飲食店で儲かるジャンルは?5業態の利益率・原価率を比較|黒字の目安も解説

飲食店で儲かるジャンルは?開業のポイントやメリット・デメリットを解説

飲食店を始めるなら、どのジャンルが儲かるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

ジャンル名のイメージだけで選ぶより、以下の4つの数字で比べたほうが、利益が残るかどうかの見通しを立てられます。

  • 原価率
  • 客単価と回転率
  • 営業利益率
  • 初期費用

粗利が多く見えるジャンルでも、人件費や家賃がかさめば手元にお金は残りません。

この記事では、飲食店で儲かるジャンルを公的な調査と業界メディアの目安で比較し、ジャンル別のメリット・デメリット、黒字の目安まで詳しく紹介します。

読み終えるころには、自分の経験と資金に合うジャンルを、数字で比べて選べるようになるでしょう。

なお、利益率の高い飲食店が取り組んでいる工夫について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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目次

「儲かる飲食店」とは?ジャンルを比べる4つの基準

儲かる飲食店かどうかは、売上の大きさよりも、最後に手元へ利益が残るかどうかで決まります。

ここでは、ジャンルを比べるときに見ておきたい基準を4つ紹介します。

  • 原価率
  • 客単価と回転率
  • 営業利益率
  • 初期費用

まずは、メニュー1品ごとの利益を左右する原価率から見ていきましょう。

原価率

原価率とは、売上に占める材料費の割合のことです。

原価率が低いほど、1品を売ったときに残る粗利(売上から材料費を引いた利益)が大きくなります。

マネーフォワード クラウドの解説では、一般的な飲食店の原価率は売上の30%前後が健全な水準とされています。(※1)

居酒屋のドリンクの原価率は、サワー・ハイボールで約10%、生ビールで約40%が目安です。

喫茶店のコーヒーも、1杯あたりの原価率を約10%に抑えられる場合があります。

原価率の低いドリンクやサイドメニューがよく出るジャンルほど、粗利を確保しやすいといえるでしょう。

居酒屋のドリンクとフードの原価率を、ほかの業態と比べたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※1)出典:マネーフォワード クラウド|飲食店で原価率60%以上は危険?50%は?計算方法や利益を出すコツ

客単価と回転率

1日の売上は、「席数×客単価×回転数」で大まかにつかめます。

客単価は顧客1人が支払う金額、回転数は1つの席を1日に何組の顧客が利用したかを表す数字です。

J-Net21の業種別開業ガイド「カフェ」では、20席・客単価800円・1日の回転数4として、日商を6万4,000円と試算しています。(※2)

同じページでは、回転数4はオープン当初から達成できるとは限らない点にも触れています。

客単価を上げて稼ぐか、回転数を上げて稼ぐかは、ジャンルの営業スタイルによって変わるものです。

開業前に、自分の店がどちらで売上を作るのかを決めておくと、メニューや席の配置も考えやすいでしょう。

席数の決め方や、客単価・回転数を上げる席の配置を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※2)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「カフェ」

営業利益率

営業利益率は、売上から材料費と人件費・家賃などの経費を引いて残った利益が、売上の何%にあたるかを表す数字です。

日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査(2025年度)では、一般飲食店の売上高総利益率(粗利率)は平均65.0%でした。(※3)

一方で、売上高営業利益率は平均−2.2%にとどまります。

黒字で自己資本(返す必要のない元手と、これまでに積み上げた利益)もプラスの企業に限っても、平均は4.3%です。

粗利が多いジャンルでも、経費がかさめば利益は残らないため、「儲かる」は営業利益で判断するのが基本になります。

飲食店の営業利益率は10〜15%を目標にし、10%以上を保てれば比較的順調と考えておくとよいでしょう。

居酒屋の売上の平均や、繁盛店の目安になる数字を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)

初期費用

日本政策金融公庫総合研究所の2025年度新規開業実態調査では、開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円です。(※4)

