居抜き工事とは?スケルトン工事との違いや内装費用を抑えるコツ

2023.12.15

居抜き工事は、店舗に居ながら工事するのではなく、以前の店舗の設備や内装を活かした工事のことを指します。どのような設備が残されているかにもよりますが、新たにお店をつくるより改装費用を抑える効果が期待できることが特徴です。

この記事では、居抜き工事にスポットを当ててスケルトン工事との違いや内装コストダウンのコツも紹介するのでぜひチェックしてみてください。

目次

居抜き工事とは 

居抜き工事とは前の店舗で使用していた設備や内装が残っている物件に対し、行う工事のことを指します。居抜き物件は新店舗に条件が合えば設備をそのまま使えることや、内装費用も抑えることができる点が魅力です。はじめにスケルトン工事との違いや居抜き工事の主な流れについて見ていきましょう。

スケルトン工事との違い

スケルトンとは前の店舗で使用していた内装や設備などをすべて撤去した状態を指し、物件のなかにはなにもないことが特徴です。

スケルトン物件への工事をスケルトン工事といいます。店舗の場合は、契約時に退去する際にスケルトンに原状回復するといった内容が含まれていれば、内装や設備の解体の義務が生じ、費用も借り主が負担します。そのため、自由度の高い内装やレイアウトを実現したい場合に適していることが特徴です。

一方、居抜き工事は前の店舗の設備や内装が残っているため、それを活かせれば工事費用を軽減できますが、事業や条件に合わない場合や設備が古くて使えない場合は、新調しなければなりません。また、既存の内装が事業に合わないことも有りうるので、店舗の内装や設備にこだわりたい場合は、スケルトン物件の方が向いているでしょう。

工事の流れ

居抜き工事を進める際は、オープンから逆算しておおむね3~4ヵ月程度前から工事をするのがおすすめです。はじめに複数の施工会社と相談して見積もりを出してもらい、過去の実績や費用などを比較しながら理想を叶えてくれる会社と契約します。解体はもちろんクロスの張替えなど細かい部分まで配慮あるところがよいでしょう。

契約後はプランを設計して納得できる状態で着工します。工期は物件により異なるものの、小規模な工事なら1ヵ月もかからずに終わることもあるでしょう。工事が終わると物件を確認して引き渡しが行われ、居抜き工事そのものは完了となります。

居抜き工事の勘定項目 

居抜き工事では、物件の広さにもよりますがどのくらいの費用がかかるのでしょうか。主な工事の勘定科目をもとに、スケルトン工事の費用を比較しながら見ていきます。

外装工事

居抜き工事では、店舗の外観を左右する外装工事があります。以前の店舗の仕様をがらりと変えることや一部を活かして塗装することもできます。主な施工場所として外壁や屋根・エントランス・看板・照明・そのほかの装飾などが挙げられます。

居抜き工事では既存の一部を活かして工事すれば、スケルトン工事よりも費用を安く済ませることができます。ただ、既存の外装をがらりと変えてしまうとなると、スケルトン工事と大差ないコストになることもあるので注意が必要です。

内装工事

居抜き物件でも既存の内装と設備の状態によっては内装工事が必要です。たとえば、天井や壁・床・建具などは経年劣化している可能性もありますし、汚れや傷が目立つことも想定の範囲内です。そうなれば既存の内装を撤去して、クロスの張替えや床材のリフォームなどが必要となるため相応の費用が発生します。

一方、スケルトン工事の場合は、何もない状態なので、すべての工事に費用が発生します。天井や壁などはもちろん、建具は新しくつくって設置することもあるでしょう。どちらの場合も相応の費用がかかりますが、やはりすべてゼロからつくりあげるスケルトン物件の方がトータルコストは高くなる傾向があります。

機器や設備の工事

居抜き物件を引き継いだときの状態により、設備や機器への工事も発生します。新調まではしなかったとしても各所のメンテナンスやクリーニングはマスト、細かい部品の交換や追加などは検討しなければなりません。

たとえば、エアコンクリーニングやトイレなど水回りの清掃をはじめ、照明機器などはお店のコンセプトにマッチするものに交換するといったことが考えられます。飲食店なら既存の設備では足りない厨房設備の増設、サロンなどであれば接客用のカウンターや商品を陳列する棚なども足す場合があるでしょう。

