアキッチンやクラウドキッチンなどを活用すれば、キッチン設備にかかるコストも節約できます。また、接客サービスがなく調理スタッフのみで済むため、人件費の削減にもつながるでしょう。

席数に​よる​制限が​ない

ゴーストレストランは席数による制限がありません。席数の制限により、店内で飲食できる人数が限られてしまうという事態を避けられ、注文数さえ継続して維持できれば売り上げが左右されにくくなります。

調理できる数は限られているものの、小規模の人数や設備で注文に応じられる点がメリットです。座席を設けない分、店舗を広く持つ必要もないため、管理に手間がかかりません。

軌道修正しやすい

ゴーストレストランは、もし廃業しても経済的ダメージを受けにくい点がメリットです。そのため、飲食形態やコンセプトなど、軌道修正しやすいです。

たとえば、実店舗を持っている飲食店が内装や外観のコンセプトを変更したい場合、大きなコストがかかってしまうことが予想されます。しかし、ゴーストレストランがコンセプトを変更する場合、提供する料理のジャンルや多店舗展開などが考えられます。

実店舗を持つ飲食店と比べると、コンセプトの変更などに応じて軌道修正しやすいです。そのため、経営しながら地域のニーズに合ったサービス内容を模索することができます。

天候の​影響を​受けにくい

ゴーストレストランは、天候の影響で客足が遠のくという事態を避けられます。むしろ、雨や雪などの悪天候時に外出を避けたいユーザーにとっては、ゴーストレストランのようなデリバリーサービスの需要は高いでしょう。

そのため、悪天候の日は、かえって普段よりも注文数が増加する傾向にあります。飲食店を継続して経営したい場合は、天候の影響を受けにくいゴーストレストランを選択肢のひとつとして検討するとよいでしょう。

 ゴーストレストランで開業するデメリット

 ゴーストレストランで開業するデメリット

ゴーストレストランで開業するメリットはいくつかあるものの、デメリットもあるため、どちらも把握したうえで考えてみましょう。ここでは、ゴーストレストランで開業するデメリットを4つご紹介します。

デリバリーを利用しない人に認知されにくい

ゴーストレストランは、デリバリーやテイクアウトをメインに料理を提供しているため、デリバリーを利用しない方にとっては認知しにくいです。実店舗を持っていない分、通りすがりに立ち寄ってもらうといった流動客の確保ができません。

実店舗のある飲食店は、特別な集客方法をしなくても、店舗があるだけで流動客を集められる可能性があります。しかし、ゴーストレストランは、Web上やチラシなどでアピールし目的客を確保するなど、集客方法で差別化する必要があります。

顧客情報を​確保しにくい

ゴーストレストランは、料理を配達員によって届けてもらう仕組みのため、ユーザーと直接関わることがありません。ユーザーから直接声を聞いたり顔を直接見たりできるわけではないため、顧客情報を確保しにくいデメリットがあります。

ゴーストレストランが顧客情報を確保したい場合、プラットフォームやWebページなどから入手する必要があります。しかし、プラットフォームの種類によっては入手しづらいケースがあるので、独自の専用ページを作成するとよいでしょう。

顧客との人間関係が作れない

先ほど解説したとおり、ゴーストレストランはユーザーと直接関わる機会がないので、人間関係が構築できない点がデメリットです。人間関係が築かれれば、人とのつながりが集客源になる可能性がありますが、ゴーストレストランはそのようなことが起こりにくいです。

また、ユーザーとコミュニケーションが取れなければ、人間力を強みとした集客ができません。人間力で勝負するのではなく、純粋な料理の品質のみで勝負したい場合は、ゴーストレストランも選択肢に入るでしょう。

しかし料理に対する評価や反応が見えづらいため、改善やコンセプト変更などのタイミングが難しい点もあります。実店舗を持つ飲食店であれば、料理へのマイナス評価も対話で解決できるケースがありますが、ゴーストレストランの場合は困難になります。

キッチンを使えない場合がある

ゴーストレストランで開業する際、シェアキッチンやほかのレストランのキッチンを借りる場合は、時間帯やイレギュラーケースによってキッチンが使えなくなることがあります。キッチンが使える時間が限られると、その分提供できる料理の数も減ってしまいます。

キッチンだけではなく、オーブンレンジなどの調理器具や家電などの使用時間にも影響するため、思ったように下準備できないケースもあるでしょう。ゴーストレストランで開業する場合は、調理にかかる時間も考慮する必要があります。

