【江坂】SARU BACON(サル・ベーコン)を訪問|15年以上愛されるビアホールを分析

大阪・江坂で15年以上愛され続けるビアホール「SARU BACON(サル・ベーコン)」。

自家製ソーセージやハム、ベーコンと、丁寧に注がれる樽生ビールを楽しめる人気店であり、本町の「サル食堂」や「バルチカ03」の店舗展開につながる原点でもあります。

今回は実際に店舗を訪問し、立地や外観、店内の雰囲気、料理、ドリンク、接客までを取材。「なぜ15年もの間、多くの人に支持され続けているのか」を考察しました。

さらに、首都圏・関西エリアで数多くの居抜き物件を取り扱う「居抜きの神様」の視点から、長く愛される店舗づくりや、居抜き物件を活かした出店のヒントも紹介します。

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目次

【江坂】15年以上愛されるSARU BACON(サル・ベーコン)とは?

「SARU BACON(サル・ベーコン)」

【基本情報】

項目内容
店名SARU BACON(サル・ベーコン)
住所大阪府吹田市江坂町1-18-18 えさかパークビルディング1階
アクセス大阪メトロ御堂筋線 江坂駅1番出口 徒歩約3分
営業時間月~金 15:00~23:30(Food L.O.22:30/Drink L.O.23:00)
土・祝 13:00~22:00(Food・Drink L.O.21:30)
定休日日曜日
電話番号06-6310-3655
支払い方法カード可(VISA、Master)
電子マネー不可
QRコード決済不可
公式サイトhttps://www.saru-bacon.com/

※営業時間・定休日は変更となる場合があります。来店前に公式情報をご確認ください。

外観と立地|江坂の街角に現れる、ソーセージとビールの専門店

「SARU BACON(サル・ベーコン)」看板

「サル・ベーコン」は、大阪メトロ御堂筋線「江坂駅」から徒歩3分、江坂公園にも近い通り沿いにあります。
周辺にはオフィスビルとマンションが混在し、仕事帰りの会社員にも、近隣に暮らす人にも利用しやすい立地です。

店の前を歩いていると、まず視界に入るのは、通りに向かって突き出した丸い看板です。ビールジョッキとソーセージを手にしたサルのイラスト、その下には「ソーセージ&麦酒」の文字。店舗の正面全体は、反対側の歩道に立たなければ見渡しにくいものの、この看板が店の存在と業態を端的に知らせています。

酒が陳列されたショーケース

看板を目印に近づくと、入口脇にはワインや瓶ビールが並ぶガラスのショーケースがあります。ボトルの向きや間隔がそろえられ、種類ごとに見やすく陳列されている様子が印象的です。酒を単なる在庫として保管するのではなく、客に見せる商品として丁寧に扱う姿勢が、入店前の段階からうかがえます。

ショーケースの前にはビール樽を使ったテーブルも置かれており、思わず店先で一杯飲みたくなるような設えです。ビアホールらしさを演出する装飾であると同時に、店と通りとの境目をやわらかくする役割も果たしています。

訪問時は寒さの厳しくない季節だったこともあり、入口や窓が大きく開けられていました。閉じた扉を開けて店内をのぞく必要がなく、人の声やグラスの音、スタッフが動く様子が通り側からも分かります。初めて訪れる店では、店内が見えないことが入りづらさにつながりますが、「サル・ベーコン」では、開放された入口そのものが入店への心理的なハードルを下げていました。

突き出し看板で足を止め、整然と並んだ酒のショーケースで専門性を示し、開かれた入口から店内の活気を外へ広げる。江坂の街並みに溶け込みながらも、ソーセージとビールを楽しむ店であることを、店頭の一つひとつが明確に表していました。

店内の空気感|掛け声と音楽が生む、ビアホールらしい高揚感

店内

店内に入ると、まず耳に入るのがスタッフの力強い声です。
「〇〇入りまーす!」「お願いしまーす!」という掛け声が小気味よく響き、忙しさを慌ただしさではなく、店の活気に変えています。

カウンターを中心に客席と厨房の距離が近く、調理の音や会話、グラスの触れ合う音までが重なります。
満席に近い店内には、ビアホールらしい心地よい雑踏感があり、そのにぎわい自体が酒を進ませる要素になっていました。

頭上にはドイツの有名ビールメーカーの旗が連なり、BGMには乾杯の歌「アイン・プロージット」も流れます。
料理や酒だけでなく、スタッフの声、音楽、客席の密度まで含めて、ビアホールならではの一体感を味わえる空間でした。

