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居抜きを活用してスピード開業!三軒茶屋の「お魚ダイニング ZUMA」の戦略とは!?

「お魚ダイニング ZUMA」山川和也氏

©2024 FOOD STADIUM.

引用:FOOD STADIUM「三軒茶屋に「お魚ダイニング ZUYA」が開業。「魚まみれ眞吉」やベイシックスを経て、魚に精通するオーナー自慢の刺盛や創作料理、レアな洋酒も揃える大人の隠れ家!」

1月28日、三軒茶屋の国道246号線沿いに「お魚ダイニングZUYA(ズヤ)」がオープンした。刺身と魚が主役の創作メニュー、料理とマリアージュする美酒を揃える大人の秘密基地のような店だ。オーナーの山川和也氏は、元美容師。今回の独立までには、刺身をウリにする居酒屋「魚まみれ眞吉」(フィッシュウェル)や、人間力を武器に売り上げを作りだす独特の飲食店経営で知られるベイシックスグループの店舗で腕を磨いてきた。

目次

美容師から料理人へ転身!?異例なキャリアをもつオーナー山川氏とは

学生時代独立心が強くて人好き。居酒屋でアルバイト
社会人スタート~2年半専門的なスキルを持って自分が”大将”になれる職種を探すなか、美容師へ
競争の激しい都心のヘアサロンで過ごすも挫折
10年間以上学生時代のアルバイト先の居酒屋へ戻る
同じ接客業でも、美容より飲食のほうが自分の力を発揮できるとの考えに至る
有名海鮮居酒屋「魚眞」出身オーナーが運営する「魚まみれ眞吉」や、居酒屋やバルを展開するベイシックスなどで経験を積む

数々の経験から得た学びと磨き上げたスキル

オーナーの山川和也氏。店名の「ZUYA」は、名前から「KA」を抜いたもの。

‟未完成であるが、これから成長していく”意志を表現

「刺身を頼まなきゃ眞吉に来た意味がない」と言われる人気居酒屋で、魚を見る目や扱い方、調理のスキル、業者とのコミュニケーションまで徹底的に学ぶ。

いつかこの経験が、生きるときが必ず来る

と山川氏は心のなかで確信しながら日々奮闘。さらに、繁盛店で知られるベイシックスでの経験は、飲食業で生き抜くための心構えとスキルを強固なものにした。ベイシックスは、マニュアルを一切使用せず、自由な発想でビジネスを展開することで知られている。

月500万の売上を通常で800万以上の売上の店にした。どんなに忙しくても、笑顔を絶やさず、お客様へのサービス精神を忘れないことを徹底的に叩き込んでもらった。接客を通して“お客様を楽しませたい”という熱い思いは美容師時代から一貫して変わらなかったが、忙しいことをどこまで楽しめるかという境地に至るまでには、たくさんの学びとトレーニングが必要だった

と山川氏は当時を振り返る。

飲食店激戦区の三軒茶屋を選んだ理由

三軒茶屋は世田谷区の中央に位置し、住みたい町ランキングでも上位に名を連ねる人気のエリア。駅にはランドマーク的存在のキャットタワーが直結する一方、江戸時代から続くY字交差点には商店街や居酒屋などが集結している。三軒茶屋駅周辺は飲食店激戦区で居酒屋やバー、イタリアンやカフェの他、もつ料理や焼きとんなど、ありとあらゆるジャンルの店がひしめき合うイメージだが、良質な魚を常に提供する店が意外と少ないと山川氏は考えた。

魚を毎日食べたい人もいるはずなんですよね。三茶(三軒茶屋)で魚を食べるならZUYA!といわれるような店にしたい

という同氏だが、コロナ禍には、多くの飲食店が撤退を余儀なくされ、自身も一時期は飲食業を続けることができないかもしれない危機を経験した。同業の先輩や友人達から「自分が飲食をやっていきたい、店を持ちたいという思いを、常に口に出していけ。そうすることで、おのずと情報が入ってくるし、助けてくれる人が必ず現れる」と励ましをもらい、ようやくコロナがあけた頃に物件に出会って、夢だった自身がオーナーの店を持つに至る。

通りから少し奥まった位置に入口があるが、三軒茶屋駅から徒歩5分とアクセスがいい。

席料やチャージ料金は設定していない

居抜き物件だからこそできたスピード開業

山川氏が出会った物件は元和食店の居抜き。居抜き物件の場合、前テナントの内装や設備をそのまま利用でき、最低限の設備購入費や工事費で済むため、初期投資を大幅に抑えられる。大がかりな内装工事の必要がないことから、契約からオープンまでの時間を短縮できるのも大きなメリットだ。

2024年の元旦に物件をおさえ、ほとんどそのままの空間や設備を利用し、同月26日に早々プレオープンした。山川氏の住まいは三茶で、知人や友人も多いエリアであることも、スピードオープンにつながった。質にこだわる魚の仕入れは、修業時代からつながりのある仲卸人や専門の仲買人とスムーズに契約。厨房は2畳ほどのスペースしかなく、最低限の冷蔵設備を活用するため、週の半分は一人ですべての仕込みを行い、メニュー数も40種ほどに厳選した。

木のぬくもりに溢れた、洋食店風の内観。

家でくつろぐようなイメージ、明るくリラックスできる空間に仕上げた

原価度外視で質にこだわる刺盛や魚料理で勝負

店内はカウンター10席と4人がけテーブル2卓。1人でも、グループでも、家呑み気分でラフにくつろげる雰囲気にした。

主力メニューは「三茶で一番」と自負する刺盛。魚は仕入れた日に、鮮度、大きさ、水分、温度などを確認しながら、どの部位をなんの料理に使うかを考える。そのスキルは、言葉で言い表すには難しく、経験と感覚、感性が頼りだ。さらに、山川氏は、魚の寝かせや熟成の研究にも熱心で、独自の新しい味を生みだす。