ゴーストレストランの事例

ゴーストレストランは、国内外関係なくさまざまな地域で注目されており、各地域で需要が高まっているのが現状です。ここでは、ゴーストレストランの事例について、国内と海外に分けてご紹介します。

国内の事例

国内のゴーストレストランは、コロナ禍をきっかけに経営を始めた店舗が多いです。国内でゴーストレストランを経営している飲食店のなかには、フレンチトーストやパンケーキをメインに販売しているところや、居酒屋メニューを提供しているところなどさまざまです。

たとえば、居酒屋を経営しながら唐揚げ専門のゴーストレストランを展開している店舗では、SNSに製造販売の様子や商品を掲載して集客に取り組んでいます。店内メニューの唐揚げを提供しているのではなく、配達したあとでもおいしく味わえるデリバリー用のメニューに改良しています。

また、韓国のトレンドを取り入れて、フライドチキン専門店をゴーストレストランで開業したところもあります。はじめはデリバリーやテイクアウトに対応していましたが、イートインにも対応できるようになりました。

国内のゴーストレストランは、もともと実店舗を持っている飲食店がサブ事業として開業するケースが多いです。メインとなる事業内容とはまったく別ジャンルの料理を提供するところもあれば、すでに扱っているメニューをデリバリー向けに改良して提供しているところもあります。

海外の事例

海外もパンデミック期間にゴーストレストランの経営を始めるところが多いです。海外でゴーストレストランを経営している飲食店は、カツサンドを提供するところや、多国籍料理を提供するところなどさまざまです。

たとえば、マンハッタンのパン屋チェーンであるZARO Bakery創立者の孫が始めたカツサンドビジネスでは、利用者の少ないタイムズスクエアのシェラトンホテル内のキッチンを有効利用して、料理を提供しています。

ゴーストレストランで多国籍料理を提供している飲食店もあります。ポルトガル料理、タコス、イスラエル料理の3ブランドを展開しながら、デリバリー範囲の拡大を目標にオンラインオーダーを受け付け、デリバリー対象外地域への参入に成功しています。

また、パンデミック期間中に、農家直送の素材を活かした料理を提供するゴーストレストランを開業し成功した飲食店もあります。この店舗では、ゴーストレストランでの開業を機に、マンハッタン内でのデリバリー地域拡大を果たしました。

ゴーストレストランの開業費用や資格・届出

ゴーストレストランでの開業を検討している場合は、どれくらいの費用がかかるか、どのような資格や届け出が必要かなどを把握しておくとよいでしょう。ここでは、ゴーストレストランの開業に必要な費用、資格や届け出をご紹介します。

必要な費用

必要な費用

ゴーストレストランの開業に必要な費用は、開業時の状況によってさまざまです。ゴーストレストランの開業で必要な費用について、ゼロからはじめる場合やすでに飲食店を経営している場合などに分けて解説します。

ゼロから​始める​場合

ゴーストレストランをゼロからはじめる場合は、キッチン設備をそろえたり、調理できる環境を設けるための物件を探したりする必要があります。キッチン環境の規模によっては、実店舗を持つ飲食店の開業費用ほどかかるケースがあるでしょう。

その場合、数百万円単位 で費用がかかることがあります。ゴーストレストランは客席が必要ないので、狭い物件を選んだり、内装や外装工事にかける費用を節約したりすると、費用を削減できる可能性があります。

運営会社と​契約して​開業する​場合

ゴーストレストランを運営する会社と契約する場合は、家賃や保証金をあわせて数十万円ほどで開業できるケースが多いです。クラウドキッチンやシェアキッチンなどを利用すれば、すでにキッチン設備が整っているため、更にコストを抑えられます。

ただし、キッチン設備が整っている物件の立地や広さによっては、相場以上に開業費用がかかるケースがあります。運営会社のサービスによって、キッチンを利用できる時間帯が限られる場合があるので、会社別のサービスをしっかり比較することが大切です。

すでに​飲食店を​経営している​場合

すでに飲食店を経営している店舗がゴーストレストランを開業する場合は、数万円ほどではじめられるケースが多いです。プラットフォームへの登録や、注文を受けるための環境の準備のみで開業できます。

デリバリープラットフォームに登録したり契約したりする場合、最短数日ほどで完了することがほとんどです。料理を魅力的に見せられるよう、プロによる写真撮影の費用が発生することもあるでしょう。

こちらの記事では、手元資金が少なくても飲食店を開業できる方法を6選紹介しています。資金ゼロでの開業は可能なのか、また融資にはどのような種類があるのかも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

