カフェのキッチンの内装レイアウトを決める際のポイントを解説

カフェはお客様がくつろぎ、快適に過ごせるレイアウトが求められます。客席にあわせて、キッチンの内装レイアウトも重要です。動線が整備されていない、客席が広すぎてキッチンが狭く、動きにくいなどの場合にはお客様に快適なサービスを提供できません。

本記事では、カフェにおけるキッチンの内装レイアウトを決めるために必要なポイントをお伝えします。これからカフェを開業しようとされている方はもちろん、改装や移転を検討されている方もぜひ、参考にしてください。

目次

カフェのキッチンの内装レイアウトを決める際の注意点

カフェのキッチンの内装レイアウトを決める際の注意点

カフェにおけるキッチンの内装レイアウトを決めるには「カフェのコンセプト」「面積比率」「客席とのバランス」を明確にしなくてはなりません。ここではそれぞれについて詳しく解説します。

カフェのコンセプトを明確にする

まず、カフェのキッチン内装レイアウトを決めるうえで、カフェのコンセプトを明確にする必要があります。なぜなら、客席を含む内装レイアウト全体が、カフェのコンセプトと深く結びついているからです。

たとえば、アジアンテイストのカフェとアメリカンなカフェでは、提供するメニューが異なるため、厨房に必要な設備も変わってきます。

また、キッチンをオープンにするかクローズドにするかも内装レイアウトを決める重要なポイントです。

たとえば、コーヒーを売りにするカフェなら、オープンキッチンで厨房とカウンターの間に多数のコーヒーメーカーを設置することで、大きなアピールポイントになります。

この場合、客席とできるだけ近い場所にコーヒーメーカーを設置するにはどういったレイアウトが必要になるかを逆算で検討しなくてはなりません。

先にキッチンの内装レイアウトを決めてしまうと、カフェのコンセプトと合わなくなる可能性があるため、まずはカフェ自体のコンセプト明確化が必要になります。

面積比率の目安を押さえる

カフェ全体の面積から、キッチンと客席の面積比率の目安を押さえておくことも重要です。一般的に飲食店でのキッチンと客席の面積比率は、メニューの多さや内容によって決まります。

レストランや居酒屋などメニュー数が多く、扱う食材も多い店舗は物件全体の30〜40%は必要です。

これに対し、カフェの場合、メニュー数も扱う食材も本格的な飲食店に比べると少ないため、20〜30%程度がキッチンの面積比率の目安となります。

もちろん、カフェでも本格的な料理を提供することをメインコンセプトとしていれば、30〜40%程度の面積が必要です。逆にフードメニューはほとんどなく飲料品が中心であれば、15〜20%でもまかなえるでしょう。

まずは20〜30%という面積比率の目安を参考に、提供するメニューを鑑みたうえでキッチンの面積を確定させます。

客席確保のために狭めないようにする

客席確保を最優先して、キッチンを狭くしてしまわないよう注意する必要もあります。利益を確保するには、できるだけ客席を増やさなくてはならないと考えがちです。

ただ、客席が多くてもキッチンが狭ければ、注文商品の提供が遅くなり、お客様が不満を感じてしまいかねません。客席が多く、初見のお客様が来たとしてもリピーターになってもらえなければ、長期的には大きなマイナスです。

お客様に快適に飲食を楽しんでもらい、なおかつ回転率を上げるには、スタッフ数やメニュー内容に応じて客席の広さも決める必要があります。

キッチンの内装レイアウトを決める際のポイント

カフェは店舗の大きさ、形、インフラの場所、スタッフ数などにより、内装レイアウトを決めるポイントも大きく異なります。ここでは、そのなかでも快適に働けるための内装レイアウトを決めるポイントを見てみましょう。

インフラの位置を確認する

キッチンのレイアウトでもっとも重要なポイントはインフラ位置の確認です。電気や水道、ガスが使用できる位置を知っておくことで、どこに何を設置すべきかも見えてきます。

インフラの位置を把握してから設計すれば、配管や配線の延長工事を最小限に抑えられ、工期やコスト削減が可能です。また、無駄な配管や配線が発生しにくくなり、安全性の確保、効率的な動線確保も実現します。

