飲食店の電気代の目安は?高い理由や節約・削減する方法を解説

飲食店の電気代の目安は?高い理由や節約・削減する方法を解説

飲食店の開業を考えている方のなかには、飲食店の電気代の目安を知りたいとお悩みの方もいるのではないでしょうか。必要以上に高い電気代を支払うことのないよう、電気代の目安や節約方法について知っておく必要があります。

この記事では、飲食店における電気代の目安のほか、節約・削減する方法を詳しく紹介しています。飲食店の開業をめざす方はぜひ参考にしてください。

目次

飲食店の電気代の目安は?

飲食店の電気代の目安は?

飲食店でかかる1か月の電気代の目安は、一般的に売り上げの約7%前後といわれています。たとえば月の売上が100万円の場合、約7万円前後の電気代がかかることになります。

これは、店舗の照明や厨房での調理機器の使用、空調といったさまざまな運営コストを考慮した平均値です。喫茶店や居酒屋、パン屋など主要な飲食店における電気代の目安を紹介します。

喫茶店の電気代の目安

喫茶店の電気代の目安

喫茶店の電気代の目安は、店舗の座席数や面積によって異なりますが、月に1.5万〜4万円ほどが平均的です。

飲食店のなかでは比較的安い傾向にありますが、とくにオシャレな雰囲気や高級感を出すための特殊な照明、コーヒーマシーンなどを利用している店舗では、電気代が割高になる傾向があります。

また喫煙席と禁煙席を分けた分煙対応をしているカフェでは、それぞれのスペースにエアコンを設置したり、喫煙スペースの換気扇を常に稼働させなければならなかったりするため、その分のコストがかかります。

居酒屋の電気代の目安

居酒屋の電気代の目安は、店舗面積や座席数、営業時間により変動はありますが、おおよそ5万円〜10万円程度です。居酒屋は営業時間が長く、エネルギーの消費量が多い厨房や照明、空調などをよく使用するため電気代が高い傾向にあります。

パン屋の電気代の目安

パン屋の電気代の目安は月に10万円程度です。パンを常に焼いていることから、その他の光熱費を合わせると毎月20万円ほどの電気代がかかる傾向にあります。

パン屋では一般的に、業務用のエアコンやオーブン、ミキサーなどの器具を使う頻度が多いため電気代が高くなりやすいです。

また、パンのほかにもケーキを取り扱っていたり、イートインスペースを設けたりしている店舗もあり、飲食店のなかでも電気代が高くつく業種の1つといえるでしょう。

ラーメン屋の電気代の目安

ラーメン屋の電気代の目安

ラーメン屋の電気代に関しては、1か月に数万円の店舗もあれば、数十万円かかる店舗もあります。ラーメン店は、店舗の調理方法やメニュー、お店の規模、店舗面積や営業時間などにより電気使用量が大きく変化します。

そのため電気代を他店と比較するのが難しく、一概にいくらと仮定できません。ただしラーメン店では閉店時もスープの仕込みなどで電気を使用するため、電気代が数多くの経費のなかでもかなりの割合を占めているといえます。

バーの電気代の目安

バーの電気代は規模や営業時間によって大きく異なりますが、20席ほどのバーで月3万5000円~5万円程度、夏や冬になると月7万5000円~10万円程度になることもあります。

売上とのバランスの見極めが必要

飲食店では電気代のみならず、ガス代や水道代を含む水道光熱費全般が売上と密接に関係しています。

売上がアップすれば消費するエネルギーも増加するため、エネルギーの使用効率を意識することで経費削減につながります。売上の増加とともに増える経費を最小限に抑えるための工夫が必要です。

飲食店経営では、電気代を含む水道光熱費の支払いは避けられませんが、管理方法によっては経費を削減できます。売上とのバランスを意識しつつ、適切に節約することで経営を効率化できます。

