居抜き物件にはどんな看板がある?種類や看板を使った集客のコツ

居抜き物件にはどんな看板がある?種類や看板を使った集客のコツ

居抜き物件で開業するにあたって、看板を設置すべきかどうか悩む人は多いでしょう。また、設置するならどのような種類の看板が適しているのかがわからず、困ってしまう人も少なくありません。

そこでこの記事では、看板の主な種類と概要に加えて、そもそも看板は必要なのか、看板を使ってどのように集客すればよいのかを解説します。看板をうまく活用して事業の売り上げを高めるために、本記事を役立ててください。

目次

 看板の種類

看板には、主に以下6種類があります。

  1. スタンド看板
  2. 袖看板
  3. 集合看板
  4. 屋上看板
  5. 壁面看板
  6. 建植看板(ポールサイン)

ここからは、それぞれの特徴やどのような場所に適しているのかについて解説します。

スタンド看板

スタンド看板

スタンド看板は、路上に置かれるタイプの看板です。近くの通行人によって見えやすい位置に置かれるため、メニューや営業時間といった店舗が伝えたい情報を効果的に伝えられるメリットがあります。

黒板やホワイトボードタイプのスタンド看板を使用すれば、日替わりメニューや新商品の情報へと簡単に書き換えられるため、柔軟に利用できる点も特徴です。料理の写真などをスタンド看板に貼り付けることで、魅力を視覚的にアピールすることも可能です。

どのように使用する場合であっても、通行人の視線を考慮に入れて適切な高さに設置するようにしましょう。

袖看板

袖看板は繁華街のテナントビルでよく見られ、壁や柱から突き出す形で取り付けられる看板です。通行人に加えてドライバーからも見やすいため、ビルの2階以上に位置する店舗に適しています。

袖看板は目立たせるために明るい色、派手な色が使われることが多いです。しかし、建物の外観を重視するオーナーの場合、設置を認めていない場合があるため、注意が必要です。

設置する際は、通行人やドライバーの進行方向に対して直角に設置すると目立ちやすくなるため、おすすめです。加えて、袖看板にライトを取り入れることで夜間でも目立つように工夫できます。

集合看板

集合看板は、ビル内のテナントを階ごとにまとめて表示する看板です。建物のエントランス部分に置かれることが多く、エレベーターを利用する人が各階の店舗を確認する際にも役立ちます。

スタンド看板や袖看板など、外に看板を設置しないビルでは集合看板が主要な集客手段となりますが、外部からの視認性が低いため、広告効果はあまり期待できません。初めて来店する人にとっては、店舗を見つけにくい可能性があることも考慮に入れる必要があります。

屋上看板

屋上看板

屋上看板は、ビルの屋上に設置される比較的大型の看板です。屋上全体を使って置かれることが多いうえに、高い位置にあるため、近隣だけでなく遠方からも視認できます。そのため、看板のなかでもとくに大きな広告効果を持っているといえるでしょう。

そのため、大手企業が商品や社名の広告を目的に物件を借りており、看板の内容とビルに入居するテナントが無関係なこともよくあります。つまり、屋上看板そのものが賃貸物件として取引されることがあるほど、広告価値は高いといえます。

壁面看板

壁面看板は、店舗の壁に設置する看板で、視認性が高く、効果的な広告手段です。大きめに作れるため、ブランドや店舗のロゴなどを目立たせることが可能です。通行の妨げになる心配もなく、スタンド看板が設置しづらい場所にも置けるメリットがあります。

壁面に設置されるため、店舗の外観を活かしつつ、窓の間や上下の空間に取り付けることが一般的です。ほかにも、ガラス面そのものを装飾して看板として利用する店舗もあります。看板効果が大きいものの、建物の外観に与える影響を考慮に入れる必要があります。

建植看板(ポールサイン) 

建植看板(ポールサイン) 

建植看板(ポールサイン)は、主にロードサイドの店舗が設置している比較的大型の看板です。遠くを走るドライバーに店舗の存在を認識させるために使用される場合が多いため、看板は大きく、角度をつけて高い位置に設置されることが一般的です。