料理・ビール・接客から見る「SARU BACON」5つの魅力

料理、ビール、接客の一つひとつには、「サル・ベーコン」が15年以上愛され続ける理由が詰まっています。自家製商品へのこだわりや、ビアホールらしい空間づくり、スタッフの接客まで、すべてが一貫したコンセプトのもとに設計されています。

ここでは、実際に訪れて感じた「サル・ベーコン」の魅力を、料理・ビール・接客の5つの視点から紹介します。

  1. メニュー構成
  2. ドリンク
  3. 商品・料理
  4. 肉モク盛り
  5. 接客

魅力1.メニュー構成|全部注文してみたい、店主の偏愛が詰まったメニュー

メニューの表紙

メニューを手に取ると、まず目を奪われるのが表紙のイラストです。
ホップや麦、ソーセージ、肉料理に囲まれながら、人々が音楽とビールを楽しみ、中央ではグラスを掲げて乾杯しています。

単にドイツらしい絵柄を取り入れたのではなく、現地のビアホールや祭りで味わう空気まで描き込んだような一枚です。
料理や酒だけでなく、その場に集まる人や音楽も含めて、ビール文化そのものを楽しんでほしい。そんな店の思想が、メニューを開いた瞬間から表れています。

ドリンクメニュー

ドリンクの中心は、三度注ぎで提供するハートランドです。
瓶ビールやワインもそろいますが、最初に何を飲んでほしいのかは明快で、「乾杯はまずこれで」と自然に導く構成になっています。
さらに、普段はなかなか出会えない2種類のフレッシュビールも並び、次の一杯への興味を誘います。

季節限定メニュー

季節限定メニューには、料理の説明だけでなく、ビールとの相性を示すひと言も添えられています。
何を提供するかだけでなく、どのように味わってほしいかまで書き込まれており、酒と料理への深い理解がうかがえます。

フードメニュー

料理の軸は、自家製のソーセージ、ベーコン、ハムと明快です。なかでも、店主がニュルンベルクで出会った味を再現した焼ソーセージは、この店を象徴する名物として据えられています。

カテゴリーごとに整理されているため選びやすい一方、ページを追うほど気になる料理が次々に現れます。「焼ソーセージは外せない。でも、ベーコンもハムも食べたい」。一度の訪問では到底食べきれず、そこへ季節限定メニューまで加わるため、自然と次の来店理由が生まれます。

何を売る店なのかは明確なのに、食べたいものは一つに絞れない。定番の強さと選ぶ楽しさが両立し、「また来なければ」と思わせるメニュー構成です。

魅力2.ドリンク|料理を邪魔せず、いつまでも飲み続けたくなる一杯

ハートランドビール

「サル・ベーコン」の看板ビールは、三度注ぎで提供される樽生ハートランドです。現在の一杯にたどり着くまでには、開業当初から提供してきたレーベンブロイとの別れや、新たな看板ビールを探し続けた試行錯誤がありました。そうした歩みは公式サイトで詳しく紹介されており、ビールに対する店のこだわりや考え方を知ることができます。訪れる前に読んでおくと、より一層「サル・ベーコン」のビールを楽しめるでしょう。

実際に飲んでみると、印象に残るのはそのクリアさです。強い個性を前面に出すというより、口当たりが軽やかで、料理の味を邪魔しません。
ソーセージやハムをひと口食べ、ビールを飲み、また次の料理へ箸が伸びる。食事の流れを止めず、むしろ次のひと口を呼び込むような一杯です。

「サル・ベーコン」のハートランドはグビグビと飲めるのに、決して軽く扱われてはいません。サーバーやグラスの洗浄、温度やガス圧の管理、三度注ぎまで、一杯を仕上げるための手間が積み重ねられています。

かつて看板だったレーベンブロイも、クセが少なく、料理を引き立て、飲み続けられるビールだったといいます。現在のハートランドにも、その考え方がしっかりと受け継がれているように感じました。

派手に驚かせるというより、料理とともに何杯でも飲み続けたくなるビールです。看板の焼ソーセージと合わせることで、この店がハートランドを選んだ理由にも納得できました。

魅力3.商品・料理|食べてわかる、価格以上の満足感

ビールと焼きソーセージ

「サル・ベーコン」を訪れたら、まず味わいたいのが名物の焼ソーセージです。

その原点は、店主が2010年にドイツを旅した際、ニュルンベルクの老舗専門店で出会った「ニュルンベルガー」にあります。

皮がパリッと弾けるタイプとは異なり、細く小ぶりで、粗挽き肉の素朴な食感が特徴。ひと口目のインパクトで魅せるというよりも、気づけば何本も手が伸び、自然とビールが進む。そんな現地での体験が「サル・ベーコン」開業の原点になったといいます。