飲食店の電気代が高い理由

飲食店の電気代が高い理由

続いて、飲食店の電気代が高い理由を解説します。

電気を使う設備が多い

電気を使う設備が多い

飲食店の電気代が高い理由は、電気を大量に消費する設備を多く使用するためです。飲食店では主に業務用冷蔵庫・厨房設備・空調機・照明設備などが使われています。

これらの業務用設備は電気を大量に使用するのが特徴です。業務用冷蔵庫は24時間365日電源を切ることはなく、営業中はほとんどの設備を常に稼働させています。ほかにも、照明設備や業務用空調設備、オーブンなど、食材の調理や保管に電力を多く消費しています。

また煙が発生しやすい焼き肉店などでは、常時換気する必要があるため、専用ダクトを各スペースに設置・稼働させなくてはいけません。このように電気を必要とする設備が多い飲食店では、ほかの店舗と比べて電気代がかかりやすいといえます。

店に合わない電気料金プランを契約している

店に合わない割高な電気料金プランを契約していると、電気代が余計にかかってしまいます。飲食店の場合は、従量電灯などの一般家庭向けプランと動力プランの両方を契約することがほとんどです。

一般家庭向けプランでは、100V電源の製品を稼働できる電力が供給されます。動力プランは、消費電力の大きい業務用冷蔵庫など200V電源の電力が供給される電気料金プランです。

動力プランの電気料金は「契約電力(kW)×単価」で計算された基本料金と電力量料金で構成されており、基本料金が高くなる傾向にあります。ただし電力量料金は一般家庭向けプランより安いため、大量に電力を消費する飲食店に向いています。

逆に、電気をあまり使わない業種であれば、動力プランにすると費用がかさむため損をしてしまう可能性が高いです。電気料金が高く感じる場合は、不適切な従量契約をしていないかどうかを確認する必要があります。

契約している電力会社から送られてくる検針票、もしくは専用ページから契約内容をチェックしてみてください。

電気料金が高騰している

電気料金が高騰している

電気料金が値上がりしていることも、飲食店の電気料金が高くなる理由です。電気を生成するための燃料の価格は、市場や為替などの外部要因により変動するのが特徴です。

日本は資源の輸入国であり、火力発電に必要な化石燃料も輸入しています。燃料価格の高騰によって火力発電の発電コストが上がり、電気代や燃料費調整額の値上げにつながっています。

近年はロシア軍のウクライナ侵攻や、新型コロナウィルスの世界的なまん延などが大きな影響を及ぼしています。

また、震災などで原子力発電所が停止したことや火力発電所の減少などにより、日本国内の電力供給が減少している現状も理由として挙げられます。

飲食店で電気代を節約・削減する方法

飲食店で電気代を節約・削減する方法

ここからは、飲食店で電気代を節約・削減する方法を6つ紹介します。

電力会社・電気料金プランを見直す

飲食店で電気代を節約するためには、電力会社・電気料金プランを見直すことが大切です。店舗ごとの使用状況に応じた最適なプランに変更することで、電気代削減を効率的に行えます。

これまで電気料金プランについて詳しく調べていない方は、一度見直してみることをおすすめします。着目するポイントは、主に基本料金と電力量料金の単価、燃料費調整額の上限です。

基本料金の単価は電気料金プランによって違うため、切り替えによって数100円程度安くできる可能性があります。また、電力量料金の単価もプランによって異なるため、割安なプランへ切り替えることで電気代を節約できるでしょう。

燃料費調整額は、化石燃料の価格変動に応じて調整される金額で、電力量料金に上乗せされたり差し引かれたりするのが特徴です。

自由料金プランのなかには燃料費調整額の上限が定められていないプランもあるため、燃料価格の変動しやすい時期には、上限が定められたプランを契約するほうがよい場合もあります。