このような工夫によって、運転中のドライバーでも看板を認識しやすくなります。飲食店やガソリンスタンドなど、車での来客が多い店舗に適しており、遠方からでも店舗の存在を効果的にアピールできるのが特徴です。

 看板の必要性

看板はうまく活用することで売り上げアップにつながりますが、設置にはスペースや設置資金の確保などの準備が必要です。

ここからは、看板が必要な店舗と不要な店舗の特徴について解説するため、自店に看板を設置すべきかお悩みの方は、参考にしてください。

看板が必要な店舗

看板は、店舗の存在を通行人に知らせる重要な役割を果たします。看板を通じて、店舗のことを知らない人にどのような商品を取り扱っているのか、どのような魅力があるのかを伝えることが可能です。

一方、店舗のことをすでに知っている人に対しても、キャンペーンや新商品の情報を伝える際に役立ちます。

そのため、通行人の目に留まりやすい立地にある飲食店や小売店などの店舗では、看板が集客のカギとなります。店名やロゴ、サービス内容をわかりやすく伝えることで、初めて来店する人に安心感を与え、来店をうながす効果を期待できるでしょう。

とくに、道路に面した1階の店舗では、通行人の目に付きやすいため、看板による集客効果は大きいです。

看板を大きく掲載きる店舗

路面店は看板を大きく設置できる利点があります。通行人やドライバーの目に入りやすい物件に入居している場合、看板を活用して店舗の存在をより一層周囲に知らせることが可能です。

たとえば、路面に接している面積が大きく、目立つ装飾が施されている店舗は、通行人に認識されやすいです。また、すでに集客が多い、あるいは常連客が多い店舗も看板の効果をさらに高めることができます。

一方、2階や地下の店舗の場合、看板が設置できないことがあります。その際は、他の空間や場所に看板を設置できないか検討しましょう。適切な場所に看板を設置することで、店舗の存在を効果的に知らせることができます。

 看板を使った集客のコツ

 看板を使った集客のコツ

看板を使って集客する際、以下のコツを踏まえて取り組みましょう。

  • 短時間で認識できるようにする
  • 進行方向に対して垂直に設置する
  • ターゲット別に適切な方法を用いる
  • 店舗のコンセプトをアピールする
  • 写真やイラストを掲載する
  • 営業時間や矢印を入れる
  • ホームページやSNSへ誘導する
  • 照明を上手く活用する
  • お得感を演出する

それぞれのコツについて解説します。

短時間で認識できるようにする

看板は、通行人が短時間で内容を理解できるようにデザインすることが重要です。人間の目は常に動いており、1か所に留まるのは0.3秒程度 といわれています。

0.3秒ほどの短時間で目を引くためには、15文字程度 でわかりやすく店舗の情報を伝えることが必要です。看板には店舗名やロゴ、代表的な商品を簡潔に記載し、強い印象を与えるデザインにすることで、通行人の関心を引き、来店をうながせるでしょう。

進行方向に対して垂直に設置する

進行方向に対して垂直に設置する

遠方にいる人に対して店舗の存在を認識させるには、進行方向に対して垂直に看板を置く戦略が効果的です。通行人は通常、進行方向を見て歩くため、平行に設置されている看板は見逃される可能性があります。

垂直に設置することで、通行人の目に入りやすくなり、認識される可能性が高まるでしょう。壁や柱から突き出すように配置する袖看板も認識されやすく、とくに上階にある店舗の集客に適しています。

ターゲット別に適切な方法を用いる

事業内容によっては、通行人よりも車を運転している人に適している商品を取り扱っていることもあるでしょう。そのため、歩行者をターゲットにする事業と自動車に乗る人をターゲットにする場合で、どのような看板を使用すべきかが異なります。

歩行者がターゲットの場合

歩行者をターゲットにする場合、読みやすい文字サイズにすることが重要です。たとえば、60cm程度の近距離で見る場合は文字の大きさを4mm以上、1.5m程度の距離から見る場合は1cm程度の文字サイズが必要になるでしょう。 