焼ソーセージは5本で450円(税抜)、写真の8本でも680円(税抜)。小ぶりとはいえ、名物料理としては注文しやすく、最初の一皿に選びやすい価格です。

一方で、実際に料理が届いて驚くのは、一皿ごとの量です。ポテトサラダは、たっぷりと盛られたポテトに半熟卵が添えられ、480円(税抜)。決して価格の安さだけを売りにする居酒屋ではありませんが、料理にはしっかりとした量があり、支払う金額以上の満足感があります。

メニューを見ている間は、「あれもこれも食べたい」と注文が広がります。しかし、実際に食べ始めると、一品ごとのボリュームでしっかり満たされるため、すべてを一度に食べ切るのは難しい。結果として、「次はあれを食べよう」と再訪の理由が残ります。

品数の多さだけで客を迷わせるのではなく、選びやすい価格で注文を促し、提供時には量と質で満足させる。食べる前と食べた後の両方で、次回来店につながる商品設計になっていました。

魅力4.肉モク盛り|江坂の工房で生まれる、自家製ハムと燻製

肉モク盛り

「肉モク盛り」は、「サル・ベーコン」の自家製ハムや燻製を一度に楽しめる人気の盛り合わせです。

ビアシンケンやショルダーハム、トマシンケン、豚バラの燻製、コンビーフなど、江坂の工房で一から手づくりされた品々が並びます。
さらに、燻製玉子や燻製枝豆も添えられており、一皿でさまざまな味や香り、食感を食べ比べられるのが魅力です。

看板の焼ソーセージだけでなく、種類の異なるハムやベーコン、コンビーフまで自分たちで仕込んでいることに、「サル・ベーコン」のものづくりの幅が表れています。それぞれの香りや食感、仕上げ方の違いを、一皿の中で楽しめました。

提供時には、スタッフが一品ずつ内容を紹介し、「切りたて、炙りたてなので、早めにお召し上がりください」とひと言添えてくれました。
料理を運んで終わるのではなく、それぞれの特徴と、今食べてほしい理由まで案内する。
手間をかけてつくられた一品一品を、最もよい状態で味わってもらおうとする姿勢が、接客にも表れているように感じました。

自家製であることをメニューに記すだけでなく、工房でつくり、店で仕上げ、スタッフの言葉を添えて客席へ届ける。
その一連の流れによって、ハムやベーコンは単なる盛り合わせではなく、店を象徴する「作品」として印象に残ります。

魅力5.接客|杯数を伸ばすだけではない、サジェストのさじ加減

乾杯

グラスのビールが少なくなると、すかさず「おかわり、いかがですか?」と声がかかります。新しい一杯が届けば、また乾杯。
あのオクトーバーフェストのように、飲んではグラスを合わせる心地よいヘビーローテーションが、「サル・ベーコン」の夜を盛り上げていました。

近年は飲酒量の減少や、客のペースを尊重する接客が重視されるなか、ここまで積極的に次の一杯を勧める店は、むしろ珍しく感じられます。一方で、立ち飲みやキャッシュオン業態では、グラスを下げる、注文の間をつくらないなどの方法で、追加注文を促すケースもあります。サジェストは、客単価や杯数を高めるための明確な販売手法です。

「サル・ベーコン」も、ビールをしっかり飲んでもらう姿勢を隠しません。
平日17時以降は子どもの入店を断るというルールからも、夜の時間帯を、大人が酒と料理を楽しむ場として位置づけていることがうかがえます。

ただし、同店の声かけは、単に飲ませようとする圧力にはなっていません。店内では、多くのお客様が料理とともにビールを楽しんでいました。勧める側と飲む側の温度が合っているからこそ、おかわりのひと言が店のテンポを整え、乾杯を重ねる心地よさにつながっているように思います。

サジェストには、売上をつくる役割と、「あなたのことを見ています」という気配りの両面があります。積極的すぎれば押し売りになり、控えめすぎれば注文の機会を逃す。その店のコンセプト、客層、スタッフの人柄がかみ合ったとき、追加注文のひと言は営業トークではなく、客を店のリズムへ自然に引き込む接客になります。

「サル・ベーコン」では、ビールを勧めることも、ビアホールらしい一体感をつくる接客の一部なのでしょう。その潔さと、客との距離感が、積極的なサジェストを心地よいものにしていました。

