飲食店開業に必要な届出とは?主要な届出と手続きの流れを解説

2023.12.15

飲食店を開業するときは、営業許可をはじめとする届出が必要となり、店舗の規模や業態別の許可、従業員を雇う場合は、保険への加入なども手続きが必要です。これらの届出は提出先が異なるため、開業する店舗に必要な書類を事前に準備しておくことが重要です。

そこで今回は飲食店を開業する際に必要となる届出についてまとめてみました。手続きの流れや申請するときの注意点なども調べているので、これから飲食店を開業する方や検討中の方はぜひチェックしてみてください。

目次

飲食店開業時の届出一覧 

はじめに、お店を出すときに必要な届出にはどんなものがあるのか見ていきます。提出が必須の基本的なものと、形態により提出が求められるものにわけて紹介します。

提出が必須のもの

はじめに開業する際に必ず提出する届出から紹介します。1つ目は一般に開業届などと呼ばれる個人事業の開業・廃業等届出書が挙げられます。この通称、開業届は個人が事業をはじめるとき税務署に提出することが義務付けられており、開業してから1ヵ月以内に提出しなければなりません。

2つ目は飲食店営業許可が挙げられます。これは保健所に対して申請するもので、保健所が実施する検査をクリアすることで許可を得られるものです。この許可がなければ飲食店として開業することはできないので、ある意味最重要項目ともいえるでしょう。申請期限は開業の1ヵ月前となっています。

3つ目は、防火対象物使用開始届です。これは消防署が管轄するエリアの飲食店の消防設備について把握することが目的となっています。お店で使用する消防設備には消防法で一定の基準が設けられているため、それに準じた設備を準備しなければなりません。なお、提出期限は開業の7日前までとなっています。

形態によって提出が必要になるもの

形態により提出する書類には、規模や設備によるもの、従業員を雇う際に必要となるものがあります。規模や設備で必要となるのは主に消防署への提出書類で、防火対象物工事等計画届出書、火を使用する設備等の設置届、防火管理者選任届などがあります。

なお、従業員を雇う際に必要となるのは、労働基準監督署に提出する労災保険加入手続き、公共職業安定所に提出する雇用保険の加入手続きが挙げられます。

個人事業の開業・廃業等届出書 

個人事業の開業・廃業等届出書は、国税庁のホームページからダウンロードするか、最寄りの税務署で配布しています。ここでは提出にあたり注意点や手続きの流れを紹介していきます。

提出すべき理由

個人事業の開業・廃業等届出書を提出すると、個人事業主として屋号での金融機関口座を作れることや個人事業主向けの支援を受けることができます。

また、提出時に青色申告の届出も出しておくことで、最大65万円の特別控除が受けられるほか、専従者への給与を経費にすることができる、赤字決算の場合でも最長3年繰り越すことができる、30万円未満の資産を一括償却できるなど、多くのメリットがあります。

申請時の注意点

個人事業の開業・廃業等届出書の提出は開業から1ヵ月以内が期限となっています。期限を過ぎてしまってもとくに罰則はありませんが、できるだけ期限内に手続きするようにしましょう。また、確定申告で控除をより多く受けられるよう、青色申告についても申請することをおすすめします。

手続きの流れ

個人事業の開業・廃業等届出書を入手したら、開業か廃業を選択する欄で「開業」に丸印をつけます。次に所轄の税務署を記入し書類の提出日・自宅または事務所の住所・代表者のマイナンバー・屋号・開業日を記入します。このとき、所轄の税務署は現住所のほかにも店舗の住所からも選択できるので、自身で選択するようにしましょう。

なお、青色申告承認申請書も一緒に提出する場合は、有りに丸印をつけて消費税に関する項目は一般的には無しに丸印をつけます。ここまで記入できたら具体的な事業内容を記入し、専従者がいる場合は、それも記入しておきましょう。この時点で会計士や税理士がいる方はその方の署名も必要です。すべての記入が終わったら所轄の税務署に提出すればOKです。

