居酒屋経営はなぜ難しい?潰れる店・勝ち残る店の特徴を解説

居酒屋は飲食店の中でも特に競争が激しく、経営が「難しい」といわれています。せっかく開業しても潰れてしまう店も多い一方、長年地域の人々に愛されて勝ち残っている店もあります。この記事では、居酒屋の経営が「難しい」といわれる理由を紹介し、潰れる店の特徴や勝ち残る店の特徴を解説します。

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目次

居酒屋とは

居酒屋とは日本式の大衆向け飲み屋のことで、日本酒やビール、酎ハイといったアルコール飲料や料理を提供する飲食店です。その規模は個人経営の小さな店から、全国展開する大型チェーン店まで多岐にわたります。提供される料理は焼き鳥や海鮮など多種多様。お酒を飲まない人でも比較的安価で楽しめ、会社員の飲み会や友人同士の集まりなど幅広く利用されています。

現在は少なくなっていますが、かつては店の前に赤い提灯を掲げたり、縄のれんを下げたりしていた店が多く、それらは居酒屋の象徴とされてきました。そこから「赤提灯」「縄のれん」と呼ばれることも。近年は、観光客にも人気があり、日本の食文化を気軽に体験できる場所として注目されています。

居酒屋の経営は難しい?

東京商工リサーチの調査によると、2026年上半期(1~6月)の「居酒屋」の倒産は118件となり、1989年以降の上半期として過去最多を更新しました。これまで最多だった2024年同期の98件を大きく上回り、初めて100件を超えています。

原因別では「販売(売上)不振」が105件(構成比88.9%)と約9割を占め、「赤字累積」の7件を含めると、業績低迷を原因とする倒産は94.9%に達しました。また、従業員10名未満の事業者が115件(同97.4%)を占めており、倒産が小・零細規模の居酒屋に集中していることがわかります。

このように、倒産件数の増加からも居酒屋を取り巻く経営環境の厳しさがうかがえます。

出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイト「2026年上半期「居酒屋」倒産が過去最多、初の100件超 ~ 値上げと節約志向の板挟み ~」

居酒屋の経営が「難しい」といわれる理由

居酒屋経営が難しい背景には、競合の多さや売上の不安定さ、コスト上昇による利益の圧迫、人材確保や経営者の負担の大きさ、資金繰りの難しさといった要因があります。ここからは、居酒屋経営がなぜ難しいのか、主な理由を解説します。

競合が多く差別化が難しい

居酒屋をはじめ飲食店の店舗数は多く、競合が多い業態です。飲食店は飲食店営業の許可を取得し、食品衛生責任者を定めるなど、必要な要件を満たせば個人でも開業できます。そのため新規参入も多く、店舗同士の競争が激しくなりやすい傾向があります。

一方で料理や価格帯、店の雰囲気などが似通うと、ほかの店との違いが伝わりにくくなります。価格だけで競争すると利益を圧迫します。他店にはない魅力を打ち出せない店ほど、価格競争から抜け出せず経営が厳しくなりやすいでしょう。

売上が安定しない

居酒屋は、天候や曜日、季節、周辺の人流などの影響を受けやすく、売上が安定しにくい傾向があります。例えば、悪天候が続くと客足が減り、1日の売上に影響します。また、忘年会や歓送迎会などで売上が伸びる時期がある一方、閑散期には来店客が減ることもあります。

売上が想定を下回っても、家賃や人件費など一定の支出は発生します。売上の変動がそのまま利益や資金繰りにも影響しやすい点も、居酒屋経営が難しいといわれる理由のひとつです。

コスト上昇により利益を確保しにくい

居酒屋では、酒類や食材の仕入れ費用に加え、人件費、光熱費、家賃などさまざまなコストがかかります。近年は、原材料価格の高騰や物流費・エネルギーコストの上昇、賃上げの動きも重なり、店舗の負担は一段と増しています。