ただ、すべてを新調するわけではないとすれば、スケルトン工事よりもトータルコストを軽減することにつながります。一方、スケルトン工事はすべてを新調する可能性が高いので、設備や機器は新品を設置できることがメリットです。しかし、費用面においては居抜き工事より高くなる傾向があるでしょう。

居抜き工事の費用目安 

居抜き工事でかかる費用はスケルトン工事よりも安く抑えられる傾向があるものの、より一層軽減するためにはどのような工夫をしたらよいでしょうか。物件により具体的な金額は変動しますが、ここでは費用を抑えるコツを紹介していきます。

費用を抑えるためには

スケルトン工事よりも費用が安く済む傾向があるとしても、できる限りコストを抑えたいというケースもあることでしょう。実際の居抜き工事で実践してほしい費用を安く抑えるためのコツを解説していきます。できるところだけでもよいので、実践してみてください。

使える内装部分は活かす

はじめに、居抜き物件で残されている設備や内装のうち、使えるところはすべて活かすことが挙げられます。ただ、この場合は、前の店舗が同じ業種の場合に活用できることが多く、全店舗がラーメン店で今回はネイルサロンなどのように全く異なる場合は、難しい場合もあるので、その点は活かせる範囲で行うのがベターでしょう。

無理のない範囲でDIYを行う

施工会社にすべての工事を依頼せず、できる範囲のことなら自分でDIYをするのも費用を安く済ませるポイントです。たとえば、商品を陳列する棚をつくりたい、トイレに荷物を置く棚をつくりたいなど、ちょっとしたことならDIYで済ませてしまいましょう。これらの作業を施工会社に依頼するより少しでもコストダウンに貢献します。

機器や設備を低コストで入手する

既存の設備を活用できずあらたに設備や機器を導入する際は、できるかぎり低コストで入手することもポイントです。近年では業務用の冷蔵庫なども中古で販売されているので、すぐに新品やリースに走らず、一度よく探してみてください。中古の業務用設備が見つかったときは状態をよく確認し、値段も交渉してみることをおすすめします。

相見積もりを取る

施工会社を選ぶ際は、必ず複数の会社に依頼して相見積もりを取りましょう。相見積もりとは複数の会社から見積もりを取り、比較検討して依頼する会社を決めることをいいます。とくに店舗の場合は、工事の内容が変わると業者も異なるため工事内容を決めることも大切です。

飲食系で築2~3年の居抜き物件ならそのまま活用しやすく、看板工事業者に依頼するのみでよいですが、一般的には表具などを変えたい意向も少なくないため、相見積もりは表具と看板で取ってみるとよいでしょう。

また、工事単価は工事のグレードにもよりますが坪単価20~100万円は見ておきたいものです。たとえば、表具は900mm幅で何m必要かを事前に採寸しておけば、おおよその金額を把握できますし、水回りや空調に難がある場合は別途予算を確保しておくことも必要です。

スケルトン工事の場合、給排水工事(床防水・グリストラップ工事)~120万円、ガス工事30~40万、空調工事80~120万円/20坪前後、外装(路面店の場合)50~500万円といったように、機材を含めると1,000万円以上はかかります。

居抜き物件は造作譲渡代が加算された物件も少なくありませんが、費用の高騰とリスク低減を考えるなら居抜き物件のほうが断然有利です。しっかりと相見積もりを取り、適切な施工会社と契約することが低コストにする秘訣といえるでしょう。

居抜き工事とスケルトン工事の違いや内装費用を抑えるコツを解説しましたが、内装工事の耐用年数や減価償却についての理解も重要です。こちらでは内装工事の耐用年数と減価償却について、勘定項目別の耐用年数や計算方法と一緒に解説します。 

まとめ

居抜き工事は前の店舗の内装や設備が残っているため、コンセプトが合えばそれを活用して初期費用を軽減することができます。ただ、飲食店の場合は、水回りや空調などにはメンテナンスやクリーニングが必要になることも多々ありますが、それでも新調するよりはコストを抑えることができます。

スケルトン工事は規模や立地にもよりますが、おおむね1,000万円以上の初期費用がかかることを考えると、初めて飲食店の経営にチャレンジするなら居抜き物件が圧倒的に有利だといえます。

関東一円、大阪の一部のエリアで居抜き物件をお探しなら、居抜きの神様にご相談ください。一般的な物件サイトには掲載されていない独自の未公開物件を多数保有しているほか、居抜き工事の相談にも対応しています。また、はじめての飲食店経営にチャレンジする際のお手伝いもいたします。

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居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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