飲食店だけの数字ではないものの、開業資金を考えるときの大まかな目安になります。

初期費用が大きいほど回収に時間がかかり、同じ利益でも「儲かった」と感じられるまでの道のりは長くなるでしょう。

スケルトン物件は、内装や設備のない状態で借りる物件です。

スケルトン物件から始めると、規模や立地にもよるもののおおむね1,000万円以上の初期費用がかかります。

内装や設備が残った居抜き物件なら、この工事費を抑えられる場合があり、詳しくは後半で紹介します。

スケルトン物件と居抜き物件の工事の違いや、内装費用を抑えるコツを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※4)出典:日本政策金融公庫総合研究所|2025年度新規開業実態調査

飲食店で儲かるジャンルは?

ここでは、居酒屋・焼肉店・ラーメン店・カフェ・バーの5つを、数字で比べてみましょう。

日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査(2025年度)の業種区分ごとの数字と、マネーフォワード クラウドが示す原価率の目安を、次の表にまとめました。(※3)(※1)

ジャンル公庫の業種区分粗利率
(売上高総利益率)
営業利益率
(平均)
営業利益率
(黒字企業の平均)
原価率の目安
居酒屋酒場
ビヤホール
67.8%−1.8%4.4%30〜35%
焼肉店区分なし−−−40〜45%
ラーメン店中華料理店
(中華そば店、ぎょうざ店を含む)
65.0%−1.0%3.3%30〜35%
カフェ喫茶店71.9%−2.2%5.2%25〜35%
バーバー
キャバレー
ナイトクラブ
80.0%−0.7%4.8%20〜25%
(飲料)
参考:一般飲食店全体一般飲食店65.0%−2.2%4.3%−
(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)
(※1)出典:マネーフォワード クラウド|飲食店で原価率60%以上は危険?50%は?計算方法や利益を出すコツ
(※5)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「バー」

粗利率はバーが高い一方で、営業利益率はどの区分も平均ではマイナスとなり、黒字企業の平均でも3〜5%台にとどまります。

黒字企業は、黒字で自己資本もプラスの企業を指します。

焼肉店の区分はこの調査に明記されていないため、焼肉店は原価率の目安で比べてみましょう。

ラーメン店の数字は中華料理店全体の平均なので、ラーメン専門店の目安としては幅をもって見ておくとよいでしょう。

粗利率や営業利益率の計算方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

儲かるジャンル別のメリット・デメリット

ここからは、表で比べた5つのジャンルについて、メリットとデメリットを1つずつ見ていきます。

  • 居酒屋
  • 焼肉店
  • ラーメン店
  • カフェ
  • バー

最初に取り上げるのは、ドリンクで粗利を積み上げやすい居酒屋です。

居酒屋

居酒屋のメリットは、ドリンクのように原価率の低い品で粗利を積み上げやすいことです。

盛り合わせのように複数の料理を組み合わせたメニューで、1人あたりの客単価を上げやすい点も強みでしょう。

一方で、日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査によると、居酒屋を含む「酒場,ビヤホール」の営業利益率は平均−1.8%です。(※3)

同じ区分では、売上に占める人件費の割合が平均32.2%でした。

仕込みから夜の営業までスタッフが必要になるため、利益を残すには人件費の管理が欠かせません。

J-Net21の業種別開業ガイド「居酒屋」には、大阪市中央区にある10坪・15席の居抜き物件で開業する例が掲載されています。(※6)

個人で開業する場合の開業資金は、約530〜830万円としています。

小さな居酒屋全体では、店舗の規模と立地にもよるものの、開業資金は200万円〜1,000万円前後と考えておくとよいでしょう。

開業前には、ターゲットと利用動機をそろえたコンセプトを決め、夜の人通りがある立地を選んでおきたいところです。

小さな居酒屋を経営するメリットや注意点を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)
(※6)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「居酒屋」

焼肉店

焼肉店のメリットとして、顧客が自分で肉を焼く分、厨房で仕上げる工程を絞りやすい面があります。

一方で、マネーフォワード クラウドの解説では焼肉店の原価率の目安を40〜45%としており、5つのジャンルの中では高めです。(※1)