「居抜きの神様」視点で見る「サル・ベーコン」が支持される理由

「サル・ベーコン」が15年以上にわたって多くのお客様に支持されている理由は、おいしい料理やビールだけではありません。

取材を通して感じたのは、店主がドイツで得た原体験を、商品・空間・接客まで一貫したコンセプトに落とし込んでいることです。

例えば、

  • 江坂の工房で一から仕込む自家製ソーセージやハム
  • 料理との相性を追求したビール選びと丁寧な三度注ぎ
  • ドイツの旗や音楽が彩るビアホールらしい空間
  • 活気を生み出すスタッフの掛け声
  • お客様の様子を見ながら自然に行うサジェスト

これらはすべて、「ソーセージとビールを囲み、楽しい時間を過ごしてほしい」という一つのコンセプトにつながっています。

料理や技術だけをアピールするのではなく、お客様が心地よく過ごせる体験そのものを設計していることが、長く愛される理由なのでしょう。

また、ソーセージやハムは江坂の工房で一から製造し、ビールも銘柄選びから管理、注ぎ方まで徹底して品質を追求。さらに、空間づくりや接客にも同じ思想が貫かれており、店全体でブランドの世界観を表現しています。

飲食店づくりでは、商品だけが魅力では長く支持される店舗にはなりません。
コンセプトを商品・空間・接客まで一貫して表現することが、お客様に選ばれ続ける店舗づくりにつながります。「サル・ベーコン」は、その好例といえるでしょう。

これから居酒屋やビアホールなどの開業を検討している方は、以下の記事もあわせてご覧ください。居酒屋・飲食店の開業手順や、成功する店舗づくりのポイントを詳しく解説しています。

▶ 出店を検討している方へ|居抜き物件という選択肢

飲食店を開業する際は、スケルトン物件だけでなく、居抜き物件を選択肢に入れることで、初期費用や工事期間を抑えられる可能性があります。

特に、ビアホールや居酒屋のように厨房設備や給排水設備を活用しやすい業態では、既存設備を活かせる居抜き物件との相性は良好です。その分、看板や外観、メニュー開発、接客など、店舗の個性づくりに予算や時間を充てやすくなります。

「サル・ベーコン」のように、業態コンセプトを明確に打ち出し、専門性やブランドづくりに力を注ぐ店舗は、居抜き物件のメリットを活かしやすい好例といえるでしょう。

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総評|江坂で、ドイツのビアホールを心から楽しめる一軒

「サル・ベーコン」は、自家製のソーセージやハムと、丁寧に注がれたビールを、にぎやかな空間で存分に楽しめるビアホールです。

グラスのビールが少なくなれば、すかさず次の一杯を勧められ、新しいビールが届けば、また乾杯。
料理を食べ、ビールを飲み、音楽やスタッフの掛け声に包まれているうちに、気づけばすっかり酔いが回っていました。
それでも、飲まされたという感覚ではなく、「今日はビールを堪能した」と思える心地よさが残ります。

江坂は、オフィスで働く人と近隣に暮らす人が行き交う街です。そこに「ソーセージ&麦酒」という明快な業態を掲げ、15年にわたって営業を続けています。
訪問時も、仕事帰りと思われる客や仲間同士で料理を囲む客で店内はにぎわっていました。


専門性がありながら、堅苦しさがない。

ドイツの旗や音楽、焼ソーセージ、フレッシュビール、スタッフの声、何度も繰り返される乾杯。
それらは「ドイツらしさ」を見せるための装飾にとどまらず、来た人がその場の空気に入り込むための要素になっていました。

好きなものを純粋に楽しむような無邪気さと、それを店として高い水準まで形にする専門性。
その両方があるからこそ、初めて訪れても自然と店のリズムに加わり、また来たいと思えるのでしょう。

江坂でソーセージとビールを囲み、何度も乾杯しながら、本場ドイツのビアホールのような時間を味わいたい日に訪れたい一軒です。

▶ 店舗情報・メニューを詳しく見たい方はこちら
https://tabelog.com/osaka/A2706/A270602/27057905/

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この記事を書いた人

【城戸 香奈子】

約20年にわたり飲食業界に携わる。外食チェーン本部で商品開発・広報・MD・店舗改善業務などを経験。全国約400店舗・2万回以上の店舗訪問を通じて、売上改善やオペレーション構築に関わる。現在は大阪を拠点に、飲食店の開業・運営・数字の見える化など、実務に根ざした支援を行う。

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