本格的な看板制作に取り掛かる前に、完成イメージを作って歩行者からどのように見えるのかを確認しましょう。手間はかかりますが、準備に力を入れることで、見えづらさや印象の違いを防ぎ、より効果的な看板を設置できます。

自動車に乗る人がターゲットの場合

自動車に乗る人をターゲットにする場合、看板の種類やサイズを慎重に選ぶ必要があります。たとえば、ガソリンスタンドで使用されることが多いサインポールは、乗車中の人でもきちんと読めるように、文字の大きさを交通標識の基準に合わせることが一般的です。

具体的には、時速40kmで走行する道路の場合、看板が遠方から視認できるように20cm程度の文字サイズを使うとよいでしょう。 ただし、ドライブスルーなどの利用を促進したい場合は、さらに大きな文字サイズが必要です。

店舗のコンセプトをアピールする

看板には、店舗のコンセプトを一目で伝える工夫が必要です。店舗名だけではなく提供する商品を具体的に示し、通行人に店舗の内容をはっきりと伝えることが重要です。

たとえば「本場の中華料理」や「エスニック料理」と記載すれば、店名だけではどのような業種なのか判断できない場合であってもレストランであることが伝わります。「ふわふわのパンケーキ」や「モーニングコーヒー」と記載すれば、軽食が楽しめるカフェであることを伝えられるでしょう。

写真やイラストを掲載する

看板に写真やイラストを掲載することで、来店するとどのような体験ができるのかを想像できます。そのため、店舗に興味を持ってもらいやすくなります。

たとえば、クリニックなら院内の風景や施術の様子、ホテルなら客室の写真を載せることで、来店するとどのような体験ができるのか、サービスの内容などを把握しやすくなるでしょう。

営業時間や矢印を入れる

看板を見て来店を決めた顧客を逃さないように、看板に営業時間や矢印を入れるなど、顧客のことを第一に考えましょう。看板に店舗名と料理の写真しかないと、営業中かどうか、予算、店舗の位置、駐車場の有無などがわからず、不安に感じるでしょう。

その結果、他店舗に流れてしまうことも往々にしてあると考えられます。そのため、看板には営業時間や価格帯、アクセス方法、駐車場の有無など、基本情報はきちんと記載することが重要です。

ただし、情報を詰め込みすぎると見づらくなるため、WebサイトやSNS、チラシなどほかの媒体と連携して情報を発信することも視野に入れましょう。

ホームページやSNSへ誘導する

看板からホームページやSNSへ誘導することで、店舗への関心を高められます。代表的な手法は、QRコードを看板に掲載する方法です。

QRコードを読み取るだけで該当ページに遷移するため、通行人が店名を検索する手間を省き、簡単に情報にアクセスできるようになります。ホームページやSNSへ誘導する方法は情報発信の効率を上げるだけでなく、来店のハードルを下げる効果も期待できます。

照明を上手く活用する

照明を効果的に使うことで、看板の注目度を高めることが可能です。看板が街並みや風景に溶け込みすぎると、存在が薄れてしまい、興味を引くことが難しくなります。たとえば、緑豊かな地域に緑色の看板を設置すると、目立ちにくくなります。

そのため、景観を損ねない範囲で、インパクトのあるデザインや配色を工夫することが大切です。夜間でも視認性を確保するために、看板に照明を取り付ける手法も有効です。

看板の見やすさや読みやすさを重視し、通行人に興味を持ってもらえるようなデザインを考えてみましょう。

お得感を演出する

来店してもらうために効果的なのが、特典を用意してお得感を演出する方法です。たとえば「看板を見た」とスタッフに伝えると特定の商品を3割オフにしたり、インスタグラムのアカウントをフォローするクーポンを発行したりするなどが考えられます。

このように、看板に特典を紐づけることで、入店のきっかけを作ることが可能です。飲食店や小売店では、この方法はとくに有効です。看板を設置しているにもかかわらず、集客が増えない場合は、特典を活用することをおすすめします。