煙を外に出す排気ダクトや、煙を吸い込む焼き台(無煙ロースター)といった設備にも費用がかかります。

日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査(2025年)では、焼き肉のファミリーレストランの売上は前年比102.2%でした。(※7)

内訳を見ると、客数は98.2%、客単価は104.1%です。

客数は前年を下回り、客単価の上昇で売上を保った形といえます。

設備が重いジャンルだからこそ、焼肉店の跡地を居抜きで引き継げば、工事の負担を減らせる場合があります。

焼肉店の開業の手順や、資金計画の立て方を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※1)出典:マネーフォワード クラウド|飲食店で原価率60%以上は危険?50%は?計算方法や利益を出すコツ
(※7)出典:日本フードサービス協会|外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果報告

ラーメン店

日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査では、ラーメン店を含む「中華料理店」の店舗面積3.3㎡あたりの売上高は平均266万円です。(※3)

一般飲食店の平均222万円を上回っており、限られた広さでも売上を作りやすい区分といえるでしょう。

J-Net21の業種別開業ガイド「ラーメン店」でも、10坪以下の小規模店でも開業できる点を人気の理由に挙げています。(※8)

一方で初期費用の例は約1,407万円(内装工事費が約500万円、厨房設備費が約300万円など)としています。

人件費は売上全体の3割以内に収めたいという指摘もあり、限られた人数で回す工夫が欠かせません。

看板の一杯を何にするか、出店地域の味の好みに合うか、低価格と高価格帯のどちらで勝負するかは、開業前に決めておきましょう。

ラーメン店の利益率の目安と、利益を上げるポイントを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)
(※8)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「ラーメン店」

カフェ

カフェのメリットは粗利率の高さで、日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査では、喫茶店の売上高総利益率は平均71.9%です。(※3)

住宅街や静かな場所も候補になり、居心地のよさが常連づくりにつながりやすいのも魅力でしょう。

一方で、コーヒー1杯が中心だと客単価が上がりにくく、滞在が長いと回転数も伸びません。

J-Net21の業種別開業ガイド「カフェ」の試算では、年商1,920万円に対して、個人経営の営業利益は約300万円とされています。(※2)

また、個人経営の開業資金の例は、約420〜950万円としています。

喫茶店・カフェの開業資金は、500〜1,000万円を目安にしておくとよいでしょう。

喫茶店の開業資金の内訳や、資金の集め方を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)
(※2)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「カフェ」

バー

バーのメリットは、粗利率の高さにあります。

日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査では、「バー・キャバレー・ナイトクラブ」の売上高総利益率は平均80.0%です。(※3)

J-Net21の業種別開業ガイド「バー」でも、飲料の原価率は20%から25%程度に抑えられることが多いとしています。(※5)

また、食材の廃棄ロスや仕込みの時間が少ない点も特徴に挙げています。

一方で、同じ区分の諸経費対売上高比率(人件費などを除いた経費が売上に占める割合)は平均39.2%と高く、営業利益率は平均−0.7%です。

粗利率は高くても、利益率まで高いとはいえません。

J-Net21の収支モデルでは、初年度上半期の月の利益が−227,666円で、3年目に月292,159円の黒字になる例が示されています。

開業資金の例は合計976万円なので、軌道に乗るまでの運転資金も見込んでおくと安心です。

バー経営のメリットとデメリットを、さらにくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)
(※5)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「バー」

利益を残しにくい点があるジャンル

ジャンル選びでは、儲かりやすさだけでなく、利益を残すうえで注意したい点も知っておくと、判断材料が増えます。

ここでは、注意したい3つのジャンルを紹介します。

  • 高級店
  • 創作料理店
  • パン屋・ベーカリーカフェ

それぞれ、どこに難しさがあるのかを順に確かめていきましょう。

高級店

フレンチやイタリアンなどのレストランは、マネーフォワード クラウドの解説で原価率の目安が35〜40%とされ、居酒屋やカフェより高めです。(※1)