必要な資格・届出

ゴーストレストランの開業では、資格や届出を用意しておく必要があります。ここでは、ゴーストレストランの開業に必要な資格や届出をご紹介します。

⾷品衛⽣責任者

ゴーストレストランに関わらず、飲食店の経営には、食品衛生責任者の資格が必要です。この資格は17歳以上であれば経験や学歴を問わず、所定の講習を受けることで、最短1日で取得できます。

食品衛生責任者は、調理や料理の販売を行う店舗には必須の資格です。ひとつの店舗につき、資格取得者を1名置くことが義務付けられています。

もちろん経営者自身が資格を取得してもよいですが、店長など実際に勤めるスタッフが資格を取得しても問題ありません。また、資格取得者は複数店舗を兼ねた責任者になれるわけではなく、店舗数に応じて1名ずつ責任者を用意する必要があります。

防⽕管理者

キッチンで調理する際は、火器を使用するケースがほとんどです。そのため、ユーザーと従業員の人数30人以上を収容できる店舗は、防⽕管理者の取得が義務付けられています。

ゴーストレストランのような収容人数30人に満たない小規模の店舗は、防⽕管理者の取得が必要ない場合があります。しかし、扱っているメニューが多くキッチンスタッフの人数が30人以上収容できる場合や、建物の種別や階層によっては、防⽕管理者の取得が必須になる場合がありますのでまた地域エリアによって扱いが変わるため消防署に確認してください。

防火管理者の取得は、店舗内での火災などを防止するための知識を身につけているという意味合いがあります。具体的には、消防計画を作成したり、計画的に管理したりします。開業する前に、経営するゴーストレストランの規模を正確に把握しておきましょう。

飲食店営業許可証

飲食店営業許可は、ゴーストレストランに関わらず一般的な飲食店を開業する際に取得が必要です。許可の取得には食品衛生責任者の資格が必須となっており、必要書類を揃えたうえで管轄内の保健所に申請します。保健所による施設検査に合格すれば、営業開始となります。

ただし、運営会社と契約してゴーストレストランを開業する場合は、運営会社がすでに飲食店営業許可を取得しているケースがあります。一施設として資格を取得していると、新たに飲食店営業許可書を取得する必要はありません。

※ただし取り扱い品目が大きく違う場合は営業許可を取り直す必要がある場合があります。

しかし、プラットフォームに登録するとき、飲食店営業許可を証明する内容を伝えなければいけないケースがあります。このとき、登録内容と店舗名に相違があれば許可が降りない可能性があるので、運営会社とは別に許可を取得するのもよいでしょう。

ゴーストレストランの開業手順

必要な費用

ゴーストレストランの開業を検討している方は、事前に手順を確認しておくとよいでしょう。ここでは、ゴーストレストランを開業するときの手順を5つのステップに分けてご紹介します。

1.必要な資格を取得する

必要な資格を取得する

ゴーストレストランを開業する前に、食品衛生責任者などの資格を取得することが必要です。通常の実店舗を持つ飲食店と同じように、ひとつの店舗につき1名以上の資格取得者を置くことが義務付けられています。

食品衛生責任者は、食品衛生協会による講習を数時間受ければ取得できるので、開業する予定が決まれば早めに取得しておくとよいでしょう。平成9年4月以降に取得したものであれば全国で通用するため、開業する地域に関わらず誰でも資格取得にチャレンジできます。

また、資格の種類によって、調理師や栄養士などの資格をすでに持っている方は講習が免除されるケースがあります。飲食に関わる資格を持っている場合は、開店前の限られた時間を効率よく使えるよう、講習を免除できるか確認しておくとよいでしょう。

2.調理するための物件を探す

ゴーストレストランを開業するにあたって、調理する場所を用意しなければいけません。自宅のキッチンで開業することも可能ですが、複数のスタッフで調理する場合は、1度に複数人を収容できる物件が必要です。

完全に独立してキッチン設備を整えたい場合は、物件を探してキッチン設備をゼロから用意する必要があります。この場合、ゴーストレストランから始めて、軌道に乗ったら同物件内でイートインを導入するといったことも可能なので、今後コンセプトの変更が予想される場合におすすめです。

初期費用をできるだけ抑えたい場合は、クラウドキッチンやシェアキッチンなどで調理できる場所を借りる方法が適しています。レストランやホテルなどのキッチンを借りる方法もあるため、開業する地域で探してみるとよいでしょう。