今日はカンパチ20キロ、アオリイカ3キロを仕込んだほかに、2週間前に仕入れたマグロが、まだおいしく提供できることを発見できました

と、顔をほころばせる。

看板メニューの刺盛。極上の魚は、豊洲の仲買人から直接仕入れる。

盛付もSNS映えを意識している

味だけでなく、盛付やSNS効果を狙ったビジュアルも意識している。旨みをとじ込めた看板メニューの 「カニクリームコロッケ」や、真っ黒になるほど時間をかけて煮込む「ブリ大根」、通常は冷めたままで提供されることが多い「自家製さつまあげ」はZUYAのこだわりが詰まった一品だ。

一度揚げて二度目は揚げません。ふっくらしたボール型で仕込んで、食べやすくスライスして出します。これが香ばしく美味しいんですよ

山川氏の手がけるさつまあげは他では味わえないもののようだ。一期一会、その時だけのサービスを、山川氏自身が楽しみながら提供するスタイルは、他店との差別化にも繋がっている。

山川氏が以前従事していた店の人気商品を素にした「カニクリームコロッケ」。

濃厚でカニの身がふんだんに詰まった、看板メニューのひとつ

ドリンクは生ビール、甘口や辛口までお客のお好みに合わせてバランス良く取り揃えた本日の日本酒、海鮮と合うウイスキーやジンのハイボール、人気のレモンサワーまでひと通りスタンバイ。

メニューにはない、アッパークラスの客を意識したテキーラなどの特別な酒はロックで提供。熟成したマグロとの相性は抜群、赤酢を使うにぎり寿司 「おまかせ寿司4カン握り」にもピッタリだという。

誰かに教わったわけでもなく、自分の舌や感性を頼りに、お客との会話やニーズに答えながら、こうしたスペシャルな提案ができるのがオーナー店の醍醐味だろう。

お魚ダイニング ZUMA メニュー例

・刺盛(3点盛り780円、5点盛り1380円)

・おまかせ寿司4カン握り(1280円)

・カニクリームコロッケ(2個780円)

・ブリ大根(2人前980円)

・自家製さつまあげ(680円)

・生ビール(小480円~大1180円)

・本日の日本酒(グラス980円、片口1580円)

・ハイボール(580円~)

・レモンサワー(中580円、大980円)

・テキーラ(一杯3000円)

その他のメニューが気になる方はこちら

お魚ダイニング ZUYA|食べログ

オープン3か月目で月300万の売上達成!好調な走り出しを見せる

オープン1月の4日間と2月で400万、3月は300万ペース。「ご紹介も沢山いただき、周りの方々へ感謝です。初心の気持ちと謙虚さをしっかりと持ち続け、頑張っていきたい」と山川氏。プロモーションは、一般客にまず店の存在を知ってもらうためにグルメサイトに「ZUYAの定番コース」(5000円)のみを展開。

コース内容

先付 お椀物
前菜 3点盛り
サラダ マカロニサラダorポテトサラダ
看板メニュー 特選刺盛5点
揚げ物 自家製カニクリームコロッケ
本日の焼き物or煮物
ご飯物 本日の釜飯、味噌汁

特選刺盛や自家製カニクリームコロッケといった店のオススメアイテムを網羅し、プラス2000円で、一部の高価な酒を除いたほとんどの銘柄を自由に呑めるという破格の設定にした。

月商450万が目標、三茶で一番の「刺身のうまい店」に

日本料理店の平均原価率は36.9%程度といわれる中、魚を使うメニューの平均原価率は35%~38%のラインを保つが、時期によっては、刺身の原価が70%にもなることも。その場合には、原価率の低い野菜と組み合わせて採算に帳尻をあわせる。

「刺身のうまい店」を自負し、原価がかかっても旨いものを出すというオーナーのポリシーが伝わってか、ZUMAの評判は上々。店の周辺に住む年配の夫婦やミドル世代のカップル、三宿や駒沢エリアから訪れる食通なお客を中心に、滞在時間の長い常連客をすでに確保している。

開業したばかりで成功への答えがわからない中、とにかくお客への心からのもてなしと上質な食材をつかった料理にフォーカス。店と客の双方が本当に満足できた時に、次の店舗展開が見えてくるだろう。帰るお客を必ず出口まで誘導し、深く頭を下げて丁寧に見送るというが、我々取材陣を送りだす際も、そのホスピタリティーは徹底していた。

(取材=大関まなみ)

FOOD STADIUM

店名お魚ダイニング ZUYA
住所東京都世田谷区太子堂1-12-29 ダイアパレス三軒茶屋102
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アクセス東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩5分
電話080-3588-1434
営業時間平日17:30 ~ 24:00(フードLO23:00、ドリンクLO23:30)、日・祝日17:00~23:00 (フードLO22:00、ドリンクLO22:30)
定休日水曜
坪数客数10坪18席(カウンター10席、4名テーブル2卓)
客単価5000~6000円
オープン日2024年1月28日
関連リンクお魚ダイニング ZUYA(Instagram)

※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

居抜きの神様では、前業態の内装や設備をそのまま活用できる居抜き物件を多数取り扱っています。開業コストや開業準備の手間を減らせるといったメリットの多い物件のため、新規開業やブランド拡大をご検討の方はぜひご相談ください。

三軒茶屋駅の周辺情報を知りたい方はこちら

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居抜き物件のことなら「居抜きの神様」に任せるのじゃ

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