 看板を設置する際の注意点

 看板を設置する際の注意点

看板を設置する際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 法律に違反していないか
  • 必要な予算を確保しているか
  • ビルのオーナーは許可してくれるか
  • 店舗の工事は指定業者制か
  • 破損リスクや交換の必要性を理解しているか

それぞれの注意点について解説します。

法律に違反していないか

看板を設置する際には、関連する法律を確認し、違反していないかどうかを把握する必要があります。主な法律は、屋外広告物法や道路交通法、各自治体の条例などです。

たとえば、道路交通法では「何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路においてはならない」とされています。そのため、路上に看板を設置する際は申請が必要です。

また、飲食店の看板を敷地内に設置する場合でも、屋外広告物制度に従い、自治体ごとの規定を守る必要があります。屋外広告物制度は、街の景観と公衆の安全を守るために設けられた制度で、看板の面積や高さ、光、色などの詳細な規定が設けられています。

このような法律や条例の規定を守ったうえで、看板を設置するようにしましょう。

必要な予算を確保しているか

必要な予算を確保しているか

看板の制作から設置までにはコストがかかるため、必要な予算があるかどうかを事前に確認しておきましょう。かかる主な予算は、デザイン費・製作費・工事費の3つに分けられます。

看板工事の相場は、以下のとおりです。

  • スタンド看板:5,000円~
  • 袖看板:50,000円~
  • 屋上看板:500,000円~
  • 壁面看板:15,000円~
  • 建植看板(ポールサイン):200,000円~

予算をしっかりと見積もり、必要な資金を確保することで、看板の設置がスムーズに進められるでしょう。

ビルのオーナーは許可してくれるか

ビルのオーナーは許可してくれるか

看板を設置する際は、ビルのオーナーの事前に確認が必要どうか確認しましょう。

オーナーによっては、看板デザインで建物の外観を悪くしたり、建物のイメージを低下させたりする可能性があると判断する可能性があります。そのため、ビルのオーナーが建物の外観を重視している場合は、看板の設置デザインをやり直しを求めたり、指定された看板以外表示を認めていない場合もあります。

契約前にどのような看板が設置できるのか、確認を取っておくことが大切です。

 取付業者は指定業者制か

この項目もオーナーと契約前に確認を取っておきたい項目です。指定業者制が適用されている建物では、指定された業者でなければ工事ができないこともあります。看板の設置がスムーズに進まず、余計な手間や費用が発生する可能性があるため、注意が必要です。できれば契約前に概算見積もりを取っておき、開業に向けての総費用も確認しておきましょう。

破損リスクや交換の必要性を理解しているか

看板を設置する際には、破損リスクや交換の必要性を理解しておくことが重要です。台風や大雨で看板が破損することがあり、とくにスタンド看板は風で飛ばされて通行人に被害を与えるリスクもあります。

内照式の看板では、電球交換が定期的に必要で、高所作業が伴う場合は電球と器具の交換も考慮しなければなりません。照明を当てるタイプの看板は、アームの長さにも注意が必要です。また、テント看板は破れや色あせが発生しやすいため、メンテナンスが欠かせません。

看板は屋外に設置されることが多いため、雨や風に長期間さらされ、劣化することがほとんどです。最初の段階で耐久性の高い材質やインクを選ぶなど、長持ちする工夫を施すことで、メンテナンスや再塗装の手間を省けます。

飲食店を開業する場合、看板以外にも内装費用がかかります。こちらの記事では、飲食店の内装費用について解説しています。費用の内訳やコストダウンのポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。 

まとめ

まとめ

看板にはスタンド看板、袖看板、集合看板、屋上看板、壁面看板、建植看板(ポールサイン)などがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。店舗の位置や目的に応じて最適な看板を選び、視認性やデザインを工夫することで集客効果を高めることが可能です。

看板を設置する際は、自治体の法律に従い、ビルのオーナーの事前許可を得ること、指定業者制であれば指定業者とあらかじめ確認をして工事契約することが重要です。また、素材の劣化を考慮し耐久性の高い素材を使用し、破損リスクやメンテナンスも考慮し看板の仕様を決めましょう。

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この記事を書いた人

居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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