3.飲食店営業許可証を取得する

飲食店営業許可証を取得する

ゴーストレストランを開業する物件や場所が決まったら、飲食店営業許可を取得します。各市町村の保健所で取得することができるので、事前に取得する方を決めておくとスムーズです。

飲食店営業許可を取得するには、キッチンの図面や必要な設備などの規定をクリアする必要があります。資格の取得が決定するまでに最短2週間ほどかかるので、開業予定日に間に合うように早い段階で申請しておくことがおすすめです。

そのほか、場合によっては、防火対象設備使用開始届や個人事業の開廃業等届出の提出、スタッフを雇用する場合は労災保険や雇用保険の加入手続きが必要です。デリバリーメニューとしてお酒を提供する場合は、酒類販売業免許を取得する必要があります。

ただし、すでに飲食店営業許可を取得している店舗のキッチンや施設を借りる場合は、保健所へ届け出る必要はありません。スムーズに開業を進めるためにも、不要な工程がないか確認しておきましょう。

4.宅配代行サービスに登録する

ゴーストレストランは、デリバリーサービスをメインに料理提供を行います。提供するメニューが決まったら、デリバリーサービスに登録しましょう。

デリバリーサービスへの登録が完了するまでは、約1ヵ月〜2ヵ月かかるケースが多いです。スムーズにデリバリーサービスへの登録を済ませるためにも、メニューの考案や写真撮影を早い段階で完了させておくとよいでしょう。

また、デリバリーサービスを事前に選んでおくことも大切です。サービスによっては、利用料やユーザー数などが異なるので、どのプラットフォームならより多くの方に料理を提供できるかを考慮して選ぶとよいでしょう。

5.オープンに向けて準備する

メニューの考案やプラットフォームへの登録が完了したら、オープンに向けて細かい準備を行います。具体的には、食材の仕入れ先を決めたり、デリバリー容器を選んだりします。

そのほか、通信環境の整備やタブレットの手配、スタッフの確保も必要です。実店舗によるアピールができないので、公式SNSアカウントを作成して告知することもポイントです。

 ゴーストレストランを成功させるコツ

 ゴーストレストランを成功させるコツ

ゴーストレストランを開業するにあたって、成功させるためのコツを把握しておきましょう。ここでは、ゴーストレストランを成功させるためのコツを4つご紹介します。

ニーズや経時劣化を意識する

ゴーストレストランが増えているなか、ニーズや経時劣化を意識して、ユーザーが求めているものを提供して差別化することが大切です。価格で差別化を図ったり、独自のメニューで注目度を上げたりする必要があるでしょう。

ただし、デリバリーがメインとなるので、配達にかかる利用料などを考慮してメニューを考案する必要があります。経営を続けていくためにも、ニーズとコストのバランスを考慮することがポイントです。

また、ニーズや経時劣化を意識するうえで、SNSで常に情報をチェックするとよいでしょう。SNSにはリアルな声が集まっているため、人気のあるデリバリーメニューの傾向をリサーチしてみてはいかがでしょうか。

独自性のあるメニューを開発する

独自性のあるメニューを開発する

ゴーストレストランは実店舗の雰囲気などで特色をアピールできないため、独自性のあるメニューで差別化を図ることがポイントです。独自性のあるメニューを考案する際、味はもちろん、注目されるビジュアルであるかも着目するとよいでしょう。

また、SNSに載せた写真をきっかけにメニューが広まる可能性があります。店舗の公式SNSアカウントに載せた写真以外に、利用者が載せた写真をきっかけに集客できる場合もあります。

しかし、写真と実物の見た目が大きく乖離していると、ネガティブな口コミが増えてしまうおそれがあるでしょう。SNSに料理の写真を載せるときは、実物と大きな差が生じないか確認することが大切です。

アイドルタイムを活用する

ゴーストレストランを経営する際、常にメインメニューの注文を受け続けるのではなく、アイドルタイムを設けることがおすすめです。アイドルタイムとは、ユーザーが少ない時間帯を指します。

アイドルタイムは、デザートやドリンクのみのデリバリーにするなど、スタッフが小休憩を取れるようにするとよいでしょう。メインメニューの下準備を行う時間としても活用できるので、無理なく経営するためにもアイドルタイムの活用がポイントです。

リピーターを獲得する

ゴーストレストランに関わらず、さまざまなジャンルの事業では、リピーターを獲得することが大切です。新規のユーザーを多く獲得するよりも、リピーターを多く獲得するほうが、売り上げを継続して獲得できるでしょう。