高級店では、客席を絞った店づくりにすると、1日に迎えられる顧客の数も限られます。

内装や食器、料理人にかける費用が大きいほど、初期費用の回収に時間がかかる点にも注意が必要でしょう。

(※1)出典:マネーフォワード クラウド|飲食店で原価率60%以上は危険?50%は?計算方法や利益を出すコツ

創作料理店

創作料理は、どんな料理を出す店なのかが顧客に伝わるまでに時間がかかることがあり、開業直後の集客を読みにくい面があります。

メニューの入れ替えが多いと、仕入れる食材もそのたびに変わるため、原価やロスの管理に手間がかかります。

新しさで注目を集めても、看板になる一品が定まらなければ、リピーターにつながりにくいこともあるでしょう。

パン屋・ベーカリーカフェ

パン屋は、早朝からの仕込みと閉店後の片付けで、労働時間が長くなることがあります。

売れ残りは廃棄ロスになるため、毎日の製造量を読む力も求められます。

J-Net21の業種別開業ガイド「パン屋(ベーカリー)」によると、生地作りから焼き上げまでを店内で行う製法では、広さや設備が必要です。(※9)

そのぶん初期投資がかかるとしています。

20坪程度の店舗の例では、必要な資金は合計1,170万円でした。

イートインスペースを設けるベーカリーカフェでは、テーブルや椅子もそろえる必要があります。

同じページでは、初期投資を抑える手段として、元ベーカリーの居抜き物件を活用する方法も挙げています。

パン屋の開業資金や手続きを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※9)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「パン屋(ベーカリー)」

これから伸びる飲食店の業態

これから伸びる業態を考えるときは、最近の外食の売上の動きが参考になります。

ここでは、業界団体の2025年の調査から読み取れる3つの流れを紹介します。

  • 2025年に売上が伸びた業態
  • 客単価の上昇
  • テイクアウト・デリバリーの併設

まずは、2025年に売上が伸びた業態を数字で確かめておきましょう。

2025年に売上が伸びた業態

日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査(2025年)では、外食全体の売上は前年比107.3%、客数は102.9%、客単価は104.3%でした。(※7)

業態別の数字は、次の表のとおりです。

業態売上高客数客単価
全体107.3%102.9%104.3%
喫茶109.8%101.1%108.6%
ファミリーレストラン(中華)110.2%104.3%105.7%
ファーストフード(和風)109.8%101.1%108.5%
ファーストフード(麺類)108.9%103.9%104.9%
居酒屋104.4%101.9%102.4%
ファミリーレストラン(焼き肉)102.2%98.2%104.1%
ファーストフード(持ち帰り米飯・回転寿司)102.9%96.0%107.2%
(※7)出典:日本フードサービス協会|外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果報告

喫茶や中華のファミリーレストラン、麺類のファーストフードの伸びが目立ちます。

協会の会員社の店舗をもとにした数字なので、個人店で開業するときは、業態ごとの流れをつかむ目安として見ておくとよいでしょう。

客単価の上昇

同じ外食産業市場動向調査では、物価高を背景にメニューの価格改定が続き、客単価の上昇が外食の売上を押し上げたとしています。(※7)

その一方で、消費者の節約志向も強まっていると報告されました。

値上げをしても選ばれるには、素材や居心地、体験など、価格に見合う価値を伝える工夫が欠かせません。

(※7)出典:日本フードサービス協会|外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果報告

テイクアウト・デリバリーの併設

テイクアウトやデリバリーは、客席を増やさずに売上を足せる場合があります。

ただし、外食産業市場動向調査では、持ち帰り米飯・回転寿司のファーストフードは客数が96.0%と前年を下回りました。(※7)

