飲食店におけるグリストとは?居抜き物件選びのポイントを解説!

飲食店におけるグリストとは?居抜き物件選びのポイント

廃棄物の流出を阻止するグリストは、店舗の衛生管理において重要な役割を果たしています。飲食店の開業を考えている方のなかには、グリストについて詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、飲食店におけるグリストの重要性や、グリストの種類、設置方法などについて詳しく解説しています。

目次

飲食店の居抜き物件選びではグリストの有無が決め手

飲食店の居抜き物件選びではグリストの有無が決め手

グリストラップ(グリスト)の設置義務は法律で明確に定められてはいませんが、条例を設けている自治体もあります。

居抜き物件を探している場合、グリストの有無や状態をチェックすることが大切です。以下の項目から、飲食店におけるグリストの役割や法令などについて詳しく紹介します。

飲食店におけるグリストの役割

飲食店におけるグリストとは、排水に混入した残飯などのゴミや油脂を分離させ、下水道へと流す装置のことです。

油脂やゴミが一般家庭よりも多量に排出される飲食店では、排水をそのまま下水に流すと下水管が詰まるうえに、自然環境にも悪影響を及ぼします。グリストを設置することで、下水道に排水を流せるレベルまで水質を戻す必要があります。

東京都におけるグリストの法令と設置義務

日本ではグリストに関する法令として、下水道法・水質汚濁防止法・建築基準法があり、各自治体が法令をもとにそれぞれの地域事情に合わせて独自の条例を制定しています。

たとえば、東京都では「すべての飲食店においてグリストラップの設置が義務」とされる条例があります。以下に該当する事業所にはグリストの設置が必要です。

  • 食品衛生法第52条第1項の規定による許可を受けて営業する飲食店等
  • 健康増進法第20条第1項の規定による届出を行って開設する特定給食施設

違反すると業務改善命令が出され、従わない場合は営業停止などの行政措置が取られる可能性があります。

飲食店開業で必須!グリストがない物件のリスク

飲食店開業で必須!グリストがない物件のリスク

ここからは、飲食店におけるグリストがない物件のリスクについて解説します。

条例違反に当てはまる

東京都では飲食店の管理を容易にするため、すべての飲食店でグリストの設置が義務化されており、グリストを導入しない場合は条例違反に当てはまります。

各都道府県がそれぞれの地域に合わせて具体的に条例を制定しているため、飲食店のグリスト設置に関して不明点がある場合は、行政の担当者に相談するとよいでしょう。

排水設備が詰まる

飲食店にグリストを設置していないと、排水詰まりが起きるおそれがあります。厨房などの施設では、食材カスや油脂分などの異物が排水のなかに多数混ざっており、排水が詰まるリスクが一般家庭よりも高いといえます。

排水管にこのような異物が堆積すると、最終的に排水管を詰まらせる原因となります。修理に多大な費用がかかることはもちろん、環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。

下水管でトラブルが起こる

下水管でトラブルが起こる

グリストがなければ、飲食店や居酒屋で発生する異物の多くが下水施設にそのまま流れてしまうことになります。

厨房で発生する異物は「害虫」や「悪臭」を発生させる原因になり、それが厨房の外の飲食スペースや店の外にまで広がってしまうと、周辺地域でのトラブルに発展する可能性があります。

特に貴店のお店が集合ビルだったり、他テナントスペースがある建物だった場合は要注意です。下水配管の形状によりますが、他のテナントに貴方のお店が原因の悪臭が広がったり、逆に他のテナントが原因の悪臭をもらうこともあります。

悪臭のレベルによりますが、とても営業継続できないレベルの悪臭にもなることもあります。

トラブルを未然に防ぐため、排水管管理には定期的な排管メンテナンスと日頃のグリスト清掃は欠かせません。

万が一、飲食店や居酒屋が地域世帯から損害賠償を請求されてしまった場合、営業の継続が困難になります。

水質汚染・環境汚染の原因となる

水質汚染・環境汚染の原因となる

厨房排水に含まれている油脂分は水質汚染に大きく関わっており、自然環境に排水された場合、魚が住める水質のレベルに戻すためには大量の真水が必要です。

食用油はとくに水質汚染に悪影響を及ぼすため、一般家庭よりも使用量が多い飲食店では、グリストを設置して排水に含まれる油脂分を分離させる必要があります。

飲食店の居抜き物件におけるグリストの状態と設置の必要性

ここからは、飲食店の居抜き物件で確認すべきグリストの状態や、グリストの種類、設置方法について解説します。

居抜き物件を選ぶ際に確認すべきグリストの状態

居抜き物件を選ぶ際に確認すべきグリストの状態

居抜き物件を選ぶ際は「グリストがあるか」「グリストはどのような状態か」をチェックすることが重要です。その店舗の規模や形態に合うグリストの設置、見直しを行う必要があります。

検討中の物件にグリストが無ければ、その物件は候補から外すか、自分で設置を検討する必要があります。またグリストが壊れていたり、詰まっていたりして悪臭が無いかどうかもチェックしたほうがよいでしょう。

排水溝からの悪臭があれば、排水管に汚物が付着し悪臭を放っている可能性があるため、オーナーに排水清掃を依頼するのが賢明です。

飲食店に適したグリストの素材の種類

グリスト本体の素材には、主にFRP製・ステンレス製・コンクリート製があります。それぞれ特徴が異なるため、店舗によってメリットとデメリットも変わります。

店舗で扱う食品や厨房の形態などにあわせて、グリストの素材や設置に適した場所、大きさなど、どのタイプが適しているかを判断することが大切です。

飲食店におけるグリストの適切な設置方法

飲食店におけるグリストの設置方法には屋内埋設型・屋内床置型・屋外埋設型・の3つがあります。

屋内埋設型は、厨房などの床下にグリストを埋めこむタイプで邪魔になりませんが、清掃が行き届いていないと、客席まで悪臭が漂うことがあります。

屋内床置型は、低コストで導入できるものの多くの廃水を処理できないため、大量の生ごみや油が出るような店舗では使用できません。

屋外埋設型は、大型のグリストを設置できるため大量の排水を処理できますが、そのぶん清掃の負担が大きくなります。

グリストのなかに溜まった油分や生ごみを放置していると、悪臭や害虫が発生するため、メンテナンスのしやすさを考慮して設置タイプを選ぶことが大切です。

こちらの記事では、居抜き物件のトラブルについて解説しています。回避するための対策や開業するポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

まとめ

飲食店を開業する場合はグリストの有無を必ず確認し、必要に応じて店舗に最適なグリストを設置しましょう。グリストを設置していないことで条例違反になるおそれもあるため注意が必要です。

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居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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