設計後に設備の位置を変えたり工事を増やしたりしないためにも、必ず事前にインフラの位置を確認しておきましょう。

メニューとスタッフの人数を考慮する

レイアウトはメニューとスタッフの人数も、あらかじめ考慮しなければなりません。メニュー数が多ければ、それだけキッチンの広さや調理器具、保存設備が必要です。

食材を保存する場所が少なくビジネスチャンスを逃す、料理の提供が遅れ満足度が下がるなどを避けるためにもメニューに応じた広さを確保しましょう。

また、スタッフの人数に応じた広さがないと、スタッフ同士がキッチン内でぶつかり怪我をする、狭くて何もできないスタッフが生まれてしまうなど効率も低下します。

作業の流れをシミュレーションする

食材を保存設備から出し、シンクで洗い、調理をしてホールのスタッフに渡すといった作業の流れを事前にシミュレーションすることも重要です。

注文を受けてから最短の時間で調理を行い、最適なタイミングでお客様に提供するには、キッチン内をスムーズに移動できるレイアウトにしなくてはなりません。

そのためにも事前に作業の流れをシミュレーションし、無駄に動く必要のない厨房機器の配置を行いましょう。

スタッフの動きを想定する

キッチンのレイアウトを決める際には、複数のスタッフが同時に動くことも考慮する必要があります。店舗にもよるものの、複数のスタッフがいる場合、それぞれが異なる作業をしつつ、キッチンの中を移動するため、ひとつの動線だけスムーズならよいとは限りません。

複数のスタッフが同時に動いても互いに邪魔にならず、スムーズに移動できるようなレイアウトであれば、作業効率の向上やスタッフの安全確保などが実現します。

また、複数のスタッフが同時に動ける動線を考慮すれば、ストレスがたまることもなく気持ちよく働けるようになり、従業員満足度の向上も期待できるようになるでしょう。

収納や清掃がしやすいか確認する

飲食店は常に清潔を保つことが、お客様に満足いただくための最低条件です。そのため、キッチンも収納や清掃がしやすいかどうかの確認が欠かせません。

食器の数に応じた収納が用意されているか、清掃用品を常にすぐ出し入れするためのスペースがあるかどうかを確認し、円滑に衛生管理を行うための工夫が求められます。

清掃しやすいかどうかを確認するポイントは、厨房機器や設備が、凹凸や隙間なく設置できるかです。凹凸や隙間があると埃がたまりやすくなるうえ、清掃がしにくいため清潔なキッチンを保つことも難しくなります。

客席からの見え方を考慮する

オープンキッチンではなくともキッチンの一部が客席から見える場合、ふたつの考え方があります。ひとつはパーテーションを置いたり、収納用品や厨房機器で隠す方法です。

もうひとつは、隠すことなくオープンにする方法ですが、注意しなければならない点があります。それは、お客様側からどう見えるかを考慮することです。

オープンキッチンではない場合、忙しいときや客足が減ったときなど、どうしてもスタッフの気が緩んでしまう時間帯があります。このときについ、だらしない恰好をしてしまう、食材や食器を雑に扱うなどをお客様に見られれば、店舗の評判は落ちてしまいかねません。

いつお客様に見られても問題のないよう意識を持つことはもちろん、集中して作業を行えるレイアウトを心がけましょう。

実績のある業者に相談する

とくに、初めてのカフェ経営であれば、実績のある業者に相談するのもおすすめです。設計図の段階では問題ないと思っても、実際に動いてみると動線が悪いといったケースも少なくありません。

しかし、経験豊富なプロの目が入ることで、自分では気づけなかった点、効率化のポイントなどを指摘してもらえるため、失敗するリスク低減が可能です。プロの指摘を取り入れることで、無駄な工事や設備にコストをかけることなく、最適なレイアウトが実現します。

カフェを経営するなら外せない厨房設備

カフェを経営するなら外せない厨房設備

キッチンのレイアウトを適切に行うには、カフェ経営に外せない厨房設備の種類、大きさなどの把握が欠かせません。ここでは、カフェ経営に必要な厨房設備について解説します。

冷蔵庫と冷凍庫

冷蔵庫と冷凍庫は、生鮮食品や牛乳、氷などの食材・飲料を適切に保存するために欠かせない厨房設備です。

飲食店で利用する冷蔵庫や冷凍庫は、一般家庭で使うものとは異なる業務用のため、冷却性能や機能性が高くなっています。その分、コストも高くなりますが、お客様に美味しい料理、飲料を提供するには、必要なコストです。