容器代が原価に加わる点も、価格を決める前に見込んでおきたいところです。

(※7)出典:日本フードサービス協会|外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果報告

儲かる飲食店ジャンルの選び方

儲かりやすいジャンルでも、自分の経験や立地と合わなければ、利益を残すのは難しいものです。

ここでは、ジャンルを選ぶときに見ておきたい4つの視点を紹介します。

  • 経験・スキルとの相性
  • 商圏とターゲット
  • 差別化のしやすさ
  • 少人数での回しやすさ

自分に当てはまる視点はどれかを考えながら、順に見ていきましょう。

経験・スキルとの相性

ラーメン店やパン屋は製法の技術、バーは接客とお酒の知識、居酒屋は幅広い料理を手早く出す段取りが求められます。

自分の経験を生かせるジャンルを選ぶと、開業直後のつまずきを減らせるでしょう。

未経験から始めるなら、修業先で経験を積む方法や、フランチャイズの研修を使う方法があります。

未経験から飲食店を開業するときに必要なスキルを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

商圏とターゲット

商圏とは、お店に顧客が来店する範囲のことです。

居酒屋やバーは夜の人通り、ラーメン店はオフィス街の昼の需要や住宅地の常連が、売上の柱になりやすいでしょう。

カフェは、繁華街だけでなく住宅街や静かな場所も候補に入るでしょう。

候補地が決まったら、狙う時間帯に実際に歩いて、どんな人が通るのかを見ておきたいところです。

客層が自分の店のターゲットと合っているかを確かめてから、物件を決めましょう。

差別化のしやすさ

飲食店は競合が多いため、「何の店か」を一言で言えるかどうかが大切です。

看板メニューを1つに絞った専門店にするのも、差別化の方法の1つでしょう。

コンセプトを決めるときは、どんな顧客が、どんな理由で来店するのかをそろえて考えます。

たとえば会社員がターゲットなら、職場から近く、手ごろな値段で飲める店といった方向性が考えられます。

コンセプトの決め方やコツを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

少人数での回しやすさ

日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査(2025年度)では、従業者(経営者や、続けて働くパート・アルバイトを含めた働き手)1人あたりの売上高は、バー・キャバレー・ナイトクラブが平均1,180.6万円です。(※3)

喫茶店は832.6万円、中華料理店は801.2万円、酒場・ビヤホールは793.4万円でした。

メニュー数と調理の工程を絞れるジャンルほど、少人数でも店を回しやすいといえます。

1人で営業するなら、注文の受け方や料理を出す流れも、開業前に組み立てておくとスムーズに進められます。

1人で飲食店を開業するときの資格やチェックポイントを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)

飲食店で利益を残すための数字の目安

ジャンルを決めたら、次は利益が残るかどうかを数字で確かめる段階です。

ここでは、開業前に押さえておきたい3つの目安を紹介します。

  • FLコストの目安
  • 家賃比率の目安
  • 黒字ラインの目安

FLコストの目安

FLコストは、食材費(Food)と人件費(Labor)を合わせた費用のことです。

マネーフォワード クラウドの解説では、FLコストは売上の60%以内に抑えるのが理想で、食材費と人件費はそれぞれ30%前後が目安としています。(※10)

65%を超えると、経営が傾いている可能性が高いといえます。

月ごとに食材費と人件費を足して売上で割り、60%を超えていないかを見る習慣をつけると、早めに手を打てるでしょう。

FL比率や原価率の計算方法を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※10)出典:マネーフォワード クラウド|飲食店のランニングコストの内訳と目安は?利益を残すための削減術

家賃比率の目安

家賃比率は、売上に占める家賃の割合のことです。

マネーフォワード クラウドの解説では、家賃の目安は売上の10%前後とされています。(※11)

家賃比率は、売上の10%以下に収めるのが理想です。

たとえば家賃20万円なら月商200万円以上、月30日営業なら1日あたり約67,000円の売上が目標になります。

家賃が高い東京では、開業直後の家賃比率が20〜25%程度になることもめずらしくありません。

物件を探す前に、出せる家賃の上限を決めておくと、黒字の見通しを立てやすいでしょう。

家賃比率の考え方と、家賃の負担を抑える方法を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※11)出典:マネーフォワード クラウド|FLR比率が高いと何が問題?飲食店の適正値の目安や改善方法

黒字ラインの目安

食材費・人件費・家賃を合わせたFLR比率は、マネーフォワード クラウドの解説では70%以下が一般的な適正値とされています。(※11)