冷蔵庫・冷凍庫の開閉回数を減らす

飲食店の業務用冷蔵庫や冷凍庫の使い方を見直すことでも、電気代を削減できます。たとえば、冷蔵庫や冷凍庫の扉の開閉回数を減らしたり、開ける時間を短くしたりすると庫内の温度変化を抑えられるため、電気代を節約できるでしょう。

使用頻度の多い食材を手前に置いたり、食材をあまり詰め込み過ぎないようにしたりといった工夫が必要です。また冷蔵庫や冷凍庫、食品保管庫などから食品を出し入れする際に、ビニールカーテンを設置すれば冷気の流出を防げます。

冷蔵庫や冷凍庫の性能は年々向上しているため、古い機種より新しい機種の方が省エネ性能に優れているケースは少なくありません。長期的なランニングコストを考慮すれば、新しい機種に買い替えることで電気代を削減できる可能性が高まります。

ただし新しいものに変える際にもコストが発生するので、機械の耐用年数なども確認しつつ買い替えのタイミングを考慮しましょう。

空調の設定を見直す

空調の設定を見直す

長時間使用する設備のひとつである大型空調に関しては、温度設定や清掃のタイミングを見直すことで消費電力を抑えられる可能性があります。

たとえば空調の温度に関しては、環境省が推奨している夏場28℃、冬場20℃を基準に設定してみましょう。空調の温度設定が1℃変わるだけで、10.0%程度の消費電力量を削減できるといわれています。

また、定期的に空調を清掃することでも電力の削減効果が期待できます。冷暖房効率の低下は、フィルターの目詰まりや汚れの蓄積によって起こるため、清掃業者へ定期的に清掃を依頼しましょう。

電子ブレーカーを活用する

業務用エアコンなどに電子ブレーカーを導入するのもおすすめです。電子ブレーカーは電流を正確に測定・遮断できるのが特徴で、実際にブレーカーに流れた電流値と容量を考慮したうえで、料金が決められます。

電子ブレーカーは、電力を最も要する起動時の電力を抑えられるため、基本料金が安いプランに契約を変更できるのです。ただし、電子ブレーカーのなかには電力会社に申請を通さずに設置されてしまうものや、違法のものがあったりするため注意が必要です。

LED照明に切り替える

LED照明は、蛍光灯と比べて約7割~8割の消費電力の削減効果が期待できます。また多くのメーカーで蛍光灯や白熱電球といった照明設備の生産を終了し始めているため、LED照明への切り替えによって将来的に交換できなくなるリスクを回避できるでしょう。

すでにLED照明に切り替え済みの場合は、照明の配置を工夫したり、人感センサーを導入したりして消費電力のさらなる削減効果を目指してみましょう。地域によっては照明のLED化による助成制度を利用できる場合もあるため、確認してみてください。

エアコンの室外機周辺を整理する

エアコンの室外機の配置が悪い場合、室外機の温度センサーが、本来の外気温よりも高温だと認識して誤作動を起こしてしまいます。室外と室内の気温差が大きいほど消費電力も上がるため、エアコンの室外機の設置環境を整えることで電力消費も抑えられるでしょう

室外機は決められたスペースに設置することが多いですが、直射日光はなるべく避けることが重要です。周辺に荷物などを置いていると空調効果を下げる原因になってしまうため、この機会に整理するとよいでしょう。

飲食店の電気代を削減する際の注意点は?

ここからは、飲食店の電気代を削減する際の注意点を解説します。

節約・削減しすぎていないか

たとえ飲食店の電気代を削減できたとしても、節約・削減しすぎてサービスが低下してしまっては元も子もありません。たとえば空調を止めて放電するといった対策をとっている場合、顧客にとって快適な空間が保たれません。