売上が変わらなくても、コストが増えれば利益は減少します。コスト増を価格に転嫁したくても、値上げによる客離れを考えると、十分に転嫁できないケースも少なくありません。

人材を確保しにくい

居酒屋は夜間や土日・祝日の勤務が必要になることも多く、人材の採用や定着に苦労する店舗もあります。人手が足りなければ、営業時間の短縮や席数の制限を迫られ、売上にも影響しかねません。

人材を確保するために賃金を引き上げれば、人件費の負担も増えます。給与を上げても労働環境が改善されなければ、従業員は定着しにくくなります。採用と定着のどちらの面でも難しさを抱えやすい業態です。

経営者の負担が大きくなりやすい

小規模な居酒屋では、経営者自身が接客や調理、仕込みを担当しながら、仕入れ、売上管理、従業員のシフト作成、集客なども行うケースがあります。

店舗業務に追われると経営状況を分析したり、改善策を考えたりする時間を確保しにくくなります。長時間労働が続けば体力的な負担も大きくなり、経営の意思決定そのものに影響しかねません。

資金繰りが悪化しやすい

居酒屋の開業時には物件取得費や内装工事費、厨房設備費など、まとまった資金が必要です。さらに開業後も、家賃や仕入れ費、人件費、光熱費などの支払いが続きます。

売上が伸び悩んだり、予想以上にコストが増えたりすると、利益が出ていても手元資金が不足することも。開業時の資金だけではなく、売上が安定するまでの運転資金も考慮し、資金繰りを継続的に確認することが大切です。

潰れる居酒屋の特徴

続いては、経営がうまくいかずに閉店してしまう居酒屋の特徴について解説します。潰れる店の特徴を知ることで、自身の経営に活かしましょう。

立地とターゲットが合っていない

居酒屋経営では、立地そのものの良し悪しだけではなく、周辺の客層と店のターゲットが合っているかが重要です。人通りの多い場所でも、店のコンセプトや価格帯が周辺のニーズと合わなければ、集客につながりにくくなります。

会社員が多いエリアでファミリー層を主なターゲットにしたり、車での来店が多い地域で駐車場を確保していなかったりすると、利用しにくい店になります。開業後に周辺の人流や客層が変化しているにもかかわらず、対応できていない店も徐々に集客力が低下しやすくなります。

メニューやコンセプトに魅力がない

メニューやコンセプトは、顧客が店を選ぶ上で重要な要素です。他店と似た料理ばかりで特徴がなかったり、価格と料理の内容が見合っていなかったりすると、リピーターの獲得も難しくなります。

看板となるメニューが定まらないまま品数を増やすと、店の特徴が伝わりにくくなります。また、メニュー数が多すぎると食材管理が複雑になり、仕入れや廃棄にかかるコストの増加にもつながりかねません。

サービスの質が安定していない

料理がおいしくてもサービスの質が安定していないと、顧客満足度が下がります。スタッフによって接客態度に差がある、料理の提供に時間がかかる、店内の清掃が行き届いていないといった状態が続けば、顧客の不満や不信感につながりかねません。

特に、接客や調理・配膳の手順が統一されていない店では、混雑時ほどサービスのばらつきが目立ちやすくなります。こうした状態が続けば、再来店を避けられたり、悪い口コミが広がったりする原因にもなります。

売上やコストを把握できていない

売上を確保できていても、原価や人件費、固定費などを把握していなければ、利益が残っているかを正確に判断できません。どんぶり勘定で経営を続けると、気づかないうちに手元の資金が不足していることがあります。

損益分岐点を把握していない、原価率や人件費率を確認していない、不要なコストを見直していないといった状態には注意が必要です。

居酒屋の経営を長く続けるには?勝ち残る居酒屋の特徴

居酒屋経営を長く続けるには、コンセプトを明確にし、集客や数値管理、人材育成、継続的な改善に取り組むことが大切です。ここでは、競争の激しい環境でも長く経営を続けている居酒屋に共通する特徴を解説します。