残りの30%から光熱費や広告宣伝費などを払い、利益を出すという考え方です。

損益分岐点売上高(利益がちょうどゼロになる売上)は、「固定費÷(1−変動費率)」で計算でき、変動費率とは、食材費のように売上に応じて増える費用が売上に占める割合を指します。

仮に月の固定費(家賃や人件費のように売上が増減しても一定にかかる費用)が100万円、変動費率が40%なら、100万円÷0.6で約167万円が黒字ラインの目安です。

日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査(2025年度)では、一般飲食店の損益分岐点比率は平均104.5%でした。(※3)

損益分岐点比率は実際の売上に対する損益分岐点売上高の割合で、100%を超えると赤字を意味します。

平均で見ると、売上が黒字ラインに届いていない状態です。

損益分岐点やFL比率など、利益率と一緒に見ておきたい指標を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※11)出典:マネーフォワード クラウド|FLR比率が高いと何が問題?飲食店の適正値の目安や改善方法
(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)

儲かるジャンルを居抜き物件で始めるメリット

儲かるジャンルを選んだら、次は物件選びです。

居抜き物件をうまく使えば、初期費用と開業までの期間を抑えやすくなります。

  • 初期費用と開業期間の抑えやすさ
  • 同じ業態の設備の引き継ぎ
  • 契約前の確認ポイント

ここからは、ジャンル選びとあわせて知っておきたい居抜き物件のポイントを見ていきます。

初期費用と開業期間の抑えやすさ

居抜き物件とは、前の店の内装や厨房設備が残ったまま貸し出される物件のことです。

東京都心近辺で開業する場合の例として、居抜き物件の内装・設備投資費は、250〜300万円程度に抑えられるケースが多くあります。

一方、スケルトン物件だと、内装工事だけで1,000万円以上かかることもあります。

工事が短く済めば、営業していない期間の家賃(空家賃)も減り、早く売上を立てられるでしょう。

ただし、費用と期間は物件の状態や契約の条件によって変わるため、見積もりで確かめておくと安心です。

居抜き物件で開業するときの初期費用の内訳を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

同じ業態の設備の引き継ぎ

焼肉店やラーメン店のような重飲食は、煙・油・火力を多く使う業態です。

排気ダクトやガスの容量、グリストラップ(排水から油を分ける設備)が欠かせません。

前の店が同じ業態であれば、こうした設備を引き継げることで、必要な工事を減らせる場合があります。

カフェやバーのような軽飲食では、大がかりな設備が少ない分、小さな物件や幅広い業態の物件から選びやすい傾向があります。

前の店と同じ業態なら、その場所に同じジャンルの顧客がいた手がかりにもなるでしょう。

ただし、前の店がなぜ閉めたのかは、あわせて確かめておきたい点です。

グリストラップの役割や、居抜き物件を選ぶときの確認ポイントを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

契約前の確認ポイント

居抜き物件では、前の借主と造作譲渡契約(※)を結び、内装や設備を引き継ぐのが一般的です。

契約の前に、譲渡対象物(※)の範囲と状態、リース品(前の借主がリース会社から借りている設備)が含まれていないかを確かめておきましょう。

退去するときの原状回復義務(※)がどこまでかも、契約書で事前に確かめておくことが大切です。

居抜きの神様では、内装・設備が残った居抜き物件情報を数多く掲載しています。

会員登録をすると、独占未公開物件の情報を詳しく確認できます。

物件見学も、希望日時を選んでボタンを押すだけで申し込むことが可能です。

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※造作譲渡契約…前の借主が店舗の内装や設備を次の借主に引き継ぐ際に締結する契約のこと
※譲渡対象物…建物に付加された内装、設備、構造物のこと
※原状回復義務…退去時に、借りたときの状態に戻す義務のこと

飲食店の儲かるジャンルに関するよくある質問

最後に、飲食店の儲かるジャンルについて、よく寄せられる質問に答えます。

  • 飲食店で一番多いジャンルは何ですか?
  • 小さい飲食店の売上はどのくらいですか?
  • 年商5,000万円の飲食店はどのくらいの規模ですか?
  • フランチャイズと個人経営では、どちらが儲かりますか?