業務用の冷蔵庫の容量は、100〜1,500リットルとかなり幅があります。あまり大き過ぎてもキッチン内に収まらないだけではなく、無駄な電気代もかかるため、キッチンの広さや保存する食材の量を考慮したうえでの選択が大切です。

シンク

シンクは食器や調理器具を常に清潔に保ち、食材の汚れを落とすために必要な厨房設備です。一般家庭ではシンクの大きさは基本的に大きくは変わりません。

しかし、厨房設備のシンクは、大きさや深さで多くの種類があるため、キッチンの広さや用途により適切な選択が必要になります。

注意する点はシンクの高さ、一槽式か二槽式かです。業務用のシンクは高さは800〜850mmが標準的ですが、スタッフの身長も考慮し、長時間使っても疲れない高さにしましょう。

一槽式か二槽式かについては、食材と食器を分けて洗うには二槽式が便利です。作業効率も向上するため、より効率化を目指すなら二槽式をおすすめします。

調理台

食材を切る、盛り付ける、飲料の準備をするなど調理台の用途はさまざまです。スタッフが少なく、ひとりで食材や食器を洗い、調理もする場合はシンクと同じ高さにすると疲れにくくなります。

複数のスタッフで同時に作業する場合は、横に広く並んで作業しても邪魔にならないサイズを選択しましょう。

また、キッチンが狭くできるだけ厨房設備をコンパクトに抑えたい場合は、コールドテーブルがおすすめです。横型で低身長の冷蔵庫の上が調理台になっているもので、スペースを節約しつつ、食材が必要なときにすぐ取り出せるため、効率化も実現します。

コーヒーマシン

カフェであれば、最初に導入する厨房設備がコーヒーマシンという方は多いのではないでしょうか。サイフォン式、ドリップ式など形式も多様で、価格も数千円から数十、数百万円まで幅広いため、何を選択するかでオーナーのセンスが問われる厨房設備といえます。

選択のポイントは、カフェのコンセプトに合っているか、メンテナンスはしやすいか、どれだけの処理能力があるかなどです。

エスプレッソやカプチーノなど多様な種類のコーヒーを提供するのであれば、エスプレッソマシンも必要になります。また常に美味しいコーヒーを提供するには、メンテナンスのしやすさも欠かせません。

そして、来客数に応じた処理能力を持つマシンを選択することも重要です。新規開店の場合、客席数を考慮したうえで、忙しい時間帯でも対応できるだけの性能を持つマシンを選択しましょう。

ガスレンジ

ガスレンジは、食材の調理以外にお湯を沸かす役割も果たせる厨房設備です。ガスレンジがあるかないかで提供できるメニューに大きな差が出るため、とくに料理に力を入れたいカフェであれば、高火力のガスレンジを選択しましょう。

ガスや火を扱う設備のため、引火による爆発などのリスクもあります。安全管理には十分注意するのはもちろん、安全装置がついているものがおすすめです。

オーブンレンジ

煮る、焼く、炒めるといった料理だけであれば、ガスレンジだけでも問題ありません。しかし、パンを焼きたい、焼き菓子をつくりたいといった場合にはオーブンレンジが必要です。

また、野菜を煮る時間を節約したい、少しだけ食材や飲料を温めたいといった場合にもオーブンレンジは欠かせません。調理工程の短縮化にもつながるため、とくに飲食メニューを多数揃えたい場合は、オーブンレンジの導入も検討しましょう。

ただし、業務用のオーブンレンジは容量の大きいタイプも多いため、電子レンジの機能もついたタイプを選択すれば省スペース化も可能です。

食器棚

まりやすくなります。常に衛生的な環境を維持するためにも、衛生管理上適切な設計がなされた収納設備を選択しましょう。

出典:e-GOV「食品衛生法第5条・第15条」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233/

まとめ

まとめ

カフェのレイアウトといえば、どうしても客席のレイアウトを重視しやすいです。しかし、本当にお客様に快適な時間を提供したいのであれば、キッチンの内装レイアウトもしっかりと検討する必要があります。

作業導線は取れているか、衛生面は問題ないか、必要な設備はすべて設置できるかなどを確認し、快適に働けるキッチンをつくりましょう。

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