ゴーストレストランでリピーターを獲得するには、クーポンなどで次回も利用してもらえるような工夫を施すことがポイントです。今回よりも次回のほうがお得に利用できる仕組みを取り入れると、自然とリピーターも増えやすいでしょう。

開業のための予算を削減する方法

開業のための予算を削減する方法

ゴーストレストランの開業は、実店舗を持たないとはいえ、開業する店舗や設備の有無などによって費用がかさむおそれがあります。ここでは、ゴーストレストランの開業に必要な予算を削減する方法を5つご紹介します。

居抜き物件を借りる

居抜き物件を借りる

居抜き物件とは、すでにキッチン設備や冷蔵庫、テーブル、陳列棚などが備わっている物件のことです。通常の店舗を借りる場合は、設備やインテリアなどが何も施工されていない状態なので、設備を整えるために膨大な費用がかかってしまいます。

居抜き物件なら、以前の店舗で使用されていたものをそのまま引き継ぐことができるので、設備にかかる費用が削減できます。物件によっては、新品のようにきれいに管理されているものもあるでしょう。

しかし、居抜き物件の設備や備品は、すべてがきれいな状態であるとは限りません。たとえば、壁に穴が空いていれば内装工事を施す必要があります。借りるときのコストだけではなく、最終的にかかるトータルコストに着目することが大切です。

店舗物件の条件を見直す

ゴーストレストランを開業するための店舗を選ぶ際、物件の条件を見直してみましょう。希望する条件が多すぎると、なかなか予算内の物件が見つけられず、ときには予算オーバーの物件を選択肢に入れざるを得ないケースもあります。

とくに面積の広い店舗や、好条件の立地の店舗は賃料が高くなり、初期費用も高額になる傾向にあります。条件を見直して賃料を抑えられれば、自然と敷金や礼金などの初期費用も削減できるでしょう。

また、本当に必要な売り上げや1日に調理できる料理数などをもとに、店舗の適切な広さを明確にすることがポイントです。狭すぎる、または広すぎる店舗を選んで後悔しないように、スタッフの人数を収容できるかも考慮しましょう。

事業計画を見直す

事業計画を見直す

ゴーストレストランの開業にかかる費用が思ったよりも高いと感じた場合は、事業計画を見直してみましょう。利益をどのように上げていくのか、予想される収益がいくらかなどを確認し、適切な事業計画であるか再確認することが大切です。

また、事業計画をどう見直したらよいかわからない場合は、税理士や開業サポート企業、経営コンサルタントなどの専門家に相談するとよいでしょう。専門家のなかでも、飲食店の開業資金について詳しい知識を持っている方に相談することがおすすめです。

中古やアウトレットの備品を購入する

ゴーストレストランに必要な備品を揃えるとき、新品ではなく、中古やアウトレット品を購入すると費用を削減できます。とくに新品の備品にこだわりがない場合は、中古の備品を活用するとよいでしょう。

飲食店で必要な備品のなかでも、キッチンや冷蔵庫などは高額なので、中古品を活用して初期費用を抑えることがポイントです。ただし食品を扱うものになるので、中古でも衛生的に問題なく使える備品を探しましょう。

設備をリース契約する

設備をリース契約する

ゴーストレストランの開業には、主に設備の準備に費用がかかります。初期費用を抑えたい場合や、短期間の経営を予定している場合は、設備をリース契約して購入の手間を避けることがおすすめです。

リース契約で設備を準備すると高額な初期費用がかからないため、気軽に開業できるでしょう。ただし、毎月リース代金を支払う必要があるので、維持費として運転資金に組み込む必要があります。

近年見かける「0円物件」は初期費用を抑えられるかのように思えますが、さまざまなリスクがあることを把握しておかなければなりません。こちらの記事では、0円物件のデメリットについて詳しく紹介しています。

まとめ

まとめ

ゴーストレストランは、実店舗を持たずにデリバリーを通じて料理を提供できる飲食形態です。通常の飲食店と比べると、コンパクトな店舗規模で営業できるため、開業費用を抑えられるメリットがあります。

しかし、ゼロから店舗を探して設備を整えるとなると、通常の飲食店と同じくらいの費用がかかるケースがあります。開業費用を節約したい場合は、すでに設備や備品が備えられている居抜き物件がおすすめです。

居抜きの神様では、東京都や大阪府、愛知県などの居抜き物件の情報を扱っています。居抜き物件に関する情報をいち早くお届けしているので、ゴーストレストランの開業を検討している方はぜひ参考にしてください。

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居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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