開業前に抱きやすい疑問を、数字を交えて解消していきます。

飲食店で一番多いジャンルは何ですか?

総務省・経済産業省の令和3年経済センサス‐活動調査では、飲食店の小分類で事業所数が一番多いのは専門料理店の134,890事業所です。(※12)

ついで酒場・ビヤホールが84,595、バー・キャバレー・ナイトクラブが60,217、喫茶店が52,196と続きます。

店が多いジャンルは需要がある一方で、競合も多くなるため、出店前に周りの同業店を確かめておくと安心です。

(※12)出典:総務省・経済産業省|令和3年経済センサス‐活動調査 産業別集計(サービス関連産業に関する集計)結果の概要

小さい飲食店の売上はどのくらいですか?

小さな居酒屋を例にすると、業種別開業ガイド「居酒屋」にある個人事業型の売上計画では、月の売上が約175.5万円です。(※6)

稼働率は、席がどのくらい埋まっているかを表す割合のことです。

席数15・客単価約4,500円・回転率2・稼働率50%・月26日営業という条件で試算した数字となっています。

年間の売上にすると、約2,106万円です。

試算は条件を置いたモデルのため、実際の売上は立地や営業時間によって変わります。

自分の店で見当をつけるときは、席数・客単価・回転率・稼働率・営業日数を掛け合わせて計算してみましょう。

小さな居酒屋の売上の計算方法とモデルケースを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※6)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「居酒屋」

年商5,000万円の飲食店はどのくらいの規模ですか?

年商5,000万円という数字は、公的な調査の平均と照らし合わせると規模をつかめます。

小企業の経営指標調査(2025年度)で店舗の広さあたりの売上高を見ると、酒場,ビヤホールは3.3㎡(約1坪)あたり平均2,535千円です。(※3)

同じ区分の従業者1人あたりの売上高は、平均7,934千円でした。

この平均から計算すると、年商5,000万円の居酒屋は、従業者が約6人、店舗の広さが約20坪の規模になります。

ただし、同じ年商でも客単価が高ければ、より小さな店や少ない人数で届く場合もあります。

(※3)出典:日本政策金融公庫|小企業の経営指標調査(2025年度)

フランチャイズと個人経営では、どちらが儲かりますか?

J-Net21の業種別開業ガイド「居酒屋」の試算では、開業資金は個人事業型が約530〜830万円、フランチャイズ型が約890〜1,210万円です。(※6)

年間の見込み損益は、個人事業型が約426〜534万円、フランチャイズ型が約607〜751万円とされています。

実際の利益は、立地や運営のしかたによって変わります。

フランチャイズは開業資金が大きい分、本部の仕組みや知名度を使えるのが強みです。

一方で、加盟金やロイヤリティ(本部に払う使用料)がかかり、メニューや運営の自由度は下がります。

どちらが合うかは、資金と経験、自分で決めたいことの多さで考えるとよいでしょう。

フランチャイズに加盟するメリット・デメリットを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

(※6)出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド「居酒屋」

まとめ

飲食店で儲かるかどうかは、ジャンル名だけでは見極められず、以下の4つが判断の目安になります。

  • 原価率
  • 客単価と回転率
  • 営業利益率
  • 初期費用

粗利率が高いジャンルでも、経費の管理しだいでは利益が残らない点も見てきました。

経験・商圏・資金に合うジャンルを選び、FLコストや家賃比率で黒字ラインを確かめる流れがつかめたのではないでしょうか。

ジャンルに合った居抜き物件を選ぶと、初期費用と開業までの期間を抑えやすくなります。

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この記事を書いた人

広告代理店を退職後、SEOライター/マーケターとして独立。これまで、東京を中心にレストラン・カフェなど数多くの飲食店マーケティングに従事し、集客や店舗拡大(FC展開含む)に貢献。自身の経験をもとに、現在は移住先の宮崎県で飲食店を2店舗経営。

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