コンセプトを明確にしている

長く経営を続けている居酒屋は、ターゲットや利用シーン、料理の特徴といった店のコンセプトが明確です。コンセプトが定まっていると、店の外装や内装、メニュー、価格帯、接客などに統一感を持たせやすくなります。

一方、店の方向性が曖昧だと、どのような人にどのような場面で利用してほしい店なのかが伝わりにくくなります。競合店との差別化を図るためにも、ざっくりとした方向性を決めるだけではなく、さらに独自性を深掘りし、「この店ならでは」の強みを明確にすることが大切です。

集客に力を入れている

経営を安定させるには、集客に力を入れることも大切です。新規客を集めるだけでなく、リピーターとして再来店してもらう工夫も欠かせません。SNSやグルメサイト、Googleマップなどで店の情報を発信し、新規客との接点を増やしましょう。

一方で、料理や接客の質を保ち、ポイントカードや会員向けサービスなどを活用することで、再来店につなげやすくなります。顧客に満足してもらい、良い口コミを広げてもらうことも大切です。

新規客の獲得とリピーターづくりを並行して行うことで、安定した集客につながります。

売上やコストを数値で管理している

居酒屋に限らず、経営においてはお金の流れを理解することが重要です。質の高いサービスやメニューを提供しても、収支バランスが悪ければ利益は望めません。長く経営を続けている居酒屋は、以下のようなポイントを押さえています。

  • 日々の売上とコストの管理:売上、原材料費、人件費、光熱費などを常に把握する
  • FLコストの理解:食材費(Food cost)と人件費(Labor cost)を合計したFLコストを把握し、適切なバランスを保つ
  • 損益分岐点の把握:固定費をカバーするために必要な売上高を知り、目標設定に活かす

感覚だけで判断せず、数字をもとに経営状況を確認することで、問題にも早めに気づきやすくなります。

従業員が働き続けやすい環境を整えている

サービスの質を安定させるには、従業員のパフォーマンスが大きくかかわります。動線を改善するなど働きやすい環境を整え、マニュアルの整備や適切なトレーニングを行い、適切な報酬を提供することで、従業員のモチベーションを高められます。

従業員が「長く働きたい」と思える職場環境を整えることで、従業員の定着とサービスの質を維持しやすくなり、結果として顧客満足度の向上につながります。

定期的に改善を続けている

長く経営を続けている居酒屋は、顧客の反応や売上の変化を見ながら改善を重ねています。

口コミやアンケートから顧客の要望を把握する、売れ行きを見ながらメニューを見直す、仕入れや営業時間を調整するなど、改善できる点はさまざまです。小さな見直しを積み重ねることで、周辺環境や顧客ニーズの変化にも対応しやすくなります。

こうした改善を続ける姿勢こそが、競争の激しい居酒屋業界で勝ち残る店に共通する特徴といえるでしょう。

居酒屋の移転や閉店は「買取の神様」にお任せください

居酒屋の経営は、決して簡単なものではありません。しかし、正しい知識と戦略を持って取り組めば、成功の可能性は十分にあります。居酒屋経営がなぜ難しいといわれるのか、その理由や潰れる店と勝ち残る店の特徴を参考に、居酒屋経営を成功に導いてください。

「買取の神様」では、居酒屋をはじめ飲食店の廃業に関する相談を承っています。貸主の承諾を得て居抜き売却が成立すれば、造作や備品を残したまま引き継げるため、閉店に伴う原状回復工事にかかる費用を抑えられる可能性があります。また、造作に価値がつけば、造作譲渡金を得られるケースもあります。相談・査定は無料ですので、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

元システムエンジニア、ライター歴10年のアラカン主婦です。楽しみは成人した娘とのカフェ巡り。娘に流行のスィーツを教えてもらってます。顧客サポートやマニュアル作成の経験を活かした分りやすい記事を目指しています。

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