また節約のために冷蔵庫内の温度を高く設定している場合、電力は使わないものの食材の鮮度が保たれず、顧客に美味しい料理を提供できなくなるおそれがあります。

飲食店が一番に大切にするべきなのは顧客であることを忘れず、適切な範囲内で節電を検討しましょう。

節電にかけるコストと利益のバランスを考慮する

節電のためには設備を新たに導入しなければならないため、利益を圧迫するほどの大きなコストがかかる可能性があります。

費用と利益の試算を行わずに節電に良いと聞いた設備をすぐに取り入れてしまうと、経費がかかりすぎてしまい、逆に利益を得るのが困難になってしまうこともあります。

設備の導入費用よりも、節電のために取り入れた設備によって得られる利益が高ければ採用するなど、費用と利益のバランスをしっかりと考慮しましょう。

電力会社の契約条件を確認する

電力会社の契約条件を確認することも大切です。具体的には、電力会社と新たな契約をする前に、電気プランの解約手数料期間をチェックしましょう。契約期間が満了する前に解約した場合、手数料が発生することがあるため注意が必要です。

また居抜き物件の場合は、以前の電力会社との契約が継続している場合があります。料金プランをそのまま引き継いでいるケースもあり、以前の店舗と業種が違えば電気料金をかなり損しているかもしれません。

さらに注意したいのが、本契約の前に見積もりを依頼することです。相談時の内容や違約金に関して契約後に相違があり、不当に請求する悪徳業者も存在します。そのため、すぐに本契約を結ばずに見積もりを依頼して検討しましょう。

電力会社・電気料金プランは複数比較する

さまざまな電力会社・電気料金プランから、自分の店舗に合ったものを比較検討することも大切です。

お得な電気料金プランを探すためには、電気代の計算方法を知っておくとよいでしょう。基本料金または電力量料金が安くなっているプランを選べば、電気料金を節約できます。

また、各企業の電気料金表をチェックすることも大切です。電気代を比較するためのシミュレーションサイトを活用しながら、店舗に最適なプランを探してみてください。

電気設備の定期的なメンテナンスをする

電気設備の定期的なメンテナンスも、電気代を節約・削減する際の大事なポイントです。電気設備をこまめに点検することで、修理や交換にかかるコストを節約・削減したり、省エネ性能を維持したりできます。

点検頻度は、電気設備の使用状況や種類によって異なります。一般的には日常的な点検から、月次や年次の詳細な点検までさまざまなレベルの点検があります。高リスクを伴う設備や重要な設備は、高い頻度での点検が必要です。

適切な点検頻度を守ることで、設備の安全性や効率をキープしたり、長期的なコスト削減につなげたりできます。

飲食店を開業するなら居抜き物件がおすすめ

飲食店を開業で選ぶ物件には、大きく分けてスケルトン物件と居抜き物件があります。スケルトン物件は、内装などが一切されておらず物件のみを借ります。そのため、水道・電気・ガス・空調など一から設備を整える必要があります。

一方で、居抜き物件は既存の設備や内装も含めて借りられるため、そのまま使用できるうえ、新たに工事を必要とせずすぐに開業できます。電気設備でも、同じような電気の使用量であれば変更する必要がなく、開業時のトータルコストを削減できるためおすすめです。

こちらの記事では、居抜き工事とスケルトン工事ついて解説しています。それぞれの違いや費用の目安も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

まとめ

飲食店の電気代は、大型冷蔵庫や調理機器、空調設備などが多いことから、数ある店舗ジャンルのなかでも電気代が高い傾向にあります。

電気代を節約・削減するためには、電気料金プランや電力会社を見直したうえで、冷蔵庫・冷凍庫の開閉回数を減らしたり、電子ブレーカーを活用したりといった工夫が必要です。

飲食店開業をお考えの方は、800件以上の居抜き物件を紹介している居抜きの神様をご利用ください。通常は、設計意匠の確認や設計見積もりを行うと3か月ほどかかりますが、居抜きの神様では内装や設備の工事時間を大幅に短縮できます。

また、ほかのサイトでは掲載されていない独占未公開物件情報を入手できるのも特徴です。飲食店開業を目指す方向けの小型物件を中心に集めており、好条件の物件を豊富に揃えていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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