飲食店営業許可 

飲食店営業許可は、飲食店を営むうえで必要な許可であり申請先は保健所になります。店舗が複数ある場合は、一つひとつの店舗ごとに申請しなければなりません。

また、この許可は場所や設備に対する許可であり、経営途中で経営者が代わったとしても届出を出せば許可そのものを引き続くことができます。

ただ、この許可だけでは実質飲食店を営業することは難しく、食べ物を扱う上では食品衛生責任者の資格も必要です。次は、食品衛生責任者について解説していきます。

申請には食品衛生責任者の資格が必須

飲食店ではお店側での衛生管理が必要であり、常に食品や飲料、そのほかの衛生管理が行き届いていることが求められます。なお、店舗には食品衛生責任者を置くことが義務付けられているため、個人であったとしても飲食店を開業するなら必ず必要な資格となります。

食品衛生責任者の資格を保有するには、栄養士・調理師・製菓衛生師・食品衛生管理者などの資格を保有しているか、養成講習会を受講するか、そのほか行政が認める講習会を受講することが必須です。栄養士などの資格がない場合でも、そのほかの方法を実践することで資格を取得できます。

なお、店舗がある都道府県以外での受講でもOKなので、そのときの都合に合わせた受講が可能です。

手続きの流れ

飲食店営業許可の申請を行う際は、はじめに所轄の保健所に相談して申請を行います。その後、保健所による店舗の立入検査が行われ、基準をクリアすると飲食店営業許可証の発行を受けます。

防火対象物使用開始届 

飲食店を営むうえでは、調理に関する飲食店営業許可のほかに火気に関する防火対象物使用開始届が必要です。飲食店営業許可と防火対象物使用開始届の両方を申請することで、火を使った料理を提供できるようになる、と考えていてよいでしょう。ここでは、防火対象物使用開始届がどのようなものなのか解説していきます。

防火対象物とは

防火対象物使用開始届は、消防署が管轄の設備について把握するためのもので、火気を扱う場合は営業をはじめる7日前までに消防署への提出が必要なものです。

また、お店を出すにあたり内装の修繕をする際にもこれらの工事に着手する7日前までに「防火対象物の工事等計画の届出」が必要になります。

大きく分けると、現状の店舗のまま飲食店を営む場合は、防火対象物使用開始届、工事をともなう場合は、防火対象物使用開始届と防火対象物の工事等計画の届出が必要になるということです。火気を扱う場合は、必須の届出となるだけに、事前かつ計画的に届け出るようにしましょう。

手続きの流れ

防火対象物使用開始届を提出する際は、所轄の消防署の公式ホームページで用意しているものを使用します。届出日や届出先の消防署名、届出者の個人情報、店舗については建物欄・事業所については事業所欄に所定の内容を記載します。店舗の工事が必要な場合は、工事等の各項目に必要事項を記載しましょう。

このほかに添付資料が必要となる場合は、それらも準備してください。代表的なものでは防火対象物概要表・案内図・平面図・詳細図・立面図・断面図・展開図・室内仕上表および建具表などが挙げられます。

また、必要に応じて防火管理者選任届出書・消防用設備設置届出書・消防計画の届出などの提出を求められることがあるので、こちらも準備しておくことをおすすめします。

飲食店の開業には届出だけでなく、全体の開業スケジュールの把握も必要です。こちらでは、飲食店の開業スケジュールについて、オープンまでにやることリストを解説しますので合わせてご覧ください。 

まとめ

今回は飲食店を開業するにあたり必要となる届出について紹介しました。単純に個人事業主として開業届けを出すだけでなく飲食店営業許可や食品衛生責任者、防火対象物使用開始届など複数の届出が必要となるため、事前の準備はなかなか忙しいものとなるでしょう。

しかし、飲食店を営むという夢や目標を実現するためにはマストなものです。少々複雑な届出であったとしてもしっかり準備して取り組むことをおすすめします。また、店舗がまだ決まっていない場合や、これから物件を探す方は独自の非公開物件を扱う居抜きの神様にご相談ください。

ほかのサイトでは公開されていない店舗を数多く保有しているほか、開業に関する手続きなどもお手伝いいたします。東京都を中心に関東一円、大阪の一部のエリアに展開しているので、飲食店の店舗選びのことならお任せください。

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居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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