2023.08.25
開業するにあたって、資金ゼロで飲食店を開業できるのか知りたい、可能な限り自己資金を抑えて開業したいと考えるのは普通だと思います。
日本政策金融公庫の開業調査では、開業資金の平均は1,077万円という調査結果がでています。飲食店を開業するには、初期費用のほかに運転資金や生活費など、さまざまな費用を必要とします。
開業するには資金が必要とわかっていても、まとまった費用を用意するのは大変でしょう。しかし、資金ゼロや手元資金が少なくても開業できる方法はあります。
この記事では、資金ゼロや手元の資金が少なくても開業できる方法について解説します。自己資金を抑えて開業したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店の開業に必要な費用の目安
飲食店を開業するにあたっては、必要な開業資金を見積り、自己資金がいくら必要なのかを試算しなければいけません。実際に必要となる資金は、いくら必要なのか見てみましょう。
新規開業企業の実態を調査している日本政策金融公庫によると、2022年度の開業資金の平均値は1,077万円、中央値は550万円という結果でした。この結果から、開業資金としては500〜1,000万円程度が目安ということになります。
一方で、全体の21.7%が250万円未満、21.4%が250〜500万円未満と、4割以上が少ない資金でも開業している結果も出ています。昨年度の2021年度と比較しても、250万円未満で開業する割合は1.9%と増加傾向にあります。
資金ゼロでの開業は可能?
一般的に開業するにあたっては、開業資金を必要とします。しかし、一部では資金ゼロからでも開業しようと考えている人もいるでしょう。結論としては、少額でも開業は可能です。
一般的に必要な開業資金としては、500〜1,000万円程度は必要とされており、日本政策金融公庫の新規開業実態調査でも1,077万円程度が平均となっています。しかし、全体の21.7%は250万円未満でも開業している方がいるという見方もできます。
飲食店を開業するためには、開業にあたっての初期費用のほかにも、経営が安定するまでの運転資金や生活するための生活費も必要とします。
開店当初から順調な売上を計上できればよいですが、赤字が続くことも考えておく必要があるため、最低でも手元の資金は200万円程度を用意しておけば、融資を受けて開業することは可能でしょう。
少ない手元資金で飲食店を開業する方法
手元に用意できる資金が少額でも、開業できる方法があります。以下の6つの方法をうまく活用すれば、少ない手元資金でも飲食店を開業できる可能性があるでしょう。
新創業融資制度を利用する
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、企業だけでなく個人事業主も無担保・無保証で融資を受けられる支援サービスです。
日本政策金融公庫は、国の政策に基づいて小規模事業者や中小企業の資金調達支援を目的とした機関であり、一般の金融機関による金融を補完することを旨としています。銀行などと異なり、融資のみを事業内容としている点が特徴です。
融資を受けるには、以下のどちらかの条件を満たす必要があります。
- 現在勤務中の企業と同じ業種の事業を開業する場合
- 産業競争力強化法で定められた認定特定創業支援事業を受けつつ事業を始める場合
事業に必要な設備資金や運転資金として、無担保・無保証で、最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)の融資が受けられる点が魅力です。また、自己資金額が少額であっても、開業しようとしている事業の職種において5年以上経験があれば、融資を認めてもらえる場合もあります。
融資には審査があるため、事業計画書をはじめとした必須提出書類を準備のうえで、審査に臨みましょう。
銀行や信用金庫の融資を利用する
創業融資を行っている銀行や信用金庫に限りますが、信用保証協会の信用保証付き融資を受けられる場合があります。信用保証協会と地方自治体が連携することで、金融機関から融資を受けられる制度です。
信用保証付き融資の特徴として、融資を受けた事業者が万が一返済不能に陥った際、信用保証協会が代位返済を行う仕組みになっています。こうした保証があるため、まだ実績や信用がない新規開業者であっても融資を受けられるのです。
しかし、こちらも新創業融資制度同様、事業計画や集客方法が非常に具体的で、納得できるものでないと厳しいでしょう。準備や審査など、少々ハードルが高い方法といえます。
創業融資には、事業計画書の提出が求められます。こちらの記事では、事業計画書の書き方と、作成する際のポイントを解説しています。
財務コンサルタントのサポートを受ける
前項でお伝えしてきた新創業融資制度や信用保証付き融資には、審査の際にさまざまな書類の提出が求められるほか、面談も実施されます。そうした経験がなく、かつ自己資金が少ない状態で審査に通るのは、非常に厳しいでしょう。
そこで、財務コンサルタントにサポートを依頼するという方法があります。財務コンサルタントのなかには、資金調達や創業融資に特化したサービスを行う専門家もおり、書類の書き方など、審査に通るためのテクニックを教えてもらえるでしょう。
財務コンサルタントへの依頼は手数料が発生しますが、経験のない個人が高額の融資を受けようと考えるのであれば、こうしたプロのサポートを受けるのも有効な手段です。
家族や友人に支援してもらう
資金に余裕がある家族など血縁関係者や、友人に支援を相談してみる方法もあります。しかし、親しい間柄でも金銭の貸借はしっかり行わなければ、トラブルに発展しかねません。
たとえ借りることができたとしても、返済の目処をきちんと説明しなければ、その後の関係性も悪化する可能性があります。資金を借りる場合は、借用書や金銭消費賃借契約書を交わしておく必要があります。
投資家に出資してもらう
ビジネスが成功する確信があれば、投資家に出資してもらう方法もあります。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家であれば、実績がなくても、事業計画が魅力的かつ成功する見込みがあると判断されれば融資を受けられる可能性はあるでしょう。
しかし、厳しい条件や不利な条件を提示される場合もあるため、よく考えて融資を受ける必要があります。
クラウドファンディングを活用する
クラウドファンディングは、インターネットの普及にともない2000年代にアメリカで始まったサービスです。日本では2011年に「READYFOR」がリリースされ、同年6月の「CAMPFIRE」で本格化しました。
寄付やファンド、融資などがあり、話題性や独自性、斬新なアイデアな事業計画であれば、支援者がファンになって融資をしてくれる場合があります。
クラウドファンディングを活用する人のなかには、最初は少ない資金で始めて、事業が軌道に乗ってきたら実店舗の資金を募る人もいます。
デリバリー専門店やキッチンカーなど、店舗を必要としない業態でスタートすることで、店舗の規模や資金の試算、事業計画も明確にできることから、投資する側も事業に投資しやすくなります。
まとめ
飲食店の開業にあたっては、資金ゼロで開業するのは厳しいのが現実でしょう。しかし、新創業融資制度や銀行や信用金庫の融資、家族や友人からの支援、投資家やクラウドファンディングなどを活用することで開業することは可能です。
ですが、一定の条件を満たす必要があったり、独自性がある事業計画を作成したりするなど、ハードルが高いと感じる部分もあります。
一定の条件を満たせなかったり、独自性のある事業計画が作成できなかったりする場合は、各飲食店の独立支援制度の利用や、弊社の出店の神様などの開業支援サービスを利用するのもおすすめです。
出店の神様であれば 、開業資金が用意できない場合でも支援してくれるのはもちろん、物件の紹介や集客支援などもサポートしてくれます。
サービスを利用するにあたっては、業者の強みや実績は間違いないか、サポート体制はしっかりしているかなどを確認することで、開業まで安心して取り組むことができるでしょう。開業資金が少なくても開業したいと考えている方は、一度相談してみることをおすすめします。
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